【健康寿命】家族の健康を守る人こそ一番元気になれる

家族の健康をいつも気にかけている人は、まわりから見ると「大変そう」に見えるかもしれません。
でも、少し視点を変えると、家族の健康を守ろうとする人は、実は自分自身の健康寿命も伸ばしやすい存在だと感じています。
なぜなら、「誰かを大事にしたい」という気持ちが、そのまま自分の生活習慣を見直すエネルギーにもつながっていくからです。
とはいえ、がんばりすぎて自分が倒れてしまっては本末転倒です。
この記事では、40〜70代の読者の方に向けて、
- 家族の健康を気にかける人が、なぜ一番元気になりやすいのか
- 「頑張りすぎ」を防ぎながら、家族と自分の健康寿命を一緒に守るコツ
- 行政・専門家のサービスを上手に使うヒント
などを、できるだけ日常のイメージが湧く形でまとめていきます。
難しい専門用語や厳しいノルマの話ではなく、「これなら自分の家族でもできそうだな」と感じてもらえるような内容を目指しています。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
1. 「家族の健康を守る人」が一番元気になりやすい理由
まず、「家族の健康を気にかける人ほど、自分の健康習慣も整いやすい」と言われる理由から考えてみます。
① 家族のためのアンテナが、そのまま自分の健康アンテナになる
たとえば、親の血圧が高くて「塩分を控えめにしたほうがいい」とお医者さんに言われたとします。
その瞬間から、家族は「塩分」「血圧」「運動」といったキーワードに敏感になります。
献立を考えるとき、スーパーで商品ラベルを見るとき、テレビやネットの健康情報を見るとき…。
それまでより少しだけ「健康」という視点が増えることで、結果的に自分自身の食事や生活習慣も一緒に変わりやすくなるようです。
公益財団法人・長寿科学振興財団が運営する「健康長寿ネット」でも、平均寿命と健康寿命の差は、男性で約8〜9年、女性で10年以上あると紹介されています。
(参考:健康長寿ネット「高齢社会の介護問題」)
この差を少しでも縮めるには、家族の誰かが「健康アンテナ役」になることが、一つのきっかけになるのかもしれません。
② 家族の生活リズムを整えると、自分のリズムも整いやすい
・親の通院日があるから、その前日は自分も早く寝る
・子どもの朝ごはんを整えるために、自分も一緒に朝ごはんを見直す
・パートナーと一緒に夜の晩酌を見直して、ノンアルの日を作る
こうした「家族に合わせた調整」は、実はそのまま自分の生活リズムの調整にもなっています。
誰かの予定や健康に合わせて動くことは、面倒に感じる時もありますが、「一人では続けにくい健康習慣」を続けるための支えにもなりやすいようです。
③ 「守りたい存在」がいると、将来の健康を自分ごととして考えやすい
健康情報は、どうしても「いつかやればいいこと」として流してしまいがちです。
でも、
- 「孫が成人するまでは、自分の足で歩いて会いに行きたい」
- 「配偶者より先に寝たきりになりたくない」
- 「子どもに迷惑をかけすぎたくない」
という気持ちが芽生えると、健康の話が「自分の人生」と強くつながってきます。
フレイル(心身の虚弱状態)は、栄養・運動・社会参加の3つの柱で予防しやすいと言われていますが、厚生労働省の広報誌でも「自分ごととして予防に取り組むこと」が大切だと紹介されています。(参考:厚生労働省WEBマガジン「100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」)
家族という“守りたい存在”がいることは、まさにこの「自分ごと化」を自然にすすめてくれる要素だと感じています。
2. とはいえ「頑張りすぎ」は逆効果――家族を想う人ほど注意したい負担
ここで忘れたくないのが、「頑張りすぎてしまう人」ほど、心身をすり減らしやすいという現実です。
国立長寿医療研究センターがまとめた家族介護者支援の報告では、自治体の担当者の多くが
「家族介護者の心身の状況」「人的資源不足・多忙」といった点を課題として挙げているとされています。
(参考:国立長寿医療研究センター『地域における家族介護者支援事業を推進するために』)
これは、介護や見守りを担う家族自身が、体力的にも精神的にもギリギリの状態になりがちだということを示しているように感じます。
① 「自分がやらなきゃ」がつらさを増やしてしまう
家族思いの人ほど、
- 「自分が一番そばにいてあげなきゃ」
- 「迷惑をかけられないから、誰にも頼れない」
- 「弱音を吐いたらダメだ」と自分を追い込んでしまう
という考えに陥りやすいようです。
でも、実際には「一人で抱え込むこと」自体が、家族全体のリスクになってしまうこともあります。
介護者が疲れ切ってしまうと、ついキツい言葉が出てしまったり、体調を崩してしまったり…。
誰も悪くないのに、関係がギスギスしてしまうこともあるかもしれません。
② 「がんばり続けられるペース」を探すことが健康寿命につながる
健康寿命を伸ばすというのは、「最後まで自分のペースで動ける期間をできるだけ長くする」というイメージに近いと感じています。
そのためには、
- 短期間だけ全力で頑張るよりも
- 長く続けられるペースで、じわじわ続けていく
ほうが、結果として体にも心にもやさしいのではないでしょうか。
家族の健康を守る役割も同じで、「今日だけ、今だけ」ではなく、数年〜十数年単位で続くマラソンのようなものです。
だからこそ、本人が
「これならこの先も続けられそうだな」
と感じるペースを探っていくことが大切だと思っています。
3. 家族の健康を守る人に共通する“3つのバランス感覚”
家族の健康を長く支えながら、自分自身も元気でいる人を見ていると、いくつかの共通点があるように感じます。
ここでは「3つのバランス感覚」として整理してみます。
① 「自分でできること」と「専門家に任せること」のバランス
まず大事なのは、家族の健康について、全部を自分でなんとかしようとしないことです。
たとえば、
- 食事や生活リズムの工夫 → 家族で話し合ってできること
- 薬の調整や検査の判断 → 医師や看護師に任せること
- 介護保険サービスの利用 → ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すること
というように、役割を分けて考えるだけでも、心の負担が少し軽くなることがあります。
厚生労働省の資料でも、介護予防や高齢者の健康づくりは、自治体・医療・地域の支援など、いろいろな関係者の協力で成り立つと整理されています。
(参考:「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「高齢者の保健事業と介護予防ガイドライン」など)
② 「理想の生活」と「今できること」のバランス
「本当は毎日30分歩きたいけれど、仕事と介護で時間がない」
「バランスの良い食事が理想だけれど、家族の好みもあって完璧にはむずかしい」
そんなジレンマを抱えている人も少なくないと思います。
ここで役立つのが、「理想を100点だとしたら、今日は何点くらいを目指そうかな?」という発想です。
今日は30点でも、明日は50点にしてみる。
忙しい週は20点をキープして、「落としすぎない」ことを目標にしても良さそうです。
大事なのは、「0か100か」ではなく、「少しでもプラス方向に続ける」という感覚だと思っています。
③ 「一人で抱え込まず、ほどよく頼る」バランス
家族の健康を守る人に共通していると感じるのは、「頼る先をいくつか持っている」という点です。
たとえば、
- 医師・看護師・薬剤師など医療の専門家
- ケアマネジャーや地域包括支援センター
- 同じ立場の家族介護者が集まる会やオンラインコミュニティ
- 兄弟姉妹・親戚・友人など、時々愚痴を聞いてくれる人
国立長寿医療研究センターの資料でも、家族介護者の会や認知症カフェなど、介護者同士が交流できる場の重要性が繰り返し取り上げられています。
一人だけで抱え込まず、「話ができる場所」「相談できる人」を持つことが、心の健康を守るうえで大切だとされているようです。
4. シーン別:「家族の健康」と「自分の健康」を両方守るコツ
ここからは、よくある場面ごとに、家族と自分、両方の健康を守りやすくするポイントを整理してみます。
① 親の通院・介護をしながら、自分の体力も守りたいとき
親世代の通院付き添いや介護が増えてくると、どうしても「自分の時間」が削られやすいものです。
そんなときに意識しておきたいのは、次のような小さな工夫です。
- 病院までの移動を、できる範囲で「歩く時間」に変えてみる
- 待ち時間を、ストレッチや軽い体操、深呼吸の時間として使う
- 付き添いの前後に、自分の好きな飲み物や本など「小さな楽しみ」をセットにする
無理やりトレーニングに変えようとする必要はありませんが、「マイナスに感じる時間を、少しでも自分のプラスに変える」発想を持てると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
② パートナーと一緒に生活習慣を整えたいとき
夫婦でお互いの健康を気にするようになると、「どちらかだけが我慢している」と感じるときも出てきます。
そんなとき役立つのは、「二人で決めるマイルール」です。
- 平日はノンアルコール、週末だけ少し楽しむ
- 夜のテレビ時間を少し削って、一緒にストレッチや散歩をする
- 月に1回だけ「健康診断の結果を一緒に眺める日」をつくる
厚生労働省がまとめた身体活動のガイドでは、
「日常生活の中での歩数を増やすこと」「強度や量は個人差に応じて調整すること」などがすすめられています。
(参考:厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』)
これも、夫婦で「自分たちなりの取り入れ方」を話し合っていくと、続けやすくなりそうです。
③ 子ども世代・孫世代の健康を見守りながら、自分の健康寿命も意識したいとき
お子さんやお孫さんの生活習慣を見て、「このままで大丈夫かな?」と心配になることもあると思います。
そんなときは、「口で注意する前に、自分がどう見えているか」をそっと振り返ってみるのも一つの方法です。
- 親(自分)が夜遅くまでスマホを触っていれば、子どもも真似をする
- 夕食後にダラっと座るより、「ちょっと散歩してくるね」と動く姿を見せる
- 「これ食べちゃダメ」より、「こっちのほうが体がラクなんだよ」と経験を共有する
子ども世代・孫世代にとって、「元気な大人の姿」を見せること自体が、最高の健康教育になるかもしれません。
結果的に、自分の健康寿命を意識するきっかけにもなります。
5. 「家族を守る人」のためのセルフケア実践アイデア
ここからは、家族の健康を支える立場にいる人に向けて、「自分の健康寿命を守るためのセルフケア」を、できるだけシンプルに整理してみます。
① 1日1回だけ「自分のための時間」を予約する
長い時間でなくてもかまわないので、1日5〜10分だけ、自分のための時間を“予約”するイメージを持ってみてください。
たとえば、
- 朝起きた直後に、白湯を飲みながら今日の予定を整える
- 夜寝る前に、ストレッチや深呼吸をする
- 通勤の途中で、1駅分だけ歩いてみる
どれも「これをやらないとダメ」という話ではなく、
「これをしておくと、自分が少しラクになるな」というものを選ぶことがポイントです。
② 「食べる・動く・話す」をセットで意識する
フレイル予防の取り組みとして、厚生労働省は
「栄養(食事)」「身体活動(運動)」「社会参加(人との関わり)」
の3つを柱として紹介しています。(参考:厚生労働省『食べて元気にフレイル予防』、WEBマガジン特集など)
これを日常の言葉に置きかえると、
- 食べる:できる範囲で、たんぱく質や野菜を意識した食事
- 動く:座りっぱなしを減らして、こまめに立ち上がる・歩く
- 話す:家族や友人・地域の人と、短いおしゃべりでもいいから会話する
という3つになります。
家族の健康を守る人ほど、どうしても「相手のための食事・動き・会話」に偏りやすいので、
ときどき「これは自分のための食事・動き・会話かな?」と振り返ってみるのも良さそうです。
③ 「しんどい」と思ったら、早めに誰かに言葉にしてみる
家族の健康を守る役割を担っていると、「自分が弱音を吐いたらダメ」と感じてしまうかもしれません。
でも、心の中にため込み続けると、ある日突然、限界が来てしまうこともあります。
できれば、「最近ちょっとしんどいな」くらいの段階で、誰かに言葉にしてみることをおすすめしたいです。
- 家族に「今日はごめん、ちょっと早く寝るね」と正直に伝える
- 友人や同僚に、愚痴半分で近況を話してみる
- 地域包括支援センターや相談窓口に「こんな状態なんです」と電話してみる
相談したからといって、すぐにすべてが解決するわけではありませんが、
「一人で抱えているわけではない」と感じられるだけでも、心の負担は軽くなりやすいといわれています。
6. 行政・専門家のサービスを味方につける
家族の健康を支えながら、自分の健康寿命も守っていくためには、行政や専門家のサービスを早めに知っておくことも助けになります。
① 地域包括支援センターや家族介護者の会
各市町村には、高齢者や家族の相談窓口として、地域包括支援センターが設置されています。
そこでは、
- 介護保険サービスの相談
- 家族介護者向けの講座や交流会の案内
- 地域のボランティアや見守りの情報
などを教えてくれることが多いです。
また、国立長寿医療研究センターの調査では、多くの自治体が「家族介護者の会」や「認知症サポーター養成講座」などを実施しており、
今後も拡充したいと考えているところが多いと報告されています。
家族介護や見守りをしている立場の人同士がつながる場として、こうした取り組みも参考になると思います。
② 認知症やMCI(軽度認知障害)に関する公的な冊子
ご家族の中に、物忘れや認知機能の低下が気になる方がいる場合、
ネット上の断片的な情報だけで不安をふくらませてしまうよりも、公的な資料をゆっくり読むほうが安心材料になることもあります。
厚生労働省が公開しているハンドブックでは、
「MCI(軽度認知障害)は、認知症とは違い、適切な対応で元のレベルに戻る可能性もある」ことや、
食事・運動・認知トレーニングなどが予防に役立つとされていることが、やさしくまとめられています。
(参考:厚生労働省『MCIと認知症の理解のためのハンドブック』)
家族が正しい情報を持つことで、必要以上に怖がらず、できることから取り組む姿勢を保ちやすくなると感じています。
7. 僕自身も「家族を心配させたくない」から健康を見直した
ここまで、家族の健康を守る人の視点でお話してきましたが、僕自身も「家族を心配させたくない」という思いが、健康づくりの大きなきっかけになりました。
高血圧を抱えたまま体重も増えていた頃、
「このまま倒れたら、家族はどう思うだろう?」と想像すると、どこかで胸がざわついていました。
そこから本気で生活習慣を変えようと決めた過程は、自分の記録として次のページにまとめています。
僕の場合はライザップをきっかけにしましたが、
大事なのは「どの方法を選ぶか」よりも、「なぜ今、自分の体を変えたいのか」だと感じています。
その理由が「家族を守りたい」「家族を安心させたい」であれば、なおさら強いエネルギーになります。
家族の健康を気にかける読者の方には、
「自分が元気でいることも、家族を守るための大事な仕事なんだ」
と、どうか胸を張って考えてもらえたらうれしいです。
8. まとめ:家族を守る人こそ、自分の健康寿命をいちばん大事にしてほしい
最後に、この記事の内容を簡単にまとめます。
- 家族の健康を気にかける人は、健康情報に触れる機会や生活リズムの見直しが増える分、自分の健康寿命も伸ばしやすい面がある
- 一方で、「自分がやらなきゃ」と抱え込みすぎると、心身の負担が大きくなり、かえって家族の負担にもなりかねない
- 大切なのは、
- 自分でできることと、専門家・行政に任せることのバランス
- 理想の生活と、今できる小さな一歩のバランス
- 一人でがんばることと、周囲に頼ることのバランス
を意識すること
- フレイル予防の3本柱(栄養・身体活動・社会参加)は、家族にも自分にも共通する健康づくりの土台
- 地域包括支援センターや家族介護者の会、公式ハンドブックなど、公的なサービスや情報を味方にすると、がんばりすぎずに続けやすい
家族の健康を守る人は、ある意味で「家族の中の健康リーダー」のような存在です。
そのリーダーが倒れてしまったら、家族全体が困ってしまいます。
だからこそ、家族を一生懸命支えているあなた自身の体と心を、いちばん大事にしてほしいと感じています。
今日からできる小さな一歩を、自分のペースで、ゆっくり積み重ねていきましょう。
※本文で参考にした公的情報
-
公益財団法人 長寿科学振興財団「健康長寿ネット:高齢社会の介護問題」
-
厚生労働省 WEBマガジン「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」
-
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
-
国立長寿医療研究センター「地域における家族介護者支援事業を推進するために」
-
厚生労働省「MCIと認知症の理解のためのハンドブック」

