【健康寿命】「食べなければ痩せる」の誤解が健康を壊す理由

「若いころと同じようには体重が落ちない」「とりあえず食べる量を減らしている」
そんな声をよく耳にします。
実は僕自身も、リバウンドをくり返していたころは
「夜を抜けば何とかなるだろう」「忙しい日はお昼をスルー」
という“食べないダイエット”に走っていました。
ところが結果は、体はだるい、気分は落ちこむ、
しかも、しばらくすると体重がドーンと戻る……。
この経験から、「食べなければ痩せる」という考え方が
健康寿命にとってどれだけ危ういかを痛感しました。
この記事では、「食べないダイエット」がなぜ健康寿命を削ってしまいやすいのか、
そして、“食べながら”体重と付き合う考え方を、
人生の後半戦を生きる仲間としてお伝えしていきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
この記事のスタンスと注意点
- 医療行為や治療の説明ではなく、あくまで一般的な生活習慣の話です。
- 公的機関などの情報を参考にしていますが、効果を断定するものではありません。
- 持病がある方やお薬を飲んでいる方は、自己判断を急がず、主治医や医療機関にも相談してください。
1. 「食べなければ痩せる」が招きやすい落とし穴
まずは、「食べないダイエット」で体の中で何が起きているかを、
イメージしやすい言葉で整理してみます。
1-1. 体は“省エネモード”になってしまう
人の体はとても賢くて、「エネルギーが足りない」と感じると
省エネモードに切り替わるようにできているといわれています。
極端に食事量を減らすと、体は
「これは飢餓状態かもしれない」「今あるエネルギーを長持ちさせよう」
と判断し、筋肉を分解してエネルギーに変えようとすることがあるようです。
筋肉が減ると基礎代謝が低下し、
同じ量を食べてもエネルギーを消費しにくい体質へ傾きやすいと考えられています。
「食べないようにがんばっているのに、だんだん痩せにくくなる」
という不思議な現象の裏側には、こうした省エネモードの働きがあるとされます。
1-2. 筋肉が減ると、健康寿命に直結する
40代以降の僕たちにとって、筋肉は“贅肉”ではなく「資産」です。
歩く・階段を上る・荷物を持ち上げるといった、
ごく当たり前の日常動作を支えているのは筋肉だからです。
高齢期の健康課題としてよく取り上げられる
サルコペニア(加齢による筋肉量・筋力の低下)や
フレイル(要介護の一歩手前の虚弱な状態)も、
筋肉量との関係が指摘されています。
特に、エネルギー不足やたんぱく質不足が続くと、
筋肉が落ちやすくなるといわれています。
「体重が落ちて喜んでいたら、実は筋肉ばかり減っていた」
ということになると、健康寿命を削りながら痩せている状態になりかねません。
1-3. リバウンドしやすい体になる理由
食事量をぐっと減らすと、短期間で体重が落ちることがあります。
ただ、その多くは
- 体の水分
- 筋肉
- 一時的に減った糖質のストック
などが減っただけ、というケースも少なくありません。
省エネモードになった体は、食事量が元に戻った途端、
「今のうちにため込もう」と働きやすいと考えられています。
その結果、
- 以前よりも少ない量でも太りやすい
- 短期間で体重が戻る・むしろ増える
といった、いわゆるリバウンドが起きやすくなります。
「食べなければ痩せる」は、一時的な数字の変化は見えても、
中身(筋肉・体力・代謝)をボロボロにしてしまう可能性がある。
ここが、健康寿命という視点から見た最大の落とし穴です。
2. 「痩せていれば健康」とは限らない
もう一つ、人生の後半戦で意識しておきたいのが、
「細い=健康」ではないという点です。
2-1. 痩せすぎは、むしろリスクになることも
高齢者の健康状態を調べた研究では、
やせ傾向の人ほど、病気や低栄養のリスクが高くなる傾向がある、
という報告もあります。
もちろん、やせている人がすべて不健康という意味ではありませんが、
「体重が軽ければ軽いほどいい」というものでもないようです。
「食べないダイエット」で無理に体重を落とし続けると、
体力や免疫力が落ち、ちょっとした病気から回復しにくくなる可能性もあります。
風邪をひきやすくなったり、疲れが取れにくくなったりしていないか、
自分の体のサインをていねいに拾ってあげたいところです。
2-2. 見た目スリムでも「かくれ低栄養」のことも
最近は、見た目がスリムでも、実は筋肉が少なく、
体の中身が“スカスカ”になっている状態も話題になっています。
例えば、
- 体重は増えていないのに、お腹まわりだけぽっこりしてきた
- 太ももが細くなり、階段がつらくなってきた
- ちょっとした段差でつまずきやすくなってきた
こんなサインがあるときは、
筋肉と栄養が足りていないサインかもしれません。
40〜70代は、まだまだ動ける年代です。
だからこそ、「細いかどうか」だけで一喜一憂するよりも、
・食欲は保てているか
・日常生活の動きはスムーズか
・疲れやすさやフラつきはないか
といった、「生活のしやすさ」で体の状態を見ていきたいところです。
2-3. 不安になりすぎず、早めの相談を
体重の大きな変化や、急なやせ、食欲の低下が続くときは、
背景に病気が隠れている場合もあります。
「年だから」と一人で抱え込まず、
かかりつけ医や地域の保健師さんなどに、早めに相談してみてください。
この記事でお伝えしたいのは、
「痩せていることそのもの」よりも
「どうやってその状態になったのか」が大事だということです。
食事を抜いて無理に痩せたのか、
バランスよく食べて、動いて整えたのか。
健康寿命にとっては、ここが大きな分かれ道になります。
3. 「食べながら整える」ほうが、結果的にうまくいく
ここからは、体重を「食べながら」整えていく考え方を、
いくつかのポイントに分けてお話しします。
3-1. 1日3回のリズムを大切にする
健康づくりの基本として、「1日3食をなるべく規則正しく」という考え方があります。
朝・昼・夜のリズムが整うことで、
- 体内時計が安定しやすい
- 空腹が強くなりすぎるのを防ぎやすい
- ドカ食い・間食のしすぎを避けやすい
などのメリットが期待できるといわれています。
食事を抜くと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなったり、
「今日はがまんしたから」とつい食べ過ぎてしまったりと、
かえってコントロールが難しくなることもあります。
まずは、「抜かないで、量と内容を少しずつ調整する」という方向に
舵を切ってみると、結果的にラクに続けやすくなります。
3-2. 40〜70代こそ、たんぱく質を味方につける
年齢を重ねるほど、筋肉をキープするために
たんぱく質を意識してとることが大切だとされています。
公的な資料でも、
高齢期のたんぱく質摂取量の目安として、
体重1kgあたり1.0〜1.2g程度を紹介しているものがあります。
体重50kgの方なら、1日50〜60gといったイメージです。
(腎臓などのご病気がある場合は、主治医の指示を優先してください)
とはいえ、グラム数を毎日きっちり数えるのは大変です。
そこで、僕がおすすめしたいのは、「手のひら1枚ルール」です。
- 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など
どれか1つを、自分の手のひら1枚ぶんくらい毎食入れる - おかずを選ぶときは、「たんぱく質があるか?」をまずチェック
こうして“メインのお皿”をたんぱく質中心にしておくと、
自然と筋肉の材料が入ってきやすくなります。
3-3. 「量を半分」ではなく「質を一段アップ」の考え方
ダイエットをしようとすると、
つい「ご飯を半分」「パンを抜く」といった、
“引き算だけ”の考え方になりがちです。
もちろん、食べ過ぎている場合は、量を少し控えることも大切です。
ただ、量だけを減らして中身がスカスカだと、
満足感も栄養も足りなくなり、続きにくくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、「質を一段アップ」という発想です。
- 白いパンだけでなく、ゆで卵やヨーグルトをプラスしてみる
- ラーメン単品ではなく、サラダや焼き魚を足して麺の量を少し減らす
- お菓子をやめるのではなく、ナッツやチーズ、ゆで卵などに置き換える
このように、「減らす前に、何を足すか」を考えてみると、
心も体もラクなまま、少しずつ体重が整いやすくなります。
4. 僕が実感した「食べて痩せる」ほうが楽という経験
僕は、過去に何度も自己流ダイエットでリバウンドをくり返してきました。
極端な食事制限で一気に体重を落としては、
ストレスと反動で食べすぎ、あっという間に元通り……。
そんなことを何年も続けてきたんです。
転機になったのは、「しっかり食べながら体を変える」という方法に出会ったことでした。
3食+間食を上手に組み合わせ、
たんぱく質と野菜をしっかりとりながら体重を落としていく。
正直最初は半信半疑でしたが、体験してみると、
空腹との戦いが少ない分、圧倒的にラクだったんです。
詳しい話はここでは割愛しますが、
僕のリバウンド経験からの学びや、
どんなふうに「食べながら」体を変えていったのかは、
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】
でまとめています。
「食べないダイエット」から抜け出したい方のヒントになればうれしいです。
5. 今日からできる「食べないダイエット」卒業ステップ
ここからは、
「じゃあ、具体的に何から変えればいいの?」
というところを、ゆるめのステップに分けてみます。
5-1. ステップ1:1日3回、何かは口にする
まずは、「抜かない」ことをゴールにしてみましょう。
- 朝はバナナとヨーグルトだけでもOK
- 昼が忙しい日は、おにぎり+ゆで卵でもOK
- 夜は軽めのお味噌汁と豆腐だけの日があってもOK
大事なのは、「ゼロの時間を作らない」ことです。
体に「ちゃんと食べ物が入ってくるよ」と伝えてあげるイメージです。
5-2. ステップ2:毎食、たんぱく質の“手のひら1枚”を意識
ステップ1が少し慣れてきたら、
「毎食、たんぱく質を何か1つ」というルールを足してみましょう。
例えば、
- 朝:納豆+卵かけご飯
- 昼:鶏肉のおかずが入ったお弁当を選ぶ
- 夜:魚料理か、豆腐・厚揚げをおかずに足す
「手のひら1枚ぶん」を目安にしながら、
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などをローテーションしてみてください。
体が少しずつ“満たされてくる”感覚が出てくると、
甘いものやスナックへの衝動も、自然と落ち着いてくることがあります。
5-3. ステップ3:体重より「できたことメモ」を残す
ダイエット中は、体重計の数字に心が振り回されがちです。
とくに「食べないダイエット」に慣れていると、
数字が落ちないと
「こんなにがんばっているのに」と落ち込んでしまいがちです。
そこで僕がおすすめしたいのが、
「できたことメモ」をつけることです。
- 今日は3食とも何かしら食べられた
- お菓子をやめて、ナッツに置き換えられた
- たんぱく質のおかずを意識して選べた
こんな小さな“前進”を書き残しておくと、
数字の上下だけに振り回されにくくなります。
健康寿命をのばすうえで大事なのは、
「続けられるやり方を積み重ねていくこと」だからです。
6. まとめ:「食べること」は、未来の自分への投資
ここまで、「食べなければ痩せる」という考え方が、
なぜ健康寿命を削ってしまいやすいのかを見てきました。
- 極端な食事制限は、筋肉を削り、省エネモードを招きやすい
- 筋肉が減ると、疲れやすさ・転倒・フレイルなどのリスクが高まる
- 「細い=健康」ではなく、やせすぎがリスクになることもある
- 1日3食のリズムと、たんぱく質を意識した食事が、健康寿命の土台になる
- “食べながら整える”やり方は、心のストレスも少なく続けやすい
人生の後半戦を元気に楽しむためには、
「今の体重」よりも「10年後も動ける体」をイメージして、
毎日の食事と付き合っていきたいところです。
今日のごはんを、一口減らすか、一口“質を上げる”か。
その小さな選択の積み重ねが、
これからの健康寿命をじわじわと支えてくれると、僕は感じています。
「食べなければ痩せる」というきついルールから、
そろそろ自分を解放してあげましょう。
「ちゃんと食べて、それでも軽やかに動ける体」を、一緒に目指していけたらうれしいです。
7. 公的情報なども参考にしながら、自分に合うペースで
低栄養や高齢者のたんぱく質摂取については、
国や自治体のサイトでもわかりやすく解説されています。
より詳しい数字や背景を知りたいときは、次のような情報源も参考になります。
数字を見るとつい「守らなきゃ」と力が入ってしまいがちですが、
大切なのは、自分の生活に無理なく取り入れられることです。
できるところから、ゆっくりペースで整えていきましょう。

