【健康寿命】健康になる人は“完璧を目指さない”人だった

ライザップに通い始めてから、体重だけでなく「ものの考え方」もずいぶん変わりました。とくに大きかったのが、健康づくりで完璧を目指すのをやめたことです。
「毎日歩かなきゃダメ」「甘いものは一切禁止」「飲み会に行ったら終わり」…。そんなふうに自分を追い込んでいた頃は、少しでも予定どおりにできないと落ち込み、やけ食いをしてリバウンドしてしまうこともありました。
いま振り返ると、健康になるどころか、完璧主義が健康寿命を削っていたのかもしれません。そこで今回は、
- 健康になる人ほど、なぜ完璧を目指さないのか
- 「ゆるいルール」でも結果が出ていく理由
- 今日からできる、完璧じゃない健康づくりのコツ
を、人生の折り返しを過ぎた仲間として、やさしくお話ししていきます。
なお、ここでお伝えする内容は医療行為や治療ではなく、あくまで日々の生活習慣のヒントです。持病や治療中の病気がある方は、かかりつけ医など専門家と相談しながら、ご自身に合う範囲で取り入れてくださいね。
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完璧主義より「ほどほど主義」が健康寿命を守りやすい
健康寿命は「がんばり続けた人」より「続けられた人」が伸びる
健康寿命とは、「病気や介護に縛られず、自分の足で動けて自分らしく暮らせる期間」のことだとよく言われます。日本では厚生労働省が、生活習慣病予防やフレイル(加齢による虚弱)対策として、食事・運動・休養のバランスを大切にするよう呼びかけています。参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」 など。
ここでポイントになるのは、「一時的にすごくがんばった人」よりも、細く長く続けている人のほうが健康寿命を守りやすいと考えられていることです。
たとえば、
- 1ヶ月だけ糖質ゼロ生活をして、その反動でドカ食いしてしまう人
- 特別なことはしていないけれど、10年以上ウォーキングを続けている人
どちらが、10年後も自分の足で好きな場所へ出かけていられそうでしょうか。おそらく後者ですよね。
健康寿命にとって大事なのは、「すばらしい1ヶ月」ではなく、まあまあの日を積み重ねられる何年かなのだと思います。
完璧を目指すと「続けるエネルギー」が足りなくなる
一方で、完璧主義でがんばりすぎると、心と体のエネルギーがどんどん減ってしまいます。
- 1日休んだだけで「もうダメだ」とあきらめてしまう
- できなかった自分を責めて、ストレスから暴飲暴食に走ってしまう
- 「やるなら徹底的に」と夜更かしまでしてしまい、睡眠不足になる
こうした状態が続くと、むしろ健康から遠ざかってしまう可能性があります。睡眠不足や強いストレスが、生活習慣病のリスクを高めたり、メンタルの不調につながる可能性は、厚生労働省や自治体の情報でもたびたび注意喚起されています。参考:厚生労働省。
だからこそ、健康になる人ほど「完璧を目指さない」。ここが大切なポイントになってきます。
なぜ「完璧を目指す」と続かなくなるのか
① 脳は「変化」と「ガマン」が苦手
人間の脳は、本来あまり変化を好まないと言われています。いつもの時間に、いつものものを食べて、いつものように過ごすほうが安心するんですね。
そこに、
- 今日から毎日1万歩歩く
- お菓子は完全に禁止
- 夜は炭水化物ゼロ
といった大改革をいきなり持ち込むと、脳にとっては「危機」が起きたように感じられてしまいます。結果として、
- 3日目くらいから急にめんどうになる
- 急に強い食欲が出てきてしまう
- 理由をつけてやめたくなる
といった反応が起きやすくなるようです。
これは意志が弱いからではなく、脳の防衛反応だと考えると、少し気持ちがラクになります。「がんばれない自分」を責めるのではなく、「それだけ大きな変化をいきなりやろうとしたんだな」と受け止めてみると良さそうです。
② 「0か100か思考」が三日坊主を生みやすい
完璧主義の人に多いのが、「0か100か思考」です。
- 毎日できないなら意味がない
- 目標の半分しかできなかった日は失敗
- 飲み会でケーキを食べたら、その月はもうアウト
この考え方だと、ちょっと予定どおりにいかなかっただけで、すべてが台無しになったように感じてしまいます。その結果、
「今日はサボっちゃったな」→「もうダメだ」→「やる気ゼロ」
という流れが、あっという間に出来上がってしまうんですね。
ですが、健康寿命にとって大事なのは、100点の日よりも、60点の日をコツコツ積み重ねることではないでしょうか。だからこそ、完璧主義を少しゆるめてあげることが、とても大切になってきます。
健康になる人が持っている「ゆるいマイルール」の例
① 「週のうち何日かできたらOK」にしてみる
完璧主義の人は、「毎日続ける」ことにこだわりがちです。そこで、あえて最初から、
- 1週間のうち3日できたら大成功
- 忙しい週は2日でもOK
といった「ゆるめの合格ライン」を決めておくのも一つの方法です。
このくらいの目標だと、
- 月・水・金だけウォーキング
- 火・木はエレベーターではなく階段を使う
- 土日は家事や買い物を「ちょっと多めに歩く日」にする
といった調整がしやすくなります。「全部できなかったから失敗」ではなく、「今週はここまでできた」と、できた部分に目を向けやすくなるんですね。
② 「休みの日」をあらかじめカレンダーに入れておく
健康になる人は、「休む日」を意識的に作っていることが多いように感じます。
- 筋トレは週2日までにして、間に完全オフの日を入れている
- 週末はあえて運動の予定を入れず、家族との時間を最優先にしている
- 飲み会の日は「楽しむ日」と割り切り、翌日をリセットデーにしている
あらかじめ「ここは休む」と決めておくと、休むことに罪悪感を持ちにくくなりますし、体の疲れもたまりにくくなります。
休息もふくめて、一連のサイクルが「自分なりの健康リズム」になっていくイメージです。
③ 食事は「全部NG」ではなく「これは普段からOKリスト」を作る
食事も、完璧を目指すとあっという間に苦しくなります。「揚げ物禁止」「甘いもの禁止」「外食禁止」…と禁止ルールばかり増えると、どこかで我慢の糸が切れてしまいます。
そこでおすすめなのが、
- 普段から選びたい「OKおかず」リスト
- コンビニで選びやすい「OKおやつ」リスト
などを、スマホや冷蔵庫にメモしておくことです。
たとえば、野菜たっぷりの惣菜や、豆腐・納豆などのたんぱく質、間食にナッツやヨーグルトなど、農林水産省や自治体の食育の情報も参考にしながら、「自分が選びやすいもの」をピックアップしておくと安心です。
「何を食べてはいけないか」よりも、「何を選ぶとホッとできるか」に意識を向けると、心も体もラクになりやすいと感じています。
「できなかった日」を責めないための考え方
① グラフがガタガタでも、それが“生きている証拠”
最近は、スマホのアプリで歩数や体重、睡眠時間を記録している方も多いと思います。僕も、あまり細かくはありませんが、体重と歩数だけは長く記録してきました。
あるとき、理想のグラフを思い描いてみたんです。体重は右肩下がり、歩数は右肩上がり、睡眠時間はいつも7時間以上。まるで教科書のようなきれいなグラフです。
でも、実際のグラフはそんなにはっきりしていません。仕事が忙しい日があれば、風邪気味で寝ている日もあり、家族行事で外食が続く週もあります。グラフはあちこちガタガタに曲がっています。
ところが、ある程度長く続けて見返してみると、
- 多少ガタガタしていても、全体としては少しずつ良くなっている
- しんどかった時期を乗り越えて、また戻ってきている
という「流れ」のようなものが見えてくるんですね。
そこで僕は、「グラフがガタガタなのは、ちゃんと生きている証拠」と考えるようにしました。いつも一定なんて、人間らしくないですよね。多少の波があるからこそ、続いていくのだと思います。
② 「できなかったこと」ではなく「それでもできたこと」に注目する
完璧主義のモードに入っているとき、人はつい
- 今日はウォーキングも筋トレもできなかった
- お菓子を食べてしまった
- 夜更かししてしまった
と、「できなかったこと」ばかり数えてしまいます。
でも、同じ1日の中にも、
- エレベーターの代わりに階段を使えた
- 夜ごはんのご飯を少しだけ少なめにした
- お菓子の量をいつもより一つ減らした
といった「できたこと」がどこかに隠れているはずです。
そこで、寝る前に手帳やスマホに、その日できた小さなことを3つだけ書き出してみるのもおすすめです。
最初は「そんな小さなこと…」と感じるかもしれませんが、1ヶ月続けると、90個の「できたこと」が並びます。これはなかなか壮観ですし、自分への見方が少しずつ優しくなっていきます。
③ 「今日は休息デー」と名前をつけてみる
どうしてもやる気が出ない日、体が重い日もあります。そんなときは、
「サボった日」ではなく「休息デー」と名前をつけてしまう
のも一つの手です。
例えば、
- いつもより30分早く寝る
- 好きな音楽を聞きながらストレッチだけする
- お風呂にゆっくりつかって、体を温める
など、「ととのえるための行動」を1つだけ決めておくと、休息デーも立派な健康習慣の一部になっていきます。
それでも結果が出る理由:小さな積み重ねの力
① 「ちょっと増やす」「ちょっと減らす」が積もると、大きな差になる
厚生労働省の身体活動・運動に関する指針では、「息が弾む程度の運動だけでなく、日常生活の中の身体活動も含めて、少しずつ増やしていくこと」がすすめられています。参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動」。
ここで大事なのは、「一度にたくさん」ではなく、
- エレベーターを1回だけ階段に変える
- バスを1駅だけ歩いてみる
- 家事や買い物を「ちょっと大きめの動き」でやってみる
といった「ちょっとの増加」で十分、という考え方です。
同じように、食事も、
- お菓子をゼロにするのではなく「いつもの半分」にしてみる
- ご飯茶碗をひと回り小さいものに変えてみる
- 甘い飲み物を1本だけ無糖のお茶に変える
といった「ちょっとの減少」でOKです。
この「ちょっと増やす/ちょっと減らす」が1年、3年、5年と積み重なると、想像以上に大きな差になっていきます。
② 完璧を目指さないほうが、ストレスが減り、続きやすい
また、完璧を目指さないことで、心のストレスが減り、結果として続けやすくなるという面もあります。ストレスが減れば、睡眠の質や血圧、血糖値などにも良い影響が期待できると考えられていますが、こちらも断定はせず、気になる方は厚生労働省「こころの健康」サイトなども参考にしてみてください。
健康づくりを「自分いじめ」にしないこと。これが、健康寿命を伸ばすうえで、とても大事なポイントではないかと感じています。
自分なりの「完璧じゃない健康づくりプラン」を作ってみる
ステップ① まずは「今の自分」をそのまま眺めてみる
完璧主義を手放した健康づくりを始めるには、まず「今の自分」をありのままに眺めてみるところからスタートしてみましょう。
- 最近の睡眠時間
- 平日の歩数や、体を動かす時間
- 食事の大まかなパターン(朝・昼・夜・おやつ)
これらを1週間だけメモしてみると、自分の生活の「クセ」が見えてきます。ここではまだ、反省会はしなくて大丈夫です。あくまで、「ふーん、こんな感じなんだな」と観察するだけにしておきましょう。
ステップ② 「これならできそうな1〜2個」だけ決める
次に、そのメモを見ながら、
- これなら今の生活に少し足せそうだな
- これなら今の生活から少し引けそうだな
という行動を、1〜2個だけ決めてみます。
たとえば、
- 夜22時以降はスマホを見ないで、寝る準備にあててみる
- 夕食後すぐに座らず、5分だけ家の中を片付けて歩いてみる
- おやつを「毎日」から「週4日」にしてみる
など、「これなら続きそうだな」と思えるレベルにしておくのがポイントです。
ステップ③ うまくいかなかったときの「予備プランB」も用意しておく
完璧を目指さない健康づくりでは、「できなかったときの逃げ道」をあらかじめ決めておくことも大切です。
- ウォーキングができない雨の日は、家の中でラジオ体操だけやる
- どうしても甘いものを食べたい日は、量を決めて楽しむ
- 飲み会の日は、翌日の朝を「リセットスープの日」にする
このように「プランB」を用意しておくと、どんな日も「完全な失敗」にはなりません。少し形を変えながら、習慣の火を絶やさずにいられるようになります。
ステップ④ 月に一度だけ、ゆったり振り返る時間を作る
そして最後に、月に一度だけでいいので、「この1ヶ月どうだったかな」と振り返る時間を取ってみましょう。
- 自然と続いていることは何か
- 無理があって続かなかったことは何か
- その中で、自分がちょっと誇らしく思える変化は何か
紙に書き出してみると、「意外といろいろやってきたな」と気づくことも多いはずです。
僕自身、ライザップでの減量期には、全力でがんばった時期もありましたが、その後の維持期では、完璧を目指すのをやめて、「リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】」でも書いているように、「できることをゆるく続ける」スタイルに切り替えていきました。そのほうが、心も体もラクで、結果として長く続いています。
完璧じゃなくても、ゆっくり健康になっていける
ここまで、「健康になる人は完璧を目指さない」というテーマでお話ししてきました。
- 健康寿命を伸ばすには、「がんばり続ける」より「続けられる」ことが大切
- 完璧主義は、0か100か思考になりやすく、三日坊主やリバウンドの原因にもなりやすい
- 「週のうち何日かできればOK」「休息デーをあらかじめ決める」など、ゆるいマイルールが健康づくりを支えてくれる
- グラフがガタガタでも、それはちゃんと生きている証拠。できなかった日より「それでもできたこと」に注目してみる
- ちょっと増やす・ちょっと減らすを積み重ねることで、数年後の自分が大きく変わっていく
人生の後半戦は、若い頃のように「気合いと根性」だけで押し切るのは難しくなっていきます。その代わりに、
- 自分のペースを大切にする
- 休むことも含めてリズムを作る
- できなかった日も抱きしめながら、一歩ずつ進む
そんな、少し大人の健康づくりをしていけたら素敵だな、と僕は思っています。
完璧じゃなくて大丈夫です。グラフが少しガタガタでも、
「まあいいか、また明日からやってみよう」
そうつぶやける人から、健康寿命はじわじわと伸びていくのかもしれません。
今日の自分に、できることをひとつだけ。そんな気持ちで、一緒にゆるく続けていきましょう。

