【健康寿命】70代で続ける血管ストレッチ、今からでも間に合う

「70代になってから動き始めても、もう遅いのでは…?」
そんな声を、ときどき耳にします。けれど、からだは意外と素直で、軽い運動やストレッチを続けることで血流のめぐりが変わってくることもあるようです。
ここでは、座ったままでもできる「血管ストレッチ」のような動きを中心に、健康寿命を意識した70代のからだの整え方を、サイト運営者の和久井朗の視点からまとめてみました。
※本記事は、日々の生活習慣づくりのヒントをお伝えすることを目的としています。特定の病気の診断や治療を行うものではありません。持病がある方や体調に不安のある方は、必ず主治医や医療機関に相談しながら読み進めてくださいね。
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70代からの「血管ストレッチ」は、本当に今からでも間に合う?
まずは、「今からでも間に合うのか」という不安から整えていきましょう。
年齢を重ねると、血管のしなやかさが少しずつ低下し、血圧やコレステロールなどの数値にも変化が出てくることがあるとされています。けれど、厚生労働省の身体活動ガイドでは、高齢期であっても「今より少しでもからだを動かすこと」が健康づくりに役立つとされています。
また、日本動脈硬化学会なども、ウォーキングのような有酸素運動を続けることが動脈硬化予防に有用と紹介しています。
参考:日本動脈硬化学会|動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?
つまり「若いころから運動していなかったから、もう手遅れ」というよりも、今できる範囲で、ゆっくり動き始めること自体に意味があると考えられています。
健康寿命は「何歳まで生きるか」より「何歳まで動けるか」
健康寿命とは、「ただ生きている」時間ではなく、自分で身の回りのことをこなし、ある程度自由に動ける時間のことです。
血管の状態は、歩く体力や、疲れやすさ、頭のスッキリ感などにもつながっていきます。70代からの血管ケアは、長生きのためだけでなく、
- 自分の足で買い物に行く
- 旅行を楽しむ
- 孫と散歩をする
といった「やりたいこと」を続けるための土台づくりと言えるかもしれません。
血管と血流をやさしく整えるための基本の考え方
「血管ストレッチ」と聞くと、特別な体操を想像するかもしれませんが、ここでお伝えしたいのは、
- 無理のない範囲で
- こまめにからだを動かして
- 血液のめぐりを助けてあげる
という、とてもシンプルな考え方です。
激しい運動より「ちょこちょこ動く」
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド(高齢者版)」では、体力のある高齢者には週あたりの活動量の目安が示されていますが、同時に、その目安に届かなくても、少しでもからだを動かすことが勧められているとされています。
参考:厚生労働省|健康づくりのための身体活動・運動ガイド(高齢者版)
つまり、「1時間も歩けないから意味がない」というよりは、
- 5分だけでも立ち上がって足首を回す
- テレビを見ながら肩や腕をゆっくり動かす
など、小さな積み重ねでも十分スタートラインになる、という考え方です。
安全のためのチェックポイント
70代から血管ストレッチを始めるときは、次のような点を意識してみてください。
- 痛みや強い違和感が出る動きは避ける
- 息を止めず、自然な呼吸で行う
- めまい・動悸・息切れが強い場合は中止して休む
- 心臓病や重い持病がある場合は、必ず主治医に相談してから始める
日本動脈硬化学会も、高齢の方や動脈硬化のリスクが高い方は、運動の強さや種類について必ず医師に相談を…と注意喚起しています。
参考:日本動脈硬化学会|動脈硬化性疾患の発症を予防するためには?
椅子に座ったままできる「血管ストレッチ」下半身編
ここからは、椅子に座ったままでも取り組みやすい、血流を促す動きをいくつか紹介します。回数や時間はあくまで目安ですので、「少し気持ちいい」くらいで止めておくのがポイントです。
1. 足首回しでふくらはぎポンプを目覚めさせる
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足から心臓へ血液を押し戻すポンプのような役割をしていると紹介されることがあります。
椅子に座ったままでも、足首回しでその働きを助けてあげられます。
- 椅子に浅めに座り、片方の足を少し前に出す
- かかとを床につけたまま、つま先で大きな円を描くようにゆっくり回す
- 内回し・外回しを、気持ちいい範囲で数回ずつ
- 反対の足も同じように行う
ふくらはぎの筋肉が軽く動いている感覚があれば十分です。力を入れすぎる必要はありません。
2. かかとの上げ下ろしで下半身の血流アップ
足首回しに慣れてきたら、かかとの上げ下ろしも組み合わせてみます。
- 両足を床につけて椅子に座る
- つま先は床につけたまま、かかとをゆっくり持ち上げる
- ふくらはぎが軽く張る感覚が出たら、ゆっくりおろす
- これを、自分のペースで数回繰り返す
テレビを見ながらでもできる、シンプルな血管ストレッチです。
3. 太ももの前側をやさしく伸ばす
長く座っていると、太ももの前側が固まりやすくなります。ここを軽く伸ばすことで、股関節まわりの血流も促されやすくなります。
- 椅子に浅めに座り、片方の足を少し後ろに引く
- 姿勢をできる範囲でまっすぐ保ち、太ももの前側が「じんわり伸びる」ところで止める
- 呼吸を続けながら10秒前後キープするイメージ
- 反対の足も同じように
ぐいっと無理に引かず、「じんわり」が合言葉です。
椅子に座ったままできる「血管ストレッチ」上半身編
続いて、肩まわりや腕のストレッチです。上半身をほぐすことで、首・肩の血流だけでなく、呼吸も楽になりやすくなります。
1. 手首・指のグーパー体操
- 両手をひざの上か胸の前に軽く構える
- 指をぐっと握り「グー」、次に大きく開いて「パー」
- これを、呼吸に合わせてゆっくり繰り返す
冷えやすい手先の血流を促すイメージで、力みすぎずに行います。
2. 肩回しで首・肩まわりをゆるめる
- 両肩を耳に近づけるように持ち上げる
- 後ろへ回すように、大きな円を描いて下ろす
- ゆっくり数回繰り返したら、今度は前回しも行う
パソコンやスマホで前かがみになりがちな姿勢のリセットにも役立つ動きです。
3. 胸を開くストレッチで深い呼吸に
- 椅子に座って、両手を腰のあたりで組む(難しければ、手を腰に添えるだけでもOK)
- 軽く胸を張るようにして、視線を少しだけ上に向ける
- 胸の前側が広がる感覚が出たら、そのままゆっくり呼吸する
猫背になりがちな背中をリセットして、呼吸を深くしやすくしてくれる動きです。
4. 首まわりは「やさしく」が鉄則
首のストレッチは、無理をするとめまいや痛みにつながることがあります。次のような“軽い動き”から様子を見ていきます。
- あごをほんの少し引き、首の後ろを伸ばすイメージで数秒キープ
- 左右を向くときも、「痛みが出る手前」で止める
痛みがある場合や首の持病がある方は、自己判断で無理をせず、医師や理学療法士などに相談しながらにしてくださいね。
血管ストレッチと相性の良い「呼吸」と「水分補給」
ストレッチそのものだけでなく、呼吸や水分補給を整えることも、血流を助ける大事なポイントです。
深呼吸でゆったりモードに切り替える
からだが緊張すると、血管もぎゅっと縮こまりやすくなると言われます。そこで、ストレッチの前後に深呼吸を組み合わせてみます。
- 背もたれに軽くもたれ、腰が楽な姿勢をとる
- 鼻からゆっくり息を吸って、お腹がふくらむのを感じる
- 口をすぼめるか、鼻からでもよいので、細く長く息を吐く
- 「吐く方を長め」に意識して、数回繰り返す
呼吸法については、自治体の健康教室や、医療機関のリハビリ指導などでも紹介されることがあります。お住まいの地域の情報もチェックしてみてください。
こまめな水分補給で血液ドロドロを防ぐ
高齢になると、喉の渇きを感じにくくなると言われることがあります。その結果、水分が不足しやすく、血液が濃くなりやすい状態になることも心配されます。
一気にがぶ飲みするよりも、
- 起床時
- 食事の前後
- 入浴の前後
- ストレッチや軽い運動の前後
など、タイミングを決めて少しずつ摂ると続けやすくなります。持病によって水分制限が必要な方は、主治医の指示を優先してくださいね。
毎日の暮らしに「血管ストレッチ」をなじませるコツ
大切なのは「完璧にやること」ではなく、日々の暮らしの中に、無理なく紛れ込ませることです。
時間ではなく「きっかけ」とセットにする
例えば、こんなふうに決めてしまうと、習慣になりやすくなります。
- テレビのCMが入ったら、足首回しをする
- トイレから戻ったら、かかとの上げ下げを数回
- お茶を入れるたびに、肩回しをゆっくり
時計で管理するより、「~したら、ついでにストレッチ」という形の方が、ゆるく続きやすい印象です。
「座りっぱなし時間」を少しずつ減らすイメージで
高齢者向けの身体活動ガイドでも、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することが呼びかけられています。
参考:厚生労働省|健康づくりのための身体活動・運動ガイド(高齢者版)
長時間同じ姿勢でいるときは、30〜60分に一度くらいの目安で、「立ち上がって伸びをする」「足首回しをする」など、短い血管ストレッチを挟んでみましょう。
できなかった日は「リセット」してOK
人間なので、「今日はさぼっちゃったな」という日ももちろんあります。そんな日は、
- 翌朝に深呼吸だけでもやってみる
- 寝る前に手首のグーパーだけやる
など、「一つだけやる日」があっても十分だと、和久井は考えています。続けるコツは、自分を責めないことかもしれません。
血管にやさしい「食べ方」も一緒に整える
血管ストレッチと同時に、食生活を少し見直すことも、健康寿命を考えるうえで大切なポイントです。
日本食パターン+減塩をゆるく意識する
日本動脈硬化学会では、動脈硬化性疾患を予防するための食事として「The Japan Diet」と呼ばれる、日本食パターンの食事を提案しています。
参考:日本動脈硬化学会|The Japan Diet 食生活を見直しましょう
難しく考えすぎずに、
- ごはん+魚・大豆製品+野菜のおかずをそろえる
- 汁ものは具だくさんにして、塩分は控えめに
- 加工食品や菓子パン・スナック菓子は「毎日」ではなく「たまに」にする
といった「ゆるい和食」を意識してみるだけでも、血管にやさしい食べ方の一歩になります。
おやつ・間食も「血管に優しい選び方」に
間食が多くなりがちな方は、
- 揚げ菓子より、素焼きナッツやヨーグルト
- 砂糖の多いジュースより、麦茶やほうじ茶
- ケーキを食べるなら、食後のデザートとして少量に
といった、ちょっとした置き換えも参考になります。ストレスにならない範囲で、「今日はどこを変えてみようかな」とゲーム感覚で取り組んでみるのもおすすめです。
持病や不安があるときの「相談しながら進める」姿勢
高血圧や心臓病、糖尿病などの持病がある場合、運動やストレッチについては、自己判断よりも「相談しながら進める」ことが重要とされています。
- かかりつけ医・主治医
- 病院のリハビリスタッフ(理学療法士など)
- 地域包括支援センターや市区町村の健康相談窓口
こうしたところに相談してみると、自分の体調に合った運動量や注意点を教えてもらえることがあります。
健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)でも、加齢と体力・生活習慣病の関係について、やさしい解説が載っていますので、参考にしてみてください。
参考:健康長寿ネット|体力とは
和久井朗が感じた「今からでも間に合う」という実感
ここからは、少しだけ私自身の話をさせてください。
私はライザップに通って、大きく体重や体調が変わった経験があります。
もちろん、ライザップのような環境がすべての人に必要ということではありません。ただ、「年齢を重ねてからでも、からだは変わる可能性がある」という実感を自分の体で味わった、という意味で、あの期間はとても貴重でした。
そのときの体験をまとめたのが、こちらの記事です。
ハードなトレーニングのイメージが強いライザップですが、実際には、食事の工夫や、日々の生活の動き方を一緒に考えてもらったことが、今の私の「ゆるい血管ストレッチ習慣」にもつながっています。
70代の方に、ライザップと同じことをしてほしい、という話ではありません。むしろお伝えしたいのは、
- 70代からでも、からだは少しずつ変わっていく
- 激しい運動ではなく、「日々の小さな選択」を変えるだけでもいい
- 大事なのは、「もう遅い」とあきらめない気持ち
という3つです。
まとめ:血管ストレッチは「未来の自分への手紙」
70代で血管ストレッチを始めるのは、決して派手なことではないかもしれません。けれど、
- 足首をくるっと回す
- かかとを少し持ち上げる
- 肩をゆっくり回して、胸をひらく
- 深く息を吸って、長く吐く
こうした小さな動きは、数年後・十年後の自分のための「静かな準備」でもあります。
健康寿命は、「がんばった人だけが手にするご褒美」ではなく、日々のささやかな工夫を積み重ねた人に、少しずつ近づいてくるものだと、私は感じています。
今日この瞬間からでも、
- テレビの前で足首をくるくる
- お茶を飲みながら肩をストンと落とす
- 寝る前に深呼吸を3回だけ
そんな「今からでも間に合う血管ストレッチ」を、一つだけ選んでみませんか。
未来のご自分が、「あのとき始めてくれてありがとう」と、きっと静かに喜んでくれるはずです。

