【健康寿命】70代の「集中力」が落ちない人の共通習慣

70代になると、
- 本を読んでもすぐページを戻ってしまう
- テレビを見ながら、途中で内容がわからなくなる
- 会話の最中に「えっと、何の話だっけ?」となる
こんな「集中力の落ち」を意識する場面が増えてくるかもしれません。
一方で、同じ年代でも、
- 手芸やパズルに何時間も没頭している人
- 新聞の長い記事をじっくり読み込める人
- 人の話を最後までていねいに聞ける人
もいます。特別な才能ではなく、日々の生活リズムや習慣の違いが、集中力の差となって表れていることも多いようです。
この記事では、「寿命を延ばす」よりも「元気に動けて、頭もさえている時間=健康寿命」を伸ばすという視点から、70代で集中力が落ちない人に共通する生活習慣を、やさしく整理していきます。
難しいトレーニングや厳しいルールではなく、「これなら自分でもできそう」と感じられるシンプルな習慣を中心にまとめました。今から少しずつ取り入れていけば、年齢に関係なく、集中しやすい毎日に近づいていきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
- 1 1.70代の集中力は「頭」だけでなく「体」と「心」と「人付き合い」
- 2 2.集中力が落ちない人に共通する「1日のリズム」
- 3 3.睡眠の整え方 ― 「長さ」より「休めた感」を大事にする
- 4 4.体を動かす習慣が集中力の下支えになる
- 5 5.70代の「集中力キープ」を助ける、シンプルな脳の使い方
- 6 6.会話と社会参加は、最高の「集中力トレーニング」
- 7 7.食事と水分 ― 血糖と脱水で集中力がボヤけないように
- 8 8.「集中力が落ちたかも」と感じたときの、やさしいセルフチェック
- 9 9.【体験をまじえて】集中力は「記録」と「小さな目標」で育つ
- 10 10.まとめ ― 70代からの「集中力キープ習慣」は今からでも間に合う
1.70代の集中力は「頭」だけでなく「体」と「心」と「人付き合い」
集中力というと、「脳の機能」だけをイメージしがちですが、実際にはいくつもの要素が重なり合っています。
- 頭:記憶力・注意力・判断力などの認知機能
- 体:血流・筋力・姿勢・視力や聴力などの感覚
- 心:不安・イライラ・落ち込みなどのメンタル状態
- 人付き合い:誰かと会話する機会や、社会とのつながり
どれか一つでも調子が崩れると、「集中しづらい」「ぼんやりする」と感じやすくなります。逆にいえば、どこか一つを少し整えるだけでも、集中しやすさが戻ってくる可能性があります。
特に70代以降は、体力や感覚器(目・耳)の変化、睡眠リズムの変化、身近な人との別れなど、集中力に影響しやすい出来事が増えてきます。「年齢だから仕方ない」とあきらめてしまう前に、生活習慣を少しだけ整えてみることが、健康寿命を守る第一歩になりそうです。
2.集中力が落ちない人に共通する「1日のリズム」
2−1.起きる時間と寝る時間を「だいたい同じ」にしている
集中力が保たれている70代の方の話を聞くと、「平日も休日も、だいたい同じ時間に起きて、だいたい同じ時間に寝る」という共通点がよく見られます。
国家レベルの健康施策でも、睡眠と健康の関係は大きなテーマになっていて、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠が認知機能や心の健康を支える大事な休養であることが示されています。「何時間寝るか」だけでなく、「毎日のリズムを整えること」が大切だとされています(詳しくは厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』も参考になります)。
完璧に同じ時間にする必要はありませんが、
- 起床時間のズレを1時間以内におさえる
- 夜更かしするときも、頻度を少なめにする
このくらいの「ゆるい目安」を意識しておくと、体内時計が乱れすぎず、日中の集中力も安定しやすくなります。
2−2.朝の光と「ちょこっと家事」でスイッチを入れる
朝、カーテンを開けて光を浴びると、体内時計がリセットされて、脳も目覚めやすくなると言われています。厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」でも、快眠のための生活習慣として「光浴(日光や人工照明)」の活用が紹介されています。「快眠と生活習慣」の記事も、朝の過ごし方のヒントになります。
70代で集中力が落ちない人は、
- 起きたらカーテンを開ける
- ベランダに出て空気を吸う
- 軽くテーブルをふく・洗濯をほす などの「ちょこっと家事」
といった習慣で、体と頭のスイッチを自然に入れていることが多いようです。
「ラジオをつけながら台所の片づけをする」「コーヒーをいれながら洗濯機を回す」など、朝のルーティンができてくると、その後の読書や趣味にも集中しやすくなります。
2−3.午後に「ひと休みタイム」を意識してとっている
ずっと集中し続けられる人は、実は「休み方」が上手です。70代では、午後になるとどうしても眠気やだるさが出やすくなりますが、「ちょっと横になる」「温かいお茶を飲む」「目をつぶって深呼吸する」など、短い休憩をうまくはさむことで、夕方の集中力がぐっと変わってきます。
ポイントは、「休んだあとに何をするか」を決めてから休むことです。
- 「15時になったら、パズルを30分だけやろう」
- 「休んだあとは、昨日の続きの本を読もう」
こうした「小さなゴール」をセットしてから休むと、だらだら横になりすぎず、メリハリがつきます。
3.睡眠の整え方 ― 「長さ」より「休めた感」を大事にする
「集中できないのは、睡眠時間が短いからだ」と感じている方も多いと思います。もちろん、極端な睡眠不足は集中力の大敵ですが、「7時間寝ないとダメ」「8時間は必要」といった決めつけがストレスになってしまうこともあります。
先ほど紹介した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠は脳や認知機能の健康維持にも重要ですが、必要な睡眠時間や理想的なリズムには個人差が大きいとされています。「自分に合った睡眠を見つけること」が大切だと示されています。
70代で集中力が保たれている人は、時間だけにこだわるのではなく、次のような「休めた感」のサインを目安にしていることが多いようです。
- 朝起きたときに、体が重すぎない
- 午前中に少し動いても、極端な眠気がない
- 日中、活動の途中で「少し休めば持ち直す」感覚がある
「夜中に1〜2回トイレに起きる」「寝つくまで少し時間がかかる」などは、高齢になるとよくある変化です。どうしても気になる場合は、不眠症などの情報を扱っている『不眠症』の解説を参考にしつつ、必要に応じて医療機関に相談すると安心です。
「寝る時間より、起きる時間をそろえる」「布団に入ってからスマホやテレビを見ない」「夕食は寝る2〜3時間前までに済ませる」といった、ちょっとした工夫でも、少しずつ「休めた感」が変わってきます。
4.体を動かす習慣が集中力の下支えになる
集中力は、血流とも深く関係していると考えられています。体を軽く動かすと、脳への血流も増え、頭がすっきりしやすくなります。そのため、健康づくりのガイドラインでも、年齢に関係なく「日常生活の中で体を動かすこと」が推奨されています。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者向けの身体活動として、歩行などの活動を1日60分以上行うことが一つの目安として示されています。ただし、これはあくまで一般的なガイドラインであり、体調や持病などに合わせて無理のない範囲で調整することが大切だとされています(詳しくは『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』を参考にしてください)。
集中力が落ちない70代の方は、必ずしも激しい運動をしているわけではなく、
- 毎日同じ時間に近所を20〜30分歩く
- 買い物で、少し遠回りして帰る
- テレビを見ながら、足首を回したり、かかとの上げ下ろしをする
といった「ゆるい動き」をコツコツ続けていることが多いです。
また、「健康日本21(第三次)」では、高齢者の1日の歩数の目標として、男女とも6000歩程度が示されていますが、これも「全国民の平均として目指したい値」という位置づけで、個々人にとっての正解が一つとは限らないとされています。体力に自信がない方は、まずは現在より500歩〜1000歩ほど増やすイメージで、少しずつ歩数を伸ばしていくと安心です(関連情報は「健康日本21(第三次)における身体活動・運動の目標」も参考になります)。
「体を動かす → よく眠れる → 日中にぼんやりしづらくなる → 趣味や会話に集中しやすい」という良い流れができてくると、集中力は自然と育っていきます。
5.70代の「集中力キープ」を助ける、シンプルな脳の使い方
5−1.「ながら」より「一つにしぼる時間」をつくる
スマホ・テレビ・家事など、情報があふれる現代では、「あれもこれも同時にこなす」ことが増えています。若い頃ならそれでもこなせたかもしれませんが、年齢を重ねると、マルチタスクはどうしても集中力の負担になりやすいようです。
集中力が落ちない70代の方は、
- 「いまは新聞だけ読む」
- 「いまは編み物だけに集中する」
- 「いまは家計簿タイム」
といった具合に、その時間にやることを一つに決めるのが上手です。短い時間でも「一つだけに集中して終わらせる」経験が積み重なると、脳は「集中モード」に入りやすくなります。
5−2.「区切って取り組む」クセをつける
分厚い本や大きなパズルなどを見ると、「こんなにたくさんは無理…」と感じてしまうかもしれません。そんなときに役立つのが、「小さなかたまりに分ける」習慣です。
- 本 → 「今日は見出し1つ分だけ読む」
- パズル → 「今日は空の部分だけやってみる」
- 家計整理 → 「今日はレシートの整理だけ」
こうして小分けにしておくと、「終わった」という達成感も得やすくなり、次の集中にもつながります。70代でも集中力が続いている方は、この「区切り方」がとても上手です。
5−3.手を動かす趣味は、集中力と気分転換の両方に役立つ
手芸・工作・家庭菜園・書道・料理など、手と目を同時に使う活動は、集中力のトレーニングにも、気分転換にもなりやすいと言われています。難しいものでなくて大丈夫です。
- ちいさな刺しゅうやパッチワーク
- 100〜300ピース程度のパズル
- 1ページ完結のナンプレや間違いさがし
- レシピを見ながら新しい料理に挑戦する
こうした活動は、「完成した」という満足感も得やすく、自信にもつながります。「うまくできた」「前より早くできた」という小さな成功体験が、翌日の集中にも良い影響を与えてくれます。
6.会話と社会参加は、最高の「集中力トレーニング」
誰かと会話をするとき、私たちの脳は、相手の表情・声のトーン・話の内容を一生懸命キャッチしようと働いています。相手の話を理解し、自分の言葉を選んで返事をすること自体が、立派な集中力トレーニングになっています。
近年は、高齢者のフレイル(心身の虚弱)予防において、社会参加の重要性がたくさんの研究で指摘されています。公益財団法人東京都健康長寿医療センターなどでも、「介護予防・フレイル予防のために社会参加が大切」という趣旨の情報がまとめられています(詳しくは同センターのフレイル・社会参加に関する解説ページなども参考になります)。
集中力が落ちない70代の方は、
- 趣味のサークルや地域の集まりに参加している
- 近所の友人と定期的にお茶をする
- 家族との電話やオンライン通話を習慣にしている
など、「人と話す機会」を上手に作っています。話す内容が特別である必要はありません。「最近どう?」「この前こんなことがあってね」など、何気ない会話でも、脳はしっかり働いています。
外出が難しい場合も、電話や手紙、オンラインの交流など、できる範囲でつながりを保つ工夫が、集中力と心の元気を支えてくれます。
7.食事と水分 ― 血糖と脱水で集中力がボヤけないように
集中力が続かない背景には、「お腹が空きすぎている」「甘いものを一気に食べて血糖値が乱高下している」「水分不足で頭が重い」といった、からだの状態も関係していると言われます。
7−1.食事は「抜かない」「詰め込みすぎない」が基本
70代で集中力が保たれている方の食事の特徴として、
- 朝食をかるくでもとる
- 昼食と夕食の間隔が空きすぎないように、おにぎりやナッツなどを少量つまむ
- 「健康に良さそうだから」と食べすぎない(量のバランスを意識する)
といった「極端に偏らない食べ方」がよく見られます。
たんぱく質・野菜・主食をバランスよくとることや、脂っこいもの・甘いものをとりすぎないことは、健康全般にとっても大事なポイントです。具体的な栄養バランスについては、厚生労働省や自治体が発行している食事のガイドやパンフレットも参考になるでしょう。
7−2.こまめな水分補給は「頭の回転」にもやさしい
脱水が進むと、だるさや頭痛、めまいなどが出やすくなり、当然、集中力も落ちやすくなります。特に高齢になると、のどの渇きを自覚しにくくなるといわれているため、「のどが渇く前に少しずつ飲む」意識が大切です。
おすすめは、
- 起床時にコップ1杯の水かお茶
- 午前・午後の活動前後に少量ずつ
- 入浴前後の水分補給
など、1日のなかで「飲むタイミング」を決めておくことです。冷たい飲み物ばかりでなく、常温や温かい飲み物を選ぶと、お腹にもやさしく、体も冷えにくくなります。
8.「集中力が落ちたかも」と感じたときの、やさしいセルフチェック
「前より集中しづらくなったな」と感じたときに、まずは生活習慣の見直しから始めてみるのも一つの方法です。以下のチェック項目は医療的な診断ではありませんが、「生活リズムのゆがみ」に気づくヒントになります。
8−1.生活リズムのチェック
- 寝る時間が日によって2時間以上ズレていることが多い
- 朝起きる時間がバラバラで、昼まで寝ている日がある
- 日中、椅子やソファでうとうとしている時間が長い
- 外に出ない日が2〜3日続くことがよくある
当てはまる項目が多いほど、睡眠リズムや活動量が乱れやすくなっているサインかもしれません。いきなり全部を直そうとせず、
- まずは「起きる時間」をそろえる
- 週に2〜3日は短時間でも外に出てみる
といった小さなところから始めてみると、負担が少なく続けやすくなります。
8−2.心と気分のチェック
- 好きだった趣味に、前ほど興味がわかない
- 人と会ったり話したりするのが、以前よりおっくうになった
- 夜、布団に入ると、心配事ばかり浮かんでしまう
こうした状態が長く続く場合は、心の疲れがたまっている可能性もあります。無理にがんばろうとせず、信頼できる家族や友人に話を聞いてもらったり、地域の相談窓口やかかりつけ医に相談したりすることも大切です。
集中力の低下が、「生活に大きな支障が出る」「道に迷うことが増えた」「同じことを何度も聞いてしまう」などの形で現れている場合は、早めに医療機関で相談することで、安心につながることもあります。
9.【体験をまじえて】集中力は「記録」と「小さな目標」で育つ
ここから少しだけ、サイト運営者である私・和久井朗の体験もまじえてお話しします。
私は50代でライザップに入会し、トレーニングと食事改善に取り組みました。そのときに痛感したのが、「体を変えるには、集中力を保つ工夫が欠かせない」ということでした。
仕事をしながらの通いだったので、トレーニング中に別のことを考えてしまうと、フォームが崩れたり、体のサインを見落としたりしがちでした。そこで意識したのが、
- その日にやることを、小さな項目に分けてメモに書き出す
- 1セット終わるごとに、呼吸を整えながら「いまどこまでできているか」を確認する
- 終わったあとに、体調や気づきをノートに残す
という「記録と振り返り」の習慣です。これを続けているうちに、トレーニングだけでなく、仕事や家事にも集中しやすくなったと感じています。
この経験は、ライザップでの減量や体づくりをまとめた「ライザップ体験記ブログ※33キロダイエット成功ブログ大公開」にもくわしく書いていますが、「集中力は、生まれつきではなく、生活の中で育てていけるもの」という実感につながりました。
70代になってからでも、
- 今日の「集中タイム」を10分だけ決めてノートに書く
- 終わったら、できたこと・うまくいかなかったことを1行だけメモする
といった、ささやかな記録から始めることで、集中力は少しずつ鍛えられていきます。
10.まとめ ― 70代からの「集中力キープ習慣」は今からでも間に合う
70代の集中力は、「年齢だから」とあきらめるものではなく、日々の生活の整え方しだいで、まだまだ育てていける力です。
この記事でご紹介した、集中力が落ちない人の共通習慣を、最後にもう一度まとめます。
- 起きる時間と寝る時間を、だいたいそろえる
- 朝の光と「ちょこっと家事」で、体と頭のスイッチを入れる
- 午後に「ひと休みタイム」を決めて、メリハリをつける
- 体をゆるく動かす習慣を持ち、血流を保つ
- 一度にあれこれやらず、「一つにしぼる時間」をつくる
- 大きな作業は、小さく区切って取り組む
- 手や目を使う趣味で、集中と気分転換を両立する
- 会話や社会参加を通じて、人とのつながりを保つ
- 食事を抜かず、食べすぎにも偏りすぎにも気をつける
- こまめな水分補給で、脱水によるぼんやりを防ぐ
- 気になる変化があれば、早めに周りや専門家に相談する
どれも、「今日から全部やらないといけない」ものではありません。気になるものを一つだけ選んで、1週間やってみる。そのうえで、「これは自分に合うな」と感じたものを、次の1週間も続けてみる――そのくらいのゆるいスタートで十分です。
集中力は、がんばればがんばるほど手に入るというより、「生活を整えた結果としてついてくるごほうび」のような存在かもしれません。年齢を重ねたからこそ身につく、落ち着きや経験も、集中力の大事な土台になります。
今日の1ページ、今日の10分、今日の1回の会話。その小さな集中の積み重ねが、70代からの健康寿命を、静かに、でも確実に支えてくれるはずです。
【ご注意】
本記事の内容は、国や自治体、公的機関などの情報も参考にしながら、一般的な生活習慣のヒントとしてまとめたものです。特定の病気の診断や治療をすすめるものではありません。持病や体調に不安がある場合は、自己判断せず、かかりつけ医や専門機関に相談してください。

