ボディメイクと健康寿命のバランス、どこに置く?

ボディメイクをしていると、どうしても「あと何キロ」「体脂肪率を何%に」といった数字に意識が向きやすくなります。一方で、40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、「この先も自分の足で歩けるかな」「病気せずに、好きなことを続けられるかな」といった不安も顔を出してきます。
そこでこの記事では、
- 理想の体型を目指す「ボディメイク」と
- できるだけ長く元気に動き続ける「健康寿命」
この2つのバランスをどこに置くと、自分らしく、そして無理なく続けやすいのかを、一緒に考えていきます。
僕自身もライザップでボディメイクに取り組みながら、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】 の中で書いているように、「見た目」と「健康寿命」のバランスに何度も悩んできました。その経験も交えつつ、人生の後半戦を前向きに楽しめるヒントをまとめていきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
健康寿命とボディメイク、それぞれ何を大事にしているのか
健康寿命=「日常を自分の足で楽しめる時間」
まずは「健康寿命」という言葉を、ざっくり整理しておきます。
厚生労働省の情報では、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」というイメージで説明されています。平均寿命と比べると、その差は「思うように体が動かない期間」にあたると考えられています。
つまり健康寿命は、
- 自分で歩いて買い物に行ける
- 階段を上がるときに人の手を借りなくてすむ
- 趣味や旅行に出かける体力が残っている
こうした「自分の生活を自分で楽しめる時間」を、どれだけ長くキープできるか、という視点です。
ボディメイク=「見た目」だけでなく「機能」も育てること
一方でボディメイクは、「かっこよく見える体」「引き締まったライン」をイメージする方が多いと思います。もちろん、それも大切なモチベーションです。
ただ、ボディメイクを続けていると、
- 階段を上がるときの息切れが減った
- 腰痛や肩こりが楽になってきた
- 昔よりも長く歩いても平気になった
といった「体の機能面」の変化も、少しずつ感じるようになります。
公的な情報でも、適度な身体活動や筋力トレーニングは、フレイル(加齢による心身の弱り)やサルコペニア(筋肉量の低下)を予防するのに役立つと考えられています。運動が直接の薬になるわけではありませんが、「将来の元気」を支える土台のひとつとして位置づけられています。
つまりボディメイクは、本来「見た目」と「機能」の両方を育てられる、とても健康寿命と相性のいい取り組みだと言えそうです。
ありがちな2つの極端なパターン
とはいえ、現実にはバランスが崩れてしまうことも少なくありません。よく出会うのが、次のような2つのパターンです。
パターンA:理想体型を追いかけすぎて、心も体もヘトヘト
ひとつめは、理想の体型を追いかけるあまり、
- 極端な食事制限でフラフラする
- 睡眠時間を削ってまでトレーニングする
- 数字が少しでも戻ると自分を責めてしまう
といった状態になってしまうパターンです。
短期間で体重を落とすことだけを優先すると、筋肉や体力も一緒に削ってしまう可能性があると指摘されています。特に中高年世代では、無理なダイエットがフレイルやサルコペニアのリスクを高めるのではないかと懸念されている報告もあります。
こうなると、「見た目は変わったけれど、前より疲れやすい」「体重は減ったのに、階段がつらい」といった、本末転倒な状態になりかねません。
パターンB:健康が気になるのに、何も変えられない
もうひとつは、「このままでは体力が落ちていきそうだ」と感じているのに、
- 仕事や家事が忙しくて、運動の時間が取れない
- ジムに通うのはハードルが高く感じてしまう
- 過去のダイエットの失敗が頭をよぎって、一歩が出ない
というパターンです。
こちらはボディメイクも健康寿命も「頭では大事と分かっているのに動けない」状態なので、罪悪感やあきらめ感がたまりやすくなります。「どうせ自分は続かない」と思い込んでしまうと、余計に動きづらくなってしまいます。
大切なのは、この2つの極端なパターンの間に、自分にとって心地よい「中間地点」を見つけていくことです。
バランスの軸を決める3つの質問
では、その中間地点をどう探していけばよいのでしょうか。おすすめなのは、最初に「バランスの軸」を自分なりに決めてしまうことです。
そのためのヒントとして、3つの質問を用意しました。
質問1:何歳くらいの自分を、どんな場面で思い浮かべたいか?
まずは、未来の自分を具体的にイメージしてみます。
- 70歳で、配偶者や友人と旅行先の階段を上がっている自分
- 80歳で、孫と公園を歩きながらキャッチボールをしている自分
- 仕事を引退したあとも、好きな趣味のサークルに通っている自分
こうした場面を思い浮かべると、「どれくらいの体力を残しておきたいか」が少しずつ見えてきます。
このイメージが、健康寿命のゴールのイメージになります。
質問2:いま大事にしたい「楽しみ」は何か?
次に、
- お酒や甘いものを楽しむ時間
- 家族や友人との外食や飲み会
- 趣味の時間や、ゆっくり寝る時間
など、いまの自分の生活で「これは大切にしたい」と思う楽しみを挙げてみます。
この楽しみをすべてやめてしまうと、人生の満足度が大きく下がってしまいます。健康寿命のことを考えるうえでも、「楽しみを完全に断つ」のではなく、「どう折り合いをつけるか」を考えることが大切だと感じています。
質問3:どんなペースなら「1年後の自分」も続けていそうか?
最後に、「1年後の自分」をイメージしてみます。
- 週に何回くらいなら運動を続けられそうか
- 外食やお酒を、どのくらいの頻度にすればストレスが少ないか
- 睡眠時間や仕事とのバランスはどうしたいか
ここで大切なのは、「やる気がMAXの今日の自分」ではなく、「ちょっと疲れている日の自分」でもこなせるペースに設定することです。
僕自身、ライザップに通い始めた頃は欲張りすぎて、頑張りすぎるクセがありました。そのあたりの失敗談は、ライザップ体験記ブログ(33kg減) にかなり正直に書いています。
この3つの質問を通して、「何を一番大事にしたいか」が見えてくると、ボディメイクと健康寿命のバランスも決めやすくなっていきます。
見た目と健康寿命を両立する実践のポイント
ここからは、具体的な工夫について整理していきます。すべてを一度にやる必要はありません。気になるところから、少しずつ取り入れてみてください。
1. 体重より「できる動作」を目標にしてみる
ボディメイクでは、どうしても体重や体脂肪率が気になりがちです。ただ、健康寿命という視点で見ると、「できる動作」を増やしていくことも同じくらい大切です。
例えば、次のような目標設定もおすすめです。
- 階段を手すりに頼らずに3階ぶん上がれる
- 買い物袋を持って10分歩いても平気
- しゃがんで靴ひもを結ぶ動作がスムーズにできる
こうした目標は数値化しにくい部分もありますが、「日常生活がラクになっていく感覚」を味わいやすくなりますし、健康寿命の延ばし方とも直結してきます。
2. 食事は「減らす」より「入れ替える」
次に食事です。中高年のダイエットでは、「若い頃と同じ感覚で食べていると、体重がじわじわ増えていく」と感じる方も多いと思います。
一方で、極端に食事量を減らしてしまうと、筋肉や体力まで落ちてしまう心配があります。特に高齢期のサルコペニア予防では、たんぱく質をしっかり摂ることが重要と考えられています。
そこでおすすめなのが、「減らす」よりも「入れ替える」発想です。
- 白いご飯の一部を、雑穀やもち麦に入れ替えてみる
- お菓子の代わりに、ヨーグルト+ナッツを楽しむ日を作る
- 唐揚げだけでなく、焼き魚や蒸し料理をメインにする日を増やす
こうした小さな入れ替えを積み重ねることで、エネルギー量を抑えつつ、たんぱく質やビタミン・ミネラルを確保しやすくなります。
栄養バランスについて詳しく知りたい方は、厚生労働省の「食事バランスガイド」や、各自治体が出している栄養に関する冊子なども参考になると思います。
3. 運動は「筋トレ+日常の身体活動」で考える
運動については、「ジムに通って本格的なトレーニングをしなければ意味がない」と感じてしまう方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
公的なガイドラインでは、
- 座りっぱなしの時間を減らすこと
- 日常生活の中でこまめに体を動かすこと
- 週に2〜3回程度の筋力トレーニングを取り入れること
といった点が、健康づくりのための目安として紹介されています。
具体的には、
- エレベーターより階段を選ぶ
- 一駅分だけ歩いてみる
- テレビを見る前に、5分だけスクワットやかかと上げをする
- 買い物のついでに、少し遠回りのルートを歩く
こうした「生活の中の運動」を増やしつつ、余裕があれば簡単な筋トレを足していくイメージです。
僕自身も、ライザップで学んだトレーニングをベースにしながら、今は自宅でもできるメニューを中心に続けています。高血圧持ちでスタートした頃の葛藤は、ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦 でまとめていますが、「きつすぎない運動を長く続ける」ことが、一番のポイントだと感じています。
目標の再設定で、心と体の負担を軽くする
ここからは、「バランスの取り方」をより具体的にするために、目標の再設定について考えてみます。
長期・中期・短期の3層で考えてみる
おすすめなのは、目標を3つのレイヤーに分けて考える方法です。
- 長期目標:健康寿命のイメージ(例:75歳で年1回は旅行に行ける体力を残したい)
- 中期目標:半年〜1年スパンの体力・体型(例:半年後には、今より3kg軽くして階段を楽に上がれるようになりたい)
- 短期目標:1〜2週間の具体的な行動(例:週2回、20分のウォーキングをする/夜食のお菓子を週に2回までにする)
こうして分けて考えると、「理想の写真のような体になれなかった=失敗」ではなく、「健康寿命のゴールに近づくための通過点」としてボディメイクを捉えやすくなります。
うまくいかない時は「やり方」を変えるサイン
ダイエットやボディメイクがうまくいかないと、「自分は意志が弱い」と感じてしまいがちです。でも本当は、「意志が弱い」のではなく、「自分のタイプに合わないやり方を選んでいるだけ」という場合も多いように感じます。
僕のサイトでは、自分の「痩せない原因」や考え方のクセを整理するために、【4タイプ診断】痩せない原因判定(戦略) という診断コンテンツも用意しています。遊び感覚でチェックしてみると、「あ、自分はこういうパターンにハマりやすいのか」と気づきが生まれるかもしれません。
うまくいかないときは、「自分がダメ」ではなく、「やり方を調整するタイミング」と考えてみると、心が少し軽くなります。
僕自身が感じた「ボディメイクと健康寿命」の落としどころ
ここで少し、僕自身の経験を振り返ってみます。
数字ばかり追いかけていた頃
ライザップに通い始めた当初、僕はとにかく「体重」「体脂肪率」「ウエストのサイズ」といった数字ばかりを見ていました。毎回の計測が怖くて、数字が少しでも戻ると落ち込んでしまうような時期もありました。
その一方で、確かに見た目は変わっていきましたし、周りから「痩せたね」と言われるのは素直にうれしかったです。ただ、内心では「このペースをずっと続けられるだろうか」という不安も大きくなっていました。
「一生歩ける体」を最優先にするようになってから
転機になったのは、ある日トレーニング中に、「10年後、20年後も、今と同じくらい動ける自分でいたいか?」と聞かれたことでした。
そこで初めて、「数字を追いかけるボディメイク」と、「長く元気に動くための体づくり」は、必ずしも同じとは限らない、と気づきました。
それからは、
- 体重よりも、階段や坂道を楽に感じるかどうか
- トレーニング翌日の疲労感が「適度」かどうか
- 睡眠の質や、日中の集中力がどう変わるか
といった部分にも、意識を向けるようになりました。
結果として、体重の減り方は少しゆるやかになりましたが、「これならずっと続けられそうだ」と思えるスタイルに落ち着いてきました。詳しい経緯は、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】 でまとめていますが、今振り返ると、「健康寿命」という視点を持てたことが大きかったと感じています。
心と人間関係も、バランスの大事なピース
ボディメイクと健康寿命のバランスを考えるとき、忘れたくないのが「心」と「人間関係」です。
自分に厳しすぎないことも、大事な戦略
真面目な人ほど、
- 予定していた運動ができないと、ひどく落ち込む
- 外食が続くと、「せっかくの努力が台なしだ」と感じてしまう
- 他人の成功例と自分を比べて、焦ってしまう
といった状態に陥りやすいように感じます。
でも健康寿命を考えると、「長く続けられるメンタルの保ち方」こそが、とても大切な要素です。
例えば、
- できなかった日は、「今日は休息日にできた」と考える
- 完璧な1日を目指すのではなく、「7割できれば上々」と捉える
- 他人と比べるのではなく、「先月の自分」と比べてみる
こうした考え方のシフトだけでも、ボディメイクと健康寿命のバランスは、ぐっと取りやすくなっていきます。
一緒に取り組む人がいると、バランスはさらに整いやすい
また、家族や友人、同年代の仲間と一緒に取り組むことで、「やりすぎ」を防ぎつつ、「サボりすぎ」も防ぎやすくなります。
- 夫婦で一緒に夕方のウォーキングをする
- 同年代の仲間と、月1回の「健康的な飲み会」を企画する
- オンラインのコミュニティで、運動の報告だけをし合う
このように、人とのつながりの中でボディメイクや健康習慣を続けると、「楽しさ」と「適度な緊張感」を両立しやすくなります。
無理なく続けるための「マイルール」例
最後に、ボディメイクと健康寿命のバランスを取りやすくする「マイルール」の例をいくつか挙げておきます。ご自身の生活に合わせて、アレンジしてみてください。
- 体重は週に1〜2回だけ測る。それ以外は、「よく眠れたか」「体が軽いか」を指標にする。
- 週に1日は「完全オフの日」を作る。体を休めつつ、好きなものを少し楽しむ。
- 1日10分だけの運動枠を死守する。ウォーキングでもストレッチでもOK。
- 外食や飲み会は「楽しむ日」と割り切り、翌日以降でバランスを取る。
- 月1回、「体と心の棚卸し」をする日を作る。疲れやすさ、睡眠、気分の変化を振り返ってみる。
また、持病がある方や、体調に不安のある方は、運動や食事の内容を変える前に、かかりつけ医や専門職に相談してみることも大切です。特に心臓や血圧、血糖などに関わる病気をお持ちの場合は、自己判断で急に負荷を上げないように気をつけてください。
まとめ:「ボディメイクか健康寿命か」ではなく、「両方に点数をつけ直す」
ここまで、「ボディメイクと健康寿命のバランス」について、いろいろな角度からお話ししてきました。
ポイントをあらためてまとめると、
- 健康寿命は、「どれだけ長く、自分の足で日常を楽しめるか」という視点
- ボディメイクは、本来「見た目」と「動ける体」の両方を育てられる取り組み
- 極端に走らず、自分なりの「中間地点」を見つけることが大切
- 長期・中期・短期の3つの目標で考えると、バランスが取りやすくなる
- 心の余裕と人間関係も、健康寿命を支える大事な要素
人生の後半戦は、「守り」に入るだけの時期ではなく、「これからの自分のための体づくり」を楽しめる時期でもあると、僕は感じています。
ボディメイクの数字が思うように進まない日もあると思います。それでも、「今日も少しだけ体を動かせた」「昨日より階段が楽に感じた」といった小さな変化を積み重ねていけば、健康寿命の点数は、確実にじわじわと上がっていきます。
そんな視点で、これからのボディメイクと健康習慣を、一緒に楽しんでいけたらうれしいです。
この記事が、あなたにとっての「ちょうどいいバランス」を見つけるヒントになれば幸いです。

