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【健康寿命】“健康を気にしすぎる人”が不健康になる理由

年齢を重ねるほど、「健康でいたい」という気持ちは自然と強くなってきます。
定期健診の結果、テレビやネットの健康情報、周りの人の病気の話……。気になる材料はいくらでもあります。

一方で、情報を追いかければ追いかけるほど不安が増えてしまい、
「本当に体にいいことをしているのか分からない」
「少し体調が変わるたびに重大な病気ではないかと心配になる」
と、心も体もくたびれてしまう方も少なくありません。

この記事では、40〜70代の方に向けて、「健康をほどよく気にする」ための考え方を、健康寿命の視点から一緒に整理してみます。
医療的な判断ではなく、「情報との付き合い方」や「心の持ち方」を中心にお話ししていきますので、ゆったり読んでいただけたらうれしいです。


目次(表示させると見出しが見られますよ!)

健康を「気にすること」と「気にしすぎること」は別もの

最初にお伝えしたいのは、健康を気にすること自体は、とても大切だということです。
定期健診を受けたり、生活習慣を整えたりすることは、将来の自分を守るための投資のようなものです。

ただし、「気にする」と「気にしすぎる」のあいだには、目に見えない境目があります。

  • 気にする:
    必要な検査や生活習慣の見直しをほどよく続ける状態
  • 気にしすぎる:
    不安を減らすための行動そのものがストレスになり、日常生活の楽しみが減ってしまう状態

たとえば、ちょっとした動悸や頭痛があるたびにスマホで検索し、何時間も病気の情報を読み漁ってしまう。
その結果、寝る前まで不安な気持ちが続き、眠りが浅くなってしまう……。
このような状態が続くと、「健康のための行動」が、逆に心と体を消耗させてしまうことがあります。

インターネット検索による過度な健康不安は、最近では「サイバーコンドリア」と呼ばれ、世界的にも研究が進められているテーマです。健康情報の検索そのものは悪いことではありませんが、不安を落ち着かせるつもりが、かえって不安を増やしてしまう悪循環には注意が必要だとされています。


健康寿命の視点で見ると、何が大事になるのか

この記事のテーマは、「長生き」そのものではなく、元気に動ける時間=健康寿命です。

厚生労働省などの資料では、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と説明されています。平均寿命との差は、いわば「思うように動けない期間」を意味します。日本では、男女ともにこの差はまだ数年単位で存在しており、いかにこの差を縮めていくかが大きなテーマになっています。

参考:
平均寿命と健康寿命 | 生活習慣病などの情報
健康寿命の定義と算出方法

ここで大切なのは、健康寿命を伸ばすには「不安をゼロにする」ことより、「日常生活を気持ちよく続けられる心と体」をつくることだという点です。

多少の不安を感じるのは人として自然なことです。問題になるのは、不安のせいで、睡眠や食事、人付き合いなど、日常の楽しみが奪われてしまう状態です。
そのバランスをどう整えていくかを、ここから一緒に考えていきましょう。


“健康を気にしすぎる人”によく見られる4つのパターン

健康を真剣に考える方ほど、次のようなパターンに当てはまりやすい印象があります。
もし心当たりがあっても、「ダメだ」と責める必要はありません。
「よくある傾向なんだな」と、客観的に眺めるところから始めてみましょう。

① ネット検索が止まらない

少し体調がいつもと違うときに、症状をスマホで検索すること自体は自然な行動です。
ただ、「不安 → 検索 → さらに不安 → もっと検索」を繰り返してしまうと、情報の海でもがくような感覚になりやすくなります。

最近の調査では、インターネットで健康情報を調べる人のうち、多くが「情報の信頼性を判断する自信がない」「情報が多すぎて行動を決められない」と感じているという結果も報告されています。情報収集が不安や混乱につながったと答える人も少なくないようです。

参考:
・インターネット医療情報に関する意識調査(PR TIMES掲載プレスリリースなど)

② ひとつの数字や結果に一喜一憂してしまう

体重、血圧、血糖値、コレステロール値…。健診結果の数値は、どうしても目が行きやすいものです。
もちろん大きな変化があれば、専門家のアドバイスを受けることが大切ですが、

  • たまたま前日が寝不足だった
  • 計測の時間帯や条件が違う
  • 季節やストレスの影響

などで、ある程度の上下は誰にでも起こりうると考えられています。

それでも、数字が少し悪かっただけで「もうダメだ」「自分は不健康だ」と決めつけてしまうと、落ち込みそのものがストレスになり、生活リズムを乱してしまうこともあります。

③ 「完璧な健康法」を求めてさまよう

テレビや雑誌、SNSでは、毎日のように「新しい健康法」「この食材がすごい」といった情報が流れています。
そのたびに、

  • 昨日までのやり方を急にやめて、全く別の方法に乗り換える
  • ある健康法を試して数日で効果が出ないと、「自分には効かない」と諦めてしまう

といったことを繰り返していると、生活が落ち着かず、「続ける力」より「振り回される疲れ」の方が大きくなってしまうことがあります。

④ 体からのサインより、情報を優先してしまう

本来、体の調子は「だるさ」「眠気」「食欲」「表情」など、さまざまな形でサインを出してくれています。
しかし、頭の中が情報でいっぱいになると、

  • 本当は疲れているのに、「歩数を稼がないと」と無理をする
  • お腹が空いていないのに、「○時間おきにたんぱく質」と無理に食べてしまう

といったように、自分の感覚よりも「情報上の正しさ」を優先してしまうことがあります。
これが積み重なると、体はもちろん、心も窮屈に感じてしまいます。


なぜ「気にしすぎ」が心と体を疲れさせるのか

では、どうして「気にしすぎ」が不健康につながりやすいのでしょうか。
ここでは、専門用語はできるだけ避けて、イメージしやすい形で整理してみます。

① 情報過多がストレスになりやすい

ストレスについて解説している公的なサイトでは、不安や緊張などの心理的な負担もストレス要因のひとつとされています。
ストレスそのものは誰にでもあるものですが、長期間続くと、睡眠や食欲、集中力などに影響するとされています。

参考:
ストレス | 生活習慣病などの情報

ネットやSNSで絶えず健康情報に触れていると、

  • 「自分もこれをしないといけないのでは」と焦る
  • 情報同士が矛盾していて、何を信じてよいか分からない

といった状態が続き、そのこと自体がストレスになります。
実際に、日本人の疲労やストレスを調べた調査でも、SNSの普及による情報過多や将来不安が、現代人の疲れを複雑にしていると指摘されています。

② 健康不安とネット検索の悪循環

サイバーコンドリア(Cyberchondria)と呼ばれる状態では、インターネットで健康情報を検索すればするほど不安が増え、その不安を抑えるためにさらに検索してしまう…という悪循環が問題になっています。

海外の研究や医療系の記事では、サイバーコンドリアが健康不安やストレスの高さ、生活の質の低下と関連していることが指摘されています。健康に関する意識が高い人ほど、安心を求めて検索を繰り返し、その結果として心が休まらなくなってしまう、という報告もあります。

参考:
・サイバーコンドリアとインターネット医療情報に関する国内外の研究報告・解説記事 など

③ メンタルヘルスへの影響

「メンタルヘルス(こころの健康)」は、単に病気がないというだけでなく、社会生活や家庭生活の中で、いきいきと過ごせている状態も含めた概念として説明されています。

参考:
メンタルヘルス | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)

健康不安が強くなると、

  • 人付き合いを控えるようになり、孤立感が強くなる
  • 趣味や楽しみよりも、健康管理のことばかり考えてしまう
  • 眠れない、食欲が落ちるといった心身の不調が続く

といった形で、メンタルヘルスにも影響が出てくる場合があります。
不安症(不安障害)について情報提供をしている医療機関のサイトでも、過剰な不安が生活に支障をきたす場合には、専門家への相談が役に立つことがあるとされています。

参考:
こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)


情報との距離感を整える3つのステップ

では、どうすれば健康情報と「ほどよい距離」で付き合えるでしょうか。
ここでは、実生活で使いやすいように、3つのステップに分けて考えてみます。

ステップ1:情報源の「優先順位」を決める

まずおすすめしたいのは、あらかじめ「自分が信頼する情報源」を決めておくことです。

  • 公的機関(厚生労働省、自治体、専門研究機関など)のサイト
  • 大学や専門学会が運営している情報サイト
  • かかりつけ医や薬剤師など、直接相談できる専門家

たとえば、生活習慣病や健康寿命の基本情報を調べたいときは、
厚生労働省が監修している健康情報サイト(旧「e-ヘルスネット」)など、公的なところから確認してみる、というように「最初の一歩」を決めておくと、情報に迷いにくくなります。

参考:
健康日本21アクション支援システム(生活習慣病などの情報)

ステップ2:今の自分に関係あるかを一度立ち止まって考える

健康情報を見つけたときは、すぐ行動に移す前に、

  • これは今の自分の年齢・体調・生活に直接関係する話か
  • それとも、将来の参考情報として知っておけばよい程度の話か

を一度考えてみると、心が少し落ち着きやすくなります。

たとえば、若いアスリート向けのトレーニング方法が自分の年齢や持病にそのまま合うとは限りません。
「取り入れるとしたら、どの部分を、どの程度なら自分にもできそうか?」と、自分仕様に調整する視点を持つことで、無理を減らすことができます。

ステップ3:「行動に変えられる情報」かどうかを見る

健康情報の中には、

  • 「知っておくと安心な情報」
  • 「具体的な行動のヒントになる情報」

の2種類があります。

不安になりやすいのは、前者の「知識だけが増えて、何をしてよいか分からない」状態です。
一方で、「明日から試せる小さな行動」に落とし込める情報は、心の支えになります。

たとえば、

  • 「塩分をとりすぎないことが大切」という情報 →
    「今日から味噌汁をひと口だけ減らしてみよう」
  • 「適度な運動が推奨されている」という情報 →
    「夕方に5分だけ家の周りを歩いてみよう」

というように、「具体的で・自分にもできるレベル」まで情報をほぐす習慣をつくると、気にしすぎから少し離れやすくなります。


自分の体の声を聞く「ゆるい観察習慣」を持つ

情報との距離を整えるのと同じくらい大切なのが、自分の体の声を聞く時間です。
難しいことをする必要はなく、次のような「ゆるい観察習慣」から始めてみるのがおすすめです。

朝と夜、1分だけ「今日の調子メモ」をつけてみる

ノートやスマホのメモに、

  • 朝:「睡眠」「気分」「体の重さ」を10点満点でざっくり点数化
  • 夜:「その日の活動量」「食事」「うれしかったこと」を一言メモ

このくらいの簡単さで十分です。
大事なのは、数字や専門用語ではなく、自分の感覚を言葉にしてみることです。

「事実」と「解釈」を分けて書いてみる

不安が強くなりやすいときには、「事実」と「自分の解釈」を分けて書いてみる方法もあります。

  • 事実:
    例)今日は階段を上がったときに、いつもより息が上がった。
  • 解釈:
    例)運動不足かもしれない/重大な病気かもしれない、など。

紙に書き出してみると、「解釈」の部分が膨らみすぎていたことに気づくことがあります。
そうしたら、

  • 「解釈はいったん横に置いて、様子を見よう」
  • 「数日続くようなら、かかりつけ医に相談してみよう」

といったように、次の一歩を落ち着いて決めやすくなります。


ほどよく健康を気にするための「マイルール」例

ここからは、健康を「気にしすぎない」ための線引きのヒントをいくつかご紹介します。
すべてをやる必要はなく、「これならやれそうだな」と感じたものだけを、自分なりのマイルールとして試してみてください。

マイルール例1:検索は「1つのテーマにつき1日15分まで」にする

時間を決めずに検索していると、気づけば1〜2時間経っていることもあります。
タイマーを使って、「今日はこの症状について15分だけ調べる」と枠を決めておくと、不安が膨らみすぎる前に区切りをつけやすくなります。

マイルール例2:夜9時以降は健康情報を見ない

睡眠前は特に心が敏感になりやすい時間帯です。
夜遅い時間に重い話題のニュースや病気の特集を見てしまうと、布団に入ってからも不安が頭の中をぐるぐる回ってしまうことがあります。

「夜9時以降は、健康情報ではなく、リラックスできる音楽や趣味の動画だけにする」など、自分なりの“こころの安全地帯”ルールをつくっておくと、メンタルヘルスの面でもプラスになりやすいと考えられます。

マイルール例3:定期健診とがん検診は「自治体や職場の案内に合わせて」受ける

検査を受けすぎて不安になる方もいれば、逆に「何も受けていないから漠然と不安」という方もいます。
自治体や職場から案内される健診・がん検診は、年齢やリスクに応じて設定されていますので、まずはその基準をベースに考えてみるのもひとつの方法です。

具体的な受診時期や内容は、お住まいの自治体のホームページや案内パンフレットなどで確認してみてください。厚生労働省や地方自治体も、がん検診や生活習慣病予防についての情報を発信しています。


情報に振り回されないための「相談先リスト」を作っておく

健康情報と上手につき合うには、ひとりで抱え込まないことも大きなポイントです。
不安になったときに相談できる人や窓口を、あらかじめリストにしておくと、いざというときに心強く感じられます。

相談先の例

  • かかりつけ医(内科・循環器科など)
  • 調剤薬局の薬剤師
  • 自治体の保健師・健康相談窓口
  • 職場の産業医や健康相談窓口
  • 家族や信頼できる友人

体のことだけでなく、運動や食事の不安については、トレーナーや栄養士など、専門職に相談する選択肢もあります。

私自身も、ボディメイクに挑戦したとき、ネット情報だけで悩まず、プロのトレーナーと対話しながら体づくりを進めたことで、心の負担が軽くなった経験があります。そのときの記録は、ライザップ体験記ブログ(33キロダイエット成功ブログ)にまとめていますが、
「人に相談しながら進めると、不安はかなり減る」ということを強く感じました。

健康情報も同じで、「最後は専門家と一緒に判断する」という姿勢を持っておくと、検索のしすぎや自己判断のしすぎから距離を取りやすくなります。


それでも不安が強いときに頼れる公的な情報・窓口

「頭では分かっていても、不安が強くてつらい」という場合には、心の専門家や公的な支援窓口を活用することも視野に入れてみてください。

「こんなことで相談していいのかな」と迷う方も多いのですが、
相談窓口の多くは、「心配が大きくなる前に、早めに相談してください」というスタンスをとっています。

こころの不調は、体の不調と同じように、早めに手当てすることで楽になることもあります。
ひとりで「気にしすぎてしまう自分」を責めるのではなく、
「不安と上手につき合う方法を専門家と一緒に探していく」くらいの感覚で、気軽に情報をのぞいてみるのも一つの選択肢です。


おわりに:がんばり屋ほど「ほどほど健康主義」で

健康を気にしすぎる人は、多くの場合、とてもまじめで、責任感が強く、がんばり屋な方です。
家族のため、将来のため、自分なりに最善を尽くそうとしているからこそ、不安にも敏感になります。

そんな方にお伝えしたいのは、

  • 健康情報を完全に追いかけることより、日々の生活を「だいたい心地よく」過ごせているか
  • 体の声と情報の声、その両方を聞きながら、自分に合うペースを探せているか

といった視点を、少しだけ意識してみることです。

健康寿命を伸ばすというのは、完璧な健康法を見つけることではなく、「これくらいなら続けられる」という自分なりのやり方を積み重ねていくことだと思っています。

今日の記事が、「気にしすぎて疲れてしまう自分」を責めるのではなく、
「よくがんばってきたな」と少しねぎらってあげるきっかけになれば、とてもうれしいです。

そして、今からでも間に合う小さな一歩として、

  • スマホでの健康情報検索の時間を、少しだけ短くしてみる
  • 公的な情報サイトや、信頼できる専門家を「マイ情報源」として登録しておく
  • 寝る前に今日の「調子」と「ちょっと良かったこと」を一行だけメモしてみる

そんなところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
健康寿命は、「今日一日の積み重ね」の先に伸びていくものだと、私は考えています。

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