食事制限の落とし穴と健康寿命、経験者の本音

「体重を落としたくて、食事量をガッと減らした」「糖質をほとんど食べない生活を続けてみた」。
こうした“がんばりすぎの食事制限”を、一度は経験したことがある方も多いと思います。
僕自身も、ライザップに通う前からいろいろなダイエットに手を出してきました。
一時的に体重は減っても、エネルギーが出ない・イライラする・続かない……。
そのくり返しだったからこそ、今は「健康寿命を意識した、無理のない食べ方」がどれだけ大事かを実感しています。
この記事では、そんな経験者の立場から、
- なぜ無理な食事制限は続きにくいのか
- 健康寿命の視点で見た「やせすぎ」「食べなさすぎ」のリスク
- 今日からできる、無理なく続く食生活への切り替えポイント
を、できるだけやさしい言葉でまとめてみました。
「もう若くないし、今さら変えられるかな?」と感じている40〜70代の方にこそ、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
なぜ「ガマンだけの食事制限」は続かなかったのか
まずは、僕自身の失敗パターンから整理してみます。
当時の僕は、「食べる量を減らせば減らすほど、早く結果が出るはずだ」と思い込んでいました。
ところが実際は、体も心もついてこず、健康寿命どころか「日常生活を快適に送る力」まで削ってしまっていたように感じます。
体が悲鳴を上げるパターン
極端な食事制限をしていた頃の、よくあった一日を振り返ると、
- 朝:コーヒーだけ、またはヨーグルトだけ
- 昼:コンビニのサラダとおにぎり1個
- 夜:「炭水化物抜き」と言いながら、おかずを少しだけ
こんな感じでした。
その結果、
- 午後になると頭がボーッとする
- 階段を上るだけでドッと疲れる
- トレーニングをしても力が入らない
といった「エネルギー切れ」のサインが、はっきり出ていました。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、高齢者の低栄養ややせすぎは、フレイル(虚弱)や要介護のリスクを高める可能性があるとされています。
参考として、詳しく知りたい方は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」などもチェックしてみてください。
心が折れてしまうパターン
体だけでなく、心にもかなり負担がかかっていました。
- 食事の時間が「楽しみ」ではなく「チェックの時間」になる
- 一口でも予定より多く食べると、自己嫌悪が止まらない
- 体重計の数字に一喜一憂して、気持ちが振り回される
この状態が続くと、「どうせ自分なんて続かない」と思いやすくなってしまいます。
食事制限で一番つらかったのは、実は「お腹がすくこと」よりも、「自分を責める癖」が強くなってしまったことでした。
人間関係や生活リズムも乱れやすい
さらに、ガマンだけの食事制限は、人付き合いや生活リズムにも影響してきます。
- 家族と同じメニューを食べられず、孤立した気分になる
- 友人との外食や飲み会を避けるようになり、付き合いが減る
- 栄養が不足しているせいか、イライラしやすくなる
「健康のために始めたはずなのに、心はどんどん不健康になっている」――。
そんな矛盾した状況になってしまうことも、珍しくないように感じます。
健康寿命の視点で見る「やせすぎ」「食べなさすぎ」のリスク
ここからは、少しだけ専門的な内容も交えながら、健康寿命の視点で食事制限を考えてみるパートです。
とはいえ、難しい数字や専門用語は最小限にして、「イメージしやすさ」を大事にしていきたいと思います。
体重が落ちても、筋肉と体力も落ちてしまう
極端な食事制限をすると、体重は確かに減ります。
ただ、その内訳を見ていくと、「脂肪だけ」ではなく筋肉や水分も一緒に減っていると考えられています。
特に中高年以降は、もともと筋肉量が落ちやすい年代です。
そこに、「食事量を減らしすぎる」「たんぱく質をほとんど取らない」といった生活が重なると、
- 階段や坂道がきつくなる
- 少しの外出でも疲れてしまう
- 転びやすくなる
といった、日常生活の不便さにつながることが心配されます。
東京都健康長寿医療センターなどでも、「バランスの良い食事」として、主食・主菜・副菜を組み合わせる食べ方が、健康寿命を支える一つの考え方として紹介されています。
参考:健康で長生きする『バランスの良い食事』とは?(東京都健康長寿医療センター)
高齢期の低栄養とフレイルのつながり
高齢者の低栄養についてまとめている厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、
「やせている状態や、十分なエネルギー・たんぱく質が取れていない状態が続くと、虚弱(フレイル)や要介護のリスクにつながる可能性がある」といった内容が紹介されています。
詳しくは、『高齢者の低栄養予防』も参考にしてください。
「体重が軽い=健康」ではなく、「自分の年齢に合った、無理のない体重ゾーン」がある、という考え方ですね。
特に60代以降では、若い頃よりも少し「ふっくら」しているくらいが、健康面では安心とされるデータも出ているようです。
「バランスよく食べる」ほうが、結果的に長く歩ける体に
もうひとつ大切なのは、「何を減らすか」ではなく「何を足すか」に目を向けてみることだと思います。
- ご飯(主食)を完全に抜くのではなく、量を整える
- 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく源を、毎食どれか一品入れてみる
- 色の違う野菜を、少しずつでも毎日とる
こうした「バランスを整える食べ方」が、結果的に体力や免疫力を守り、
元気に動ける時間=健康寿命を支えてくれると考えられています。
消費者庁の資料でも、栄養成分表示を活用しながら、肥満だけでなく「やせすぎ」や高齢者の低栄養を防ぐことの大切さが紹介されています。
参考:栄養成分表示を使って「肥満」や「やせ」を防ぐ(消費者庁)
僕自身が感じた「無理な食事制限あるある」
ここからは、少し肩の力を抜いて、僕自身の「食事制限あるある」を書いてみます。
「自分もそうだったな」と、どこか一つでも共感ポイントがあればうれしいです。
数字だけを見て、不安になる
かつての僕は、
- カロリーは○○kcal以内
- 糖質は○○g以下
- 体重は毎日△△kgを切っていないと不安
といった具合に、数字のルールで頭がいっぱいでした。
もちろん数字を目安にするのは悪いことではないのですが、
- 体調は悪くないのに、数字だけで「ダメだ」と落ち込む
- 数字通りに行かなかった日は、全てが失敗に見えてしまう
という、ちょっと窮屈な状態になっていたように思います。
その頃の試行錯誤は、「ライザップ体験記ブログ※33キロダイエット成功ブログ大公開」にも、かなり赤裸々に書いています。
今読み返しても、「だいぶ頑張りすぎていたなあ」と感じますが、その経験があるからこそ、今はもう少し柔らかい考え方で体と付き合えるようになりました。
ルールが増えすぎて、食事が楽しくなくなる
「これはNG」「あれもNG」と、食べてはいけないものを増やしすぎると、
- 買い物が「チェック作業」になってしまう
- 外食のメニュー表を見ても、選べるものがほとんどない
- 家族と同じものを食べられず、ひとりだけ別メニューになる
といった状況になりがちです。
僕も一時期、家族の食卓に自分だけ別のメニューを並べていたことがあります。
「健康のため」とは思いつつも、どこかさびしい気持ちになってしまい、長くは続きませんでした。
そのあたりの心境は、「リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】」にも正直に書いています。
リバウンドをくり返してきたからこそ、「ガマンだけに頼らない食事」が必要だと痛感しました。
リバウンドのたびに自信を失う
食事制限でグッと体重を落としても、その後にリバウンドすると、
- 「やっぱり自分には続けられない」と落ち込む
- 体重だけでなく、自信まで増減しているように感じる
ということが起こります。
僕の「ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!」では、
実際の毎日の記録を残しているのですが、
そこでも、数字だけを追いかけるのではなく、「今日の体調」「体の感覚」「動ける感じ」を大事にするようになってから、
ようやく安定して体重と付き合えるようになった気がしています。
「無理なく続く食生活」に変えたきっかけ
では、僕がどのようにして「ガマンだけの食事制限」から抜け出し、
無理なく続けられる食生活に切り替えていったのか。
ポイントになったことを、いくつか挙げてみます。
「減らす」より「整える」に視点を変えた
一番大きかったのは、
「何をどれだけ減らすか」ではなく、「1日の食事全体のバランスをどう整えるか」
という考え方に切り替えたことでした。
たとえば、以前の僕は「夜は炭水化物ゼロにしないと」と思っていましたが、
今は「夜はご飯を軽めにして、その分、野菜とたんぱく質をしっかり入れてみよう」と考えるようにしています。
このほうが、お腹も心も満たされやすく、
結果として間食が減ったり、夜中にお腹がすいて眠れないといったことも少なくなりました。
「完璧主義」を手放してみた
もうひとつは、完璧を目指さないことです。
- 外食の日があっても、「明日少し整えればいいか」とゆるく考える
- お菓子を食べた日も、「その分、歩く時間を5〜10分足してみようかな」と調整する
こうした「ゆるい調整」を覚えたことで、
一度の失敗で全てが台無しになる感覚から、少しずつ解放されました。
公的な情報を見に行くようになった
ネット上には、たくさんのダイエット情報がありますが、
中には極端な内容や、根拠がはっきりしないものも混ざっています。
そこで、僕はなるべく、
- 厚生労働省や自治体が出している栄養・食生活の情報
- 東京都健康長寿医療センターや、健康長寿ネットなどの資料
も参考にするようにしました。
たとえば、厚生労働省「健康日本21(栄養・食生活)」や、
健康長寿ネット「低栄養予防・免疫力向上の食事・栄養」などは、
「3食きちんと食べること」「多様な食品を組み合わせること」の大切さが、やわらかく説明されています。
もちろん、そこに書いてある通りに完璧にやる必要はありませんが、
「方向性の目安」として、とても心強い情報源だと感じています。
健康寿命を意識した食生活の切り替えポイント
ここからは、より具体的に、健康寿命を意識した「無理なく続く食生活」のポイントを整理してみます。
全部を一気にやる必要はないので、「これならできそう」というものから、ゆっくり取り入れてもらえたら十分です。
① まずは「食事のリズム」を整える
食事制限をしていると、
- 朝を抜いて、昼と夜にまとめて食べる
- 夜遅い時間にドカ食いしてしまう
といったリズムの乱れが起きやすくなります。
そこでおすすめなのは、
- 「朝・昼・晩」をなるべく毎日同じくらいの時間にとる
- どうしても忙しい日は、コンビニおにぎり+ゆで卵などの「簡易版」でもOKとする
という、「時間のリズム」を優先する考え方です。
東京都の健康情報サイトでも、「1日3食きちんと食べること」や「水分補給を忘れないこと」など、
基本的なリズムを大切にするポイントが紹介されています。
参考:栄養・食生活:気を付けたい食生活のポイント(東京都福祉保健局)
② 1食の中に「主食・主菜・副菜」をざっくりそろえる
細かい栄養計算が面倒な場合は、
- 主食:ご飯・パン・麺などのエネルギー源
- 主菜:肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく源
- 副菜:野菜・きのこ・海藻などのビタミン・ミネラル源
この3つが「だいたいそろっているかどうか」をチェックしてみると、バランスがイメージしやすくなります。
たとえば、
- 主食+主菜だけになりがちなときは、「小さなサラダ」や「野菜入りのみそ汁」を足してみる
- 副菜ばかりでたんぱく質が少ないときは、「豆腐」や「ゆで卵」をプラスしてみる
といった「小さな足し算」で、食事の質はかなり変わってきます。
③ 完全NGを作らず、「頻度」と「量」で調整する
ケーキや揚げ物、アルコールなどを完全にゼロにするのは、現実的にはなかなか大変です。
そこで、
- 「毎日は食べないけれど、週1回くらいは楽しむ」
- 「量を半分にして、ゆっくり味わう」
といった、「頻度」と「量」で調整する考え方を取り入れてみるのも一つです。
僕自身も、以前は「ケーキは完全NG」と決めていましたが、
今は「誕生日や記念日は、しっかり楽しむ」「普段は小さめサイズにする」といったゆるいルールに変えました。
そのほうが、心の満足感も高く、結果として暴走しにくくなったように感じています。
④ 外食・飲み会は「楽しみながら調整する場」にする
40〜70代になると、仕事の付き合いや家族・友人との集まりなど、
外食や飲み会の機会がゼロになることは、なかなかありません。
僕は、ライザップに通いながらこうした場と付き合ってきた経験を、
「外食・飲み会が多い人向け活用法」にもまとめています。
完全に断ってしまうのではなく、
- 最初の一杯はビールでも、その後はお茶や炭酸水に切り替える
- 揚げ物だけでなく、刺身やサラダ、焼き魚なども一緒に頼む
- シメのラーメンではなく、少なめのご飯ものにする
といった「ゆるい工夫」でも、積み重ねるとかなり違ってきます。
⑤ 体重より「動ける感覚」をチェックする
健康寿命を考えるとき、もちろん体重も一つの指標ですが、
それ以上に大事なのは「体がどれくらい自由に動くか」だと感じています。
たとえば、
- 以前より、階段をラクに上り下りできているか
- 買い物の荷物を持って歩いても、あまり疲れなくなってきたか
- 朝の目覚めや、1日の終わりの体の重さはどうか
こうした「感覚の変化」は、体重の数字以上に、健康寿命に直結している部分かもしれません。
食事を見直すときも、
「体重が0.何キロ減ったか」だけでなく、「体が前より軽く動くようになったかどうか」を、
一緒に観察してみるのがおすすめです。
今日からできる、小さな一歩アイデア
ここまでいろいろと書いてきましたが、
大切なのは、「今の自分が無理なくできる、小さな一歩」を見つけることだと思っています。
いきなり全部変えなくて大丈夫
たとえば、今日からできることとしては、
- 夕食のご飯を「山盛り」から「軽くよそう」にしてみる
- おかずに、もう一品だけ野菜を足してみる
- おやつを毎日から「2日に1回」にしてみる
など、本当にささやかなことで大丈夫です。
厚生労働省の「健康日本21」でも、
食生活の改善は「少しずつ・長く続ける」ことが大切だとされています。
一気に完璧を目指さなくても、小さな変化の積み重ねが、将来の自分の体を作っていくと考えると、気持ちもラクになります。
「三日坊主」になっても、また始めればいい
どんなに気をつけていても、
- つい食べすぎてしまう日
- 外食続きでバランスが崩れてしまう週
は、どうしても出てきます。
そんなときは、
「ああ、やっちゃった」ではなく、「また今日から少しずつ戻していけばいい」
と、自分に声をかけてあげるようにしています。
これは、僕がリバウンドをくり返した末にたどり着いた、一番大切な考え方かもしれません。
健康寿命をのばすための食事は、「何があってもやめない」「途中で止まっても、また戻ってこられる」くらいの距離感がちょうどいいのだと思います。
一人で抱え込まず、誰かと話してみる
食事や体型の悩みは、人に話しづらくて、一人で抱え込みがちです。
しかし、実際に話してみると、
- 同じような悩みを持っている人が意外と多い
- 自分では思いつかなかった工夫を、教えてもらえる
ということもよくあります。
僕自身も、ライザップのトレーナーさんや、同じように通っている仲間と話をする中で、
「そんなにストイックじゃなくても、ちゃんと結果は出るんだな」と感じられるようになりました。
まとめ:健康寿命を守る食事は「頑張りすぎない食事」
最後に、この記事でお伝えしたかったことを、あらためて整理してみます。
- ガマンだけの食事制限は、体だけでなく心や人間関係も疲れさせてしまう
- やせすぎや低栄養は、健康寿命を縮める方向に働いてしまうこともある
- 「減らす」より「整える」食べ方に変えることで、長く続く食生活に近づいていく
- 完璧主義を手放し、小さな一歩を積み重ねることが、結果的に一番の近道になる
僕はこれまで、いろいろなダイエットを試し、何度もリバウンドも経験してきました。
その記録や、ライザップでのチャレンジは、
などにも正直に書いています。
どの記事にも共通しているのは、
「健康寿命をのばすためには、頑張りすぎない食事と、続けられる生活リズムが大事」
ということです。
今日の一食を、ほんの少しだけ整えてみる。
それだけでも、未来の自分の体は、確実に変わり始めると感じています。
「今からでも間に合うかな……」と不安に思う日があっても大丈夫です。
一緒に、ゆるく・長く続けられる食生活を育てていきましょう。

