健康寿命と筋トレ、プロテインの正しい取り入れ方

筋トレとプロテインの組み合わせは、「最強タッグ」と言われることも多いですよね。実際、筋肉を育てていくうえで、たんぱく質はとても心強い味方になってくれます。
一方で、
「プロテインって飲んだほうがいいのかな?」
「飲みすぎると体に悪そうで、ちょっと怖い」
「そもそも何から始めたらいいのか分からない」
と感じている方も多いように思います。
この記事では、40代~70代の方に向けて、
・健康寿命を意識した筋トレの考え方
・中高年がプロテインと付き合うときの「ちょうどいい距離感」
を、できるだけやさしいことばで整理していきます。
医学的なことはあくまで一般的なお話としてお伝えし、詳しい数値や治療に関することは、かかりつけ医や専門家の情報もあわせて参考にしていただければと思います。
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健康寿命と筋肉の関係をやさしく整理しておこう
「寿命」よりも「元気に動ける年数」を伸ばしたい
健康の話になると、どうしても「何歳まで生きられるか」という寿命の話に意識が向きがちです。ただ、人生の後半戦を意識する年代になると、多くの方が本当に望んでいるのは、
- 自分の足でしっかり歩ける
- 行きたいところに、自分の意思で出かけられる
- 好きな趣味や仕事を、できるだけ長く続けられる
といった、「元気に動ける時間」のほうではないでしょうか。これが、よく言われる「健康寿命」です。
加齢とともに筋肉が減りやすくなる理由
年齢を重ねると、多くの人が「前より疲れやすい」「階段がきつくなった」と感じるようになります。背景にはいろいろな要素がありますが、その一つとして、筋肉量の減少が指摘されています。
専門的には「サルコペニア」といった言葉で語られることもありますが、難しく考える必要はありません。イメージとしては、
- 何十年も使ってきた筋肉が、少しずつやせてくる
- 使う機会が減ると、さらに筋肉が細くなる
- 転びやすくなったり、立ち上がりが重く感じたりする
といった流れが、誰にでも起こりやすくなる、というイメージです。
そこで大切になってくるのが、「適度な筋トレ」と「十分なたんぱく質」。この2つが合わさることで、筋肉の維持・増加に役立つと考えられています。
筋トレ+たんぱく質で期待できること
筋トレとたんぱく質摂取を組み合わせることについては、国内外でさまざまな研究が行われています。国立の研究機関と国内メーカーの共同研究では、たんぱく質の摂取量が増えるほど筋肉量も増えやすいという報告もあるようです。
もちろん、研究結果がそのまますべての人に当てはまるわけではありませんが、
- 筋肉量の維持・向上
- 立ち上がりや歩行のしやすさ
- つまずき・転倒リスクの軽減につながる可能性
など、「元気に動ける時間」を伸ばすうえでうれしい変化が期待できるとされています。
プロテインは「魔法の粉」ではなく、たんぱく質食品のひとつ
まずは食事からが基本。そのうえでプロテインを足していく
プロテインは、ドラッグストアやネットショップでもたくさんの商品が並ぶようになり、「飲まないと損なのかな?」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、プロテインはあくまで「たんぱく質をとりやすくした食品」です。筋肉を自動的に増やしてくれる魔法の粉ではありませんし、飲みさえすれば健康になれるというものでもありません。
基本のスタンスとしては、
- まずは普段の食事(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品)からたんぱく質をとる
- それでも不足しやすいタイミングを、プロテインで補う
という順番で考えておくと、バランスが取りやすくなります。
1日のたんぱく質の目安を「ざっくり」知っておく
たんぱく質の必要量については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」などで、年齢や性別ごとの目安が示されています。18~64歳の推奨量は、男性で1日あたりおよそ65g、女性で50gといった数字が例として挙げられています。
また、東京都福祉保健局のフレイル予防の資料では、高齢者の場合、体重1kgあたり1.0~1.2g程度を目安にする考え方も紹介されています。
とはいえ、「1日○g」と言われても、なかなかピンと来ないですよね。ざっくりとしたイメージとしては、
- 肉や魚:手のひらサイズで20g前後
- 卵1個:およそ6g
- 牛乳コップ1杯:およそ6g
- 納豆1パック:およそ8g
といったイメージで語られることが多いようです(食品によって差があります)。
「毎食、手のひらサイズの主菜+乳製品や大豆製品を1品」くらいを目安にすると、1日のトータルでもそれなりの量に近づきやすくなります。
より詳しい数値や、ご自分の年齢・活動量に合わせた目安を知りたい場合は、
などの公的な資料も参考になります。
こんな人はプロテインが役立つことも
「食事からとるのが基本」とはいえ、現実にはなかなか難しい場面もあります。例えば、
- 朝は食欲がなく、パンとコーヒーだけで済ませてしまう
- 仕事や家事で忙しく、ゆっくり食事を作る時間がとれない
- 胃腸が弱く、肉や魚をたくさん食べると胃もたれしやすい
- ダイエット中で食事量を減らしている
といった方にとっては、「コップ1杯で10~20g前後のたんぱく質がとれる」プロテインは、心強い選択肢になりやすいです。
すべての人に必須というわけではありませんが、「食事だけだとたんぱく質が足りていないかな?」と感じる場面で、無理のない範囲で取り入れてみるイメージがよさそうです。
中高年のための「やさしい筋トレ」とプロテインの付き合い方
強度よりも「続けられること」をいちばん大事にする
筋トレというと、「ジムで重いバーベルを持ち上げる」「限界まで追い込む」イメージが浮かぶかもしれません。ですが、健康寿命を意識する年代では、
- ケガをしないこと
- 息切れしすぎない強度から始めること
- 「これなら続けられそう」と感じられること
といったポイントのほうが、よほど大切だと感じています。
例えば、
- イスからゆっくり立ったり座ったりする動き(イスを使ったスクワットのようなイメージ)
- キッチンの台に手をついて行う腕立て伏せのような動き
- かかとの上げ下ろしでふくらはぎを使う動き
といった「自宅でできるやさしい筋トレ」でも、筋肉にはしっかり刺激が入ります。回数よりも、「翌日に少し筋肉痛を感じるかどうか」くらいを目安に、すこしずつ強度を調整していくイメージで十分です。
筋トレの頻度と休息の考え方
筋肉は、トレーニング中ではなく休んでいるあいだに育つと言われることがあります。中高年の場合も、毎日きつい筋トレを続けるより、
- 週2~3回くらい
- 1日おき、もしくは2日トレーニング+1日休み
といったペースから始める方が、体の負担が少なく、続けやすいように感じます。
特に、日頃の運動量が少ない方は、
「まずは週1回から」「朝晩どちらか5分だけ」
といった小さなスタートでも十分です。体が慣れてきたら、回数や時間を少しずつ増やしていけばOKです。
筋トレ後のプロテインは「ゴールデンタイム」にこだわりすぎない
プロテインの情報を調べると、「筋トレ後30分以内のゴールデンタイムに飲むと良い」といった説明を見かけることがあります。これは、運動後しばらくの間、筋肉がたんぱく質を取り込みやすい状態になると考えられているためです。
たしかに、国内メーカーの解説などでも、運動直後はプロテインを飲む良いタイミングの一つとして紹介されています。ただ、最近では、運動後48時間ほどは筋肉づくりが続いているという説明もあり、「30分を過ぎたら意味がない」というよりは、
- トレーニングをした日のうちに
- 1日のどこかで不足しているたんぱく質を補う
といったゆるやかな考え方でも、十分プラスになると考えられています。
大切なのは、「タイミングに振り回されて疲れてしまうこと」ではなく、「自分の生活リズムに合ったパターンを見つけること」だと思います。
プロテインを「飲みすぎない」ための3つのポイント
ポイント1:量は「少なめスタート+様子見」で十分
プロテインのパッケージを見ると、「1回あたり○gを1日2~3回」などと記載されていることが多いですよね。たしかに、その量を守ることも一つの目安になりますが、中高年の場合は、
- 胃腸の具合
- 普段の食事からのたんぱく質量
- 運動量・体格
などによって、ちょうど良い量が変わってきます。
商品によって差はありますが、国内のメーカーの情報では、1回あたり10~20g程度から始めるケースが多いようです。最初は、
- 1日1回、スプーンすり切り1杯(または規定量の半分)
- お腹の張りや体調に問題がなければ、少しずつ量を増やす
といった「少なめスタート+様子見」のほうが安心かもしれません。
腎臓などに持病がある方や、すでに医師から食事制限の指示を受けている方は、プロテインを増やす前に、必ず主治医や管理栄養士などの専門家に相談するようにしてください。
ポイント2:タイミングは「足りないところを埋める」発想で
プロテインを飲むタイミングについて、国内メーカーの情報などでは、
- 起床後
- 朝食や間食
- 運動の1時間前
- 運動後
- 就寝前
といった場面がよく挙げられています。中高年の場合は、
- 朝ごはんが軽くなりがちな人は「起床後」または「朝食+プロテイン」
- 甘いお菓子が習慣になっている人は「おやつ代わりのプロテイン」
- 筋トレやウォーキングの後は「水分補給+プロテイン」
といった使い方が現実的かもしれません。
タイミングを気にしすぎてストレスになるより、「1日の中でたんぱく質が足りていない部分を、プロテインで補う」くらいに考えておくと、気持ちがラクになります。
ポイント3:種類は「体調と好み」で選ぶ
プロテインには大きく分けて、
- ホエイプロテイン(牛乳由来で、吸収が比較的早いと言われる)
- カゼインプロテイン(牛乳由来で、ゆっくり吸収されると言われる)
- ソイプロテイン(大豆由来で、植物性たんぱく質がとれる)
といった種類があります。「どれが一番良い」というよりは、
- 牛乳でお腹がゆるくなりやすい方は、ソイのほうが合う場合がある
- 味や溶けやすさの好み
- 価格や続けやすさ
など、自分の体質と生活に合うかどうかで選ぶのが現実的です。
メーカー各社のサイトでは、
といった形で、初心者向けのやさしい解説がまとめられています。商品選びに迷ったときは、こうした情報も参考になります。
食事とプロテインのバランスを整えるコツ
一食に「たんぱく質の柱」をひとつ置くイメージ
たんぱく質を意識すると、「何gとればいいか」「プロテインは何杯飲めばいいか」と数字が気になりがちです。もう少しシンプルに考えるなら、
「一食につき、たんぱく質の柱をひとつ決める」
というイメージがおすすめです。
- 朝:卵+ヨーグルト、あるいはプロテイン
- 昼:魚の定食、冷ややっこをプラス
- 夜:鶏肉・豚肉・牛肉のメイン料理+納豆
といった形で、「この一品でたんぱく質をしっかりとっている」という柱が、一食に最低ひとつあると安心です。
プロテインを使う具体的なシーン
私自身や、同年代の知人を見ていて、「ここでプロテインがあると助かるな」と感じる場面は、だいたい次のようなときです。
- 朝食をパンとコーヒーだけで済ませてしまいがちなとき
- 昼食と夕食の間が長く、ついお菓子をつまんでしまうとき
- ジムやウォーキングから帰ってきたものの、すぐに食事が用意できないとき
- 外食が続いて野菜やたんぱく質のバランスが崩れていると感じるとき
こうした場面で、
- お菓子の代わりにシェイクを一杯
- 運動後の水分補給をかねてプロテイン
といった形で使うと、「足りないところを埋める役割」として、ほどよく機能してくれます。
水分と体調に気を配りながら続ける
プロテインは、粉を水や牛乳で溶かして飲むものが中心です。筋トレやウォーキングとあわせてプロテインを飲む場合は、
- 十分な水分補給
- トイレの回数・むくみ・だるさなどの変化をチェック
といった点も、さりげなく意識しておくと安心です。
先ほども触れましたが、腎臓などに持病がある方、医師からたんぱく質制限を受けている方などは、独自の判断で量を増やさず、かならず主治医や専門職に相談してから利用するようにしてください。
私自身のライザップ体験とプロテインとの付き合い方
ここからは、サイト運営者である私自身の話を少しだけ。
私はライザップに通い始めたとき、50代の後半に差しかかっていました。正直なところ、最初は「この年齢から本当に体が変わるのかな?」という不安が大きかったです。
実際にトレーニングが始まると、
・週に数回の筋トレ
・食事の記録
・必要に応じてプロテインの活用
といった生活になりました。
プロテインについても、最初は「飲んだほうがいいのかな」と半信半疑でしたが、「食事だけで足りないところを補うもの」だと考えるようになってから、気持ちがラクになりました。
トレーニング後に一杯飲むだけの日もあれば、疲れている日は無理に飲まない日もありました。それでも、数か月、数年と続けていくうちに、
- 階段の上り下りが楽になった
- 姿勢が変わったと言われるようになった
- 自分で自分の体を「育てている」感覚が生まれた
といった変化を、少しずつ感じるようになりました。
そんな私の詳しい体験は、
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】
にまとめています。数字だけでは伝わりにくい、気持ちの変化や、失敗と試行錯誤の話もたっぷり書いていますので、興味のある方は、あわせて読んでみてください。
プロテインに頼りすぎない「心と習慣」の整え方
数字より「快適さ」で判断してみる
健康情報には、「1日○g」「週に○回」といった数字がたくさん出てきます。もちろん目安として役に立ちますが、その数字を守ろうとするあまり、
- 体調がいまひとつなのに、ノルマだからと無理に筋トレをしてしまう
- お腹がいっぱいなのに、たんぱく質の目標量を達成するためにプロテインを追加してしまう
といったことになると、本末転倒になってしまいます。
中高年のボディメイクでは、「数字よりも、自分の体が快適かどうか」を優先して判断するほうが、結果的に長く続きやすいように感じます。
例えば、
- 筋トレの翌日に、ほどよい疲労感と気分の良さがあるか
- プロテインを飲んだあと、お腹の具合や眠りの質が悪くなっていないか
- 体重や体型だけでなく、「階段が楽になった」「歩くのが好きになった」といった変化があるか
こうした「体と心の声」を、日記やメモで残しておくと、自分にとってのちょうどいいラインが見えやすくなります。
人と比べない、焦らない
ジムやSNSを見ていると、どうしても他人と自分を比べてしまいます。
- 同じ年代なのに、あの人のほうが筋肉がある
- 自分より遅く始めた人のほうが、体が締まってきている
そんなときほど、「自分のスタート地点」を思い出すことが大切だと感じています。
過去の自分と比べて、
- 少しでも歩く距離が増えた
- 座りっぱなしの時間が減った
- タンパク質を意識してメニューを選ぶようになった
こうした変化があれば、それだけで大きな一歩です。
健康寿命を伸ばすボディメイクは、「何歳のときにどんな体型だったか」よりも、「これから先の10年、20年をどう過ごしたいか」を軸にしたほうが、心が落ち着きやすくなります。
まとめ:筋トレとプロテインで「未来の自分」に投資する
ここまで、健康寿命を意識した筋トレとプロテインの取り入れ方について、ゆっくりお話してきました。最後にポイントを整理しておきます。
- 健康寿命とは、「自分の足で動き、やりたいことを楽しめる時間」を伸ばすこと
- そのためには、筋肉の維持・向上が大きな支えになる
- 筋トレとたんぱく質は、その土台づくりに役立つコンビ
- プロテインは「魔法の粉」ではなく、たんぱく質をとりやすくした食品のひとつ
- まずは食事から、足りない分をプロテインで補う考え方が安心
- 量やタイミングは、「少なめスタート」「足りないところを埋める」くらいの感覚で
- 数字よりも、「自分の体が快適かどうか」を基準に調整していく
人生の後半戦に入ると、体の変化に不安を感じることも増えてきます。でも、筋トレとプロテインの力を借りながら、「今の自分にできる小さな一歩」を積み重ねていけば、未来の自分の選択肢は確実に増えていきます。
今日、この記事を読みながら、「イスから立ち上がる回数を少し増やしてみようかな」「次の買い物で、たんぱく質の多い食品を一つカゴに入れてみようかな」と思えたとしたら、それがすでに、健康寿命を伸ばすための立派なスタートです。
焦らず、比べすぎず、これからも一緒に「未来の自分」に投資していきましょう。

