プルアップ(懸垂)への道|自重で背中を鍛えるステップ

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プルアップ(懸垂)はどんなトレーニング?
プルアップ(懸垂)で鍛えられる部位と主な効果
プルアップ(懸垂)は、自分の体重をバーにぶら下がった状態から引き上げる自重トレーニングです。主に鍛えられるのは背中の広がりをつくる広背筋、腕の裏側の上腕二頭筋、肩の後ろ側の三角筋後部など。体幹も強く使うため、腹筋群や脊柱起立筋などの姿勢を支える筋肉にも刺激が入ります。
背中の筋肉が発達すると、いわゆる「逆三角形」のシルエットに近づき、ウエスト周りが相対的に細く見えるようになります。また、背中が弱いままだと猫背になりやすく、肩こりや首こりの原因になることも。プルアップで背中を鍛えることで、姿勢改善や肩まわりの不快感の軽減にもつながります。
さらに、体重を支えたまま動作するため、握力や肩まわりの安定性もアップします。スポーツ全般のパフォーマンス向上はもちろん、日常生活で高い棚の物を取る・荷物を持ち上げるといった動きも楽になっていきます。
こんな人におすすめのプルアップ(懸垂)
- 背中を引き締めて、逆三角形のシルエットをつくりたい人
- 猫背や丸まった姿勢を改善し、スッと立てるようになりたい人
- 二の腕だけでなく、背中全体を引き締めたい人
- 自重トレーニングで、強い上半身を手に入れたい人
- スポーツや格闘技などで引く動作のパフォーマンスを上げたい人
- 将来的に「補助なし懸垂」を目標に、少しずつステップアップしたい人
プルアップ(懸垂)の正しいやり方(フォーム解説)
基本フォームのステップ
スタートポジションのつくり方
1. バーの真下に立ち、肩幅よりやや広めにバーを握ります。
・手の甲が自分側に向く順手グリップ(オーバーグリップ)が基本です。
・肩に力を入れてすくめるのではなく、肩を下げてリラックスさせておきます。
2. 足を浮かせて、完全にぶら下がった状態(デッドハング)になります。足が床につく場合は、膝を軽く曲げて後ろに組むか、台の上に立った状態からスタートします。
3. 胸を軽く張り、みぞおちのあたりをほんの少しだけ前に出すイメージで姿勢を作ります。このとき腰を反りすぎないよう注意します。
4. 目線は真正面〜やや斜め上。あごを上げすぎたり、下を見すぎたりしない位置にセットしましょう。
動作中のポイント(上げる・下ろす時の意識)
上げる局面
・バーを「腕で引く」というより、肘を下へ引き下げる意識を持ちます。
・胸をバーに近づけるように、みぞおちあたりをバーに向かって引きつけていきます。
・肩がすくまないように、肩甲骨を下げながら内側へ寄せるイメージで背中を使いましょう。
・あごがバーを越えるくらいまでを目安に、無理のない範囲で引き上げます。
下ろす局面
・一気にストンと落ちないように、コントロールしながらゆっくり下ろすことがポイントです。
・肘が伸びきる直前まで下ろし、関節に強い衝撃がかからない位置で止めます。
・背中の緊張を完全に抜かず、常に筋肉で体重を支えている感覚を意識しましょう。
呼吸のタイミングと目線・姿勢
・基本的には、体を引き上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸うリズムで行います。
・動作中に呼吸を止め続けると、血圧が急上昇しやすくなるため注意が必要です。特に体力に自信がない方や、血圧が気になる方は、短くても良いので必ず呼吸を続けましょう。
・目線は常にバーより少し先を見るイメージで、首だけ反り返らないようにします。
・腰を反らせすぎると腰痛の原因になることがあります。胸を軽く張る意識は保ちつつ、みぞおちから下はニュートラルな姿勢をキープしましょう。
よくあるNGフォームとケガを防ぐコツ
ありがちな間違い① 腕だけで引こうとして背中が使えていない
プルアップ(懸垂)特有のミスとして多いのが、二の腕だけで頑張ってしまうフォームです。肘から先だけを使って体を引き上げるような動きになると、背中の筋肉に十分な刺激が入りません。
この場合は、動作の最初に「肩甲骨を下げる・寄せる」意識を持つことが大切です。ぶら下がった状態から少しだけ肩を下げ、背中の付け根をギュッと固めてから体を引き上げると、背中が使いやすくなります。また、バーの握り幅を広めに取り過ぎていると腕に負担が集中しやすいので、最初は肩幅より少し広い程度から始めるのがおすすめです。
ありがちな間違い② 腰を反りすぎ・肩をすくめすぎ
背中を使おうと意識し過ぎて、腰を大きく反りすぎたり、肩をすくめるような姿勢になってしまう方も少なくありません。腰を反らせたまま体を引き上げると、腰への負担が大きくなりますし、肩をすくめたまま動作すると、首や肩のコリ・痛みにつながります。
対策としては、おへそに軽く力を入れて腹圧を保つこと、そして動作中に「肩を耳から遠ざける」意識を持つことが有効です。鏡を見られる環境であれば、横からの姿勢をチェックし、腰が大きく反っていないか、肩が上に上がっていないかを確認しながら行いましょう。
安全に続けるためのチェックポイント
- ぶら下がったときに、肩がすくんでいないか
- あごだけ前に突き出していないか(首だけで頑張っていないか)
- 反動を使って勢いで上がろうとしていないか
- 肘が完全にロックされるまで伸び切っていないか
- 痛みや違和感が出ているのに、そのまま続けていないか
どれか一つでも当てはまる場合は、無理に続けず、回数を減らす・休憩を長く取るなどして強度を調整しましょう。
目的別プルアップ(懸垂)のバリエーション
初心者向けのやさしいプルアップ(懸垂)
いきなり自重でのフルレンジ懸垂を行うのは、多くの人にとってハードルが高めです。ライザップのセッションでは、次のような段階的なステップでプルアップを練習していくことが多いです。
- アシストマシン懸垂:体重の一部をマシンがサポートしてくれるため、「背中で引く感覚」をつかみやすくなります。
- 台やベンチを使ったサポート懸垂:足を台に添えておき、必要なときだけ足で軽くサポートする方法。腕だけで頑張り過ぎないように、背中の意識を保ちながら行います。
- ネガティブ(下ろす動作だけ)懸垂:台に乗ってあごをバーの高さまで持っていき、そこからゆっくりと下ろす練習。筋力が足りない段階でも、背中に十分な刺激を与えられます。
こうしたやさしいバリエーションからスタートすることで、ケガのリスクを抑えながら、少しずつ「自分の体を引き上げる力」を育てていくことができます。
中級者向けの発展プルアップ(懸垂)
自重でのプルアップが安定してできるようになってきたら、負荷を高めたバリエーションにチャレンジしていきます。
- 広めグリップ懸垂:肩幅より広めに握ることで、背中の外側により強い刺激を入れることができます。
- 足を前に伸ばしたLシット懸垂:足を前方に伸ばした状態で行うことで、体幹部への負荷が大きくなり、姿勢保持の力も鍛えられます。
- テンポコントロール懸垂:上げる動作を2秒、下ろす動作を3〜4秒など、動作のスピードを一定にコントロールして行う方法。反動を使わない分、筋肉への刺激が強くなります。
いずれのバリエーションも、「回数を増やす」前に「フォームを丁寧に」することが大切です。ライザップのトレーナーと相談しながら、今の体力に合った発展バリエーションを取り入れていきましょう。
自宅トレ・少ない器具で応用するプルアップ(懸垂)
自宅に懸垂バーがない場合でも、プルアップの動きを応用したトレーニングを行うことはできます。
- ドアに設置できる簡易バー:耐荷重を満たす製品を使い、取付方法を必ず確認したうえで利用します。
- チューブロウ:ドアアンカー付きのチューブを使い、背中に向かって引く動作を行うことで、プルアップに近い刺激を得られます。
- テーブルロウ(インバーテッドロウ):頑丈なテーブルの下に潜り込み、縁を握って体を引き上げる方法。安全面の確認が必須ですが、工夫次第で自宅でも背中トレが可能です。
自宅で行う際は、安全性を最優先にし、少しでも不安があれば無理に懸垂動作を真似しないことが重要です。ライザップのセッションでフォームを確認してもらい、自宅用のメニューを提案してもらうと安心です。
ライザップセッションでのプルアップ(懸垂)の進め方
初期セッションでのプルアップ(懸垂)の扱い方
体力や動きのクセを見ながらプルアップ(懸垂)を試す流れ
初回カウンセリング〜最初の数回のセッションでは、いきなりフルレンジのプルアップを行うのではなく、アシストマシンや台を使った段階的な動きから試していきます。
・まずは握力や肩の可動域、肩まわりの違和感の有無をチェック。
・次に、ぶら下がるだけでも問題ないか、短時間のデッドハングで確認。
・問題がなければ、アシスト付きで半分だけ引き上げる、ネガティブ動作だけ行う…といったステップで、少しずつ動きに慣れていきます。
この過程でトレーナーは、肩甲骨の動き・姿勢のクセ・筋力バランスを細かく観察し、その人に合った負荷のかけ方を探っていきます。
その人の目標・体力に合わせた負荷と回数の決め方
プルアップは、同じ回数でも人によって負荷の感じ方が大きく異なります。ライザップでは、「目標」と「現在の体力」の両方を考慮して、アシスト量や回数・セット数を調整します。
- 将来的に自重で懸垂ができるようになりたい方:少ない回数でも良いので、正しいフォームで背中を使えるようにすることを優先。
- ダイエット目的で背中を引き締めたい方:無理のない範囲で回数を確保しつつ、他の背中トレ(ラットプルダウンなど)と組み合わせて総負荷を調整。
- 筋力アップを狙いたい方:アシスト量を減らし、低回数でもしっかり追い込める強度を選択。
同じ「ライザップのサポート方法」といっても、基本的な指導方針や安全基準は全店舗で共通ですが、具体的な声かけや補助の仕方・テンポの作り方などはトレーナーによって若干異なる場合があります。自分に合う感覚を伝えながら、一緒にベストな進め方を探していくことが大切です。
柔軟性や痛みの有無を確認して、無理のない範囲からスタート
肩や肘に既往歴がある場合や、長時間のデスクワークで肩まわりが固くなっている場合は、プルアップの前に肩甲骨まわりのストレッチ・動的なウォームアップを入れていきます。
痛みや違和感がある方には、プルアップそのものを無理に行わず、ラットプルダウンやシーテッドローなど、より安全に負荷を調整しやすい種目に切り替えることもあります。ライザップでは、カウンセリングの段階から痛みの有無を確認し、「できること」から始めることを徹底しています。
セッション中のフォームチェックとサポート内容
トレーナーが見ているポイント(姿勢・関節の角度・軌道など)
プルアップのような自重種目では、見た目以上に負荷が高くなりやすいため、トレーナーは次のようなポイントを細かくチェックしています。
- バーを握ったときの手幅・手首の角度
- ぶら下がったときの肩の位置(すくんでいないか)
- 骨盤の傾きや腰の反り具合
- 肘の向き(外側に逃げすぎていないか)
- 上げ下ろしの軌道がまっすぐになっているか
必要に応じて、トレーナーが腰や背中まわりを軽くタッチして、使ってほしい筋肉を意識しやすいようにサポートすることもあります。
その日のコンディションに合わせた回数・セット数の調整
同じ人でも、睡眠時間や仕事の忙しさなどによってコンディションは変わります。ライザップのセッションでは、その日の体調や筋肉痛の状態をヒアリングしたうえで、プルアップの回数やセット数を微調整します。
例えば、前回の背中トレからの間隔が短い日や、肩まわりの疲労が残っている日は、アシスト量を増やしたり、ネガティブ中心に切り替えたりといった調整を行います。無理に「前回と同じ回数」を追い求めるのではなく、長く続けられる強度を一緒に選んでいくイメージです。
きつい場面での声かけ・メンタル面のサポート
プルアップは「あと一回」がとてもきつい種目です。ライザップのトレーナーは、フォームが崩れないギリギリのラインを見極めながら、声かけや補助であと一歩をサポートしてくれます。
「ここから背中で引きましょう」「あと2センチ!」といった具体的な声かけや、「ラスト1回、一緒に行きましょう!」という気持ちの後押しがあることで、ひとりでは達成できなかった回数をクリアできることも少なくありません。メンタル面のサポートも、ライザップの大きな強みです。
ケガ予防とメニュー調整のしかた
違和感や痛みが出たときの負荷変更・種目入れ替え例
プルアップ中に肩や肘、手首に痛みが出る場合は、すぐにトレーナーに伝えましょう。ライザップでは、痛みがある状態での継続は原則NGです。
- 握り幅を狭く・広く変えてみる
- 順手から逆手(チンアップ)に変更してみる
- アシスト量を増やし、負荷そのものを軽くする
- プルアップを中止して、ラットプルダウンやシーテッドローに切り替える
このような負荷変更・種目入れ替えを行いながら、安全に背中を鍛え続けられるように調整していきます。
自宅でのやりすぎ防止と、頻度の目安
プルアップにハマってくると、自宅でも毎日のようにぶら下がってしまう方もいます。やる気は素晴らしいのですが、関節まわりへの負担を考えると、やりすぎは禁物です。
目安としては、週2〜3回程度の頻度で、セッション日と合わせて「背中を追い込みすぎない」バランスを取ることが大切です。自宅トレを増やしたい場合は、トレーナーに相談し、セッションとの兼ね合いを見ながらボリュームを決めてもらいましょう。
セッションごとの振り返りを次回のプルアップ(懸垂)にどう活かすか
ライザップでは、毎回のセッションで「前回から何が変わったか」「どこがきつかったか」といった振り返りを行い、次回のメニューに反映していきます。
- 前回よりもスムーズに引き上げられた → アシスト量を少し減らしてみる
- フォームは安定しているが、最後の数回が崩れがち → 回数を少し減らして質を上げる
- 肩や肘に違和感が出た → プルアップ以外の背中種目をメインにして様子を見る
この積み重ねによって、無理なく安全に、そして確実にプルアップのレベルを上げていくことができます。
プルアップ(懸垂)に関するよくある質問
頻度・セット数・重量に関する質問
Q. 週にどれくらいやれば良いですか?
A. 目安としては週2〜3回が一般的です。背中の筋肉や握力の回復には時間がかかるため、連日ハードに行うよりも、1日以上間隔を空けながら継続するほうが安全です。
Q. 何セットくらいが適切ですか?
A. 初心者の方は、アシスト付きで2〜3セットからスタートし、合計回数を10〜20回程度を目安にすると良いでしょう。中級者以上は、フォームが崩れない範囲で3〜4セット行い、負荷や回数を調整していきます。
体力に自信がない人向けの始め方
Q. 1回も懸垂ができません。それでもやる意味はありますか?
A. もちろんあります。むしろ「できない状態」からのスタートが普通と言っても良いくらいです。アシストマシンやネガティブ動作だけでも、背中や腕にはしっかり刺激が入ります。
ライザップでは、体力に自信のない方ほど、段階的なステップでプルアップに取り組んでいきます。「今は何回できるか」ではなく、「前回の自分より一歩進めたか」を一緒に確認していくイメージです。
他の種目との組み合わせ方・メニュー例
Q. プルアップは、どんな種目と組み合わせると効果的ですか?
A. 同じ背中系の種目であるラットプルダウンやシーテッドローと組み合わせると、背中全体をバランス良く鍛えられます。また、押す動作のベンチプレスやショルダープレスと組み合わせることで、上半身の前後のバランスも整いやすくなります。
例:上半身トレーニングメニュー(例)
・プルアップ(アシスト付き) 2〜3セット
・ラットプルダウン 2〜3セット
・ベンチプレス 2〜3セット
・ショルダープレス 2セット
といった形で、引く動作と押す動作をバランスよく配置することがポイントです。
まとめ|プルアップ(懸垂)を安全に続けて効果を出すために
プルアップ(懸垂)は、背中や腕を強くし、姿勢やシルエットを大きく変えてくれる強力な自重トレーニングです。一方で、負荷が高いため、最初から無理をするとケガにつながるリスクもあります。
ライザップでは、アシストや台を使った段階的なステップで、あなたの体力や目標に合わせたプルアップを提案してくれます。基本方針やサポートの考え方は全店でほぼ共通ですが、具体的な補助の仕方や声かけはトレーナーによって少しずつ違うので、自分の感覚や不安も遠慮なく伝えながら、一緒に最適な方法を探していきましょう。
プルアップだけでなく、ライザップでできる他の筋トレ種目の全体像を知りたい方は、ライザップでできる筋トレ種目一覧|初心者向けにわかりやすく解説もチェックしてみてください。自分に合ったメニュー構成をイメージしやすくなります。
焦らずに一歩ずつステップアップしていけば、「いつか自分の体重を引き上げられる日」は必ず近づいてきます。安全第一で、プルアップ(懸垂)を楽しみながら続けていきましょう。

