健康寿命を守るための「昼寝パワー」の使い方

40代を過ぎると、午前中は元気なのに、午後になるとガクッと電池が切れたように眠くなることが増えてきませんか。仕事中でも、家にいても、「ちょっと目を閉じたいなぁ…」というタイミングがあると思います。
その「ちょっと眠い」を、ガマンで乗り切るか。上手に昼寝でリセットするか。ここが、人生後半の健康寿命に地味に効いてくる部分だと感じています。
この記事では、短い昼寝=「昼寝パワー」を、健康寿命の味方として活用するための考え方とコツをまとめました。昼寝はサボりでも甘えでもなく、「午後もごきげんで動くためのチャージ時間」というイメージで、のんびり読んでいただけたらうれしいです。
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昼寝パワーが「健康寿命」に効いてくる理由
午後の眠気は「体からのメッセージ」
昼食後の強烈な眠気は、「昼飯を食べすぎたからだ」と片付けてしまいがちですが、実は体のリズムとして自然なものだと考えられています。人の体内時計は、夜だけでなく、午後にも少し眠くなるような波を持っているといわれているからです。
若いころは、その眠気を気合で押し切ることもできました。でも、40代・50代・60代と年齢を重ねるにつれて、「気合でごまかす」ことが翌日の疲れとして残りやすくなっていきます。
このタイミングで、ほんの10〜20分だけ目を閉じて脳と体を休めると、午後のスタートがスッと軽くなることが多いです。いわば、昼寝は「午後の自分」を助けるための、ささやかなメンテナンスと言えるかもしれません。
短い昼寝は「頭と気持ちのリセットタイム」
昼寝の目的は、「どっぷり眠る」ことではなく、「軽くリセットする」ことです。短い昼寝は、こんな変化を感じやすいと言われています。
- ぼんやりしていた頭が少しスッキリする
- イライラや焦りが落ち着き、気持ちに余裕が生まれる
- 午後の集中力や作業効率が上がりやすくなる
ここで大切なのは、「昼寝をしたから、午後も頑張らなきゃ」と自分を追い込まないことです。あくまで、午後を少し快適に過ごすための下ごしらえ。健康寿命の視点で見ると、こうした小さな“快適の積み重ね”が、長い目で見て心身を守ってくれる土台になっていくように感じています。
年齢とともに変わる睡眠リズムを、昼寝でなだらかに整える
年齢を重ねると、若いころよりも夜の睡眠時間が短くなったり、途中で目が覚めやすくなったりしがちです。これは「老化だからダメ」というよりも、体のしくみとして自然な変化ととらえたほうが心が楽になります。
そのうえで、日中に短い昼寝をうまく挟んであげると、「夜はそこまで長く眠れないけれど、トータルではそこそこ休めている」という状態を作りやすくなります。健康寿命を意識するなら、「夜だけで完璧に眠ろう」とするよりも、「24時間の中で、休むポイントをいくつか持つ」という発想も、ひとつの手だと思っています。
健康寿命を意識した「ちょうどいい昼寝」の条件
ここからは、健康寿命のことを考えながら、昼寝パワーをうまく使うためのポイントをまとめていきます。
① 時間は「15〜30分」を目安にしてみる
昼寝と聞くと、「1時間くらいぐっすり眠る」イメージを持つ方もいるかもしれません。ただ、多くの専門家や睡眠関連の情報では、昼寝は長くても30分以内にとどめるのがよさそうだとされています。
理由はシンプルで、長く眠りすぎると深い眠りの途中で起こされることになり、「起きた直後にかえって体が重い」「ボーッとして何もやる気が出ない」という状態になりやすいからです。短い昼寝は、眠りの浅いところで起きやすく、「スッと起きられる」「頭が軽く感じる」感覚になりやすいと言われています。
目安としては、
- 若いころから昼寝の習慣がない人 → 10〜20分くらい
- シニア世代で、昼寝をよく取る人 → 20〜30分くらい
といったイメージです。もちろん個人差があるので、最初は10分から試して、「自分は20分くらいがちょうどよさそうだな」といった感覚を探していくといいと思います。
② タイミングは「昼食後〜15時くらいまで」
昼寝のタイミングも大切です。夜に近い時間に昼寝をしてしまうと、夜の睡眠に影響が出る可能性があると言われています。
おすすめなのは、
- 昼食を食べて、少し落ち着いたあとの時間帯
- 時計でいうと、だいたい正午〜15時くらいまで
このあたりの時間帯は、そもそも体のリズムとして眠気が出やすいので、「あ、目が重くなってきたな」と感じたタイミングで、10〜20分だけ目を閉じてみるイメージです。
逆に、16時〜18時台以降にしっかり昼寝をしてしまうと、夜の寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めやすくなったりすることがあります。夕方以降は、「横になってがっつり昼寝」よりも、「5分だけ目を閉じて深呼吸をする」「軽くストレッチをして体を起こす」など、別の方法でリセットしてあげるほうが、安全パイかもしれません。
③ 姿勢は「リラックスしつつ、起きやすい」体勢で
昼寝というと、「横にならないといけない」と思いがちですが、短い昼寝であれば、必ずしもベッドや布団でなくても大丈夫です。
- オフィスなら、椅子に座ったまま背もたれに軽くもたれて、首を支えるクッションを使う
- 自宅なら、ソファや座椅子に腰かけて、足を投げ出してうとうとする
- 電車移動が多い人なら、車内で目だけ閉じて、軽く背中を預ける
こんな姿勢でも、目を閉じているだけで脳はある程度休まると言われています。むしろ、あえて「完全に横にならない」ことで、深い眠りに落ちにくくなり、短時間で起きやすくなるメリットもあります。
寝具メーカーのコラムなどでは、昼寝用のクッションやアイマスクなどのグッズも紹介されていますが、まずは「今ある環境で、ちょっと楽な姿勢」を見つけるところからで十分です。
④ 起きる時間をあらかじめ決めておく
短い昼寝の一番の敵は、「つい寝すぎてしまうこと」です。ふと気づいたら1時間経っていた…という経験がある方も多いと思います。
これを防ぐには、
- スマホのタイマーを「15〜20分」にセットしてから目を閉じる
- 目覚まし時計を手元に置いて、あらかじめ時間を決めておく
- 昼休みの終わり時間など、「ここまでには起きる」基準を先に決めておく
こんな工夫が役立ちます。「タイマーをかけたから、あとは任せよう」と決められると、安心して目を閉じやすくなりますし、「寝すぎたらどうしよう」という不安も減っていきます。
やりすぎ昼寝で損をしないために知っておきたいこと
長時間の昼寝が続くときは「体からのサイン」かもしれない
ここまで、短い昼寝の良い面をお伝えしてきましたが、一方で「長時間の昼寝」が続く場合は、少し立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
厚生労働省や自治体の健康情報などでも、日中に長時間の昼寝を取る習慣があると、夜の睡眠が浅くなったり、生活リズムが乱れやすくなったりする可能性が指摘されています。また、1時間以上の長い昼寝が習慣的になっている人では、健康リスクが高くなるという報告もあるようです。
とはいえ、「1時間昼寝をしてしまった=即アウト」という話ではありません。大切なのは、「最近やたらと昼寝の時間が長くなってきた」「昼間に耐えられないほどの眠気が続いている」といった変化に気づくことです。
こうした状態が長く続く場合は、睡眠の専門外来やかかりつけ医など、専門家に相談してみるのも安心材料になります。睡眠の問題が、他の病気のサインになっていることもあるとされていますので、ひとりで抱え込まず、第三者の目を借りるイメージで考えてみてください。
「昼寝をしないと持たない」状態は、生活リズムの見直しサイン
昼寝はあくまで「補助バッテリー」のような存在です。もし、「昼寝をしないと1日もたない」「毎日2〜3時間は横にならないとしんどい」という状態が続いているなら、
- 夜の就寝時間・起床時間がバラバラになっていないか
- 寝る直前までスマホやパソコンの光を浴びていないか
- 寝る前の飲酒や夜食が習慣になっていないか
こうした生活リズムを、少しずつ見直していくことも大切になってきます。
たとえば、夜のスクリーンタイムを30分だけ減らしてみる、寝る1〜2時間前のカフェインを控えてみる、朝起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びる…。どれも小さなことですが、こうした積み重ねが、結果として昼寝に頼りすぎない体を作っていってくれるはずです。
ライフスタイル別・昼寝パワーの取り入れ方
会社勤め・デスクワークの場合
会社勤めだと、「職場で昼寝なんてできない…」と感じる方も多いと思います。とはいえ、工夫次第で、誰にも迷惑をかけずに「ちょこっと昼寝」を取り入れることはできます。
- 昼食後、デスクの上に腕を組んで、10分だけ目を閉じる
- 休憩スペースがあれば、椅子に深く腰かけて、タイマーを15分に設定する
- 人目が気になる場合は、会議室や空いているスペースを借りて、静かに座って目を閉じる
ポイントは、「眠ってもいいし、眠れなくてもOK」と決めておくことです。10分の間、しっかり眠れなくても、目を閉じて外からの情報を減らすだけで、脳はある程度リラックスできます。
どうしても眠れない日もあると思いますが、「昼寝は睡眠時間を増やすため」というより、「頭と目を休ませるため」ととらえると、気楽に続けやすくなります。
在宅ワーク・自営業の場合
在宅ワークや自営業だと、時間の自由度が高い分、「いつでも昼寝できる」状態になりがちです。これはこれで魅力的なのですが、ダラダラ昼寝が習慣化すると、夜の睡眠に影響が出てしまうこともあります。
おすすめなのは、
- 昼寝の時間を「毎日同じ時間帯」に決める(例:13時〜13時20分)
- タイマーをセットし、それ以外の時間は横にならないルールにする
- 昼寝の前後に、「軽く散歩をする」「ストレッチをする」など、体を動かす習慣をセットにする
このように、昼寝を「だらだらタイム」にするのではなく、「1日の中の小さなイベント」にしてしまうと、リズムが整いやすくなります。昼寝前にコーヒーを飲んでおくと、ちょうど起きるころにカフェインが効き始めてスッキリしやすい、という人もいます(カフェインに敏感な方は無理に試さなくて大丈夫です)。
シニア世代の場合
60代以降になると、「昼寝をしないと夕方まで持たない」「ついテレビを見ながら寝落ちしてしまう」という声もよく聞きます。ここでもやはり、「短く・気持ちよく」を意識するのがポイントです。
- ソファや座椅子で、テレビの音量を少し落として目を閉じる
- タイマーを20〜30分にセットし、その時間だけしっかり休む
- 昼寝の前後に、ベランダや家の周りを少し歩いて、太陽の光を浴びる
また、「筋力が落ちてきた気がする」「体力をつけながら、昼寝も上手に使いたい」という方は、運動習慣とセットで考えてみるのもおすすめです。私は53歳からライザップに通い始めて、60代に入った今も、自分なりのペースでトレーニングを続けています。シニア向けのプログラムについては、ライザップシニアプログラムのページにもまとめていますので、興味のある方は参考にしてみてください。
和久井流・昼寝との付き合い方
「昼寝=サボり」と思っていた頃
正直な話をすると、若いころの私は、「昼寝=サボっている」「根性が足りない」と感じていました。料理の仕事をしていた時期は特に、「立ちっぱなし・動きっぱなしが当たり前」という感覚が強くて、「昼間に横になるなんてとんでもない」というタイプだったんです。
ところが50代に入り、体重も増え、疲れやすさを感じるようになってきた頃から、その考え方が少しずつ変わっていきました。詳しくは、ライザップ体験記ブログ(33kg減)にも書いていますが、53歳でライザップに通い始めて、トレーナーさんから「休むこともトレーニングの一部ですよ」と言われたことが大きかったです。
そこから、「昼寝も含めて、上手に休むこと」が、体を長く使い続けるためには大事なんだな、と実感するようになりました。
今の私の「現実的な昼寝ルール」
今の私の昼寝との付き合い方は、とてもゆるいです。完璧とはほど遠いですが、その代わり、続けやすい形を大事にしています。
- 昼食後に眠気が強い日は、15〜20分だけ横になる
- 眠気が軽い日は、イスに座ったまま目を閉じて深呼吸をする程度にとどめる
- 16時以降は、昼寝はせずに、軽く散歩かストレッチでリセットする
- どうしてもしんどい日は、「今日はそういう日だ」と割り切って、いつもより早めに寝る
こんな感じで、「昼寝を完璧にこなす」ことを目指すのではなく、「今の自分にとって心地いいライン」を探りながら続けています。
健康寿命というのは、「若いころのようにバリバリ動くこと」ではなく、「自分なりのペースで、なるべく長くごきげんに動ける時間」を指すのだろうと思います。昼寝パワーは、そのための小さな道具のひとつ。うまくハマる日もあれば、うまくいかない日もありますが、それで良しとしています。
昼寝パワーを「味方」にするための小さな工夫
「眠れなくてもOK」と決めておく
昼寝というと、「ちゃんと眠れなきゃ意味がない」と思ってしまいがちですが、実はそうでもありません。目を閉じて、外の情報をシャットアウトするだけでも、脳はある程度休まると言われています。
だからこそ、昼寝の前に「眠れなくても大丈夫」と自分に言い聞かせておくと、かえってリラックスしやすくなります。「眠らなきゃ」と力んでいるときほど、なかなか眠れないものですよね。
昼寝前後に「小さなルーティン」をつける
昼寝を習慣にしやすくするコツのひとつが、「前後の行動もセットにしてしまう」ことです。
- 昼寝前に、白湯を一杯飲む
- 昼寝が終わったら、窓を開けて深呼吸をする
- 昼寝のあとに、好きな音楽を1曲だけ聞く
こうした小さなルーティンをつけておくと、「この流れになったら、昼寝の時間だ」と体が覚えてくれます。ルーティンの内容は、なんでも構いません。自分がホッとすることを、ひとつだけ選んでみてください。
昼寝を「ご褒美」ではなく「メンテナンス」として考える
真面目な人ほど、「昼寝なんて贅沢」「頑張っている人は昼寝なんかしない」と思いがちです。でも、車だって、長距離を走る前にはガソリンを入れたり、タイヤの空気をチェックしたりしますよね。
昼寝もそれと同じで、「頑張る前のメンテナンス」と考えたほうが、健康寿命の視点ではしっくりきます。無理に気合で乗り切って、後でどっと疲れてしまうより、短くチャージして午後をほどよく乗り切る。そんな柔らかい発想で、自分にOKを出してあげてください。
まとめ:昼寝パワーで「午後の自分」を守る
ここまで、健康寿命を意識した「昼寝パワー」の使い方についてお話ししてきました。
- 短い昼寝は、頭と気持ちのリセットになりやすい
- 時間は15〜30分、昼食後〜15時くらいまでが目安
- 姿勢は、横になれなくてもOK。座ったまま目を閉じるだけでも十分
- 長時間の昼寝が続くときは、生活リズムの見直しや専門家への相談も視野に入れる
- 昼寝は「ご褒美」ではなく、「午後の自分を守るためのメンテナンス」と考える
健康寿命を延ばすというと、「運動を頑張らないと」「食事を完璧にしないと」と、どうしても“やること”に意識が向きがちです。でも、本当に大切なのは、「どれだけうまく休めるか」「どれだけ自分に優しくできるか」かもしれません。
昼寝パワーは、そのためのささやかな道具のひとつです。最初からうまくいかなくて大丈夫ですし、毎日できなくても問題ありません。週に1回でも、月に数回でも、「今日はちょっと昼寝でリセットしてみようかな」と思えた日から、少しずつ自分のリズムを整えていきましょう。
人生の後半戦を、なるべく長く、なるべくごきげんに過ごすために。あなたなりの「昼寝パワー」の使い方が見つかるきっかけになればうれしいです。

