【健康寿命】健康のためにやめたい「無意識の老け習慣」

「最近なんだか老けてきた気がする」「疲れやすくなった」…そう感じていても、毎日の生活はつい今まで通りになりがちです。
実は、特別な悪習慣ではなく「なんとなく続けている小さな行動」が、見た目の若さだけでなく、元気に動ける時間=健康寿命にも少しずつ影響していると考えられています。
この記事では、40〜70代の方に多い「無意識の老け習慣」と、そのやめ方・ゆるめ方を、私自身の体験も交えながらやさしく整理してみます。
「全部やめる」ことが目的ではなく、「気づいたところから、少しずつ置きかえていく」ためのヒントとして読んでいただけたらうれしいです。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
無意識の「老け習慣」とは何か?健康寿命との関係
ここでいう「老け習慣」は、つぎのような行動をイメージしています。
- 猫背で長時間スマホを見続ける
- なんとなく夜更かしをして、夜食が当たり前になっている
- 休憩なしでずっと座りっぱなしで仕事やテレビ
- 休日もだらだらと画面の前で過ごしてしまう
どれも「悪いことをしている意識はあまりない」「忙しいから仕方ない」と感じやすいものですが、積み重なると、
- 姿勢が崩れて見た目が実年齢より上に見えやすくなる
- 筋力・体力が落ちて、ちょっとした段差でつまずきやすくなる
- 血圧や血糖値など、生活習慣病のリスクが上がりやすくなる
- ぐっすり眠れず、翌日の疲れが抜けにくくなる
といった形で、じわじわと健康寿命を短くしてしまう可能性があると言われています。
厚生労働省の資料では、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と説明されています。平均寿命と比べると、男性で約9年、女性で約12年ほど差があるというデータもあります。
参考:厚生労働省「平均寿命と健康寿命」
この「差」の期間をできるだけ短くするには、特別な我慢よりも、毎日の「なんとなく」を見直していくことが大事なようです。ここからは具体的な老け習慣を、分野別に見ていきましょう。
姿勢・動きにあらわれる「老け習慣」
猫背スマホ・うつむき姿勢が当たり前になっている
電車の中でも、家のソファでも、ついスマホをのぞき込む時間が長くなっていないでしょうか。
首が前に出て背中が丸まった姿勢は、見た目の印象を一気に上の世代に見せてしまうだけでなく、肩こり・首こり・頭痛などの不調につながりやすいと言われています。
また、うつむき姿勢が続くと、呼吸が浅くなりやすく、酸素を取り込みにくい状態になってしまうことも考えられます。深く吸えない呼吸は、なんとなくのダルさ・疲れやすさにもつながりやすいようです。
◆やめる代わりに「姿勢をリセットする習慣」を足す
「スマホを見るな」と言われると苦しくなりますが、次のような小さな工夫なら取り入れやすいかもしれません。
- スマホを見るときは、できるだけ目の高さまで持ち上げる
- 画面を見る前後に、胸を軽く開く・両手を上に伸ばすなど、数秒間だけ姿勢リセットをする
- ベッドに寝転んでスマホを見る時間を、「音声だけのラジオ型アプリ」に置きかえて、目線を休める
「やめる」ではなく「見るたびに一度伸びる」くらいの感覚で、こまめに姿勢を戻すイメージを持ってみると、体への負担がかなり変わってきます。
長時間座りっぱなし・同じ姿勢が続いてしまう
デスクワークやテレビ時間などで、気づいたら2〜3時間、ほとんど立ち上がっていないことはないでしょうか。
厚生労働省の情報によると、座っている時間が長いほど、死亡リスクや生活習慣病のリスクが高まりやすいことが多くの研究で示されているようです。
参考:厚生労働省「座位行動と死亡率の関係」
また、同じく厚生労働省がまとめた「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」では、長時間の座位を30分ごとに中断して少し動くことが、血糖値や中性脂肪などのリスク低下に大切と考えられているようです。
参考:「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
◆「立ち上がるきっかけ」を生活の中に作る
長時間座りっぱなしをやめるといっても、仕事や家事の都合ですぐには難しいことも多いですよね。そこでおすすめなのが、「動くきっかけ」をあらかじめ決めてしまう方法です。
- テレビなら「CMになったら1回立つ」「1時間ドラマなら途中で一度だけ立って伸びる」
- パソコン作業なら「メールを5通片づけたら一度席を立つ」
- 家事なら「洗濯物を干す前に、軽く肩まわしをしてから動き出す」
「運動しなきゃ」ではなく、「こまめに立つ」「姿勢を変える」という小さな動作でも、座りっぱなしより体にはずっとやさしいと考えられます。
歩幅が小さく、足元ばかり見て歩いている
歩くときに足元ばかり見て、ちょこちょこと小さな歩幅になっていないでしょうか。
歩幅が小さいから悪い、という話ではありませんが、ずっと下を向いて歩いていると、気持ちまで縮こまりやすく、表情も固くなってしまうことがあります。
◆一駅分歩くより「半歩だけ大きく」を意識する
「毎日1万歩」などの数値目標は、忙しい日ほどハードルが高く感じられます。
それよりも、
- 家の前〜角を曲がるまでの数十歩だけ、いつもより半歩大きく
- 信号から信号までの区間だけ、姿勢を伸ばして目線を少し上に
といった「ほんの数十秒だけ歩き方を変える」くらいの工夫でも、気分転換になり、足腰の意識付けにもつながっていきます。
体の中から老けやすくなる「食べ方」の老け習慣
夜遅い時間の食事・夜食が当たり前になっている
残業や家事が終わる時間が遅くなると、「夕食は22時過ぎ」「つい夜食を食べてしまう」というパターンも増えやすくなります。
夜遅い時間の食事が続くと、消化が追いつかずに睡眠の質が下がったり、胃腸が休まらなかったりといった影響が出ることがあると考えられています。翌朝に「胃が重い」「だるい」と感じやすい方は、時間帯の影響も少し疑ってみるとヒントが見つかるかもしれません。
◆「夜食をゼロに」ではなく「軽くする」「回数を減らす」
いきなり夜食を完全になくそうとすると、かえってストレスが増えてしまうことも多いです。そこで、
- 夜食を「菓子パン・揚げ物」から「汁物・温かい飲み物」に置きかえてみる
- 1週間のうち「夜食を食べる日」をまずは1日だけ減らしてみる
- どうしても食べたい日は「量を半分」にしてみる
など、「ゼロにする前のワンクッション」を挟むと、体も気持ちも慣れやすくなります。
早食い・ながら食べが習慣になっている
テレビやスマホを見ながら、気づいたら皿が空になっている。
この「ながら食べ」は、満腹感を感じにくく、食べすぎにつながりやすいと指摘されることがあります。また、「味わう時間」が短くなり、食事自体の楽しみも薄れがちです。
◆「一口ごとに少し箸を置く」だけでも変わる
早食い・ながら食べを一気にやめるのは難しいと感じる方も多いと思います。そこで、おすすめなのが次のような小さな工夫です。
- 一口食べたら、いったん箸やフォークを置いてみる
- テレビはつけたままでも、「最初の三口だけは画面を見ずに味わう」と決めてみる
- 一品だけ、小鉢や汁物など「ゆっくり飲む」メニューを加えてみる
この程度の工夫でも、食事のスピードは少しずつ緩やかになり、「お腹がいっぱいになってきたな」という感覚もつかみやすくなります。
甘い飲み物・お菓子が「常に近くにある」状態
机の上にいつも甘い飲み物、ポケットにはキャンディ、引き出しにはお菓子のストック…という状況は、つい口に入れる回数が増え、血糖値の乱高下や体重増加にもつながりやすいと考えられます。
◆見える場所から「一段遠く」に移動させる
「やめる」のではなく、「距離を少しだけ離す」という考え方も役に立ちます。
- 机の上のペットボトルを、すぐ後ろの棚に移動する
- お菓子のストックを、キッチンの高い棚や別室の引き出しに置く
- 代わりに、机の上には常温の水やお茶を置く
手を伸ばせば届く距離に甘いものがあるかどうかで、「なんとなく食べる回数」は大きく変わってきます。
なお、食事全体のバランスについては、厚生労働省と農林水産省が作成している「食事バランスガイド」が参考になります。何をどのくらい食べるとバランスがよいか、イラストで分かりやすく解説されています。
参考:農林水産省「食事バランスガイド」
心と脳が疲れる「情報との付き合い方」の老け習慣
寝る直前までスマホやテレビを見てしまう
ベッドに入ってからもニュースサイトやSNSをチェックし続けて、気づいたら30分、1時間…という経験は多くの方にあるのではないでしょうか。
スマホやテレビの強い光、次から次へと流れてくる情報は、脳を興奮させ、眠りに入りにくくする要因になると考えられています。眠りが浅くなると、翌朝の疲労感や日中の集中力にも影響しやすくなります。
◆「寝る前の10分だけ」画面から離れてみる
いきなり「寝る1時間前はスマホ禁止」にするよりも、
- 最初の一歩として「寝る直前の10分だけ」画面を見ない時間を作る
- その10分で、軽くストレッチをする・今日うれしかったことを1つメモする
- スマホはベッドから少し離れたところに置く
といった工夫のほうが、現実的で続けやすいことが多いです。
悪いニュースや不安な情報ばかりを追ってしまう
ニュースやネット情報は大切ですが、知らないうちに「不安になりやすい内容」に偏ってしまうことがあります。
災害・事件・景気の悪化など、心配になる情報ばかりを眺めていると、気づかないうちに心も体も緊張した状態が続いてしまうことがあります。
◆「見る時間」と「見る場所」をあらかじめ決めておく
情報を完全に遮断する必要はありませんが、
- ニュースサイトをチェックするのは「朝食後の10分だけ」など、時間を決める
- ベッドの中でニュースを見るのはやめて、リビングだけにする
- 不安なニュースを見たら、「今日うれしかったこと」を一つ思い出す習慣をセットにする
など、少しだけ「線引き」をしておくと、心の疲れをため込みにくくなります。
「どうせ自分なんて」と自分を責める口ぐせ
仕事でも健康でも、「またできなかった」「自分は意志が弱い」と、つい自分に厳しい言葉を投げてしまうことはありませんか。
自分を責める言葉が多くなると、チャレンジする意欲が下がり、行動を起こしにくくなってしまいます。健康習慣も、失敗がこわくて動きにくくなってしまうと、結果的に老け習慣がそのまま残りやすくなってしまいます。
◆「ダメ出し」から「ねぎらいコメント」に言いかえる
たとえば、
- 「また夜ふかししちゃった」→「今日は遅くなったから、明日は5分だけ早くベッドに入ってみよう」
- 「運動サボった」→「今日は体が重かったみたいだな。休む日があってもいい」
こんなふうに、同じ事実でも「次につながる言葉」に変えてあげると、心の疲れ方が変わってきます。
自分への声かけを少しやさしくすることも、立派な「老け習慣の手放し方」のひとつです。
人間関係・働き方に潜む「老け習慣」
何でも一人で抱え込んでしまう
仕事でも家族のことでも、「自分が我慢すればいい」「人に頼るのは悪いこと」と感じて、気づけば一人で背負いこんでしまう。
この状態が続くと、心身の負担は大きくなり、睡眠や食事の乱れ、疲れやすさなどにもつながりやすくなります。
◆「相談メモ」を作っておく
いきなり「人に頼る」のはハードルが高いと感じる方は、「今、自分が気になっていること」を紙やスマホにメモしておくだけでも一歩前進です。
- 仕事のことなら「上司に相談したいこと」「同僚に少し手伝ってもらえそうなこと」を書いてみる
- 家族のことなら「病院や専門家に聞いてみたいこと」を箇条書きにする
いざというとき、そのメモを見ながら話すだけでも、抱え込みすぎを防ぐきっかけになります。
予定を詰め込みすぎて「休む予定」が入っていない
カレンダーが予定でびっしり埋まっていると、「頑張っている感じ」はしますが、休む時間が見えなくなり、心身の疲れが抜けなくなってしまうことがあります。
◆「休む予定」もきちんと予定に書き込む
たとえば、
- 週に1回、「何もしない時間」として1〜2時間分だけ予定を入れてしまう
- 用事の合間に「移動+休憩」の時間も含めて予定を組む
- 月に1回、「自分のためのメンテナンスデー」として、整体・散歩・カフェ時間などをまとめて取る
など、「休むこと」を行事と同じくらい大切に扱ってあげると、結果的に長く元気で動ける体づくりにつながっていきます。
休日もなんとなく仕事モードから抜けられない
休日なのに、つい仕事のメールやチャットをチェックしてしまう。
頭の中がいつも仕事モードだと、体は休んでいても心が休まらず、「休んだ気がしない」という状態が続いてしまいます。
◆「見る時間」と「見ない時間」を明確に分けてみる
完全に仕事を忘れるのが難しい場合は、
- 休日も「朝の30分だけ」仕事メールを確認し、その後は見ない
- スマホの仕事用アプリの通知を、休日だけオフにしておく
といった、ゆるやかな線引きから始めてみるのも良さそうです。
心が休める時間が増えると、結果的に平日に動けるエネルギーも増えていきます。
老け習慣をやめるコツ:「やめる」より「置きかえる」発想
ここまでいろいろな老け習慣を見てきましたが、「全部やめよう」とすると、かえって苦しくなってしまいます。
そこで大事にしたいのが、「やめる」よりも「置きかえる」という発想です。
ステップ1:まず「気づく」ことから始める
最初の一歩は、「自分にはどんな老け習慣があるのか」を知ることです。
- 1日の終わりに「今日の老け習慣」を1つだけメモしてみる
- 「スマホ姿勢」「夜食」「座りっぱなし」など、自分なりのチェック項目を作ってみる
書き出してみると、「意外と頑張れている部分」や「ここだけ直したい部分」がはっきりしてきます。
ステップ2:やめたい習慣を「少しだけ減らす」
次は、「ゼロにする」のではなく「少し減らす」段階です。たとえば、
- 夜食を「毎日」→「週に5日」→「週に3日」とゆっくり減らしていく
- 座りっぱなしを「2時間連続」→「1時間経ったら一度立つ」に変えてみる
- 寝る前スマホを「30分」→「20分」→「10分」と少しずつ短くする
小さな変化でも、続けることで体への負担はじわじわと軽くなっていきます。
ステップ3:その代わりに「自分が気持ちよく続けられる習慣」を足す
最後に、「減らした分を何で埋めるか」を考えてみます。
- 夜食を減らした分、温かいお茶や味噌汁など、体がホッとする飲み物を足す
- 座りっぱなし時間を減らす代わりに、伸びやすいストレッチや深呼吸を組み込む
- 寝る前スマホの代わりに、紙の本・日記・軽いストレッチなどを取り入れる
「気持ちよく続けられるもの」を選ぶことが、何よりも大切です。
つらい我慢よりも、「これならやってもいいかな」と思える選択肢を増やしていきたいですね。
私が実感した「習慣を変えること」の力
私自身、ライザップでのボディメイクに取り組むまでは、「夜遅くまで仕事&夜食」「休みの日はだらだら座りっぱなし」という老け習慣の塊のような生活をしていました。
ライザップでトレーナーの方と一緒に生活を振り返っていく中で、「激しいトレーニング」以上に印象に残っているのが、こうした日々の小さな習慣を一つずつ見直していったことです。
- 夜食を「当たり前」から「特別な日だけ」に変えたこと
- ベッドにスマホを持ち込まなくなったこと
- 仕事の合間に少し立ち上がって体を動かすようになったこと
こうした変化の積み重ねが、「体重が減った」という数字以上に、体の軽さや気持ちの明るさにつながっていったと感じています。
詳しい体験の流れは、私自身のリバウンド体験からの変化をまとめた記事にも書いています。
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】も、よろしければ参考にしてみてください。
まとめ:老け習慣は「気づいたところから一つずつ」で十分
今回は、「健康のためにやめたい無意識の老け習慣」として、
- 姿勢や動きに関する習慣(猫背スマホ・座りっぱなし・歩幅の小ささなど)
- 食べ方に関する習慣(夜食・早食い・甘い飲み物のとりすぎなど)
- 情報との付き合い方(寝る前スマホ・不安なニュースの見すぎなど)
- 人間関係・働き方(抱え込み・予定の詰め込み・休日も仕事モードなど)
といったポイントを取り上げました。
どれも「急にやめる」のは難しいものばかりですが、
- まずは自分の老け習慣に気づく
- ゼロではなく「少し減らす」ことから始める
- 代わりに、自分が心地よく続けられる習慣を足していく
という三つのステップを意識することで、無理なく少しずつ変えていくことができると思います。
健康寿命を延ばすことは、「何十年後のため」だけではありません。
今日・明日の体の軽さ、心の余裕を取り戻すことにも直結しています。
「この中で、自分が変えてみたい老け習慣はどれかな?」と、一つだけ選ぶところからでも十分です。
人生の後半だからこそ、身体にも心にもやさしい習慣に少しずつ切り替えていきながら、「元気に動ける時間」を一緒に増やしていきましょう。

