【健康寿命】ネガティブ思考をリセットする“呼吸の習慣”

気づいたら、同じことをぐるぐる考えてしまう…。
「なんであんなこと言っちゃったんだろう」「また失敗したらどうしよう」。
頭の中でネガティブな声が鳴りやまないとき、心も体もどっと疲れてきますよね。
そんなとき、僕自身がよく使っているのが「呼吸で一度リセットする」という方法です。
考えごとを無理に止めようとするよりも、ゆっくりと息を吐いたり吸ったりすることで、心拍や自律神経が少しずつ落ち着き、頭の中の騒がしさが静まっていくように感じています。
この記事では、健康寿命(元気に動ける時間)を意識しながら、ネガティブ思考とつき合うための「呼吸の習慣」をまとめました。
難しいテクニックではなく、40代〜70代の方でも、その日から取り入れやすい内容を意識しています。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
1. ネガティブ思考が続くと、なぜこんなに疲れるのか
ネガティブ=悪者と決めつけなくて大丈夫
まずお伝えしたいのは、ネガティブな気持ち自体は、悪いものではないということです。
不安や心配は、「ここに気をつけた方がいいよ」という心からのサインでもあります。
ただ、同じことを何度も繰り返し考えつづけると、頭のエネルギーをたくさん使ってしまいます。
体で言えば、ずっと全力疾走しているような状態。
実際には走っていなくても、脳の中では「戦うか逃げるか」のスイッチが入りっぱなしになり、自律神経のバランスも乱れやすくなると考えられています。
頭の「ぐるぐる」は体にもサインが出やすい
ネガティブな考えが続くと、次のようなサインが出ることがあります。
- 首や肩がこって、呼吸が浅くなる
- 些細なことでイライラしやすくなる
- 夜ベッドに入っても、頭がさえて眠りにくい
- 動きたくない、何もやる気が出ない
どれも「心が弱いから」という話ではなく、自律神経が忙しくなりすぎているサインだと受けとめてみると、少し気持ちが楽になるかもしれません。
ここで役に立つのが、「呼吸」に意識を向けることです。
呼吸は、私たちが一生のあいだ続けているリズムであり、自律神経とも深く関わっているといわれています。
だからこそ、息の仕方を少し変えるだけでも、心と体の状態が変わりやすくなるのですね。
2. 呼吸が心と体にやさしく働きかける仕組み
深くゆっくりした呼吸は「ブレーキペダル」
自律神経には、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」があります。
交感神経は、車で言えばアクセル。活動モードにしてくれる神経です。
一方、副交感神経はブレーキ。心拍を落ち着かせ、リラックスモードへ切り替えてくれると考えられています。
ネガティブ思考で頭がパンパンなときは、このアクセルが踏みっぱなしになりがちです。
そこで、深くゆっくりした呼吸を意識してあげると、副交感神経が働きやすくなり、体の緊張が少しずつゆるみやすいと紹介されています。
厚生労働省のサイトでも、腹式呼吸を使ったセルフケアがストレス対処法の一つとして取り上げられていて、
「ゆっくり息を吐いてから、鼻から吸う」というシンプルな方法が紹介されています。
(参考:厚生労働省「こころもメンテしよう」や、働く人のメンタルヘルス向け資料など)
「息を吐く」ことが、気持ちの切り替えスイッチになりやすい
ネガティブ思考で苦しいとき、僕も昔は「前向きなことを考えなくちゃ」と、頭の中だけで何とかしようとしていました。
けれど実際には、言葉を変える前に、まず体を落ち着かせる方がスムーズでした。
特に、先に息を吐き切ること。
息をフーッと長めに吐くと、そのたびに肩の力が抜けていくのが分かります。
そのあと自然に入ってくる息を感じていると、「さっきまでの悩みが、少し遠くにいった気がする」ことも多いです。
ここから先は、実際に僕が日常生活の中で使っている「ネガティブリセット呼吸」を、
健康寿命の視点も交えながら、具体的にお伝えしていきます。
3. ネガティブをリセットしやすくする「基本の呼吸法」
ここで紹介するのは、椅子さえあればどこでもできる、とてもシンプルな方法です。
体調や持病によっては合わない場合もあるので、無理をせず、自分のペースを最優先にしてくださいね。
ステップ0:楽な姿勢と環境をつくる
- 背もたれに軽くもたれかかる、または背筋を軽く伸ばして腰掛ける
- 両足は床につけ、肩の力をストンと落とす
- スマホは一度手放し、目を軽く閉じるか、ぼんやり遠くを見る
- ベルトやネクタイなど、きついと感じる部分はゆるめておく
きっちり「良い姿勢」を作ろうとしなくて大丈夫です。
ポイントは、呼吸がしやすい、ちょっと楽な姿勢を見つけてあげることです。
ステップ1:吐く息から意識を向ける
準備ができたら、まずは息を吐くことから始めます。
- 口をすぼめて、「フーーー」と細く長く息を吐く
- お腹が少しへこんでいくのを感じながら、「まだ出るかな?」くらいまでゆっくり吐き切る
- 吐き切ったら、自然に入ってくる息を邪魔しない
このとき、何秒で吐くかなどはあまり気にしなくてOKです。
目安としては、「少し長めかな」と感じるくらい。苦しくなるほどガマンする必要はありません。
ステップ2:お腹をふくらませるように、やさしく吸う
吐き切ったあとに、鼻から息を吸います。
- おへそのあたりに手を当てて、吸ったときにお腹がふんわりふくらむのを感じる
- 胸よりも、お腹側に空気が入っていくイメージ
- 肩が上がりすぎないように、首まわりの力はできるだけ抜いておく
これを、「吐く」→「吸う」の順番で、ゆっくりと数回くり返します。
最初は3〜5回くらいから。慣れてきたら、時間があるときに少し回数を増やしてもよさそうです。
ステップ3:浮かんでくる考えは「追いかけない」
呼吸をしているあいだも、「さっきのメールの返信…」など、いろいろな考えが浮かんでくると思います。
そんなときは、考えを止めようとせず、「あ、出てきたな」と気づくだけにしてみてください。
そして、そのたびに「息を吐く感覚」「お腹のふくらみ」「椅子に座っている感覚」などへ、そっと意識を戻します。
それをくり返しているうちに、頭の中の音量が少しずつ小さくなっていくことが多いです。
もちろん、完全に無の境地になる必要なんてありません。
「さっきよりちょっとラクになったかな」くらいでも十分。
その小さな変化の積み重ねが、長い目で見たときの健康寿命を支えてくれると感じています。
4. 日常に「呼吸の習慣」を溶かし込むアイデア
呼吸法は、特別な時間をとらなくても、日常のすき間に少しずつ差し込んでいくほうが続きやすいです。
いくつか、僕が実践しているタイミングをご紹介します。
(1)朝、起き上がる前の「3呼吸」
目覚ましが鳴って、布団の中で「今日ちょっと気が重いな…」と感じたら、
起き上がる前に、仰向けのまま3回だけ長めの呼吸をしてみます。
- 鼻からスーッと吸って、お腹をふくらませる
- 口からフーッと吐きながら、「今日もゆっくりスタートでいい」と心の中でつぶやく
それだけで、体のスイッチが少し入りやすくなり、起き上がるハードルが下がるように感じます。
(2)移動時間を「呼吸タイム」に変える
電車やバスを待っているとき、車を運転する前後、エレベーターを待つ時間など、
じつは一日の中には「数十秒のスキマ時間」がたくさんあります。
その時間に、背筋を軽く伸ばして1〜2回だけでも、長めの呼吸をしてみる。
たったそれだけでも、頭のリセットボタンをこまめに押しているような感覚になります。
(3)イライラしたときの「メール送信前3呼吸」
仕事や家事でモヤッとしたとき、すぐに言い返したくなったり、感情的なメールを書きたくなることもありますよね。
僕はそんなとき、送信ボタンを押す前に、必ず3回深呼吸すると決めています。
- 1回目の呼吸:感情の勢いを少し弱める
- 2回目の呼吸:相手の立場も、少しだけ想像してみる
- 3回目の呼吸:自分が後悔しない言葉に整える
この「メール送信前3呼吸習慣」を入れてから、ケンカになりそうなやりとりがかなり減りました。
人間関係のストレスが減ることも、健康寿命には大きなプラスだと感じています。
(4)寝る前の「1日の疲れをながす呼吸」
夜、ベッドに入ってからスマホを見ていると、頭が冴えてしまい、眠りづらくなることがあります。
そこで僕は、スマホを布団から離れた場所に置いてから、3〜5分だけ呼吸に集中する時間をつくっています。
今日あったイヤなことを無理に忘れようとするのではなく、
「いろいろあったけど、いま息をしている自分はここにいる」と、呼吸の感覚に戻ってくるイメージです。
結果として、寝つきや夜中の目覚め方が、少しずつラクになってきたように感じています。
5. 呼吸と一緒に見直したい「心のクセ」
ネガティブ思考をラクにしていくには、呼吸と同時に、自分の考え方のクセをやさしく観察してみることも役立ちます。
「全部ダメ」ではなく「一部はうまくいった」に目を向ける
ネガティブモードのときは、どうしても「今日もダメだった」「また失敗した」と、
マイナスな部分にだけスポットライトが当たりやすいですよね。
そんなとき、呼吸で少し落ち着いたあとに、「今日できた小さなこと」を一つだけ探してみるのもおすすめです。
- エスカレーターではなく、階段を使った
- 間食を1回だけにできた
- 疲れていたけれど、10分だけ歩けた
こうした小さな積み重ねは、体づくりにも健康寿命にも直結していきます。
僕自身のライザップでの体験でも、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】の中で、
「今日はこれができた」という小さな成功を積み上げることが、大きな変化につながったと感じています。
「ネガティブを消す」のではなく、「距離をとる」イメージ
ネガティブな考えを完全になくそうとすると、かえって意識がそちらに向かってしまうことがあります。
そんなときは、呼吸をしながら、心の中で次のように声をかけてみるのも一つの方法です。
- 「あ、また心配グセが顔を出してきたな」
- 「いま不安なんだな。ちょっとだけ横に置いておこう」
こうやって、自分の気持ちに名前をつけてあげると、
ネガティブな感情と自分とのあいだに、すこしスペースが生まれます。
そのスペースをつくるスイッチ役として、呼吸はかなり心強い味方になってくれます。
6. 僕がライザップで学んだ「苦しいときこそ呼吸」という気づき
僕自身、ライザップでボディメイクに挑戦していたころ、
トレーニング中に「もうムリかも…」と思う瞬間が何度もありました。
そんなとき、トレーナーさんによく言われたのが、
「力が入っているときほど、息を止めないでくださいね。まずは吐いていきましょう」という一言です。
苦しいときほど、人は息を止めてしまいがちです。
でも、呼吸を止めると、体も心もさらに固くなってしまう。
逆に、しっかり息を吐きながら動くと、同じ負荷でも不思議とこなせる回数が増えました。
この体験から、僕の中で「しんどいときほど、呼吸に戻る」というクセが育ちました。
トレーニングだけでなく、日常生活で落ち込んだり、イライラしたりしたときも同じです。
- ネガティブになったら、まず一度呼吸を思い出す
- 呼吸で体をゆるめてから、次の一歩を考える
そんなふうに切り替えるクセがついてくると、
年齢を重ねても「まだまだ体も心も動けるぞ」と感じられる時間が増えていきます。
これこそが、僕が考える健康寿命を延ばすための“心のトレーニング”の一つです。
7. 安心して呼吸法を続けるためのポイント
呼吸の習慣は、特別な道具もお金もいらないので、とても取り入れやすい方法です。
その一方で、体調やこころの状態によっては、専門家の力を借りた方が安心な場合もあります。
こんなときは、いったん中止して様子を見る
- 呼吸をしている途中で、めまい・動悸・強い息苦しさを感じた
- 頭痛や吐き気が出てきて、しんどさが増した
- 不安感が強くなり、「どうしようもない感じ」が続く
このような場合は、その日は呼吸法を中止して休むようにしてください。
症状が続くときは、無理をせず医療機関に相談したほうが安心です。
つらさが長引くときは、一人で抱え込まない
ネガティブ思考と呼吸の習慣だけで何とかしようとすると、かえって苦しくなることもあります。
気持ちの落ち込みや不安が長く続くときは、
地域の保健センターや精神保健福祉センター、かかりつけ医などに相談する選択肢も考えてみてください。
国立の医療機関が運営するこころの情報サイトでは、
相談窓口やセルフケアの情報がまとめられていますので、参考にするのも一つの方法です。
呼吸の習慣はあくまで「セルフケアの一つ」。
必要に応じて専門家の力も借りながら、自分のペースで続けていけると安心ですね。
8. まとめ:「ネガティブをリセットする呼吸」は、健康寿命へのやさしい投資
最後に、この記事のポイントをあらためてまとめます。
- ネガティブ思考は悪者ではなく、「ここに気をつけて」というサイン
- 考えすぎて頭がぐるぐるするときは、まず体(自律神経)を落ち着かせるとラクになりやすい
- 深くゆっくりした呼吸は、副交感神経が働きやすくなり、心と体の緊張をゆるめる助けになると考えられている
- 「吐く」→「吸う」を意識したシンプルな呼吸を、日常のすき間時間に取り入れると続けやすい
- 呼吸で少し落ち着いたあと、「今日できた小さな一歩」に目を向けると自己肯定感が育ちやすい
- つらさが長引く場合は、呼吸法だけで何とかしようとせず、医療機関や相談窓口の力も借りてよさそう
健康寿命を伸ばすうえで、食事や運動の見直しはもちろん大切です。
でも同じくらい大切なのが、「心の状態を整える、やさしい習慣」だと思っています。
ネガティブを完全に消す必要はありません。
苦しくなってきたら、「一度呼吸に戻ろう」と思い出す。
それを少しずつ続けていくことが、人生の後半戦を、穏やかに・自分らしく過ごすための土台になっていきます。
今日のあなたも、寝る前に1回だけでも、ゆっくりと息を吐いてみませんか。
その小さなひと呼吸が、きっと明日の自分を、すこしだけ生きやすくしてくれるはずです。

