1. TOP
  2. エッセイ & 注目商品
  3. 健康寿命
  4. 【健康寿命】定年後の10年で人生の差がつく理由

【健康寿命】定年後の10年で人生の差がつく理由

こんにちは。サイト運営者の和久井朗です。

人生100年時代と言われるようになり、「定年後をどう過ごすか」を真剣に考える人が増えてきたように感じます。私自身も50代以降の体調や働き方を通して、「定年後の10年」の過ごし方が、その後の健康寿命や生活の質に大きく影響しそうだと実感してきました。

この記事では、運動や食事だけに限らず、「役割」「仲間」「生活リズム」という3つの視点から、定年後の10年をどうデザインしていくかを一緒に考えていきます。今40代・50代の人も、すでに定年を迎えた60代・70代の人も、「今からでも間に合う」と感じてもらえる内容をめざします。


目次(表示させると見出しが見られますよ!)

1.定年後の10年は「健康寿命の土台づくり期間」

まず、なぜ定年後の10年が大事だと言われるのでしょうか。

日本では「平均寿命」と「健康寿命」に差があることが、国の資料でも示されています。健康寿命とは「日常生活をおおむね自立して送れる期間」と説明されることが多く、平均寿命との差は、介護や医療にお世話になる時間の目安と考えられています。厚生労働省のデータでは、この差が男性で約9年、女性で約12年あると報告されています。

定年を65歳前後とすると、多くの人にとって70代~80代前半が「健康寿命の終わり」に近づいてくる時期です。つまり、60代前半からの10年は、70代・80代をどれだけ元気に過ごせるかを左右する、「体と心の土台づくり期間」と考えられそうです。

国の健康づくり運動である「健康日本21」や「スマート・ライフ・プロジェクト」でも、適度な運動・食事・睡眠・禁煙などを通じて健康寿命を伸ばそうという方針が打ち出されています。これは特別な人だけの話ではなく、定年後の生活にも直結するテーマです。


2.「仕事が終わったあとの空白」をどう埋めるか

長年フルタイムで働いてきた人ほど、定年後に感じるのが「時間はあるのに、何をしたらいいのかわからない」という不思議な空白感ではないでしょうか。

会社員の頃は、起きる時間・通勤時間・勤務時間・休日の使い方まで、ある程度は仕事に合わせて決まっていました。ところが退職した瞬間、その枠組みが丸ごとなくなります。これは、自由になるチャンスでもあり、同時に「生活の軸を失うリスク」でもあるように感じます。

この空白を、テレビやスマホで何となく埋めてしまうと、気づかないうちに1日が終わり、外に出るきっかけも減ってしまいがちです。最初は「長年がんばったごほうびだ」と思えても、それが何年も続くと、体力・気力・人間関係の面でじわじわと差がついていくことがあるようです。

一方で、定年前から少しずつ趣味や地域活動を始めている人は、退職後も比較的スムーズに新しい生活リズムへ移行しているように見えます。ここに、定年後10年の差が生まれる入り口があるのかもしれません。


3.定年後の「役割」をもう一度デザインする

定年後の10年を充実させるうえで大切だと感じるのが、「自分の役割を持ち続けること」です。これまでの仕事とは違う形で、誰かの役に立つ場面や、自分が必要とされる場面があると、日々の張り合いが変わってきます。

(1)家族の中での役割を見直す

まずは身近な家族の中で、自分にできそうな役割を考えてみるのも一つです。

  • 孫の送り迎えや、一緒に遊ぶ時間の担当
  • 買い物や料理を一部引き受ける「家事サポート係」
  • 家計や手続き関係を整理する「事務担当」

こうした役割は、特別な資格がなくても今日から始められますし、「ありがとう」という言葉をもらえる場面も増えます。感謝される経験は、自己肯定感や生きがいの感覚につながり、メンタル面の支えになると考えられています。

(2)地域やボランティアでの役割を持つ

次に、家庭の外での役割です。自治体や社会福祉協議会、NPOなどが行っているシニア向けボランティアをのぞいてみると、意外と「できそうなこと」が見つかるかもしれません。

  • 地域の見守り活動や、子ども食堂のお手伝い
  • 図書館・博物館・公民館などのサポート
  • スポーツ大会やイベントの運営補助

東京都では、シニア世代の社会参加を支える「100年活躍ナビ」というサイトを通じて、趣味・健康づくり・ボランティアの情報をまとめて提供しています。こうした自治体の取り組みを活用することで、「自分一人では見つけにくい活動」に出会いやすくなるようです。

(3)自分のための役割も忘れない

定年後というと、「誰かのために何かをしなければ」と考えがちですが、「自分のための役割」も大事だと感じています。

  • 前から興味があった資格に挑戦してみる「学び直しの時間」
  • 健康づくりのためのウォーキングや筋トレを続ける「自分の体の管理人」
  • 趣味のサークルやオンラインコミュニティで情報発信をする「趣味の案内役」

こうした活動は、将来の介護予防にもつながりやすいと考えられています。国の「身体活動・運動ガイド」でも、高齢期における適度な運動や筋肉トレーニングが、生活機能の維持や転倒予防に役立つ可能性が示されていますので、無理のない範囲で体を動かす役割を自分に任命してみるのも良さそうです。


4.「仲間」がいる人と、一人で抱え込む人の違い

同じように定年を迎えても、その後の10年で差がつきやすいポイントの一つが「仲間の有無」です。

内閣府の「高齢社会白書」では、運動教室やサークル活動などに参加している高齢者の方が、体力テストの結果が良い傾向にあることが紹介されています。また、地域活動やボランティアを通じた人間関係が、心の健康にも良い影響を与える可能性があるとされています。

仲間と言っても、大人数でにぎやかに集まる必要はありません。

  • 週に1度だけ顔を合わせるウォーキング仲間
  • 月に数回、将棋や麻雀を楽しむメンバー
  • オンラインで近況を報告し合う同世代の友人グループ

こうした「ゆるいつながり」でも、日々の安心感や、外に出るきっかけになりやすいようです。「自分は人付き合いが得意ではない」と感じる人ほど、人数の少ないサークルや、短時間のイベントから試してみるとハードルが下がります。


5.生活リズムが「なんとなく」乱れると、何が起こりやすいか

定年後の10年で差がつくもう一つのポイントが、「生活リズム」です。

現役時代は、多少無理をしても翌日には会社に行かなければならないため、夜更かしやお酒の飲み過ぎにも、ある程度の歯止めがかかっていたのではないでしょうか。ところが退職すると、「明日も休みだから」とつい夜更かしが続いたり、食事の時間がバラバラになったりしがちです。

生活リズムの乱れは、直接すぐに病気を引き起こすわけではありませんが、

  • 日中の活動量が減って、筋力や持久力が落ちやすくなる
  • 食事の時間が不規則になり、食べ過ぎや栄養バランスの偏りにつながる
  • 睡眠の質が下がり、気分の落ち込みや意欲の低下を感じやすくなる

など、さまざまな影響が積み重なっていくと考えられています。

特に、退職直後の「解放感」が長く続きすぎると、気づいたときには外出の習慣が減り、「動くのがおっくうだ」と感じる場面が増えることもあるようです。定年後の10年は、この生活リズムを整え直すタイミングだと捉えると、後半の人生が安定しやすくなりそうです。


6.定年後10年を整える3つのステップ

ここからは、具体的にどのように「定年後の10年」を設計していくか、3つのステップとして考えてみます。

ステップ1:これまでの働き方と生活を振り返る

最初のステップは、「自分はどんな働き方をしてきたか」を振り返ることです。

  • 長時間労働が続いていたか、比較的余裕があったか
  • 仕事の人間関係が中心だったか、趣味仲間がいたか
  • 運動や健康診断にどれくらい意識を向けてきたか

こうした振り返りを通じて、「これから10年で整えたいこと」が見えやすくなります。例えば、仕事優先で家族との時間が少なかった人は、「これからは家族との時間を増やしていきたい」と気づくかもしれませんし、すでに趣味仲間がいる人は、「その活動を少し広げてみよう」と思えるかもしれません。

ステップ2:1週間の「理想のリズム」を紙に書いてみる

次におすすめしたいのが、「理想の1週間スケジュール」をざっくり書き出してみる方法です。難しく考えず、

  • 朝は何時に起きたいか
  • どの曜日に運動や散歩を入れたいか
  • 趣味や学びの時間をどこに入れるか
  • 家族の予定とどう重ねるか

といった項目を、紙やノートに書いてみます。定年後は「時間があるから、いつでもできる」と考えやすいのですが、「いつでもできること」は、案外先延ばしになってしまいやすいものです。ざっくりでも「曜日」と「時間帯」を決めておくと、生活リズムが整いやすくなります。

ステップ3:小さな行動を1つずつ増やす

スケジュールが決まったら、いきなり全部を完璧に実行しようとせず、「小さな行動」を一つずつ増やしていくイメージが大切だと感じています。

  • まずは週2回、近所を15分歩くことから始める
  • 月に1回、地域のイベントや講座に申し込んでみる
  • 1日1回、誰かに感謝の言葉を伝えてみる

この程度であれば、体力や天候に合わせて調整しながら続けやすいのではないでしょうか。国のガイドラインでも、身体活動は「できる範囲から始めて、少しずつ量や強度を増やすこと」が勧められていますので、自分に合ったペースで進めていく考え方が大切になりそうです。


7.実例で考える:定年後10年の過ごし方の違い

ここで、あくまでイメージしやすくするために、仮の例を2つ挙げてみます。

ケースA:仕事一筋で走り抜けたあと、急にペースダウンしたタイプ

60代前半まで管理職として忙しく働いてきたAさんは、定年退職後、「しばらくはゆっくりしたい」と考え、自宅でテレビやネット動画を見ながら過ごす時間が増えました。最初の半年ほどは解放感もありましたが、次第に外出の機会が減り、歩く距離も短くなっていったそうです。

1年、2年と時間がたつうちに、階段の昇り降りで息が上がる、少しのことで疲れを感じる、という変化が気になるようになりました。散歩を再開しようと思っても、「体力が落ちているから不安だ」と感じ、行動に移しにくくなってしまったとのことです。

ケースB:定年前から少しずつ「次の10年」の準備をしていたタイプ

一方で、同じ時期に定年を迎えたBさんは、50代後半から地域のスポーツ教室に通い始め、月に数回のボランティア活動にも参加していました。退職後は、その活動を少し増やしつつ、週3回の早朝ウォーキングを習慣にしたそうです。

Bさんも年齢とともに体力の変化はあるものの、「仲間と一緒に運動するから続けやすい」「ボランティアの予定があると、その日に合わせて体調を整えようと思える」と話していました。大きなストイックさよりも、「ちょっとした緊張感」が、生活リズムを守る支えになっているようです。

どちらが正解というわけではありませんが、定年後の10年の過ごし方が、その先の体力や人間関係に影響している様子がイメージしやすいのではないでしょうか。


8.40代・50代からできる「定年後10年」の準備

ここまで読んで、「まだ定年までは時間がある」という人もいると思います。そうした人にこそ、今のうちからできる準備がいくつかあります。

(1)「仕事以外の居場所」を一つ増やしてみる

定年前から、会社以外のコミュニティを一つ持っておくと、退職後の不安が少しやわらぐことがあります。

  • 趣味のサークルやオンラインコミュニティに参加してみる
  • 子どもや孫、友人との定期的な「お茶会」を続ける
  • 地域の講座や市民大学に顔を出してみる

参加頻度は月に1回でも構いません。「この仲間とは、定年後も付き合っていけそうだな」と思える関係が一つあるだけで、未来のイメージが少し明るくなることがあります。

(2)体調の「土台づくり」を少しずつ進める

健康診断の結果をきっかけに、食事や運動の見直しを始める人も多いと思います。私自身も50代で体重と血圧の数字に危機感を覚え、本格的なボディメイクに挑戦しました。そのときの経験は、定年後の体の不安を減らす大きな安心材料になっています。

私の減量の記録や、ライザップで学んだことは、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】にまとめています。ストイックなことばかりではなく、「無理なく続ける工夫」も書いてありますので、人生後半の体づくりを考える際の一例として読んでみてください。

(3)お金と時間の使い方を、大まかにイメージしておく

定年後の暮らしを考えるうえで、お金の話は避けて通れません。ただし、「細かいシミュレーションを完璧にしなければ」と身構える必要はないように感じます。

まずは、

  • 毎月の固定費(住居費・光熱費・保険料など)がどれくらいか
  • 趣味や旅行、学びにどれくらいお金を使いたいか
  • 再雇用やアルバイトなどで、どの程度働き続けたいか

といった「大まかな方向性」を紙に書き出してみるだけでも、頭の中が整理されてきます。これに、先ほどの「理想の1週間スケジュール」を重ね合わせると、時間とお金のバランスがイメージしやすくなります。


9.筆者自身の経験:体を立て直したことで見えてきた、人生後半の安心感

ここで少しだけ、私自身の話をさせてください。

私は50代の頃、体重が大きく増え、高血圧など健康面の不安が重なっていました。「このまま年を重ねたら、自分の足で元気に動ける時間が短くなってしまうのではないか」という焦りもありました。

そこで思い切ってボディメイクに挑戦し、食事や運動の習慣を見直しました。途中で悩んだことも多かったのですが、「自分の体は自分で守れる部分もある」と感じられたことは、定年後の暮らしを考える上で大きな自信になりました。

もちろん、どんなに気をつけていても、病気やケガを完全に避けることはできません。ただ、「自分なりにできることはやってきた」と思えると、もし体調に変化があっても、必要以上に自分を責めずにすむように感じています。

こうした経験からも、「定年後の10年」は、単にのんびりする時間ではなく、「これから先の自分を支える土台を整える期間」だと考えるようになりました。


10.まとめ:定年後の10年を、「自分らしい第二のスタート」に

最後に、この記事の内容を簡単にまとめます。

  • 定年後の10年は、その先の健康寿命や生活の質を左右する「土台づくりの期間」と考えられている。
  • 仕事を手放したあとの空白を、テレビやスマホだけで埋めてしまうと、体力・気力・人間関係の面でじわじわ差がつくことがある。
  • 家族・地域・趣味などの場で「役割」を持ち続けることが、日々の張り合いや心の安定につながりやすい。
  • 仲間とのゆるいつながりがあると、運動や外出のきっかけになり、孤立感の軽減にも役立つと考えられている。
  • 生活リズムを整えることは、特別な健康法というより、「元気に動ける時間」を延ばすための基本的な習慣と言えそうである。
  • 40代・50代のうちから、仕事以外の居場所づくりや体調の土台づくり、お金と時間の大まかなイメージづくりを始めておくと、定年後の不安がやわらぎやすい。

定年後の10年は、「新しい人生のスタートライン」でもあります。これまでの働き方や価値観を手放しつつ、自分らしいペースで役割・仲間・生活リズムを整えていくことで、70代・80代の健康寿命を支える力になっていくと感じています。

完璧な計画を立てる必要はありません。今日できる小さな一歩から始めていくことで、定年後の10年はきっと、じわじわと「自分らしい時間」に育っていくはずです。

関連記事

  • 【健康寿命】「年を取る」より「成長する」と考える生き方

  • 【健康寿命】家族の健康を守る人こそ一番元気になれる

  • 【健康寿命】何歳からでも始められる“リスタート健康法”

  • 【健康寿命】老いを恐れず、変化を楽しむ人が長生きする

  • 健康寿命は「誰と過ごすか」で決まる

  • 【健康寿命】体を鍛えるより「心を育てる」健康づくり