健康寿命と「ながら音楽」ボディメイクのススメ

散歩をしようと思っても、ついソファに座ったままテレビやスマホを見てしまう…。
そんなとき、そっと背中を押してくれるのが「音楽」です。
好きな曲を聴きながら歩いたり、ストレッチをしたりすると、同じ動きでも不思議と軽く感じられます。
人生の後半にさしかかる40代〜70代こそ、「音楽の力」を借りながら、無理なく体を動かせると心も体もラクになります。
この記事では、「ながら音楽」×ボディメイクという視点で、健康寿命(元気に動ける時間)をのばすヒントをまとめました。
むずかしいルールや厳しいトレーニングではなく、「これならできそう」と感じてもらえるやり方を、ゆっくりお伝えしていきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
健康寿命を支える「ながら音楽」習慣とは
健康寿命=どれだけ長く「自分の足で」動けるか
まず、この記事で大切にしたいのは「寿命」そのものよりも、健康寿命=自分の足で動き、行きたいところへ行ける時間です。
からだのどこかに痛みが出たり、疲れやすくなったりすると、
「もう年だから仕方ないかな」とあきらめモードになりがちです。
でも、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、
少しでもからだを動かす時間が増えるだけで、ほとんど動かない場合と比べて健康リスクが下がることが紹介されています。
「激しい運動をしなければ意味がない」というより、
今よりちょっとだけ多く動くことに価値がある、と考えられているわけですね。
音楽があると「動くハードル」が下がる
とはいえ、「動いたほうがいい」のは頭で分かっていても、
心と体がなかなかついてこないことも多いものです。
そこで役に立つのが音楽です。国内の大学の研究でも、有酸素運動中に音楽を聴くと、
・運動中の「きつさ」が少なく感じられやすいこと
・運動後の気分がよくなること
・結果的に「またやってみよう」と思いやすくなること
などが報告されています。
また、国立健康・栄養研究所の身体活動ガイドライン研究室も、
「日常生活の中でできるだけ楽しくからだを動かす工夫」が大切だと発信しています。
音楽はその「楽しくする工夫」のひとつと考えてみると、イメージしやすいかもしれません。
好きな曲が流れると、自然と足がリズムを刻んだり、肩がゆれたりしますよね。
この「つい動きたくなる」力を、ボディメイクや健康寿命づくりに上手く使っていくのが、ながら音楽ボディメイクです。
「がんばる運動」より「楽しむ運動」へ
40代以降になると、若い頃と同じように追い込む運動は、ケガや体調不良につながることもあります。
そのため、「がんばる運動」より「楽しむ運動」に切り替えていくことが大事になってきます。
音楽は、その切り替えを助けてくれる存在です。
- 昔よく聴いた曲で、若い頃のワクワクした気持ちを思い出す
- テンポのよい曲で、自然と歩くスピードが上がる
- ゆったりした曲で、ストレッチ中に深呼吸しやすくなる
こんなふうに、「好きな音楽を流したら、つい体も動いていた」という状態を作れれば、
「運動しなきゃ」と力む必要はあまりありません。
生活シーン別「ながら音楽」ボディメイクアイデア
ここからは、日常のさまざまな場面でできる「ながら音楽」ボディメイクの具体例を紹介します。
難しいテクニックは出てきませんので、「自分に合いそうなものだけ」拾ってもらえたらうれしいです。
1. 朝のウォーキング×音楽で一日のエンジンをかける
まずおすすめなのが、朝のウォーキングに音楽をプラスすることです。
「朝はボーッとしていて動きたくない」という方も、
お気に入りの1曲が流れると、気持ちが少し前向きになります。
ポイントは、「1曲ぶんだけ歩く」くらいから始めることです。
- 家の近所を、好きな曲1〜2曲ぶんだけ歩く
- 信号1つぶんだけ早歩きしてみる
- 曲が落ち着いたら、ペースも少しゆるめる
これくらいなら、体力に自信がない日でも取り組みやすくなります。
厚生労働省の身体活動に関する情報でも、
10分程度の歩行を1日に数回行うような小さな積み重ねでも、健康づくりの効果が期待できるとされています。
「今日はどの曲で歩こうかな」と考えるだけでも、朝の楽しみがひとつ増えますね。
2. 家事×音楽で「ながらボディメイク」
次は、家事と音楽をセットにする方法です。
掃除機をかけたり、洗濯物を干したり、料理をしたり…。
これらも立派な「身体活動」ですが、音楽をかけるだけで運動効果を少し高める工夫ができます。
- 掃除機をかけるときに、曲のリズムに合わせて一歩を少し大きく出す
- 皿洗い中、かかと上げをゆっくり繰り返す(ふくらはぎの血流UP)
- 洗濯物を干すときに、背筋を伸ばして胸を開くように意識する
こうした動きは、筋トレというほど激しくはありませんが、
積み重なると「いつのまにか一日じゅうよく動いた」状態に近づいていきます。
大阪市などの自治体でも、音楽に合わせて体操をする介護予防教室が行われています。
地域の場と同じように、「家の中でも音楽に合わせて動く」イメージを持つだけで、
家事の時間がちょっとしたボディメイクタイムに変わります。
3. ストレッチ×音楽で「からだの声」を聞く時間に
日中が忙しくて動く時間が取りにくい方は、夜のストレッチ×音楽がおすすめです。
ゆったりしたテンポのピアノ曲やジャズ、自然音系のBGMなどをかけながら、
- 首や肩をゆっくり回す
- 肩甲骨を寄せるように胸を広げる
- ふくらはぎや太ももを軽く伸ばす
といった簡単なストレッチを行うと、
「今日一日よく頑張ったな」と自分のからだにねぎらいをかける時間になります。
ストレッチをするときは、「どこが気持ちいいか」「どこが張っているか」を確かめるように、
からだと会話するつもりで動いてみるのがおすすめです。
音楽の力を借りることで、心も少しずつ緩みやすくなり、
その日の疲れや緊張をリセットしやすくなります。
4. 休憩時間の「1曲だけステップ」で座りっぱなしを減らす
デスクワークが多い方や、趣味で長時間座りっぱなしになりやすい方には、
休憩時間に1曲だけ体を動かす方法がおすすめです。
たとえば、
- 仕事の合間に好きな曲を1曲だけ流し、その間だけ立ち上がって足踏みする
- テレビのCMのあいだ、肩や腰を回す
- 電話をするときは、座らずに立って話す
こうした「小さな立ち上がり」が増えるだけでも、
座りっぱなし時間を減らすことにつながっていきます。
国や研究機関の資料でも、
長く座り続けることが、筋力低下や生活機能の低下と関係している可能性が指摘されており、
こまめに体を動かすことの大切さが繰り返し伝えられています。
1曲ぶんのステップなら、忙しい日でもなんとかできそうですよね。
「ながら音楽」を安全に楽しむためのポイント
音楽を味方にすると、運動はグッと楽しくなります。
その一方で、安全面への配慮も忘れずに持っておきたいところです。
音量と周囲への注意
外でイヤホンを使う場合は、
- 音量を上げすぎない
- 歩きスマホと同じように、周りの人や車に注意する
- 自転車に乗りながらのイヤホンは避ける(地域によっては条例で禁止)
といった点が大事になります。
人によっては、片耳だけイヤホンを使うほうが安心に感じられるかもしれません。
「安全に続けられるかどうか」を基準に、自分に合ったやり方を選んでみてください。
持病や体調が気になるときは専門家に相談を
心臓や血圧、関節などに持病がある場合や、
「動くと胸が痛む」「ひどく息切れがする」といった症状がある場合には、
運動量を増やす前に、かかりつけ医などに相談しておくと安心です。
この記事では、あくまで一般的な情報として「ながら音楽」のアイデアをお伝えしています。
具体的な治療や運動処方については、医療機関の判断を優先してくださいね。
「無理をしないための合図」を決めておく
楽しい音楽を聴いていると、「もう少しできる」「まだいける」と感じやすくなります。
それ自体は良いことですが、やりすぎてヘトヘトになってしまうと、翌日以降が続きにくくなります。
そこで、あらかじめ「ここまでで今日は終わり」という合図を、自分なりに決めておくのもおすすめです。
- 2曲分歩いたら今日はおしまい
- 少し息が弾んできたら、そこから1曲分だけ続ける
- 関節に痛みが出たら、すぐ中断して様子を見る
こんなルールを持っておくと、
「がんばりすぎて続かなくなる」パターンを避けやすくなります。
40〜70代向け「ながら音楽」ボディメイクの始め方ステップ
ここからは、実際に生活の中に取り入れていくためのステップを整理してみます。
すべてやる必要はなく、今の自分に合いそうなところから、ゆっくり試してみてください。
ステップ1:1日1曲から始める
最初の目標は、「1日1曲ぶん動けたら合格」くらいで十分です。
- 朝起きてすぐ、好きな曲をかけながら軽くストレッチ
- 昼休みに1曲だけ散歩
- 寝る前に、ゆったりした曲でからだをほぐす
どれかひとつでも実践できたら、「今日はちゃんと自分のからだのために時間を使えた」と認めてあげてください。
この「自分をほめる」感覚が、次の日の行動を支えてくれます。
僕自身も、ボディメイクを始めた当初は、
最初から長時間のトレーニングをするのではなく、「今日はここまでできたらOK」というラインをかなり低く設定していました。
その積み重ねが、のちのち大きな変化につながった実感があります。
ステップ2:テンポ別プレイリストを作る
少し慣れてきたら、テンポ別のプレイリストを作ってみると、さらに動きやすくなります。
- ウォーキング用:少し早めのテンポで、自然と足が前に出る曲
- ストレッチ用:ゆったりしたテンポで、深呼吸しやすい曲
- 気分が沈んだとき用:聴くと元気が出る、お気に入りの曲
最近は、スマホの音楽アプリでもプレイリストを簡単に作れるようになっています。
難しく考えず、「これを聴くと動きたくなる」という曲を少しずつ集めていくだけでOKです。
ステップ3:「飽きたら変える」を前提にする
どんなに好きな曲でも、毎日同じものを聴いていると、少しずつ飽きてきます。
そこで、あらかじめ「飽きたら変えるのが普通」と考えておくと、気持ちがラクになります。
プレイリストを入れ替えたり、新しいジャンルに挑戦したりすることも、
脳には良い刺激になると考えられています。
「最近この曲にワクワクしなくなってきたな」と感じたら、
自分を責めるのではなく、「そろそろ新しい音楽の出番だな」と受け止めてみてください。
ステップ4:自分の「つまずきパターン」を知っておく
運動や食事の習慣づくりが苦手な方は、
自分がどんなときに続かなくなるのかを知っておくと対策が立てやすくなります。
たとえば、
- 忙しくなると、ついゼロになってしまうタイプ
- 最初に飛ばしすぎて、数日で燃え尽きるタイプ
- 「どうせ自分は続かない」とあきらめやすいタイプ
など、人によってパターンはさまざまです。
僕が作った【4タイプ診断】痩せない原因判定(戦略)では、
「自分はどんな理由でつまずきやすいのか」を整理するヒントをまとめています。
ながら音楽ボディメイクを続けるうえでも、参考として活用してもらえたらうれしいです。
音楽がつなぐ「からだ・心・人とのつながり」
音楽の良さは、からだを動かしやすくするだけではありません。
心や人間関係にも、やさしく働きかけてくれるところに、大きな魅力があります。
音楽が「気持ちのバロメーター」になる
今日はどんな音楽を聴きたいかを振り返ると、
自分の気持ちの状態に気づきやすくなることがあります。
- テンポの良い曲が聴きたい日 → 体力や気分に余裕があるサイン
- 静かな曲を選びたい日 → ちょっと疲れていて、休みたいサイン
このように、音楽の好みが「からだと心の声」のヒントになる場合もあります。
「今日は元気な曲を聴きたいけれど、体は重たいな」と感じたら、
ウォーキングの距離を少し短くしたり、ストレッチ中心に切り替えたりしてもいいですね。
地域の「音楽体操」やサークルも味方になる
全国の市町村では、
歌や音楽に合わせて体操をする介護予防教室や健康づくり事業が多く行われています。
たとえば、大阪市の社会福祉協議会では、
音楽に合わせた健康体操やレクリエーションを行う介護予防事業を実施しています。
同じような取り組みは、全国の自治体でも広がりつつあります。
家での「ひとり時間」も大切ですが、
ときどきは地域の場で、同じ年代の方と一緒に音楽を楽しみながら体を動かすのも、
心の張り合いづくりに役立ちます。
僕自身も、音楽を味方にしてきた
僕自身も、ライザップに通いながらボディメイクに取り組んできたとき、
いつもどこかに音楽がありました。
行き帰りの電車でテンションを上げてくれた曲、
トレーニング後のクールダウンで心を落ち着かせてくれた曲…。
そうした音楽たちが、地道なボディメイクを支えてくれたと感じています。
その体験は、
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】や、
33キロ減のライザップ体験記ブログ、
ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦(減量期の全記録)
にも正直に書いています。
決して特別な才能があったわけではなく、
「好きな音楽に背中を押してもらいながら、一歩ずつ続けてきた」と言ったほうが近いかもしれません。
まとめ:好きな音楽があれば、何歳からでも「一歩」は踏み出せる
最後に、この記事のポイントを整理しておきます。
- 健康寿命とは、「自分の足で動ける時間」をできるだけ長く保つこと
- 激しい運動でなくても、今より少し動く時間が増えるだけでも意味があると考えられている
- 音楽には、運動のきつさを感じにくくしたり、気分を前向きにしたりする働きが期待できる
- 「朝のウォーキング」「家事」「ストレッチ」「休憩時間の1曲ステップ」など、日常のあちこちに音楽を組み合わせられる
- 安全面(音量・周囲への注意・持病)への配慮をしながら、自分のペースで続けることが大切
- 1日1曲からでいいので、「できた日」を自分でしっかりほめる
年齢を重ねるほど、「新しいことを始めるのはおっくうだな」と感じやすくなります。
でも、好きな音楽は、何歳になっても私たちの味方でいてくれます。
まずは今日、1曲だけ、体を少し動かしてみませんか。
大きな一歩ではなくてかまいません。
その小さな一歩が、未来の自分の健康寿命を、そっと支えてくれるはずです。
音楽を味方にした「ながらボディメイク」で、
人生の後半も、自分らしく軽やかに歩んでいきましょう。🎵

