ダイエットと健康寿命、両立させる食事の工夫

この記事では、40代〜70代の方が、「痩せたい」と「健康でいたい」を両立させるための食事の工夫を、できるだけやさしい言葉でまとめていきます。数字や専門用語よりも、「これなら明日からやれそうだな」と感じてもらえるヒントを大事にしています。
なお、ここでお伝えする内容は、医療行為や治療の提案ではありません。詳しい体調や持病については、かかりつけ医や専門家のアドバイスもあわせて参考にしてくださいね。
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なぜ「痩せるだけの食事」が気をつけたいポイントになるのか
体重だけを追いかけると、筋肉や元気まで削ってしまうことがある
中高年になってからのダイエットでありがちなのが、「とにかく食べる量を減らす」「炭水化物を極端に抜く」といった、短期決戦型のやり方です。確かに、最初の数週間は体重がストンと落ちることもあります。
ただ、そのとき一緒に減っているのは体脂肪だけではなく、筋肉や骨の材料になる栄養であることが多いと言われています。特に40代以降は、意識しないと筋肉量が自然に減っていく年代です。
筋肉が落ちると、基礎代謝(じっとしていても消費されるエネルギー)も下がりやすくなります。そうなると、「前より食べていないのに太りやすい」「体重は軽くなったのに、疲れやすくて動きたくない」といった状態につながりかねません。
加齢とともに基礎代謝はゆるやかに低下する
厚生労働省の情報でも、加齢とともに基礎代謝量は少しずつ低下していくと説明されています。筋肉量の減少や活動量の低下が理由と考えられています。
たとえば、同じ70kgの人でも、20代と50代では1日に必要なエネルギー量が変わってくる、というイメージです。若いころと同じ感覚で食べていると、「いつのまにかお腹まわりだけ成長していた…」ということが起こりやすくなります。
だからこそ中高年のダイエットでは、「ただ減らす」よりも「年齢に合ったバランスに整える」ことが大切になってきます。
健康寿命を縮めないために大事なのは「体重」より「動ける体」
健康寿命とは、「病気や介護に縛られず、自分の足で動き、人と関わり、行きたいところに行ける時間」のことです。数字としての寿命よりも、「どんな状態で生きるか」に焦点を当てた考え方ですね。
その健康寿命を支えているのが、筋肉・骨・内臓機能・心の元気などの総合力。食事を極端に減らして体重だけを落としてしまうと、これらの土台が弱ってしまうことがあります。
つまり、健康寿命を意識したダイエットでは、「何キロ痩せたか」よりも「前より歩きやすくなった」「階段を上っても息切れしにくくなった」など、体の働きがどう変わったかを大切にしていきたいところです。
健康寿命を見据えた「痩せ方」の考え方
エネルギー収支はあくまで土台として考える
体重が増える・減るの基本は、摂取エネルギー(食べた分)と消費エネルギー(動いた分)のバランスです。これは厚生労働省などの資料でも示されている、ダイエットの土台となる考え方です。
とはいえ、「毎日きっちりカロリー計算をしましょう」と言われると、それだけで嫌になってしまいますよね。人生後半のダイエットでは、もっとゆるやかに、ざっくりした目安で考えるくらいがちょうどいいことも多いです。
たとえば、「夜だけお酒と一緒に食べていたスナック菓子を、週の半分はやめてみる」「外食のときは揚げ物ではなく焼き魚を選ぶ」など、小さな引き算を積み重ねていくだけでも、エネルギー収支は少しずつマイナスに傾いていきます。
「何を減らすか」より「何を残すか」を決める
ダイエットというと、「○○は禁止」「△△は食べない」といった禁止リストを作りがちですが、健康寿命を意識するなら、逆に「これだけは毎日とっておきたい」リストから考えるのもおすすめです。
- 筋肉の材料になるたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)
- 腸の調子を整え、食べ過ぎを防ぎやすくしてくれる野菜・海藻・きのこ
- 脳と体のエネルギー源になる主食(ごはん・パン・麺)
- 細胞を守る良質な油(魚、ナッツ、植物油など)
これらを無理なく残しながら、「甘い飲み物」「お菓子」「揚げ物」「アルコールの飲み過ぎ」などを、少しずつ整理していくイメージです。
「完璧な食事」を目指さず、7割くらいを目安に
健康的な食事の例を見ると、「こんなにちゃんとできない…」と落ち込むこともあるかもしれません。ですが、健康寿命を伸ばしている人たちは、決して毎日完璧にできているわけではないようです。
「週のうち、だいたい7割くらい整っていればOK」くらいの感覚で、「今日は少し食べ過ぎたから、明日は少し軽めにしてみよう」とゆるく調整していく。そのくらいのほうが、長く続きやすくなります。
ダイエットと健康寿命を両立させる5つの食事ルール
ここからは、僕自身の経験と、公的な情報をあわせて考えた「ゆるめの5ルール」をご紹介します。細かい数字よりも、「方向性」をつかむ感覚で読んでみてください。
① たんぱく質を毎食「手のひら1枚ぶん」意識する
筋肉を守りながら体重を落とすには、たんぱく質をしっかりとることがとても大事だと考えられています。とはいえ、グラム数まできっちり計算するのは大変なので、目安としては「毎食、手のひら1枚分くらいのたんぱく質おかず」を意識してみてください。
- 肉・魚なら、手のひらサイズ1枚程度
- 卵なら1〜2個
- 豆腐なら1/3〜1/2丁程度
これを「朝・昼・夜」とまんべんなくとることで、筋肉の材料が一日じゅう入ってくるイメージになります。
② 野菜・海藻・きのこで「かさ増し」する
満腹感を得ながらカロリーを抑えるためには、食物繊維の多い食材をプラスするのが便利です。
- 味噌汁にわかめ・きのこ・野菜を足す
- おかずの付け合わせにブロッコリーやサラダを添える
- ラーメンやうどんに、野菜炒めをどっさり乗せる
こうした「プラスの工夫」は、我慢だけのダイエットよりも気持ちが楽で、続けやすくなります。
③ 主食は抜かずに「量と質」を調整する
糖質制限ブームの影響で、主食を完全に抜いてしまう方もいますが、脳や筋肉のエネルギー源として適度な主食は大切とされています。特に、運動や活動量がある程度ある場合は、主食ゼロの状態が長く続くと、かえってだるさや集中力低下につながることもあります。
そこでおすすめなのが、「ゼロにしないで、量と質をちょっとだけ工夫する」という考え方です。
- いつもの白ごはんを、まずは「軽め1杯」にしてみる
- 玄米・雑穀米・もち麦入りごはんなどを、週に何回か取り入れてみる
- パンなら、バターやジャムを少し控えめにする
主食を完全に抜くよりも、こうした調整のほうが、長く続きやすくなります。
④ 脂質は「減らす」より「選び方」を変える
脂質はカロリーが高い一方で、ホルモンの材料になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりと、大切な役割もあります。ですので、「油は悪者」と決めつけるより、「どの油をどれくらいとるか」を意識してみるのがおすすめです。
- 揚げ物の回数を、週に2回→1回にしてみる
- マヨネーズたっぷりのサラダより、オリーブオイルやごま油を少量使ったサラダにしてみる
- 肉だけでなく、青魚(サバ・イワシなど)を週に2回ほど取り入れてみる
こうした小さな工夫でも、トータルの脂質の質が少しずつ良くなっていきます。
⑤ 甘い物とアルコールは「ゼロか100」ではなく、「頻度と量」で考える
人生後半の楽しみとして、甘い物やお酒は、完全にやめてしまうよりも、うまく付き合いながら続けていきたいものです。
ポイントは、「毎日だらだら」から「回数と量を決めて楽しむ」スタイルに変えてみることです。
- お菓子は「毎日」ではなく、「週に3回まで」「午後のおやつだけ」など、自分なりのルールを決める
- アルコールは、「休肝日を週2日つくる」「家では小さいグラス1〜2杯だけ」にしてみる
- どうしても食べたいスイーツの日は、そのぶん夕食を少し軽めにする
このように、「無理な我慢」ではなく「上手に付き合う工夫」をすることで、心の満足感を保ちながら、健康寿命にもやさしいダイエットになっていきます。
1日のイメージがつきやすい「ゆるっと食事モデル」
ここでは、あくまで一例として、「こんな組み立て方もあるよ」というモデルを紹介します。ご自分の体調や好みに合わせて、自由にアレンジしてくださいね。
朝食のイメージ
- ごはん(小盛り)または全粒粉パン1枚
- 焼き鮭・卵焼き・納豆など、たんぱく質おかずを1品
- 味噌汁(野菜やきのこ入り)
- ヨーグルトや果物を少量
朝は、「主食+たんぱく質+野菜か果物」がそろっていれば十分です。時間がなければ、納豆ごはんと味噌汁だけでもOK。大事なのは、「何も食べないで出かける日を減らす」ことです。
昼食のイメージ
- 定食スタイル(ごはん・主菜・副菜・汁物)
- 丼ものの場合は、サラダか野菜たっぷりの味噌汁をセットにする
- 麺類のときは、サラダチキンや冷奴など、たんぱく質と野菜を足す
外食やコンビニ利用が多い方は、「たんぱく質のあるおかずを1品足す」「野菜の小鉢を1個足す」など、追加するイメージで考えると、バランスが整いやすくなります。
夕食のイメージ
- ごはん(朝・昼より少なめでもOK)
- 魚または肉のおかず
- 野菜たっぷりの煮物・サラダ・味噌汁
- アルコールを飲む場合は、量を決めてゆっくり楽しむ
夜はどうしても食べ過ぎやすい時間帯なので、「主食を軽めにする」「おかわりはしない」など、自分なりのゆるいルールを決めておくと安心です。
間食のイメージ
- ナッツや小魚、チーズなど、少量で満足感のあるもの
- 和菓子や果物を、小皿に取り分けて楽しむ
- 喉が渇いたときは、まず水やお茶を飲んでみる
「ついダラダラと食べてしまう」という方は、「今日はこれだけ」と量を最初にお皿に出してしまうのも一つの方法です。袋のまま食べないだけでも、不思議と食べる量が変わってきます。
心と人間関係も一緒に整える「食べ方」のコツ
よく噛んで、ゆっくり味わうだけでも変わってくる
ダイエットというと「何を食べるか」に意識が向きがちですが、健康寿命を考えると、「どう食べるか」もとても大切です。
- 一口ごとに箸を置いて、よく噛む
- テレビやスマホを見ながらではなく、「今食べているもの」に意識を向けてみる
- 「あと何口くらいで満足しそうか」を、途中で一度感じてみる
こうした小さな工夫だけでも、食べ過ぎを防ぎやすくなり、「少ない量でも満足できる自分」に変わっていきます。
家族や仲間と「ゆるい約束」を共有しておく
一人で黙々と頑張るよりも、家族や友人と「ゆるい約束」をしておくと、続けやすくなります。
- 「平日の夜は揚げ物を控えめにしようか」
- 「晩酌は週末だけにしてみよう」
- 「毎週○曜日は、ヘルシーメニューの日にしよう」
僕自身も、ライザップに通っていたとき、家族に協力してもらいながら食事を整えていきました。そのときの様子は、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】でも詳しく振り返っています。
外食・飲み会が多い人こそ「選び方」で差がつく
仕事や付き合いで外食や飲み会が多い方ほど、「ダイエットなんて無理だ」と感じやすいかもしれません。ただ、健康寿命を意識するなら、「行かない」「断る」だけが選択肢ではないと考えています。
- 最初の一杯をビールにしたら、2杯目からはハイボールやお茶にする
- 揚げ物ではなく、刺身・焼き魚・焼き鳥(塩)などを中心に選ぶ
- シメのラーメンは、行く回数を決めておく
こうした「選び方のコツ」をまとめた記事として、外食・飲み会が多い人向け活用法も用意しています。人付き合いを大事にしながら、体にもやさしい選択肢を一緒に探していきましょう。
リバウンドしにくい「ゆるダイエット」への切り替え
短期決戦から「一生続ける食べ方」へ
僕はこれまで、短期間で体重を大きく落とした経験もあれば、そこからリバウンドしてしまった経験もあります。そのたびに感じたのは、「ゴールが体重計の数字だけだと、その先が続かない」ということでした。
ライザップで33kg減量したときの記録は、ライザップ体験記ブログ(33キロダイエット成功ブログ大公開)にまとめていますが、本当に大変だったのは、むしろ「その後どう生きるか」でした。
血圧のことも気にしながら試行錯誤してきた記録は、ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!にも残しています。今振り返ると、あの経験は、まさに「健康寿命と向き合うきっかけ」だったと感じています。
自分の「痩せづらさのタイプ」を知っておく
同じように食事を整えても、するすると体重が落ちる人もいれば、なかなか変化が出ない人もいます。年齢・体質・生活リズム・ストレスなど、背景が違えば、ダイエットの進み方も違って当たり前です。
だからこそ、「なんで私は痩せないんだろう」と責めるのではなく、「自分はどんなタイプなんだろう?」と知ることが大事になってきます。
僕のサイトでは、そうした目安として、【4タイプ診断】痩せない原因判定(戦略)も用意しています。「食事の量」「動く時間」「ストレス・睡眠」など、どこにボトルネックがありそうかを客観的に見直すきっかけになればうれしいです。
「昨日より少し良い選択」ができていれば十分
健康寿命を伸ばすダイエットは、マラソンよりも「散歩」に近い感覚だと思っています。全力疾走してヘトヘトになるよりも、「昨日よりちょっとだけ良い選択ができたら、それで合格」と考えるほうが、心も体も楽です。
- ごはんを山盛り→普通盛りにしてみた
- いつもより一品、野菜のおかずを増やしてみた
- お菓子を2袋→1袋にしてみた
こうした小さな変化の積み重ねが、1年後・5年後・10年後の「動ける自分の体」をつくっていくと考えると、ダイエットが少し違って見えてきます。
公的な情報も味方につけて、無理のないダイエットを
最後に、公的な情報との付き合い方についても触れておきます。
- 食事バランスガイド(厚生労働省・農林水産省):1日に「何を」「どれくらい」食べるかのイメージづくりに役立ちます。
- 日本人の食事摂取基準(2025年版):エネルギーや栄養素の目安を示した専門的な資料です。
- 「加齢とエネルギー代謝」:年齢と代謝の関係について、わかりやすく解説されています。
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023情報シート:活動量とエネルギー・栄養素の関係を整理した資料です。
これらはあくまで「目安」や「考え方の参考」です。数字を完璧に守ることよりも、「自分の生活に合った範囲で、少しずつ近づいていく」という姿勢で付き合っていくと、気持ちが楽になります。
まとめ:今の食事に「1つだけ」変化を足してみる
ダイエットと健康寿命を両立させる食事のポイントを、かなり盛りだくさんでお伝えしてきました。最後に、今日からできそうな一歩を整理してみます。
- 体重だけでなく、「歩きやすさ」「疲れにくさ」といった体の変化にも目を向けてみる
- たんぱく質・野菜・主食・良質な油を「残しながら」、お菓子や揚げ物・アルコールを少しずつ整えていく
- 朝・昼・夜それぞれに、「これは続けたい1品」を決めてみる
- よく噛んで、ゆっくり味わう食べ方を意識してみる
- 家族や仲間と「ゆるい約束」を共有して、一人で抱え込まない
全部を一度にやろうとすると、大人でも息切れしてしまいます。まずは、「今の食事に、1つだけ新しい良い習慣を足してみる」ところから始めてみませんか。
僕もまだまだ試行錯誤の途中ですが、一緒に「痩せる」と「長く元気でいる」を両立させていけたらうれしいです。

