【健康寿命】40代からの「寝る前10分習慣」で老けない体に

40代に入ると、朝起きたときの「なんとなく重い感じ」や、昼間の集中力の落ち方に、20代・30代との違いをじわじわ感じる人が増えてきます。
その一方で、仕事・家事・子育て・親のこと……と、やることはむしろ増えていく時期でもありますよね。睡眠時間をたっぷり確保したい気持ちはあっても、現実には「今日も寝るのが遅くなったなぁ」とため息が出ることも多いと思います。
そこでこの記事では、忙しい40代からでも取り入れやすい「寝る前10分習慣」をテーマに、健康寿命(元気に動ける時間)を伸ばすヒントをまとめていきます。
寿命そのものを伸ばすというより、「明日の自分がちょっと楽になる」「5年後・10年後の自分が動きやすい体でいられる」ことをゴールに、一緒に考えていきましょう。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
健康寿命と睡眠の関係をゆるく整理してみる
まずは、「そもそも睡眠って健康寿命とどう関係しているの?」というところから、ざっくり整理してみます。
健康寿命は、「元気に自立して生活できる期間」のこと。寝たきりや、強い介護が必要な期間をできるだけ短くして、動ける時間を長くしていきましょう、という考え方です。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、良い睡眠が脳・心臓血管・代謝・免疫・認知機能・メンタルの健康を支える大切な要素のひとつとされています。
また、「健康づくりのための睡眠指針2014」では、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下が、生活習慣病のリスクと関係していることが示されています。ここでいう生活習慣病とは、高血圧・糖尿病・心血管系の病気など、まさに健康寿命に直結しやすいものばかりです。
つまり、睡眠は「体を休める時間」だけでなく、「明日の自分の体をつくり直す時間」ととらえたほうがイメージしやすいかもしれません。
日本人は少し「寝不足ぎみ」と言われている
東京都の調査では、「睡眠が十分・ほぼ十分」と感じている人は6割ほどで、半数近くが「不眠の状態がある」と答えています。また、日本人の平均睡眠時間は、国際比較でも短いほうだと報告されています。
日本睡眠学会の資料でも、6時間以下の短時間睡眠は、心の不調や生活習慣病のリスクが高まる可能性が指摘されています。
こうしたデータを見ると、「なんとなく寝不足だけど、みんなそうだし大丈夫でしょ」と流してしまうのは、実はもったいないのかもしれません。
とはいえ、「今日から毎日8時間寝てください」と言われても、現実的にはむずかしい人が多いですよね。だからこそ、まずは寝る直前の10分だけでも、体と心を休めやすい状態にととのえてあげることが、40代からの健康寿命づくりでは大事なポイントになってきます。
なぜ「寝る前10分」がカギになるのか
睡眠の世界には「睡眠衛生」という考え方があります。これは、日本睡眠学会などでも紹介されていて、「睡眠に影響する生活習慣や環境をととのえて、睡眠の質やリズムを安定させましょう」という考え方です。
具体的には、
- 就寝・起床のリズム
- 寝る前の飲食・カフェイン・アルコール
- 光や室温などの寝室環境
- スマホやテレビなどの刺激
といったものが含まれます。
この中でも、「寝る前の10分」は、1日の中でいちばん「自分でコントロールしやすい時間」と言ってもいいかもしれません。仕事も家事もひと区切りつき、あとは寝るだけ……というタイミングなので、ここでの過ごし方を少し変えるだけでも、睡眠の質はじわじわ変わっていきます。
反対に、寝る直前までスマホでニュースやSNSを追いかけていると、情報の刺激で頭が興奮したままになりやすく、光の影響で体内時計にもズレが出やすいと言われています。
だからこそ、「寝る前10分は、自分の体と心を今日モードから明日モードに切り替える時間」と考えてみると、イメージしやすくなるはずです。
まずはスマホをしまう「合図」を決める
とはいえ、いきなり理想的なナイトルーティンを完璧にやろうとすると、たいてい3日で疲れてしまいます。そこで、最初の一歩としておすすめしたいのが、
「寝る前10分は、スマホを引き出しにしまう」
というシンプルなルールです。
ポイントは、「時間」ではなく「行動」で区切ること。たとえば、
- 歯をみがき終わったら、スマホをベッドから離れた机の上に置く
- アラームをセットしたら、引き出しに入れてしまう
- 充電ケーブルの場所をベッドから少し離したところに決めておく
など、自分なりの「スマホ終了の合図」を決めてしまいます。
これだけでも、ベッドに入ってからの「ながらスクロール時間」がぐっと減り、眠りに入りやすくなる人は多いはずです。
スマホをしまったら、照明もワントーン落とす
スマホをしまったあとは、部屋の照明も少し落としてあげると、体が「そろそろ寝る時間だな」と認識しやすくなります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、寝る1〜2時間前から強い光を避けることが、良い睡眠のためのポイントのひとつとして紹介されています。
明るさを落とすと言っても、真っ暗にする必要はありません。ベッドサイドのスタンドライトをつける、間接照明に切り替えるなど、「ほっとする明るさ」を探してみてください。
老けない体をつくる「寝る前10分習慣」5つのアイデア
ここからは、スマホをしまったあとにできる「寝る前10分習慣」の具体的なアイデアを紹介していきます。すべてやる必要はありません。ピンときたものを、1つか2つ選んでみてください。
1)深呼吸で「今日モード」から「明日モード」に切り替える
最初のおすすめは、2〜3分のゆっくりした呼吸です。
やり方はとてもシンプルで、
- 背もたれにもたれて座るか、ベッドの上で楽な姿勢になる
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 6〜8秒かけて口からゆっくり吐く
- これを5〜10回ほどくり返す
だけでもOKです。
長く吐く呼吸は、自律神経のうち「休む側」のスイッチを入れやすいと言われています。難しく考えず、「ふーっ」と長めに吐くことだけ意識してみてください。
2)かんたんストレッチで、体のこわばりをリセット
次は、1日がんばってくれた体をねぎらう、かんたんなストレッチです。ポイントは、がんばらないこと。筋トレのように負荷をかけるのではなく、「あ〜気持ちいいな」と感じるところで止めるくらいがちょうどいいです。
たとえば、
- 首をゆっくり左右にかたむけて、首すじを伸ばす
- 肩を前後にゆっくり回して、肩まわりをほぐす
- ベッドの上で足首をくるくる回し、ふくらはぎを軽くさする
といった動きでも十分です。どれも10〜20秒程度でできるので、全部まとめても2〜3分あれば終わります。
「寝る前ストレッチ」と聞くと、ヨガのポーズや大きな動きをイメージするかもしれませんが、40代以降は「気持ち良さ優先」でOKです。痛みが出るところまで無理に伸ばす必要はありません。
3)感謝メモ・よかったこと日記を書く
体だけでなく、心も「今日モード」から切り替えてあげると、眠りに入りやすくなります。そこでおすすめなのが、寝る前に1〜3行だけ書く「感謝メモ」や「よかったこと日記」です。
ノートでもメモ帳でもかまいません。たとえば、
- 「今日も一日、なんだかんだ無事に終わった」
- 「夕飯の味噌汁が思ったよりおいしくできた」
- 「駅でエスカレーターじゃなく階段を使えた」
といった、本当にささいなことで十分です。
人はどうしても、「できなかったこと」や「うまくいかなかったこと」に意識が向きやすいもの。寝る直前に少しだけ「よかったこと」を思い出してあげると、「今日もそれなりにがんばったな」と自分を認めやすくなります。
この「自分を責めない時間」をつくることは、メンタル面から見た健康寿命の土台づくりにもつながっていくように感じています。
4)明日の自分が助かる「ひと言メモ」を書く
寝る前にあれこれ考えごとをしてしまうと、布団の中で頭がグルグルしてしまうことがありますよね。そんなときは、「明日の自分へのひと言メモ」を書いてから寝るのもおすすめです。
ToDoリストのように細かく書く必要はありません。
- 「午前中は資料づくりをする」
- 「昼休みに、〇〇さんにお礼メールを書く」
- 「帰りに牛乳を買う」
といった、「これだけは忘れたくない」という1〜3個だけ書き出して、ノートを閉じてしまいます。
頭の中から紙に移すことで、「あとは明日の自分に任せよう」と考えやすくなり、眠りに入りやすくなる人も多いです。
5)眠りやすい環境をととのえるミニチェック
最後は、「環境」のミニチェックです。厚生労働省の睡眠指針でも、寝室の光・音・温度などを整えることが良い睡眠のポイントとして挙げられています。
寝る前10分でできる範囲だと、
- エアコンや暖房で、暑すぎず寒すぎない温度にする
- 時計や家電のランプがまぶしければ、向きを変えたりカバーをかける
- カーテンを閉めて、外からの光をできるだけ遮る
- 気になる物音があれば、耳栓やホワイトノイズを試してみる
といったことから始めてみるのもいいと思います。
僕が感じた「小さな習慣」の積み重ねパワー
ここまで読んでくださった方の中には、
「たった10分で、本当に変わるのかな?」
と感じている方もいるかもしれません。
僕自身、ライザップで本格的に体づくりを始める前は、「どうせやるならガッツリやらないと意味がない」と思い込んでいたタイプでした。その結果、張り切っては続かず、リバウンドをくり返したこともあります。
そこから、食事・運動・睡眠を少しずつ見直していく中で、「小さな習慣でも、積み重ねるとちゃんと体は応えてくれるんだな」と実感するようになりました。そのあたりの話は、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】にもまとめています。
寝る前10分も、同じようなイメージです。1日だけやっても劇的な変化はわからないかもしれませんが、1週間、1か月と続けていくうちに、「なんとなく翌朝が楽」「昼間のイライラが減った気がする」といった小さな変化が出てくる方は少なくありません。
40代・50代・60〜70代 それぞれの「寝る前10分」
ここからは、年代別に「寝る前10分習慣」をどう使っていくか、少しだけ視点を分けてみます。
40代:オンとオフの切り替えタイムとして
40代は、仕事も責任が増え、家庭では子育てや親のサポートなど、心も体もフル回転になりやすい時期です。
この年代にとっての寝る前10分は、「一日の終わりに、オンからオフへギアチェンジする時間」ととらえるとしっくりくるかもしれません。
具体的には、
- スマホをしまう → 深呼吸 → 首・肩まわりのストレッチ
- 今日のよかったことを1つ書く → 明日のひと言メモを書く
など、「頭の中をゆっくりブレーキさせる」流れを意識してみてください。
50代:体と心の変化を受けとめる時間として
50代になると、更年期の影響や体力の変化を感じやすくなり、「昔は徹夜しても平気だったのになぁ」と、自分の変化に戸惑うことも出てきます。
この年代では、寝る前10分を「変化した自分の体と仲直りする時間」にしてみるのもおすすめです。
たとえば、
- 「今日もよくがんばったね」と、自分に声をかけるつもりで感謝メモを書く
- ホットタオルで首や目元を温めてから眠る
- 痛みが出ない範囲で、関節をゆっくり動かしてから布団に入る
など、「今の自分の体に合わせてペースを調整する」ことを意識してみてください。
60〜70代:生活リズムをととのえ、翌日の元気をキープする時間として
60〜70代になると、早寝早起きになったり、夜中に目が覚めやすくなったりと、睡眠リズムそのものが変わってくる方も多くなります。
この年代の寝る前10分は、「翌日の活動量をキープするための準備時間」と考えてみると良いかもしれません。
ポイントは、
- 昼寝を長くしすぎないようにしながら、夜の眠りを助けていく
- 寝る前に、翌日の楽しみ(散歩・趣味・友人との約束など)を1つ思い浮かべる
- 足首やふくらはぎを軽く動かして、血流をととのえておく
など、「明日も自分の足で動ける準備」を意識した習慣を選んでみることです。
無理なく続けるためのQ&A
Q1.10分も取れない日があります。
A.「1分だけやる日」があってもOKです。
寝る前の時間は、その日によって余裕が違いますよね。仕事で遅くなった日や、家族の用事でバタバタした日は、正直10分も取れないこともあります。
そんな日は、
- 深呼吸を3回だけする
- ノートに「今日も一日おつかれさま」と一行だけ書く
といった「1分バージョン」に切り替えてしまいましょう。
大事なのは、「やるかゼロか」ではなく、「形を変えながらも続けること」です。睡眠ガイドでも、個人差や生活環境に合わせて、できるところから取り組むことの大切さが強調されています。
Q2.結局、何時間くらい寝ればいいのでしょうか?
A.「時間」だけでなく、「起きたときの休養感」も目安にしてください。
よく「7時間睡眠が理想」といった話を耳にしますが、実際には個人差が大きく、「この時間なら全員OK」というものはありません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、「睡眠時間」と同じくらい「睡眠でどれだけ休めたと感じるか(睡眠休養感)」を大切にすることが示されています。
朝起きたときに、
- 「だるさが少し軽くなっているか」
- 「日中に眠気で困る場面が減ってきているか」
といった点を、自分なりの目安にしてみてください。
Q3.寝る前にやらないほうが良いことはありますか?
A.カフェイン・寝酒・大量の食事・強い光は控えめに。
「健康づくりのための睡眠指針2014」では、就寝前のカフェインや喫煙、寝酒が睡眠に悪影響を与える可能性があることが示されています。
とくに40代以降は、カフェインの代謝が若い頃よりゆっくりになることも多く、夕方以降のコーヒー・エナジードリンクは、眠りを浅くする一因になることがあります。
寝酒についても、「飲むと寝つきは良く感じるけれど、眠りが浅くなりやすい」と指摘されています。どうしても飲みたい日は量を控えめにし、寝る直前ではなく早めの時間帯に飲み終えるなど、工夫してみてください。
また、スマホやパソコンの強い光も、眠りのリズムに影響すると考えられています。寝る前10分だけでも画面から離れて、照明を落として過ごすだけでも、体内時計にはプラスに働きやすいようです。
Q4.それでも眠れない日が続くときは?
A.「がんばって寝よう」としすぎないことと、専門家に相談するタイミングを決めておくことが大切です。
寝つけない夜に、「早く寝なきゃ」と力むほど、かえって目が冴えてしまうことがあります。そんなときは、いったん布団から出て、
- 暗めの照明のもとで、本や雑誌をゆっくり読む
- 白湯を少し飲んで、呼吸を整える
など、「眠くなるまで待つ時間」に切り替えてしまうのもひとつの方法です。
それでも、
- 眠れない状態が何週間も続く
- 日中の眠気やだるさで、仕事や家事に支障が出ている
といった場合は、無理をせず、かかりつけ医や睡眠に詳しい医療機関に相談してみることも検討してください。長く続く不眠の陰に、別の病気が隠れていることもあるとされています。
「相談するほどでもないかな」と思いがちですが、健康寿命を伸ばすという意味では、「早めに相談して、早めに手当てをしておく」ことも立派なセルフケアだと考えています。
まとめ:今夜から「1分だけ」でも始めてみる
最後に、この記事の内容をコンパクトにまとめておきます。
- 睡眠は、脳や体を回復させ、生活習慣病リスクにも関わる大切な時間と考えられている
- 日本人は少し寝不足ぎみと言われており、40代以降はとくに睡眠の質を意識したい年代
- いきなり睡眠時間を大きく増やすのが難しいなら、まずは「寝る前10分」の過ごし方から整えていく
- スマホをしまう・深呼吸・かんたんストレッチ・感謝メモなど、小さな習慣でも積み重ねると体と心は変わっていく
- 完璧を目指すより、「1分だけでもやる日」を作りながら、マイペースで続けることがいちばんの近道
健康寿命を伸ばすというと、「ハードな運動」や「きっちりした食事管理」のイメージが強いかもしれません。でも実際には、夜の10分をどう過ごすかのような、ごく小さな習慣の積み重ねが、じわじわと将来の体をつくっていくのだと思います。
今夜は、まず「スマホを少し早めにしまって、深呼吸を3回してみる」くらいからでも十分です。ゆるく、長く、自分のペースで。「明日の自分がちょっと楽になる」寝る前10分習慣を、いっしょに育てていきましょう。

