無理な食事制限と健康寿命、どちらを選ぶべき?

「そろそろ本気で体を変えたい」「でも、またキツい食事制限で失敗したくない」──
40代・50代・60代になると、こんな気持ちでダイエットや食事管理を考える方がとても多いように感じます。
かつてのぼくも、短期間でガッと体重を落とすことばかり考えていました。
ところが、激しい制限のあとに待っていたのは、リバウンドと、食べ物への執着と、自己嫌悪…。
この繰り返しから抜け出せたのは、「健康寿命」を中心に考えるようになってからです。
この記事では、「無理な食事制限」と「健康寿命を意識した食事」、どちらを選んだほうがいいのかを、
ぼく自身の経験も交えながら、やさしく整理していきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
健康寿命で考えると「ゴール」が変わる
まず確認しておきたいのが、「健康寿命」という考え方です。
厚生労働省などでも「日常生活を制限なく送れる期間」を健康寿命として紹介していて、
ただ長く生きることよりも「元気に動ける時間」をどう伸ばすかが大切だとされています。
(参考:厚生労働省の健康寿命に関する情報 も参考にしてください)
若い頃のダイエットは、「夏までに○キロやせたい」「同窓会までに見た目をスッキリさせたい」といった
“期日付き”のゴールになりがちです。
一方、健康寿命を意識すると、ゴールはこう変わってきます。
- ・膝や腰に負担をかけずに、好きなところへ自分の足で行ける期間を長くしたい
- ・孫と公園で遊べる体力を、できるだけ長く保ちたい
- ・趣味や仕事を楽しめる集中力を落とさずにいたい
こうしたゴールから逆算すると、数週間だけ我慢してスッと体重を落とすよりも、
「一年後も続いている食事のしかた」を選んだほうが、結果的に健康寿命を守りやすいと感じています。
無理な食事制限で起こりやすいこと
ここでいう「無理な食事制限」とは、例えば次のようなものをイメージしています。
- ・特定の食品だけをひたすら食べ続ける
- ・1日の食事回数を極端に減らす
- ・明らかに生活に必要なエネルギーを下回るレベルまで量を削る
こうした方法は、短期間で体重がストンと落ちることもある一方で、次のような状態を招きやすいといわれています。
心身のストレスが強くなりやすい
人間の体は、急にエネルギーが入ってこなくなると「飢餓状態」に近い反応をすることがあるようです。
イライラしやすくなったり、集中力が落ちたり、寝つきが悪くなったり…。
「食べたいのに食べられない」という精神的なストレスも重なり、生活全体の満足度が下がりやすくなります。
国や自治体の健康情報でも、極端な減量ではなく、バランスの取れた食事と無理のない体重管理がすすめられています。
筋肉や体力まで落ちてしまう可能性
体重は減っているのに、前より疲れやすくなった…。
そんなときは、脂肪だけでなく筋肉量も落ちている可能性があります。
特に40代以降は、何もしなくても筋肉が少しずつ減りやすいと言われています。
そこに過度な食事制限を重ねると、体重は落ちても「階段がつらい」「ふらつきやすい」といった、
日常生活に関わる変化が出てくることもあります。
健康寿命のことを考えると、「体重」だけでなく、筋肉や体力をどう守るかも大事なポイントです。
リバウンドのきっかけになりやすい
短期間で大きく減らした体重は、その後の生活に少し気のゆるみが出るだけで、
あっという間に戻ってしまうことがあります。
ぼく自身も、何度となくこの経験をしてきました。
「がんばっているのに結果が続かない」「前より太りやすくなった気がする」と感じたら、
一度、現在の食事管理がリバウンドの種をまいていないか振り返ってみてもいいかもしれません。
気になる方は、サイト内の
リバウンドリスク診断
で、自分のパターンを軽くチェックしてみるのもひとつの目安になると思います。
「無理なく長く続ける食事管理」とはどんなもの?
では、健康寿命を意識した「無理なく長く続ける食事管理」とは、どんなイメージでしょうか。
ここでは、ぼくがライザップに通う中で学び、今も大切にしている考え方をまとめてみます。
「減らす」一択ではなく「整える」発想を持つ
食事管理というと、「何かを減らす・我慢する」というイメージが強いかもしれません。
ですが、健康寿命のことを考えると、次のような順番で考えるほうが続けやすいと感じています。
- ① 食べているものの「内容」を整える
- ② 「タイミング」を整える(夜遅すぎない・朝を抜きすぎない など)
- ③ それでも多いところだけ「量」を少しずつ見直す
いきなり量だけを削るより、「何を」「いつ」食べているかを整えていくイメージです。
農林水産省が紹介している「食事バランスガイド」なども、主食・主菜・副菜の組み合わせを
分かりやすくまとめてくれているので、参考になります。
(参考:農林水産省 食事バランスガイド)
主食・主菜・副菜をそろえるだけでも土台が変わる
毎食パーフェクトにする必要はありませんが、次のような「ざっくりルール」を持つだけでも、
体調が安定しやすくなる方が多いようです。
- ・ご飯やパンなどの主食をうっすら意識する(極端にゼロにはしない)
- ・肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質源を1品入れる
- ・野菜やきのこ・海藻などの副菜を毎食なにかしら足す
特に40代以降は、筋肉や骨のことを考えると、極端な糖質オフや主食抜きよりも、
体をつくる材料であるたんぱく質をしっかり取ることがすすめられています。
(参考:日本人の食事摂取基準(厚生労働省) も参考にしてください)
「一生続けられそうか?」を物差しにする
ダイエットのルールを決めるときに、ぼくが今いちばん大事にしているのは、次の質問です。
「この食べ方、1年後もなんとなく続けていられそうかな?」
少し厳しめのことをするにしても、せいぜい数ヶ月です。
それ以上は、日々の暮らしや仕事・家族との時間が窮屈になってしまうように感じます。
「1年後も続けられるルール」にしておけば、体重の変化はゆっくりでも、
リバウンドしにくい体と習慣が残ります。
健康寿命のことを考えると、この「ゆっくりさ」は心強い味方になってくれます。
40〜70代だからこそ気をつけたい、食事管理のポイント
ここからは、40代〜70代の読者の方に向けて、年代ならではのポイントを整理してみます。
医療的な判断が必要な場合は、必ず主治医や専門職の方と相談しながら進めてくださいね。
たんぱく質不足になりすぎないようにする
年齢を重ねると、食が細くなったり、噛む力・飲み込む力が弱くなったりして、
知らないうちにたんぱく質が不足しがちになると言われています。
国や自治体のフレイル対策の資料でも、「肉・魚・卵・大豆製品をバランスよく」といった
メッセージがよく出てきます。
(参考:高血圧や生活習慣病に関する学会等の情報 も参考にしてください)
無理な食事制限でたんぱく質まで削ってしまうと、筋力低下 → 転倒リスク → 外出がおっくう
という流れにつながることもあります。
「肉は胃にもたれる」という場合は、魚・卵・豆腐・納豆など、消化しやすいものから少しずつ取り入れていくのも一つの方法です。
塩分・脂質は“減らし方”を工夫する
高血圧や脂質異常症などが気になる場合、塩分や脂質を意識する必要が出てきますが、
ここでも「ゼロに近づける」のではなく減らし方を工夫するイメージを持つと楽になります。
- ・揚げ物を「週○回まで」と決めるのではなく、焼く・蒸す・煮るメニューを増やす
- ・しょうゆやソースをかける量を減らし、レモンや酢・香辛料で風味を足す
- ・習慣的なスナック菓子を、ナッツや小さなおにぎりに置き換えてみる
「全部ダメ」にするより、「ちょっといい方向にスライドさせる」くらいのほうが、
ストレスも少なく、結果的に続きやすいと感じています。
お酒・外食・付き合いも“ゼロ”にしない前提で考える
40〜70代は、仕事の付き合いや家族・友人との会食も多い世代です。
ここを全部ガマンしようとすると、どうしても反動が大きくなりやすいと感じます。
ぼく自身も、外食や飲み会が多い時期には、
外食・飲み会が多い人向け活用法
で書いているような工夫をしながら、「ゼロにはしないけれど、ひと工夫だけ加える」というスタイルを続けてきました。
例えば、
- ・ビールを何杯も飲む代わりに、最初の1杯だけにしてあとは焼酎やお茶にする
- ・シメのラーメンを「みんなが頼んだものを一口二口もらう」にとどめる
- ・揚げ物ばかりの日は、家に帰ってから野菜スープや味噌汁を足す
こんな小さな工夫でも、積み重ねていくと、
「体調が崩れにくくなった」「翌日がラクになった」と感じる方は多いようです。
短期決戦ダイエットばかりしてきたぼくの話
ここで少し、ぼく自身の話をさせてください。
昔のぼくは、とにかく「早く結果を出したい」と焦っていました。
糖質をほとんど抜いてみたり、夜ごはんをサラダだけにしてみたり…。
たしかに体重は落ちるのですが、心のどこかでずっとイライラしていて、
ちょっとしたきっかけでドカ食いしてしまうことも少なくありませんでした。
そんなぼくが大きく変わるきっかけになったのが、ライザップに通った経験です。
その過程は、
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】
や、
ライザップ体験記ブログ※33キロダイエット成功ブログ大公開
にかなり赤裸々に書いています。
特に高血圧と向き合いながら取り組んだ時期は、
ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!
にまとめました。
ここでも、主治医と相談しながら、「体重を落とすこと」と「健康寿命を守ること」のバランスを、
試行錯誤しつつ探っていきました。
この経験を通じて強く感じたのは、「短期決戦」より「ゆるく長く続ける仕組み」の大切さです。
一度体重を落としたあとも、その習慣が残っていれば、多少増えてもまた立て直せる。
それが、健康寿命を意識したボディメイクの強みだと実感しています。
心の負担を軽くする、3つの食事マイルール
ここからは、ぼく自身や読者の方々の声から生まれた、
「心の負担を軽くしつつ続けやすい食事マイルール」を3つ紹介します。
完璧に守る必要はないので、「取り入れやすそう」と思うところだけ拾ってもらえたらうれしいです。
①「完全に禁止」ではなく「頻度を決める」
スイーツ・揚げ物・ラーメンなど、「好きだけど控えたいもの」は多いですよね。
ここで完全禁止にしてしまうと、どうしても反動が出やすくなります。
そこでおすすめなのが、
- ・ケーキは「週に1回まで」
- ・ラーメンは「月に2回まで」
のように“頻度”でルールを決めることです。
回数が決まっていれば、「今日はその1回目だから、思いっきり味わおう」と前向きに楽しめますし、
食べすぎてしまったときも「来週は1回分お休みしよう」と調整しやすくなります。
② 1日単位ではなく「1週間単位」で整える
食事管理をしていると、「今日の食べすぎ」をすごく気にしてしまうことがあります。
でも、体は1日ごとではなく、もう少し長いスパンで変化していくと考えられています。
そこで、ぼくは「1週間トータルで見てだいたい整っていればOK」という考え方に切り替えました。
- ・飲み会のある日は、朝と昼を少し軽めにしておく
- ・夜遅くなった日が続いたら、週末に早めの夕食+軽めのメニューで調整する
このくらいのゆるさでも、数ヶ月・数年という単位で見ると、
意外と体重や体調が安定してくることがあります。
③ 「食べたあとどう感じるか」を大事にする
食べるときに「カロリー」だけに意識が行きすぎると、
数字に追い詰められてしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、食べたあとに
- ・体が軽いか、重いか
- ・眠くなりすぎていないか
- ・心が満たされているか、罪悪感でいっぱいか
などを、軽く観察してみることです。
「この組み合わせだと、翌朝までお腹がもたれないな」
「この時間に甘いものを食べると、どうも気持ちが落ち着くな」
そんな小さな気づきを集めていくと、自分の体と心が喜ぶ食べ方が少しずつ見えてきます。
それでも迷ったときの「選び方」のヒント
ここまで読んでも、「やっぱり短期でスパッとやせたい気持ちもあるし…」と迷う方もいらっしゃると思います。
最後に、ぼくが考える「選び方のヒント」をいくつかまとめておきます。
① 健康診断・主治医の意見を“最優先の参考資料”にする
血圧・血糖値・脂質など、健康診断の結果が気になるときは、
やはり自己判断だけで食事を大きく変えるのは心配です。
「どれくらい体重を落とす必要がありそうか」
「どんな食事のポイントに気をつけたほうがよさそうか」
といったことは、主治医や管理栄養士さんに相談しながら進めるのが安心です。
この記事でお伝えしている内容も、あくまでひとつの考え方・ヒントとして、
公的な情報や医療機関のアドバイスとあわせて使っていただけたらと思います。
② リバウンドリスクをあらかじめチェックしておく
もし、過去に何度もリバウンドしてきた経験があるなら、
「今回も同じパターンにはまりそうかどうか」を、事前にチェックしておくのもおすすめです。
先ほど紹介した
リバウンドリスク診断
では、自分の考え方や行動のクセを軽く整理することができます。
診断結果を見ながら、「今度こそ、無理のないやり方を選びたいな」と感じてもらえたらうれしいです。
③ 「健康寿命の自分」を想像してみる
最後の決め手としておすすめなのは、
「10年・20年先、どんな体でどんなふうに過ごしたいか」を少しイメージしてみることです。
・好きな場所に、自分の足で出かけて行ける自分
・家族や友人と、美味しいものをほどほどに楽しめる自分
・趣味や仕事に、ほどよく集中できる自分
そんな自分の姿を思い描いたとき、
「激しい制限で一気にやせる」
「少しゆっくりでも、ムリなく続けられる食事を育てていく」
どちらのほうが、その未来に近づけそうか──。
きっと、答えは自然と見えてくるのではないかな、と思います。
まとめ:食事制限ではなく、「一生ものの食べ方」を育てていく
無理な食事制限と、健康寿命を意識した食事。
どちらを選ぶべきかという問いに、ひとことで正解を出すのは難しいかもしれません。
ただ、ぼく自身の経験と、多くの方の変化を見てきた実感からお伝えできるのは、
- ・短期間で体重を落とすだけでは、リバウンドや体調悪化のリスクが高まりやすい
- ・「減らす」より「整える」発想のほうが、心身へのストレスが少なく続けやすい
- ・40〜70代は、筋肉や体力・フレイル対策を意識した食事が、健康寿命の土台になる
- ・自分の体と心が喜ぶ食べ方を探すプロセスそのものが、人生後半の大事な学びになる
ダイエットやボディメイクは、どうしても「早く」「たくさん」変化を求めたくなるものです。
けれど、人生の後半戦に入った今だからこそ、「ゆっくりでも、確実に」という選択肢を、
自分に許してあげてもいいのではないでしょうか。
ぼく自身も、これから先の健康寿命を伸ばすために、
「完璧なルール」ではなく「続けられるマイルール」をアップデートし続けていこうと思っています。
この記事が、あなたが自分に合った食べ方を見つけていくきっかけになれば、とてもうれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも一緒に、“無理な制限ではなく、健康寿命重視の食べ方”を育てていきましょう。

