1. TOP
  2. エッセイ & 注目商品
  3. 健康寿命
  4. 健康寿命は「誰と過ごすか」で決まる

健康寿命は「誰と過ごすか」で決まる

「同じような生活をしているのに、あの人のほうがいつも元気そうだな…」

そう感じたことはありませんか?

食事や運動の習慣ももちろん大切ですが、近年は「誰と一緒に過ごしているか」「どんな人間関係に囲まれているか」が、心と体の状態に大きく関わっていると考えられています。厚生労働省の資料や、各自治体の健康づくり施策でも「孤立」「つながり」がキーワードとしてよく取り上げられるようになってきました。

この記事では、人生の後半戦を生きる私たちが、「誰と過ごすか」に目を向けることで、無理なく健康寿命の土台を整えていく考え方をまとめてみました。読んでくださっているあなたが、「今からでも人とのつながりを育て直せるかもしれない」と少しでも感じていただけたらうれしいです。


目次(表示させると見出しが見られますよ!)

なぜ「誰と過ごすか」が健康寿命に影響すると言われているのか

まずは、なぜ人間関係が健康寿命と関係していると考えられているのか、ゆっくり見ていきましょう。

①人とのつながりがストレスをやわらげると考えられている

人はひとりでは生きていけない、というのは精神論だけの話ではなく、医学・心理学の世界でも研究が進んでいるテーマのようです。信頼できる人との会話やスキンシップがあると、自律神経のバランスがととのいやすく、ストレスホルモンが下がる可能性があるとされています。

たとえば、悩みごとをひとりで抱えこんでいるときは眠りが浅くなったり、食欲が乱れたりしやすいですが、誰かに話を聞いてもらっただけで「たいしたことじゃなかったな」と感じて、肩の力がふっと抜けることがありますよね。こうした積み重ねが、長い目で見たときの健康状態に影響していくと考えられています。

②孤立が続くと、生活リズムが乱れやすい

一方で、誰とも予定がなく、話す相手もいない日が続くと、起きる時間・寝る時間、食事の時間がバラバラになりやすいと言われています。自宅にひとりでいると、ついテレビやスマホを見続けてしまい、気づいたら夜更かし…という経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。

もちろん、ひとりの時間そのものが悪いわけではありません。ただ、「いつでもひとりでいられる状態」が続くと、生活リズムを正してくれるきっかけが少なくなり、結果的に活動量が減ったり、筋力が落ちやすくなったりする可能性があると指摘されています。こうした背景から、内閣府の孤独・孤立対策などでも、社会参加の大切さが取り上げられているようです。

③「誰かの役に立っている」感覚が生きる力になる

人と関わることは、単に寂しさを埋めるためだけではありません。「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえる場があると、自分の存在意義を感じやすくなり、明日への活力につながることがあるとされています。

それは仕事だけとは限りません。家族の送迎、孫の見守り、町内会の手伝い、趣味サークルの世話役…どれも立派な「社会との接点」です。「自分なんてもう役に立てることはない」と感じている方ほど、実は周りから見ると「いてくれるだけで安心する存在」だったりします。


家族との関係が心と体の土台になる

まずは、いちばん身近な存在である「家族」との関係から考えてみましょう。家族といっても、同居しているかどうかに関わらず、パートナー・子ども世代・きょうだい・親など、いろいろな形があります。

「一緒にいる時間の長さ」より「安心していられる空気」

家族と過ごす時間が長いからといって、必ずしも健康寿命に良いとは限りません。大切なのは、家の中に「ホッとできる空気」があるかどうかだと感じています。

たとえば、

  • なんでも完璧にこなさないと責められる空気
  • いつも誰かの愚痴や不満ばかりが飛び交っている状態
  • 話をしようとしても、スマホやテレビばかり見ていて目を合わせてもらえない

こうした状態が続くと、家にいても心が休まりません。逆に、会話が多くなくても、

  • 「おかえり」「いってらっしゃい」の一言がある
  • 互いに疲れている日は、ムリに話さなくてもいいと分かっている
  • 体調が悪そうだと、さりげなく声をかけてくれる

このような、ささやかな安心感があるだけでも、心と体はだいぶ守られるように思います。

離れて暮らす家族とも、ゆるくつながる工夫

いまは、子どもや親と別々に暮らしているご家庭も多いですよね。会える頻度が少なくても、

  • 週に一度、短い電話やメッセージを送り合う
  • オンライン通話で顔だけでも見せ合う
  • 写真を送り合って、近況を共有する

といった小さな関わりでも、心の安心感につながると感じています。

とくに高齢の親御さんにとっては、「心配してくれている人がいる」というだけで、日々の生活意欲が変わってくることもあるようです。こうした視点については、各自治体の高齢者見守り事業などでも紹介されていますので、お住まいの地域のホームページなども参考にしてみてください。


友人との時間は「気持ちのビタミン」

家族とはまた違う意味で、大人になってからの友人関係は、心のエネルギー源になってくれます。若い頃のように頻繁に会えなくても、「久しぶり!」と会えばすぐに打ち解けられる友人がいるだけで、人生の心強さが変わってくるように感じます。

「人数」よりも「本音を話せる相手」がいるかどうか

友人関係というと、「たくさん友達がいる人がうらやましい」と感じる方もいるかもしれません。でも、健康寿命という視点で見ると、友達の数の多さよりも、「困ったときに本音を話せる相手が一人でもいるかどうか」のほうが大事だと言われています。

食事の誘いにいつも付き合ってくれる人よりも、具合が悪いときに「大丈夫? 無理しないで」と言ってくれる人。自慢話を競い合う相手よりも、失敗談を笑い合える相手。そういう人間関係が、心の支えになっていくのではないでしょうか。

大人になってから友達を増やす小さな一歩

「この年齢から新しい友達なんてできないよ」と感じる方も多いのですが、実際には、50代・60代から趣味のサークルで友人を増やしている人もたくさんいます。

いきなり「親友」を探そうとするのではなく、

  • 同じ講座や教室で、毎回あいさつを交わす
  • 帰り道が同じ人に「最寄り駅どこですか?」と聞いてみる
  • オンラインのコミュニティで、まずはコメントだけ参加してみる

こんな小さな一歩から、ゆっくり距離を縮めていくイメージのほうが、心にも負担が少ないように思います。


地域コミュニティとの「ゆるいつながり」が孤立を防ぐ

家族や友人だけでなく、「地域とのつながり」も健康寿命を支える要素として注目されています。町内会・自治会・サロン・ボランティア・趣味の集まりなど、参加の形はいろいろです。

がっつり参加しなくてもいい

地域活動というと、「役員を押しつけられそう」「時間を取られそう」というイメージから、距離を置いている方もいるかもしれません。ですが、最近は各自治体でも、負担の少ない参加スタイルを模索しているようです。

たとえば、

  • 月に一度のサロンに、顔を出せるときだけ行く
  • ラジオ体操やウォーキングなど、30分だけの朝活に参加してみる
  • イベント当日のみ、受付や準備を少し手伝う

こうした「ゆるい関わり方」でも、家から一歩出て人と会う機会を作ることで、孤立を防ぐ効果が期待されているようです。地域包括支援センターや市区町村の高齢福祉課などに問い合わせると、近くで行われているサロンや健康教室を教えてもらえることもあります。

ボランティアは「元気な人だけのもの」ではない

ボランティア活動というと、体力のある若い人がやるものだと思われがちですが、実際には、シニア世代が中心になって支えている活動もたくさんあります。

たとえば、

  • 子どもの見守りや読み聞かせ
  • 公園や道路の清掃
  • 認知症カフェや交流スペースのお手伝い

など、重たいものを運んだり、長時間立ちっぱなしになったりしない形のボランティアもあります。自分の体力に合わせて参加できる活動がないか、自治体や社会福祉協議会の情報も参考にしてみてください。


一人の時間も大切にしながら、つながりを増やしていく

ここまで読むと、「人と関わらなきゃいけないのか…」と、少し疲れた気持ちになる方もいるかもしれません。なかには、一人でいる時間が大好きな方もいらっしゃいますよね。

大事なのは、「一人の時間」と「誰かと過ごす時間」のバランスだと思っています。

  • 一人の時間で、体と心を休める
  • 誰かと過ごす時間で、刺激や笑いをもらう

この二つが、ほどよく入れ替わりながら続いていくことが、健康寿命の土台になっていくのではないでしょうか。「いつでも一人でいられる」「誰とも話さなくても平気」という状態が長く続いてしまうときは、少しだけ「人とのつながり」のほうに目を向けてみるタイミングかもしれません。


「誰と過ごすか」を見直したくなったときの3ステップ

ここからは、実際に自分の人間関係を見直してみたいと感じたときの、簡単なセルフワークをご紹介します。紙とペンが一つあればできる方法です。

ステップ1:いま関わっている人を書き出してみる

まずは、深く考えすぎずに、「最近よく会う人」「連絡を取り合う人」を紙に書き出してみます。

  • 家族
  • 親戚
  • 仕事関係(現役・OB・パートなど)
  • 友人・知人
  • 趣味・地域活動で会う人

ここでは、「好きか嫌いか」「良い人間関係かどうか」はいったん脇に置いて、とにかく事実だけを並べていきます。

ステップ2:心が軽くなる人/重くなる人を分けてみる

次に、それぞれの名前の横に、

  • 会ったあとは、なんとなく元気になる・安心する人 → ○
  • 会ったあとは、どっと疲れてしまう人 → △

といった印をつけてみます。ここでも、相手を評価するというより、「自分の心がどう反応しているか」を眺める感覚が大切です。

△がついた人と、すぐに距離を置く必要はありません。ただ、「この人と会うときは、少し自分を守る意識を持とう」「会う頻度を少し減らしてみようかな」といった、ささやかな調整のヒントになるかもしれません。

ステップ3:「増やしたい関係」に一歩だけ近づいてみる

最後に、○がついた人の中から、「この人とは、もう少し話す時間を増やしたいな」と感じる相手を一人選んでみてください。

そして、

  • 近況をメッセージで送ってみる
  • お茶やランチに誘ってみる
  • 同じイベントや講座に誘ってみる

といった、小さな一歩を試してみます。すぐに予定が合わなくても、「また今度ね」というやりとり自体が、人とのつながりを感じさせてくれることもあります。


私自身も、人とのつながりで健康寿命の土台を作り直している途中です

ここからは、サイト運営者である私、和久井朗の話を少しだけさせてください。

私も若いころから決して順風満帆とはいえない生活習慣で、体重の増減をくり返してきました。仕事が忙しくなると、人付き合いは飲み会中心になり、健康診断の結果を見ては「そろそろ本気で変わらないと」と焦る…そんな時期が長く続いていました。

そんな中でライザップに通う決心をしたとき、もちろん食事やトレーニングの指導も大きな助けになりましたが、それ以上に大きかったのは、「自分の体のことを一緒に考えてくれるトレーナー」や「同じように頑張っている仲間」の存在でした。

詳しくは、私の実体験をまとめた
『リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】』
にも書いていますが、「一緒に笑ってくれる人」「ダメな日も責めずに向き合ってくれる人」がいることで、どれほど心が軽くなるかを身をもって感じています。

もちろん、ライザップに通うことが正解という話ではありません。ただ、「誰と一緒に健康づくりをしていくか」「どんな人との関係が、自分の心を支えてくれるか」を意識することは、どんな方法を選ぶにしても共通する大事な視点だと思っています。


今日からできる「誰と過ごすか」の小さな工夫アイデア集

最後に、健康寿命という大きなテーマを、日常の小さな行動に落とし込むためのアイデアをいくつかご紹介します。どれか一つでも、「やってみようかな」と思えるものがあれば、そこから始めてみてください。

①あいさつの回数を一回だけ増やしてみる

家庭内でも、近所の方に対しても、「おはようございます」「こんにちは」といった日常のあいさつは、人とのつながりの第一歩です。いきなり長く話そうとせず、まずはあいさつの回数を一回だけ増やしてみるところから始めてみませんか。

②「ありがとう」を言葉にして伝える

家族や友人に対して、心の中では感謝していても、言葉にする機会は意外と少ないものです。「ご飯おいしかったよ」「送ってくれて助かった、ありがとう」など、短い言葉でも、相手との距離がほんの少し縮まることがあります。

③週に一度、誰かに連絡をしてみる

忙しさや気恥ずかしさから、しばらく連絡を取っていない相手はいませんか? 週に一度だけでも、

  • 昔の同僚に「元気にしてる?」とメッセージを送る
  • 遠くに住むきょうだいに、近況を書いたハガキを出してみる
  • 最近会っていない友人に、写真付きで近況を送る

といった小さな行動を続けてみると、「誰と過ごすか」の選択肢が少しずつ広がっていきます。

④地域のイベント情報をひとつだけチェックしてみる

市区町村の広報誌やホームページには、地域のサロンや講座、健康教室などの情報が載っていることが多いです。「体操教室」「料理教室」「ウォーキングイベント」など、興味を持てそうなものをひとつだけチェックしてみてください。

いきなり申し込まなくても構いません。「こういう場があるんだな」と知っておくだけでも、気持ちの準備体操になると思います。

⑤「この人といると元気になれる」と感じる人との時間を大切にする

人間関係の中には、頑張って無理に続けるよりも、少し距離を置いたほうが心が楽になるものもあります。その一方で、「この人と話すと、なぜか前向きな気持ちになれる」「素の自分でいられる」と感じる相手もいるはずです。

健康寿命という視点で見ると、後者のような相手との時間を少しだけ優先していくことが、自分の心と体を守ることにつながるのではないでしょうか。


まとめ:健康寿命は「誰と過ごすか」を選び直すところから

健康寿命というと、「運動をもっとしなきゃ」「食事をきっちり管理しなきゃ」と、自分ひとりで頑張るイメージを持ちがちです。でも実際には、

  • さりげなく声をかけてくれる家族
  • 本音で話せる友人
  • ゆるくつながれる地域の人たち
  • 一緒に健康づくりを考えてくれる専門家

こうした人たちとの関係があるからこそ、生活習慣を少しずつ整えていく力が湧いてくるのだと思います。

「誰と過ごすか」を変えるのは、一気に大きな決断をすることではありません。今日からできる小さなあいさつや、一通のメッセージ、勇気を出して参加してみた地域の集まりなど、一つひとつの行動が、未来の自分の健康寿命を支える土台になっていきます。

あなたがこれから出会う人、そしてすでに出会っている人たちとの関係が、人生の後半を穏やかで、よく笑える時間にしてくれますように。焦らず、自分のペースで「誰と過ごすか」を選び直していきましょう。

関連記事

  • 【健康寿命】「年を取る」より「成長する」と考える生き方

  • 【健康寿命】新しい挑戦が体を若返らせるという事実

  • 【健康寿命】何歳からでも始められる“リスタート健康法”

  • 【健康寿命】人生100年時代の“健康戦略”を今こそ考える

  • 【健康寿命】老いを恐れず、変化を楽しむ人が長生きする

  • 【健康寿命】体を鍛えるより「心を育てる」健康づくり