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【健康寿命】体を鍛えるより「心を育てる」健康づくり

40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、「体力が落ちてきた」「この先も自分の足で歩けるだろうか」といった不安が少しずつ増えてくる方が多いように感じます。
その一方で、仕事や家族のこと、親の介護、自分の老後…と、心の中もなかなか休まらない毎日が続きがちです。

私自身も50代の頃、高血圧や体重の増加に悩みながらライザップに通い、33キロ以上の減量に取り組んできました。
体を鍛えることはもちろん大事ですが、振り返ってみると、いちばん大きく変わったのは「心の在り方」だったように思います。

この記事では、「体を鍛える」よりも一歩手前の「心を育てる」健康づくりという視点から、健康寿命を長く保つためのヒントをまとめてみました。
難しいことはせず、今日から少しずつ取り入れやすい考え方や習慣を中心にお伝えしていきます。


健康寿命は「体」だけで決まらないという考え方

「健康寿命」という言葉は、ここ数年でずいぶん聞きなじみが出てきました。
健康寿命とは、「元気に自分のことを自分でできる期間」のことを指すとされています。長生きそのものよりも、「自分の足で歩き、行きたいところに行き、自分の意志で選べる時間」をできるだけ長く保つことが大切だと考えられています。

国の健康づくり計画である「健康日本21」でも、健康寿命を延ばすことが大きなテーマになっています。
たしかに、運動・食事・睡眠といった生活習慣はとても重要ですが、近年は「心の健康」も健康寿命と深く関わっていると考えられているようです。

たとえば、次のようなことは、多くの方が実感として思い当たるかもしれません。

  • ストレスが強いと、肩こり・頭痛・胃の不調などが出やすくなる
  • 心が疲れているときほど、つい甘いものやお酒に頼りたくなる
  • 気持ちが落ち込んでいると、運動や外出がさらにおっくうになる

このように、心と体は常にセットで動いていると言われることが多いです。
だからこそ、「歩く距離を増やす」「筋トレをする」だけでなく、「心の在り方を整える」という視点を持つことが、健康寿命を考えるうえで役に立つのではないかと思っています。


「心を育てる」って、いったい何をすること?

「心を育てる」と聞くと、少し抽象的に感じるかもしれません。
ここでは、難しい心理学の話ではなく、日常生活で意識しやすい3つのポイントに整理してみます。

1. 自分の感情に気づくこと

まず出発点になるのは、「自分が今どんな気持ちなのかに気づくこと」だと考えられています。
特に働き盛りの40〜50代は、「イライラしても、落ち込んでも、とりあえず目の前のことをこなす」ことで精一杯になりやすいようです。

たとえば、こんなふうに小さなメモから始めてみる方法があります。

  • 寝る前に、今日いちばん疲れた瞬間と、少しでもホッとした瞬間を書き出してみる
  • 「怒り」「不安」「寂しさ」「嬉しさ」など、単語だけでもいいので書いてみる
  • できれば、「そのとき体はどう感じていたか」(肩がこっていた・胸が苦しかったなど)も一緒にメモする

これは、感情を分析するためというより、「自分の心と体の反応を見つめ直す時間を数分つくる」イメージに近いです。
慣れてくると、「あ、今ちょっとイライラが強くなっているな」と気づくのが少し早くなり、その時点で深呼吸をするなどの対処がしやすくなると言われています。

2. 自分への「話しかけ方」を優しくすること

心を育てるうえで、意外と大きなポイントになるのが「自分に対する言葉の使い方」です。
たとえば、次のような言葉が頭の中にぐるぐる回っていないでしょうか。

  • 「こんなことで疲れているなんて、情けない」
  • 「まだまだ頑張りが足りない」
  • 「若いころの自分ならもっとできたはずなのに」

このような言葉が続くと、心は少しずつすり減っていきます。
そこで、あえて「自分にかける言葉を、親しい友人に話すときくらい優しくする」ことを意識してみるのも一つの方法です。

たとえば、

  • 「今日も一日、よくここまで持ちこたえたな」
  • 「あの場面は、あのときの自分なりによくやったと思う」
  • 「少し失敗したけれど、学びにはなったはず」

このような言葉に少しずつ言い換えていくことは、自己否定が強くなりすぎないためのセルフケアとして役立つと考えられています。

3. 自分の「大切にしたいもの」を見直すこと

40代以降は、「人生の後半戦をどう過ごしたいか」を考えるタイミングでもあります。
健康寿命という視点でみると、

  • 何歳まで、どんなふうに働いていたいか
  • どんな趣味や楽しみを続けていたいか
  • 誰とどんな時間を過ごせたらうれしいか

といったことを、一度紙に書き出してみるのもおすすめです。
「自分は何のために元気でいたいのか」が少し見えてくると、日々の選択(食事・睡眠・お酒・タバコ・人付き合いなど)が変わってくると言われています。


ストレスと「うまく付き合う」ための心の整え方

現代社会で生活している限り、ストレスを完全になくすことは現実的ではないと考えられています。
大事なのは、「ストレスをゼロにする」のではなく、「揺れ幅を少し小さくしていく」という発想かもしれません。

ストレスを「敵」とみなさない

ストレスがかかると、心と体はさまざまな反応をします。
心臓がドキドキしたり、汗が出たり、胃のあたりが重く感じたり…。これは、もともと人間が危険から身を守るための反応とも言われています。

ですから、

  • 「ストレスがある=自分が弱い」
  • 「イライラする=人間としてダメ」

と決めつける必要はありません。
むしろ、「今は負荷がかかっているから、心と体ががんばって反応している」と捉え直してみると、少しだけ自分に優しくなれることがあります。

一人で抱え込まない小さな工夫

ストレスとの付き合いにおいて大切だと言われているのが、「悩みや不安を一人で抱え込まない」ことです。
身近な家族や友人に話せるなら、それがいちばんシンプルな方法かもしれません。

身近に話し相手がいない場合は、自治体や職場の相談窓口、医療機関などを利用する選択肢もあります。
たとえば、厚生労働省の「心の健康」に関する情報ページや、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(こころの耳)などには、公的な相談窓口の情報も掲載されていますので、つらい状態が続くときは専門家の力も遠慮なく借りてほしいと感じています。


感情をため込まない「消化」の習慣づくり

心を育てるうえで、感情をため込みすぎないことも大切だと考えられています。
ここでは、日常生活で取り入れやすい「感情の消化」のアイデアをいくつかご紹介します。

1. ノートに書き出すシンプルな方法

とても古典的ですが、「紙に書く」という方法は、感情を外に出す手段としてよく紹介されています。
特別な日記帳でなくても、100円ショップのノートで十分です。

  • 「今日いちばん腹が立ったこと」
  • 「今日いちばんしんどかった場面」
  • 「そのとき本当はどうしたかったか」

などを、思いつくままに書いて大丈夫です。
ポイントは、誰にも見せる前提にしないことです。後から読み返さなくても構いません。

書くことで、頭の中でぐるぐる回っていたことが、少し客観的に見えるようになると言われています。
書いた紙をあとで破って捨ててもいいですし、取っておいて「前より少し気持ちの揺れ方が変わってきたかな」と振り返るきっかけにしても良いと思います。

2. 体をゆるめる「ながらリセット」

感情が強くゆさぶられているとき、心だけを落ち着かせようとしても難しいことがあります。そんなときは、体からアプローチする方法も役立つとされています。

  • 肩と首を大きく回すストレッチを1〜2分だけやってみる
  • お風呂に浸かるときに、意識して深くゆっくりと呼吸する
  • 部屋の中を3分だけゆっくり歩き、「床を踏む感覚」に意識を向けてみる

このような小さな行動でも、「心がざわざわしているときにやる自分なりの儀式」として持っておくと、その後の行動が少し選びやすくなると感じる方も多いようです。


感謝と「うれしい」を増やすと、心の土台が少しずつ変わる

ストレスや不安への対処と同じくらい、「うれしい」「ありがたい」という気持ちに目を向けることも、心を育てるうえで大事なテーマだと言われています。

「感謝リスト」をゆるく続けてみる

よく紹介される方法ですが、寝る前などに「今日ありがたかったことを3つ書き出す」習慣は、心の土台づくりに役立つと考えられています。

といっても、

  • 「家族が健康でいてくれること」
  • 「仕事があること」

のような大きなことだけでなく、もっと些細なことで構いません。

  • 「スーパーで好きなフルーツが安くなっていた」
  • 「バスで席をゆずってもらった」
  • 「今日は空がきれいだった」

このような小さな感謝をノートに書いたり、スマホのメモに残したりするだけでも、日常の見え方が少しずつ変わってくると言われています。

「うれしい」をちゃんと味わう練習

真面目な方ほど、「うれしいことがあっても、すぐ次の心配ごとに頭が行ってしまう」という傾向があるようです。
そこで、

  • 褒められたときは、「ありがとうございます」と一度受け取ってから「まだまだですけどね」と付け足す
  • おいしいものを食べるときは、最初の一口だけはスマホを置いて味わう
  • 誰かに親切にしてもらったときは、その場で一言多めにお礼を伝える

といった形で、「うれしい」を味わう時間をほんの数秒でも長くしてみるのも、心の栄養になると考えられています。


人とのつながりは、心のサプリメント

健康寿命を考えるうえで、人とのつながりはとても大きな要素だと言われています。
厚生労働省や自治体の健康づくり計画でも、社会参加や孤立の予防が重要なテーマとして取り上げられていることが多いようです。

「広さ」よりも「深さ」を大事にする

年齢を重ねると、若いころのように新しい友人をたくさんつくるのは難しく感じるかもしれません。
そこで意識したいのは、「知り合いの数」ではなく、「安心して本音を話せる相手がいるかどうか」という視点です。

たとえば、

  • 仕事以外の話もできる同僚が一人いる
  • 昔からの友人と、ときどき電話で近況を話す
  • 近所の人とあいさつを交わし、立ち話をすることがある

このようなつながりでも、心にとっては大きな支えになると考えられています。

小さなコミュニティに一歩踏み出してみる

最近では、自治体の健康教室やウォーキングイベント、オンラインのコミュニティなど、気軽に参加できる場も増えてきています。

いきなり深く関わる必要はありませんが、

  • 月に1回だけ参加できる運動教室
  • 本や映画の感想をゆるく話せるサークル
  • オンラインでの趣味のグループ

といった場に、「とりあえず一度だけ顔を出してみる」ところから始めてみるのも良さそうです。
心が少し軽くなるきっかけは、案外こうした小さな一歩から生まれるのではないでしょうか。


心が整うと、体にも変化があらわれやすい

心と体はつながっているとよく言われますが、私自身の経験や周りの方の話を聞いていても、心の状態が整ってくると、体の変化も出やすくなると感じることが多いです。

たとえば、

  • 気持ちが落ち着くことで、夜の眠りが深くなったように感じる
  • ストレスによる「やけ食い」が少し減り、食事の量や内容を選びやすくなった
  • 運動に対して「やらなきゃ」から「やるとスッキリする」に感覚が変わってきた

といった変化は、多くの方に共通して見られるようです。
もちろん個人差はありますし、医療的な治療が必要なケースもあるため、すべてを心の持ちようだけで解決しようとしないことも大切だと思います。

それでも、「心がほんの少し整うと、体にとってプラスの選択がしやすくなる」という傾向は、多くの方に当てはまりやすいように感じています。


私自身の経験:心が変わると「続け方」が変わる

ここで少し、私自身の話もさせてください。
私は54歳のとき、高血圧やメタボの状態からライザップに通い始め、33キロ以上の減量に取り組みました。

そのときの様子は、「ライザップ体験記ブログ(33キロダイエット成功ブログ)」としてまとめていますが、振り返ると、いちばん苦労したのは筋トレそのものよりも、心のアップダウンでした。

  • 数字が思うように減らない週が続いて落ち込む
  • 仕事や家庭の事情で、食事や運動のペースが乱れる
  • 「この年齢から頑張って、意味があるのかな」と感じる瞬間が出てくる

そんなときに少しずつ意識していったのが、

  • 「完璧じゃなくていいから、今日はこれだけやった」と自分に言う
  • 小さな変化(階段がラクになった・朝の目覚めが少し良いなど)をメモしておく
  • 「将来なりたい自分」を思い浮かべる時間をつくる

といった、心の向け先を調整する小さな習慣でした。
それによって、無理に自分を追い込むのではなく、「続けられるペース」を探しながら歩き続ける感覚が少しずつ身についてきたように思います。

この経験から、「体づくりは、心づくりとセット」という感覚が、今の私の健康観の土台になっています。


今日からできる「心を育てる」健康づくりの一歩

最後に、今日からでも始めやすい「心のセルフケア」を、いくつかまとめてみます。
全部をいきなりやろうとする必要はありません。ピンとくるものを1つだけ選んで、1週間だけ試してみるくらいの気持ちで十分だと思います。

おすすめの小さな一歩

  • 寝る前3分の「今日の振り返りメモ」
    「今日しんどかったこと」「今日ちょっとうれしかったこと」を一つずつ書いてみる。
  • 自分にかける言葉を1つだけ変える
    「ダメだなぁ」と思ったとき、「それでもよくやっている方だ」と言い直してみる。
  • 感謝リストを3つ書く
    大きなことよりも、小さな「ありがたい」を3つ探してみる。
  • 信頼できる人に近況を話してみる
    それが難しければ、自治体や公的機関の相談窓口の情報だけでもチェックしておく。
  • 週に1回、「心と体を休める時間」を意識して作る
    スマホを少し遠ざけて、散歩や入浴、ストレッチなどで、自分をいたわる時間を取る。

まとめ:心を育てることは、未来の自分へのプレゼント

健康寿命というと、「運動を増やさないと」「食事を厳しく管理しないと」と、少し構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、心の在り方を少しずつ整えていくことも、立派な健康づくりだと私は感じています。

・自分の感情に気づくこと
・自分にかける言葉を、少しだけ優しくすること
・感謝や「うれしい」に目を向けること
・誰かとつながり、一人で抱え込まないこと

このような心の習慣は、すぐに数字として表れるものではないかもしれません。
ですが、こうした積み重ねが、将来の自分の「元気に動ける時間」を静かに支えてくれるのではないかと感じています。

人生の後半戦を、「我慢の時間」ではなく「自分らしく生き直す時間」として過ごせるよう、体だけでなく心もいっしょに育てていく
そんな健康づくりを、これからもいっしょに考えていけたらうれしいです。

公的な情報としては、国の健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」や、こころの健康・メンタルヘルスに関する情報サイトなども参考になりますので、専門的な情報を知りたいときは、こうした公的機関の情報もあわせて確認してみてください

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