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【健康寿命】ボランティアが心を若返らせる理由

年齢を重ねるほど、「人の役に立てている」と感じる瞬間は、心の深いところをあたためてくれるように思います。ボランティア活動は、そのきっかけになりやすいもののひとつです。

この記事では、人生の後半戦を迎える40代〜70代の方に向けて、「ボランティアが心を若返らせる」と考えられている理由や、体力と相談しながらできるボランティアの選び方、続けるためのコツを、健康寿命(元気に動ける時間)の視点からまとめていきます。

むずかしい理屈よりも、「なんだかおもしろそうだな」「自分にもできそうだな」と感じてもらえることを大切にしながら、一緒にイメージをふくらませていきましょう。

目次(表示させると見出しが見られますよ!)

ボランティアが「心の若返り」につながると考えられている理由

まずは、「なぜボランティアが心の若返りにつながる」と言われるのかを整理してみます。ここでいう「若返り」は、しわが消えるとか、白髪が黒くなるといった話ではありません。気持ちが軽くなったり、やる気が戻ってきたり、人と関わるエネルギーが湧いてくるような、内側からの変化をイメージしてもらえると近いと思います。

「誰かの役に立てている」実感が自己肯定感を支える

人は、いくつになっても「自分は役に立っている」と感じられるときに、心の土台が安定しやすいと言われています。仕事をしていたころは、会社やお客さんからの「ありがとう」が、その役割を果たしてくれていたかもしれません。

ところが、定年退職や子育ての卒業などで、日々の役割が少なくなると、「もう自分の出番は終わったのかな」と感じてしまう瞬間が出てくることがあります。ここでうまくバトンを渡してくれるのが、ボランティアです。

・近所の子ども見守り
・地域イベントの受付
・高齢者サロンのお茶出し
・清掃活動でのごみ回収

どんな小さな活動でも、「助かったよ」「来てくれてうれしい」と言われると、「自分にもまだできることがある」と実感しやすくなります。この小さな実感の積み重ねが、自己肯定感(自分を認める気持ち)を支えてくれると考えられています。

感謝の言葉と笑顔がストレスをやわらげる

ボランティアの場では、「ありがとうございます」「助かりました」といった感謝の言葉が多く交わされます。感謝のやりとりは、する側だけでなく、される側のストレスをやわらげる働きが期待されています。

感謝や人とのつながりがストレス軽減や幸福感と関係している、という研究報告もいくつかあります。もちろん個人差はありますが、誰かの役に立ちながら「ありがとう」を交わす時間が、心のささくれを少しずつ丸くしてくれることは、日常の実感としてもあるのではないでしょうか。

「行く場所」と「会う人」ができると毎日にハリが出る

ボランティアを始めると、多くの場合「定期的に行く場所」と「そこに行けば会える人」ができます。これは、健康寿命を考えるうえでとても大切なポイントです。

人は、用事がないと外に出にくくなります。歳を重ねるほど、「今日は寒いからやめておこう」「体が重いからまた今度」と、出かけるきっかけを失いやすくなります。ところが、

  • 「○曜日の午前中は見守りパトロール」
  • 「月1回は子ども食堂の配膳を手伝う」

といった「ゆるい約束」があるだけで、外に出るきっかけが生まれます。外出することで、

  • 足腰を使う
  • 人と会話する
  • 季節の変化を肌で感じる

といった小さな刺激が積み重なり、結果として心身の若々しさにつながりやすくなると考えられています。

研究や行政資料から見えてくる「社会参加」と健康寿命の関係

ボランティアと健康の関係については、日本でも海外でも、さまざまな研究や調査が行われています。ここでは、ごく一部を「参考情報」としてご紹介します。

日本でも「社会参加は生きがい・健康維持につながる」と紹介されている

内閣府の「高齢社会白書」では、高齢期の学習や社会参加(ボランティア・NPO活動など)が、生きがいや健康維持、孤立防止につながるとされています。こうした活動は、地域社会の支え合いを強くし、世代をこえた交流にも役立つとまとめられています。詳しくは、内閣府「令和2年版高齢社会白書・学習・社会参加」も参考になります。

また、公益財団法人 長寿科学振興財団の「社会参加と健康長寿」に関する解説では、ボランティアを含む社会参加が、健康寿命の延伸や孤立防止に役立つ可能性があると紹介されています。こちらも、社会参加の全体像を知るうえで参考になる資料です。社会参加と健康長寿(長寿科学振興財団)

厚生労働省の資料でも、高齢者の就労やボランティア、生涯学習、地域活動などの「社会参加」が、健康寿命を延ばす取り組みの重要な柱のひとつとして位置づけられています。興味があれば、高齢者の社会参加・生活支援の充実に向けた資料なども眺めてみてください。

海外研究でも「ボランティアする高齢者は心身の状態が良い傾向」とされている

海外では、ボランティアと健康の関係を調べた大規模な研究もいくつかあります。たとえば、高齢者を対象にした研究では、

  • 一定時間以上ボランティア活動をしている人は、そうでない人と比べて、死亡リスクや身体機能の低下リスクが低い傾向がある
  • ボランティアをしている人は、うつ症状や強い孤独感を感じにくく、主観的な幸福度が高い傾向がある

といった結果が報告されています。もちろん、「ボランティアさえしていれば絶対に健康になれる」という話ではありませんが、心身の状態と社会参加の間には、ある程度の関係がありそうだということが示されつつあるようです。

こうした研究は、海外の大学や医療機関のサイトで紹介されていますが、一般の私たちとしては、「人と関わり続けることが、心と体の両方にとってプラスに働きそうだ」という方向性だけ、やわらかく押さえておけば十分だと思います。

体力と相談しながら選びたいボランティアの種類

次に、実際にボランティアを選ぶときのポイントを整理してみましょう。健康寿命を意識するなら、「がんばればできる」ではなく、「自分の体力で気持ちよく続けられるかどうか」を基準にしたいところです。

座ってできる・自宅でできるボランティア

持病があったり、長時間立っているのがつらい方は、まずは座ってできるボランティアからスタートするのも良い方法です。

  • 地域の会報やニュースレターの封入・仕分け
  • 自治会のお知らせづくり(パソコンが得意な方)
  • 子ども食堂などでの事務作業
  • 電話相談やオンラインでの傾聴ボランティア(研修が必要な場合もあります)

中には、自宅でできる在宅ボランティアもあります。たとえば、施設や病院向けの折り紙作品づくり、編み物や手芸で作った小物の提供など、得意な手仕事を活かせる場も少しずつ増えています。

軽い移動・立ち仕事が中心のボランティア

「長時間歩くのはまだ不安だけれど、少しくらいなら体を動かしたい」という方には、短時間の立ち仕事が中心のボランティアが向いています。

  • 地域のイベント受付や案内係
  • 図書館での本の返却棚入れ
  • 病院での案内ボランティア(車いすの誘導などは複数人数で)
  • 見守りパトロール(短い距離をゆっくり歩くスタイル)

歩数計をつけておけば、「今日はボランティアで○○歩も歩いたな」とちょっとした達成感にもつながります。移動距離や階段の有無などを事前に確認しておけば、安心して参加しやすくなります。

しっかり体を動かすボランティア

日頃からウォーキングや筋トレなどをしていて、「もう少し体を動かしたい」という方には、体力を活かしたボランティアも選択肢に入ってきます。

  • 河川敷や公園の清掃活動
  • 災害ボランティア(内容によっては高い体力が必要なので要相談)
  • スポーツイベントの運営サポート
  • 子どもたちのスポーツクラブでのサポート

このあたりになると、「若い頃の感覚」で申し込んでしまうと、思った以上に体への負担が大きくなることもあります。主催者に「どのくらいの負荷があるのか」「持病があるが大丈夫か」を相談しながら、自分の体と折り合いをつけていきたいところです。

初めてのボランティア、一歩目をやさしく踏み出すコツ

興味はあっても、「自分にできるだろうか」「迷惑をかけないかな」と心配になる方も多いと思います。ここでは、初めての一歩を軽くするための工夫をいくつかご紹介します。

「月1回・2時間」くらいの小さな始まりで十分

ボランティアというと、「毎週行かないといけない」「長時間がんばらないと意味がない」と感じてしまうかもしれません。ですが、健康寿命の視点で考えるなら、「細く長く続ける」ほうが、心にも体にもやさしいです。

たとえば、

  • 月1回だけの地域清掃
  • イベントがあるときだけの単発参加
  • 年に数回のお祭りサポート

といった形でも、十分に貴重な戦力です。「とりあえず1回だけお手伝いしてみる」くらいの気持ちで始めてみたら、思ったより楽しくて、気づけば何年も続いていた…ということもよくあります。

自分の得意や経験を少しだけ活かしてみる

ボランティアは、「何かすごい特技がないといけない」と思われがちですが、そんなことはありません。ちょっとした得意や経験があるだけで、活動の幅はぐっと広がります。

・事務仕事に慣れていれば、名簿づくりや集計のお手伝い
・子育て経験があれば、子ども食堂や学習支援での声かけ
・料理が好きなら、イベントの簡単な食事づくり
・人の話を聞くのが得意なら、高齢者サロンでのおしゃべり役

「完璧にできること」よりも、「ちょっとだけなら役に立てること」を探してみると、自分でも意外な一面が見えてくるかもしれません。

「お試し期間」を決めておくと気が楽になる

ボランティアを始める前に、

  • まずは3か月だけやってみて、続けるかどうか考える
  • 体調が悪化したり、負担が重くなったらいったんお休みする

といった「お試し期間」を自分の中で決めておくのも、安心材料になります。主催者側にとっても、無理をして続けてもらうより、元気な状態で長く関わってもらえるほうがありがたいはずです。

ボランティアを続けるためのセルフケア

どんなにやりがいのある活動でも、がんばりすぎると疲れてしまいます。ここでは、ボランティアを「自分をすり減らす活動」にしないためのセルフケアの視点を整理しておきます。

「がんばりすぎサイン」に気づく

ボランティアが楽しくても、

  • 帰宅するとぐったりして、翌日も疲れが残る
  • 家事や自分の通院が後回しになっている
  • 「行かなきゃいけない」という義務感ばかりが強くなっている

といった状態が続くようであれば、少しペースを落としたほうがよさそうです。「休む=サボる」ではなく、「長く続けるための調整」ととらえてみてください。

家族や主治医と情報を共有しておく

持病がある方や、服薬中の方は、ボランティアの内容を家族や主治医にも共有しておくと安心です。

・どのくらい歩くのか
・荷物を持つ場面があるのか
・夏場の屋外活動が中心かどうか

こうした情報を伝えたうえで、「このくらいなら大丈夫そうですね」「ここは注意しましょう」とアドバイスをもらえれば、自分も家族も不安が少なくなります。

休むことも立派な準備期間

体調を崩したり、家族の事情で一時的に活動が難しくなることもあります。そのときは、遠慮なくお休みしてかまいません。健康寿命を伸ばすという意味でいえば、調子の悪いときに無理をしてしまうほうが、かえってマイナスになる可能性もあります。

「また動けるようになったら戻ってこよう」と思える余白を残しておくことが、ボランティアを長く続けていくコツのひとつです。

体力づくりが「人の役に立てる喜び」につながった私の体験

ここで少し、私自身の話も挟ませてください。私は、中年期に体重増加や血圧の問題で悩み、思い切ってパーソナルトレーニングジムに通い、食事や運動の習慣を整えていきました。その記録は、「ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!」としてサイトにもまとめています。

体重が落ち、体力がついてくるにつれて、変わったのは見た目だけではありませんでした。「前より歩いても息切れしなくなったな」「重い荷物を持っても腰がつらくないな」と感じる場面が増え、そのうちに、地域の清掃活動やイベントの手伝いにも自然と参加できるようになっていきました。

以前なら、「膝が痛くなりそうだからやめておこう」「腰が不安だから、若い人に頼んだほうがいい」と一歩を引いていた場面で、「自分も動けそうだな」と感じられたことは、心の大きな変化でした。体力づくりをしたからこそ、「人の役に立てる場」が広がった、と感じています。

もちろん、すべての方が同じように運動をする必要はありません。ただ、少しずつでも自分の体を大切にしていくことが、ボランティアなどの社会参加を楽しむ土台になる、という感覚は、多くの方に共通するのではないかと思います。

今日からできる「小さなボランティア」アイデア集

最後に、「いきなり本格的な活動はハードルが高いな」と感じる方に向けて、今日からできる小さなボランティアのアイデアをいくつか並べてみます。

家の中・身近な人へのミニボランティア

  • 家族の通院に付き添い、質問を一緒にメモしてあげる
  • 一人暮らしの親やきょうだいに、定期的に電話をかける
  • 近所の高齢者に、買い物ついでにちょっとした物を届ける
  • 得意な料理を多めに作り、体調を崩している知人におすそ分けする

これらは、正式な「ボランティア活動」と呼ばれないかもしれませんが、「誰かの役に立っている」という感覚を育てる意味では、とても立派な一歩です。

地域の中でできるライトな社会参加

  • 自治体や社会福祉協議会が主催するボランティア説明会に参加してみる
  • 公民館や地域包括支援センターの掲示板を眺めてみる
  • 町内会のイベントの中で、興味のあるものから手伝ってみる
  • 図書館や児童館など、公共施設の「お手伝い募集」をチェックする

実際に活動に参加しなくても、情報を眺めるだけで「こんな関わり方もあるんだ」と視野が広がります。気になったものがあれば、「見学だけでもいいですか?」と聞いてみるのも良いきっかけになります。

オンラインや趣味を活かしたボランティア

  • パソコンやスマホの使い方を周りの人に教えてあげる
  • SNSで、地域イベントやボランティア募集の情報をシェアする
  • 趣味の写真やイラストを、地域の広報物に提供する
  • 得意分野について、初心者向けのミニ講座を開く

こうした「ゆるい活動」も、立派な社会参加です。オンラインで完結するものもあるので、天候や体調に左右されにくいのもメリットです。

まとめ:「無理をしないボランティア」が心の若返りと健康寿命につながる

ボランティアというと、「立派な人がする特別な活動」のように感じてしまうかもしれません。しかし、健康寿命の視点から見れば、ボランティアはもっと身近で、もっと自由なものでもよさそうです。

・誰かの役に立っていると感じられる
・感謝の言葉や笑顔を交わせる
・外に出るきっかけや、人とつながる場ができる

こうした要素が、心の若返りや、元気に動ける時間づくりに少しずつ効いてくると考えられています。

大切なのは、「頑張らなければならないボランティア」ではなく、「自分のペースで、気持ちよく続けられるボランティア」を選ぶことです。月1回・2時間でも、年に数回の単発でもかまいません。むしろ、そのくらいのゆるさのほうが、人生の後半戦とは相性が良いかもしれません。

人生の残り時間を、「誰かの役に立てている」と感じながら、心軽やかに過ごしていく。そのひとつの方法として、ボランティアという選択肢を、頭の片隅に置いてもらえたらうれしいです。今の自分の体力と相談しながら、できそうな一歩から、ゆっくりと試してみてくださいね。

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