40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、体力や仕事のことだけでなく、「この先、どんなふうに生きていきたいか」「社会とのつながりをどう保つか」というテーマが、だんだん身近になってきますよね。

この記事では、「社会と関わることで“生きる力”が育つ」というテーマで、健康寿命との関係や、今日からできる小さな一歩を、できるだけわかりやすくまとめてみました。

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社会と関わることは、なぜ健康寿命と関係があるのか

「寿命」より大事になってきた「健康寿命」という考え方

まず押さえておきたいのが、「健康寿命」という考え方です。健康寿命は、簡単にいうと「日常生活に大きな制限がなく、自分らしく元気に過ごせる期間」のことと説明されることが多いです。

厚生労働省では、2016年時点の日本人の健康寿命(男性72.14歳、女性74.79歳)を、2040年までに男女とも3年以上延ばすことを目標にしていると紹介されています。数字そのものよりも、「どれだけ長く元気でいられるか」が、国としても大きなテーマになっている、という流れがうかがえます。

「社会参加」と健康との関係は、研究でも注目されている

では、なぜ「社会と関わること」が健康寿命と関係していると言われるのでしょうか。

東京都健康長寿医療センターなどの研究では、ボランティアや趣味のサークル、地域活動などの社会参加をしている高齢者ほど、「生きがい」を感じる人が多い傾向や、将来、活動能力の低下や認知症のリスクが低い傾向があることが報告されています。こうした内容は、東京都の資料「介護予防・フレイル予防と社会参加の推進」などにもまとめられています。

また、日本公衆衛生雑誌に掲載されたJAGES(ジェイジーズ)という大規模な研究では、趣味・ボランティア・学びなど複数の社会参加をしている高齢者ほど、3年後の「フレイル(虚弱)」の発症リスクが低かったと報告されています。

これらの研究は、「社会参加をすれば必ず病気にならない」という話ではありませんが、人とのつながりや社会との関わりが、心身の元気を保つ一つの要素になっていそうだという流れを示していると考えられます。

仕事を離れると「家にこもりがち」になりやすい理由

無意識のうちに減っていく「人との接点」

現役で働いているあいだは、通勤・会議・取引先・同僚との雑談など、意識しなくても人と顔を合わせる機会がたくさんあります。ところが、定年や転職、退職などで仕事から離れると、その接点が一気に減ります。

「もう朝早く起きなくていい」「人間関係のストレスから解放された」と感じる一方で、数か月たつと、

  • 誰とも話さない日が増えてきた
  • 外に出るきっかけがなくなった
  • なんとなく一日が終わってしまう

といった「家にこもりがち」な状態になりやすくなります。これは性格がどうこうというより、生活リズムが大きく変わった結果として、自然に起こりやすい変化です。

孤独・孤立が心身にじわじわ影響することも

内閣府が行っている「人々のつながりに関する基礎調査」では、孤独感が高い人ほど、支援につながりにくかったり、「誰にも相談できない」と感じやすい傾向が報告されています(人々のつながりに関する基礎調査 考察編)。

孤独そのものがすぐに病気を生むわけではありませんが、「気持ちが沈みやすい」「生活リズムが乱れやすい」「人と会うのが面倒になる」など、心と体の両方にじわじわと影響してくることがあるようです。

だからこそ、仕事を離れたあとこそ、「ほどよく社会とつながり続ける工夫」が、健康寿命の土台づくりとして大切になってきます。

社会と関わることで“生きる力”が育つ3つのポイント

1. 体を動かすきっかけが増える

社会参加の場に顔を出すと、それだけで「家から出て歩く」という行動が増えます。歩いて会場に行く、階段を上る、人と話すために姿勢を正す…こうした小さな動きの積み重ねが、結果として体力の維持につながりやすくなります。

先ほど触れたJAGESの研究でも、趣味サークルやスポーツ、ボランティアなど、さまざまな活動に参加している人ほどフレイルの発症リスクが低かったとされています。
「激しい運動をしなければ意味がない」というより、「日常の中で自然と体を動かす場があるかどうか」が大事だと考えられます。

2. 気持ちが前向きになりやすい

人と会って話すと、愚痴をこぼしたり笑い合ったり、「自分だけじゃないんだ」と思えたりします。これは、心のエネルギーを充電してくれる大切な時間です。

東京都の資料では、「社会参加をしている高齢者ほど、生きがいを感じている人の割合が高い」という傾向も紹介されています。生きがいの感じ方は人それぞれですが、

  • 「また来週も顔を出してみよう」と思える場がある
  • 自分を名前で呼んでくれる人がいる
  • 誰かに「ありがとう」と言ったり言われたりする

こうした経験が、気持ちの張りを生んでくれるのではないでしょうか。

3. 「自分の役割」があると、生活にリズムが生まれる

社会参加というと、「人の役に立たなければいけない」と気負ってしまうこともありますが、役割は本当にささやかなもので十分です。

例えば、

  • サークルでお茶を淹れる係
  • 集まりのときに会場の鍵を開ける係
  • LINEグループで次回の日程を共有する係

こうした小さな役割でも、「自分が行かないと誰かが困るかもしれない」という気持ちが、生活リズムを整えるきっかけになります。

実際、厚生労働省の資料などでも、定年後の社会参加やボランティアを通じて、シニア世代が「担い手」として活躍することが、介護予防や健康づくりにもつながるとされています(社会参加と介護予防効果の関係について)。

「社会参加」といっても何をすればいい?レベル別アイデア集

ここからは、具体的にどんな形で社会と関わっていけるか、「がっつり」から「ゆるめ」までレベル別にアイデアを挙げてみます。どれも、いきなり完璧にやる必要はありません。気になるものを一つ選んで、「試しに一回だけやってみる」くらいの気持ちで十分です。

まずは、ご近所レベルから

  • 自治会・町内会の集まりに一度だけ顔を出してみる
  • 近所の公園で行われているラジオ体操や体操教室に参加してみる
  • 地域の公民館・シニアセンターの掲示板をのぞきに行く
  • ごみ出しのときやエレベーターで会う人に「おはようございます」と声をかけてみる

「自治会なんて面倒くさそう」と感じるかもしれませんが、最近は会費も活動もかなりライトな地域も増えています。まずは様子を見に行くだけでも、雰囲気がわかって安心しやすくなります。

趣味・学びを通じてつながる

  • カメラ・写真教室、俳句・短歌の会、囲碁・将棋サークル
  • 料理教室・健康料理講座・家庭菜園の講座
  • 英会話やパソコン教室などの「学び直し」講座
  • 市区町村が主催する健康教室や介護予防講座

「学び」をきっかけにした社会参加は、同じテーマに興味を持つ人同士が集まるので、話がはずみやすいのがメリットです。東京都の資料でも、60〜69歳の約8割、70歳以上の約6割が「何か学びたい」と答えているというデータが紹介されており、学びを通じた社会参加のニーズはとても高いようです。

ボランティアや地域の活動に一歩だけ関わってみる

  • 地域の子ども食堂や見守り活動のお手伝い
  • 図書館や文化センターのボランティア
  • 高齢者サロンでのお茶出しや準備のお手伝い
  • 自治体の「高齢者ボランティア・ポイント」の制度を活用してみる

ボランティアというと「立派なことをしなければ」と身構えやすいですが、「月に1回・1時間だけ」というような、短時間の関わり方も用意されていることが多いです。各自治体のホームページや広報誌に、募集情報が載っていることがあるので、チェックしてみるのも一つの方法です。

オンラインの「ゆるいつながり」も立派な社会参加

最近は、オンラインでの交流もかなり一般的になりました。例えば、

  • 同年代のオンラインサロンやコミュニティ
  • 趣味のSNSグループ(ウォーキング、料理、筋トレなど)
  • Zoomを使ったオンライン講座・交流会

外出が難しい日でも、人と顔を合わせて話す場が持てるのは、オンラインならではのメリットです。画面越しでも、「誰かとつながっている」という感覚は、十分に心の支えになります。

人付き合いが得意でなくても大丈夫。「ゆるいつながり」の作り方

「親友」を無理に作らなくていい

社会参加というと、「深い人間関係を作らないと意味がないのでは?」と感じるかもしれません。でも実際には、「顔見知り程度のゆるいつながり」でも、健康や心の安定にプラスになりそうだと考えられています。

例えば、

  • 行きつけのカフェで店員さんと一言二言交わす
  • ウォーキングコースで顔を合わせる人に軽く会釈する
  • サークルで世間話を少しする

こうした「弱いつながり」がたくさんあることで、生活がふっと明るくなることがあります。「親友を作ろう」ではなく、「知り合いを一人増やしてみよう」くらいの感覚で十分です。

話題は「天気」と「相手をほめる」でほぼ足りる

会話が苦手な方は、「何を話したらいいかわからない」という壁を感じやすいと思います。そんなときは、次の2つだけ覚えておくと、意外となんとかなります。

  • 今日の天気や季節の話題
  • 相手の持ち物・服・行動など、気づいたことを軽くほめる

「今日は暖かいですね」「そのバッグ、すてきですね」といった一言だけでも、会話の扉はすっと開きます。長く話す必要はありません。相手も同じように緊張していることが多いので、「軽い一言」を投げてみるだけでも、ゆるいつながりの第一歩になります。

体力や持病が気になるときの、無理のない社会参加のコツ

「体調優先」で、できる範囲から

「参加したい気持ちはあるけれど、持病や体力が心配…」という方も多いと思います。そんなときは、

  • まずは短時間(30分〜1時間)だけ参加してみる
  • 自宅から近い場所・段差が少ない場所を選ぶ
  • 体調が悪い日は、迷わずお休みする

といった形で、あくまでも「体調優先」で考えてみてください。
特に心臓病や糖尿病などの持病がある場合は、運動量や活動内容について、かかりつけ医や看護師さん、リハビリスタッフの方に相談しながら、無理のない範囲を一緒に探していくと安心です。

オンライン+対面を「ミックス」する

外出がしんどいときは、オンラインの交流を活用しつつ、体調がいい日にだけ対面の活動に参加する、という「ミックス型」も一つの方法です。

例えば、

  • 週1回のオンライン交流会+月1回の対面サークル
  • 普段はSNSでつながり、たまにリアルで集まる

といったイメージです。「毎回参加しなければならない」という考え方から離れて、「自分のペースで参加できる仕組み」を探してみると、ぐっと気持ちが楽になります。

ぼく自身が感じた、「人とつながること」の大きさ

ここから少し、サイト運営者であるぼく自身の話も交えてみます。

ぼくはライザップに通って大きく体重を落とした経験がありますが、その過程でいちばん大きかったのは、「トレーナーさんや仲間と一緒に歩んだ」という感覚でした。食事や運動のアドバイスはもちろん、「ちゃんと見てくれている人がいる」「一緒に喜んでくれる人がいる」ということが、想像以上に心の支えになりました。

その当時のことは、ライザップ体験記ブログ※33キロダイエット成功ブログにも、かなり赤裸々に書いています。数字の変化だけでなく、人との関わりからどれだけ力をもらえたか、改めて振り返ると、まさに「生きる力」を育ててもらった時間だったと感じています。

もちろん、ライザップに限らず、地域のサークルでも、オンラインのコミュニティでも、「誰かと一緒に取り組む」という経験は、それだけで大きな財産になります。体を鍛えることと同じくらい、「人とのつながり」が健康寿命の土台になっていくのだろうな、と今は感じています。

今日からできる「小さな一歩」チェックリスト

最後に、「社会と関わる」と聞くとハードルが高く感じてしまう方のために、今日からでもできそうな小さな一歩を、チェックリスト形式でまとめてみました。

家の中でできる一歩

  • スマホやパソコンで、自治体のホームページの「高齢者」「健康」「イベント」のページを見てみる
  • 気になる講座やサークルがあったら、問い合わせ先の電話番号だけメモしておく
  • オンラインで参加できる講座や交流会がないか調べてみる

家の外でできる一歩

  • 最寄りの公民館・図書館・地域包括支援センターに行って、掲示板やパンフレット棚を眺めてみる
  • スーパーや散歩のついでに、いつもより少しだけ遠回りをしてみる
  • エレベーターやレジで「ありがとうございます」と一言添えてみる

人とのつながりを一つ増やす一歩

  • 最近連絡していない友人に、短いメッセージを送ってみる
  • 家族やパートナーに、「今度こんなところに行ってみない?」と提案してみる
  • 顔見知りの人に「またお会いしましたね」と声をかけてみる

どれも、「やってもやらなくてもいい」くらいの小さな一歩です。でも、こうした一歩を重ねていくことで、数か月後・数年後に振り返ったとき、「あのとき動き出しておいてよかった」と感じられる未来が、少しずつ育っていくように思います。

まとめ:社会と関わることは、「元気でいられる時間」を育てる種まき

この記事では、「社会と関わることで“生きる力”が育つ」というテーマで、健康寿命との関係や、具体的なアイデアをお伝えしてきました。

  • 健康寿命は、「どれだけ長く元気で動けるか」を表す指標として、国全体でも重視されている
  • 社会参加は、体の動き・気持ちの張り・生活のリズムづくりに役立つと考えられている
  • 大きなボランティアでなくても、「顔見知り」「ゆるいつながり」から始めてOK
  • 持病や体力が気になるときは、オンラインも活用しながら、自分のペースで関わり方を探せばいい

人生の後半戦に入っていく私たちにとって、「社会とどう関わり続けるか」は、体力やお金と同じくらい大切なテーマになりつつあります。

完璧な答えはなくても、「少しだけ外に出てみる」「一言だけ声をかけてみる」という小さな行動が、やがて大きな「生きる力」につながっていきます。
この記事が、その最初の一歩を踏み出すきっかけになれば、とてもうれしいです。