デッドリフト徹底解説|腰を守る正しいフォームとコツ

デッドリフトは「床から物を持ち上げる」動きの代表格。お尻・もも裏・背中をまとめて鍛えられる一方で、フォームが崩れると腰に負担が集中しやすい種目でもあります。この記事では、腰を守りながら効果を出すための基本フォーム、よくあるNG、目的別バリエーション、そしてライザップ視点の進め方までを、できるだけわかりやすくまとめます。
※ライザップのサポート方針(安全優先・フォーム最優先・段階的に負荷アップ)は基本的に共通ですが、細かなキュー(声かけ)やチェックの順番、補助の入れ方はトレーナーによって若干異なる場合があります。大事なのは「その日の身体に合った安全な形」を作ること。違和感があるときは遠慮なく伝えましょう。
先に全体像を見たい人はこちら:ライザップでできる筋トレ種目一覧|初心者向けにわかりやすく解説
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
デッドリフトはどんなトレーニング?
デッドリフトで鍛えられる部位と主な効果
デッドリフトは「ヒップヒンジ(股関節を折りたたむ動き)」を使って、下半身と背面(身体のうしろ側)を一気に鍛える種目。見た目にも姿勢にも効きやすい“背面強化の王道”です。
- お尻(大殿筋):ヒップアップ、骨盤の安定に貢献
- もも裏(ハムストリングス):脚の引き締め、走る・階段の推進力UP
- 背中(脊柱起立筋・広背筋など):姿勢改善、背中の厚み、肩が前に巻きにくくなる
- 体幹(腹圧・腹筋群):腰を守る“コルセット”を作る感覚が身につく
- 握力・前腕:バーを握り続けるだけで地味に鍛えられる
「背中が丸い」「お尻が垂れてきた」「腰が不安で重いものが怖い」みたいな悩みは、実は“正しい持ち上げ方”が身につくと改善しやすいです。デッドリフトはその練習にもなります(ただし無理な重量は絶対にNG)。
こんな人におすすめのデッドリフト
- 下半身を引き締めつつ、ヒップラインも上げたい
- 姿勢を良くしたい(猫背・反り腰を整えたい)
- 脚だけじゃなく背中も鍛えて、全身の代謝を上げたい
- 筋力アップ・体力アップを狙いたい(基礎種目を強くしたい)
- 「腰が不安」だからこそ、正しい動き方を覚えたい(軽い負荷から)
逆に、急性の腰痛があるとき、しびれが出るとき、医師から制限を受けているときは、自己判断でやらずに専門家へ。安全第一が最強の近道です。
デッドリフトの正しいやり方(フォーム解説)
基本フォームのステップ
スタートポジションのつくり方
ここが9割。スタートが整うと、持ち上げるのがラクになって腰も守れます。
- 足幅:基本は腰幅(足の付け根の幅)くらい。つま先はやや外(10〜20度)でOK。
- バー位置:足の真ん中(靴ひもの上あたり)の真上にバーが来るイメージ。スネに近い位置が基本。
- 握り:肩幅より少し広い程度でバーを握る。まずは両手オーバーハンド推奨(左右非対称の握りは慣れてから)。
- 背中の形:胸を軽く張り、肩をすくめず“脇を締める”。背中は丸めない&反らしすぎない(まっすぐ)。
- 股関節の位置:しゃがみすぎない。お尻を後ろに引き、もも裏が伸びる位置にセット。
- 腹圧:お腹に空気を入れて、ベルトみたいに360度ふくらませる感覚(息を止めっぱなしではなく“圧を作る”)。
合言葉:「バーは体に近く、背中はまっすぐ、腹圧で鎧(よろい)を着る」。
動作中のポイント(上げる・下ろす時の意識)
上げるときは“引っ張り上げる”より“床を押す”が安全で強いです。
- 上げる:足で床を押しながら、バーをスネ〜太ももに沿わせる。バーが身体から離れるほど腰がキツくなる。
- 膝と股関節:最初は膝が少し伸びつつ、股関節も同時に開いていく。どっちかだけ動くと崩れやすい。
- トップ(立ちきる):胸を張り、骨盤はニュートラル。腰を反らして「えび反りフィニッシュ」しない。
- 下ろす:まず股関節を後ろに引く(お尻を後ろへ)→バーが膝を越えたら膝を曲げて床へ。ドスン禁止。
テンポは「スッ…」とコントロールできる速さでOK。雑に速いほど危険度が上がります。
呼吸のタイミングと目線・姿勢
- 呼吸:セット前に息を吸って腹圧を作る → 持ち上げ中は圧を保つ → トップで小さく吐く or 次の反復に合わせて整える。初心者は「1回ごとに一呼吸」でもOK。
- 目線:基本は斜め前の床。天井を見上げると首が反って背中も崩れやすい。
- 姿勢:「背中まっすぐ+脇締め+バーを体に近づける」をずっと維持。
腰を守る最大のコツは、腹圧とバーの距離。腹圧が抜ける&バーが離れると、腰に請求書が届きます(しかも高額)。
よくあるNGフォームとケガを防ぐコツ
ありがちな間違い①(デッドリフト特有のミス)
バーが身体から離れる(前に流れる)のが、デッドリフトのあるある事故。
- 原因:スタートでバーが足の真ん中にない/脇がゆるい/股関節が前に突っ込む
- 対策:「バーはスネに沿わせる」、「脇を締めてバーを自分の脚に貼る」、「最初に腹圧」
ありがちな間違い②(腰・肩・膝など関節まわり)
- 背中が丸まる(猫背デッド):腰に負担が集中。軽い重量でも痛めやすい。→ 重量を下げる/可動域を狭くする/フォームを作り直す。
- 腰を反らしすぎる(反り腰デッド):トップで反る人が多い。→ 「肋骨を下げる」「お尻を締めて骨盤ニュートラル」意識。
- 膝が内に入る:股関節が弱い・足裏が不安定。→ 足裏3点(かかと・親指付け根・小指付け根)で踏む、膝はつま先方向へ。
- 肩がすくむ/腕で引く:首肩が固まる。→ 「腕はフック」「肩は下げる」「脇を締める」。
安全に続けるためのチェックポイント
- 痛みのサイン:鋭い痛み・しびれ・フォームを戻しても違和感が増える → 即中止。
- フォーム優先:回数より「同じ形で反復できるか」。崩れたらセット終了でOK。
- 重量の上げ方:いきなり跳ね上げない。少しずつ(小刻み)増やす。
- 動画で確認:横から撮ると、背中の丸まり・バーの軌道が一発でバレる(バレたら直せる=強い)。
- ウォームアップ:股関節・ハムの動き出しを作ってから。いきなり本番重量は事故率UP。
目的別デッドリフトのバリエーション
初心者向けのやさしいデッドリフト
「腰が怖い」「フォームが分からない」人は、まず“安全に形を作る版”から始めるのが勝ちです。
- ラックプル(高い位置から):バーのスタートを高くして可動域を短く。背中が丸まりにくい。
- ブロックデッド(台の上から):プレートの下に台を置いて床の高さを上げる。これも安全度UP。
- ケトルベルデッド:バーよりも扱いやすく、軌道が分かりやすい。初心者の第一歩に◎。
- ヒップヒンジ練習(棒・タオル):背中に棒を当てて「頭・背中・お尻」の3点を保ち、股関節を折る練習。地味だけど最強。
初心者は「床から引くこと」より「背中を守れる形を作ること」を最優先にしましょう。床スタートは、その次で十分間に合います。
中級者向けの発展デッドリフト
- ルーマニアンデッドリフト(RDL):膝を軽く曲げたまま、股関節主導でハムに効かせる。フォーム作りにも良い。
- テンポデッド:下ろす動作をゆっくり(例:3秒)にしてコントロール力を上げる。重量は軽めでOK。
- ポーズデッド:膝下あたりで一瞬止める。腹圧・軌道の雑さが露呈するので、弱点つぶしに強い。
- 重量アップ:回数を欲張らず、フォームが維持できる範囲で少しずつ。強くなるほど丁寧さが大事。
中級者は「腰で引けちゃう」分、逆に危ないです。強くなるほど“サボりフォーム”も強くなるので、定期的にフォーム点検を入れていきましょう。
自宅トレ・少ない器具で応用するデッドリフト
- ダンベルデッド:左右にダンベルを持って行う。バーよりフォームが作りやすい人も多い。
- チューブヒンジ:チューブを足で踏み、股関節を折って立つ。負荷は軽いが動きの学習に◎。
- バックパック(リュック)ヒンジ:教科書方式。重い荷物を背負ってヒンジ練習(安全第一で)。
自宅は高重量が扱いにくい分、フォーム練習に向いてます。「股関節で折る」「背中まっすぐ」「腹圧」だけでも身につくと、ジムでの伸びが速いです。
ライザップセッションでのデッドリフトの進め方
初期セッションでのデッドリフトの扱い方
体力や動きのクセを見ながらデッドリフトを試す流れ
ライザップでは、いきなり重いバーを引かせるよりも、まず「動きのクセ」と「安全なフォーム」を優先する流れになりやすいです。
- カウンセリングで既往歴(腰痛歴など)や不安点を確認
- 姿勢・可動域チェック(股関節・足首・背中の動き)
- ヒップヒンジや軽い負荷で動作確認(棒、ケトルベル、軽いバーなど)
- 問題がなければ段階的にデッドリフト系を採用
「デッドリフトが向くかどうか」自体も、その人の体力・柔軟性・目的で変わります。ここは焦らず“適性チェック”が大切。
その人の目標・体力に合わせた負荷と回数の決め方
目安としては、フォームが崩れない範囲で「余力が少し残る」くらいから入りやすいです。
- ダイエット・引き締め:中回数(例:8〜12回)で丁寧に
- 筋力アップ:低〜中回数(例:3〜8回)だが、まずはフォーム最優先
- 腰が不安:回数より「軽い負荷で美フォーム反復」+可動域調整
トレーナーはその日の調子(睡眠・疲労・痛み)も見て、同じ種目でも負荷・回数・セット数を微調整していきます。
柔軟性や痛みの有無を確認して、無理のない範囲からスタート
特にデッドリフトは、股関節の柔軟性や背中の保持力が不足すると、腰が代償しやすいです。だからこそ、
- 可動域を短くする(ラックプル・ブロックデッド)
- フォーム学習を増やす(ヒンジ・RDL)
- 痛みが出る角度を避ける(その範囲は今はやらない)
みたいに、最初から“逃げ道(安全ルート)”を用意することが多いです。逃げ道は弱さじゃなく、継続の技術です。
セッション中のフォームチェックとサポート内容
トレーナーが見ているポイント(姿勢・関節の角度・軌道など)
デッドリフトで特に見られやすいのはこのあたり。
- 背中の丸まり:スタート〜引き上げ中に崩れていないか
- 腹圧:息が抜けて腰が折れていないか
- バーの軌道:体から離れていないか(スネ〜太ももに沿っているか)
- 股関節主導:しゃがみすぎ・腰だけで引く、になっていないか
- フィニッシュ:反りすぎず、ニュートラルで立てているか
ここはトレーナーのキューが少し違う場合があります(例:「胸を張る」派と「肋骨を下げる」派など)。ただ、目的は同じで“背中を安全な形に保つ”ための言い方違い、と思ってOKです。
その日のコンディションに合わせた回数・セット数の調整
デッドリフトは疲労の影響が出やすいので、セッションでは「今日は重くいく日」「今日はフォームの日」みたいに調整が入ることもあります。
- 睡眠不足・腰の張りがある → 可動域短め/重量控えめ/フォーム練習多め
- 調子が良い → 設定重量を少し上げる/発展バリエーションを試す
- フォームが崩れた → その時点でセット終了、別種目へ切り替え
“頑張る日”より“安全に積み上げる日”の方が多いくらいで、むしろ伸びます。
きつい場面での声かけ・メンタル面のサポート
デッドリフトは「怖さ」が出やすい種目。そこでメンタル面の支えが入るのは大きいです。
- 「今のフォーム、すごく良い」など具体的に良かった点を言語化
- 「次はバーを脚に沿わせるだけ意識」など、ポイントを絞る
- 不安が強い日は、種目を変えて成功体験を優先
怖さがある状態で無理に引くのは事故率が上がります。安心して成功できる負荷設定が、結果的に一番早いです。
ケガ予防とメニュー調整のしかた
違和感や痛みが出たときの負荷変更・種目入れ替え例
- 腰に張り → ラックプル/ブロックデッド/RDLへ変更、重量ダウン
- 背中が丸まりやすい → ヒンジ練習+軽いケトルベルデッドへ戻す
- 握力が先に限界 → ダンベルに変更、回数を調整(※道具の使用は方針により)
痛みの種類によっては即中止が正解です。違和感を「根性」で押し切るのは、長期的に損しかしません。
自宅でのやりすぎ防止と、頻度の目安
デッドリフト系は疲労が残りやすいので、初心者ほど「やりすぎ防止」が大切。
- 目安:週1〜2回(他の下半身種目との兼ね合いで調整)
- 自宅練習は軽負荷でフォーム中心(追い込みすぎない)
- 腰やハムの張りが強い日は休む(休むのもトレーニング)
セッションごとの振り返りを次回のデッドリフトにどう活かすか
伸びる人ほど「何が良くて、何が崩れたか」を短くメモします。
- 今日の良かった点:例)バーが脚から離れなかった
- 課題:例)3回目で腹圧が抜けた
- 次回の一言目標:例)最初に腹圧を作ってから引く
この“1個だけ改善”を積むと、フォームが固まり、自然に重量も上がっていきます。
デッドリフトに関するよくある質問
頻度・セット数・重量に関する質問
Q:週に何回やればいい?
A:初心者は週1回でも十分効果が出ます。慣れてきて週2回にする場合は、強度を分ける(重めの日/軽めの日)と安全です。
Q:何回何セットが目安?
A:フォームが崩れない範囲で、8〜10回×2〜3セットあたりが入り口としてやりやすいです。筋力狙いで回数を減らす場合でも、まずはフォームが固まってから。
Q:重量はどう決める?
A:「最後の1〜2回がキツいけど、形は崩れない」くらいが目安。腰に不安がある人は、キツさより“美フォーム”優先で軽めからでOKです。
体力に自信がない人向けの始め方
Q:バーを持つのが怖い…
A:怖いのは正常です。まずはヒンジ練習→ケトルベルやダンベル→可動域短め(ラックプル)と段階を踏みましょう。怖さが消える=動きが身についたサインです。
Q:腰が弱いけどやっていい?
A:状態によります。痛みがあるときは避けるのが基本。痛みはないけど不安、という場合は軽負荷・短可動域・フォーム学習中心で、専門家のチェックを受けながら進めるのが安全です。
他の種目との組み合わせ方・メニュー例
デッドリフトは全身疲れやすいので、組み合わせは“欲張りすぎない”のがコツ。
- 引き締め寄り:デッドリフト(軽〜中)+ラットプルダウン/ロー系+プランク
- 下半身強化:デッドリフト(フォーム重視)+スクワット(軽め)+ヒップスラスト/ヒップリフト
- 姿勢改善:RDL+背中の種目(ロー)+腹圧系(デッドバグ等)
同日に「脚も背中も全部高重量!」は、上級者でもリスク高め。まずは“安全に続く設計”が勝ちです。
まとめ|デッドリフトを安全に続けて効果を出すために
デッドリフトは、背面をまとめて鍛えられる超優秀種目。でも腰を守るには、フォームと段階設計が必須です。
- スタートを整える(背中まっすぐ・腹圧・バーは体に近く)
- バーを離さない(スネ〜太ももに沿わせる)
- 反りすぎない(トップはニュートラルで立つ)
- 怖い日は軽くてOK(安全ルート=継続ルート)
ライザップではフォームチェックと調整を重視して進めることが多いですが、細かなサポートの仕方はトレーナーによって少し違う場合もあります。だからこそ、気になる違和感や不安はその場で共有して、あなたの身体に合う“安全なデッドリフト”を作っていきましょう。
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