【健康寿命】「老後を守る」より「今を楽しむ」方が健康にいい

40代・50代を過ぎるころから、多くの方が「老後のことを真剣に考えなきゃ」と感じ始めるのではないでしょうか。年金、貯金、介護、病気、仕事…。私自身も、ライザップで体を変える前は、未来の心配ばかりが頭に浮かび、今を楽しむ余裕があまりありませんでした。
ところが、健康寿命という考え方に出会い、「老後を守ること」と「今を楽しむこと」は、どちらか一方を選ぶものではなく、むしろつながっていると感じるようになりました。
この記事では、「老後を守らなきゃ」と頑張りすぎて疲れてしまっている方に向けて、「備えはほどほどにしながら、今をしっかり味わう」生き方について、やさしく整理していきます。
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老後を守ろうとしすぎると、心と体に何が起こる?
「もし老後にお金が足りなかったら…」頭の中が不安でいっぱいになる
老後のことを考えるのは、とても大切なことです。ただ、将来のリスクにばかり目を向け続けると、頭の中が常に「もし○○だったらどうしよう」でいっぱいになってしまいます。
たとえば、こんな考えがぐるぐる回り続けることはないでしょうか。
- 「年金だけでは生活できないかもしれない」
- 「病気になったら、家族に迷惑をかけてしまう」
- 「仕事をやめた後、社会とのつながりが途切れてしまうのが怖い」
こうした不安は、どれも現実的な問題です。ただ、答えの出ない心配を長時間続けると、心が疲れてしまいます。心が疲れると、体を動かす気力も、誰かと会って話す元気も、少しずつ奪われていきます。
ストレスが続くと、からだもこわばりやすくなる
厚生労働省が運営する情報サイトでは、ストレスは外部からの刺激に対する心と体の反応だと説明されています。心理的な不安や緊張も、からだの反応としてあらわれることがあるようです。(参考:厚生労働省 「ストレス」)
「老後のためにもっと貯めなきゃ」「将来寝たきりにならないように、完璧に健康管理をしなきゃ」と常に自分を追い立てていると、心の緊張が続きます。その結果、
- 肩や首がこわばって疲れが抜けにくい
- 夜に布団に入っても、将来のことを考えてしまい眠りが浅くなる
- イライラしやすくなり、家族にもきつく当たってしまう
こうした変化が少しずつ積み重なると、「健康寿命を守ろう」と頑張っているつもりが、実は心と体の元気を削ってしまうこともあると感じています。
「頑張り続ける人生」は途中で息切れしやすい
真面目な方ほど、「老後のために、今は楽しみを減らしておこう」「遊んでいる場合じゃない」と、自分に厳しくなりがちです。もちろん、計画的に貯蓄したり、健康診断を受けたりすることはとても大切です。
ただ、「ずっと頑張り続ける」スタイルは、長い人生では息切れしやすいものでもあります。健康寿命は、数十年という長いスパンで積み重ねていくものですから、マラソンのようにペース配分が必要だと感じます。
健康寿命に本当に大切なのは、「今の積み重ね」
国の方針も「健康寿命を伸ばす生活習慣」に目を向けている
厚生労働省は、健康寿命を延ばすことを国の大きな目標のひとつに掲げています。たとえば「健康寿命延伸プラン」では、2040年までに日本人の健康寿命を3年以上延ばすことを目指し、生活習慣の見直しや介護予防などに取り組む方針が示されています。(参考:厚生労働省 「健康寿命延伸プラン」)
また、国民の健康づくり運動として進められている「健康日本21」では、栄養・運動・休養などをバランスよく整えることが、健康寿命の延伸につながるとされています。これは、「将来のためだけに我慢する」のではなく、「日々の生活をどう整えるか」が大事だというメッセージにも見えます。
「人生100年時代」だからこそ、今を豊かにする視点が必要
厚生労働省の情報によると、日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、「人生100年時代」を前提にした政策が進められています。長く生きることが当たり前になりつつあるからこそ、「できるだけ長く元気で動ける時間をどう増やすか」が重要なテーマになっているようです。(参考:厚生労働省「人生100年時代について」)
そのためには、「老後のために今を犠牲にする」のではなく、
- 今日をどう心地よく過ごすか
- 明日もまた動き出したくなるような体と心をどう保つか
といった、目の前の時間の質に目を向けることが、結果的に健康寿命の延伸につながると考えられています。
専門的な情報は公的機関の資料も参考にする
なお、この記事で触れている「健康寿命」や「ストレス」の考え方は、厚生労働省が提供している情報サイト「厚生労働省」や、「健康日本21(第三次)」関連資料など、公的な情報を参考にしています。
「備えはほどほど、今を楽しむ」とはどういうことか
老後の準備は「一度しっかり考え、あとは定期的に見直す」くらいでよい
「備えはほどほど」と聞くと、「老後資金を用意しなくていいの?」と不安になる方もいるかもしれません。そうではなく、
- 老後の生活費や住まいについて、一度しっかり考えてみる
- 公的年金や退職金、貯蓄などの大まかな見通しを把握しておく
- 必要であれば、専門家に相談して計画を整理しておく
といった「土台づくり」を済ませたら、あとは年に一度など、定期的に見直すくらいにしておく、というイメージです。
毎日のように老後の計算を繰り返しても、数字は大きく変わりません。それよりも、「今の生活をどう整えるか」「今日一日をどう過ごすか」にエネルギーを使ったほうが、心も体も楽になります。
健康の備えも「完璧主義」ではなく「続けられる範囲」で
健康づくりも同じです。「絶対に病気にならないようにしなきゃ」と力を入れすぎると、
- 食事を楽しめなくなる
- 運動が義務になってしまい、続かなくなる
- 少しサボっただけで、自分を責めて落ち込んでしまう
といった状態になりやすくなります。
厚生労働省がまとめている「身体活動・運動ガイド」では、「今より少しでも多く体を動かすこと」が健康づくりの基本として示されています。完璧な運動計画を立てるよりも、「昨日より少し長く歩いてみる」「エレベーターではなく階段を使ってみる」といった、ゆるやかな工夫でもよいとされています。(参考:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023)
「長く続けられる小さな工夫」を選ぶことが、結果的に健康寿命を守る大きな力になっていきます。
今の自分が笑顔になれる時間を、毎日の予定にちゃんと組み込む
「今を楽しむ」というと、特別な旅行や大きなイベントを思い浮かべるかもしれません。もちろん、それもすてきな楽しみですが、健康寿命と関係が深いのは、むしろ「日常の中の小さな楽しみ」です。
たとえば、
- 朝、好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲む
- 夕方、10分だけ近所を散歩して季節の変化を感じる
- 一日一回、家族や友人と電話やメッセージでやりとりする
- 好きな本を少しずつ読み進める
こうした「ちょっとした楽しみ」が毎日にあると、心がふっと緩みます。心が緩むと、自然と体を動かしたくなったり、人と会いたくなったりして、健康的な行動にもつながっていきます。
今を楽しむことが、結果的に老後の備えになる理由
ストレスが和らぐと、生活習慣も整いやすくなる
ストレスが続くと、睡眠が浅くなったり、つい甘いものやお酒に頼りたくなったり、運動をする気力が出なかったりと、生活習慣が乱れやすくなります。逆にいうと、心が少し軽くなるだけで、
- 「今日は少し早めに寝てみよう」
- 「食べすぎたから、明日は歩く時間を増やそう」
といった前向きな選択がしやすくなります。
厚生労働省の資料でも、十分な睡眠やストレスとの上手な付き合い方が、心と体の健康を保つうえで重要だとされています。(参考:「休養・こころの健康」)
「楽しい」と感じる時間を意識的に増やすことは、ストレスを和らげ、生活習慣を整えやすくする、やさしい健康法のひとつだと言えるかもしれません。
人とのつながりが、将来の安心感を育ててくれる
元気な高齢者の方のお話を聞いていると、「友だちとよく出かける」「地域のサークルに参加している」「家族とよく連絡を取り合っている」といった、人とのつながりを大切にしている方が多い印象があります。
誰かと一緒に笑ったり、悩みを話し合ったりできる関係は、今この瞬間の楽しみであると同時に、将来の安心にもつながります。困ったときに頼れる人がいると感じられるだけで、老後への不安は少し軽くなります。
人生の後半は、どうしても「失うもの」に目が向きがちですが、「増やせるもの」もたくさんあります。そのひとつが、人とのつながりです。今日一回の「おはよう」「最近どう?」という言葉が、将来の自分を支えるご縁になるかもしれません。
「自分で選んでいる感覚」が心の土台になる
老後の不安に押しつぶされそうなとき、私たちはつい「やらされている」「仕方なく頑張っている」と感じがちです。すると、心はどんどん窮屈になっていきます。
一方で、「老後のことを考えて貯金を増やすのも、自分の選択」「今日は少し休んで、好きなことをするのも、自分の選択」と捉え直せると、同じ行動でも心の負担がずいぶん違ってきます。
「備えも楽しみも、自分でバランスを決めていい」と思えることは、人生後半をしなやかに生きるうえで、大きな支えになると感じています。
今日からできる「今を楽しむ」実践アイデア
① 一日の終わりに「今日のよかったこと」を3つ書き出してみる
とてもシンプルですが、効果を感じやすいのが「今日のよかったこと」をノートに書き出す習慣です。
たとえば、
- 朝のコーヒーがいつもよりおいしく感じられた
- 電車で席を譲ってもらって、うれしかった
- 散歩中に咲いていた花がきれいだった
こんなささいなことで十分です。最初は「そんなにない」と思うかもしれませんが、続けていくうちに「今日も意外と悪くなかったな」と感じられる日が増えていきます。
「今を楽しむ」力は、特別な出来事からだけでなく、日常の小さな出来事をすくい上げることで育っていくように思います。
② 将来の不安は、一度ノートに「外出し」して眺めてみる
頭の中でぐるぐるしている不安は、ノートに書き出してみると、少し落ち着いて眺められることがあります。
たとえば、
- 老後の生活費が足りるか不安
- このまま体力が落ち続けるのではないか
- 介護が必要になったとき、誰に頼ればいいのか
など、思いつくことをそのまま書き出してみます。そのうえで、
- 今すぐできること
- 専門家に相談したほうがよさそうなこと
- 「今は答えが出なくてもよい」と一旦棚に上げること
といった形で分類してみると、「全部自分が抱え込まなきゃ」と思っていた気持ちが、少し軽くなるかもしれません。
③ 週に1回は「自分のためだけの予定」を入れる
家族の予定や仕事の予定でカレンダーがいっぱいになっている方こそ、週に1回は「自分のためだけの予定」を入れてみることをおすすめします。
内容は、本当にささやかなことで構いません。
- 気になっていたカフェに行ってみる
- 図書館でゆっくり本を読む
- 映画館で昔の名作を観る
- お気に入りの公園でベンチに座り、ぼーっと空を見る
「この時間は自分へのごほうび」と決めておくと、1週間を過ごすエネルギーにもなります。こうした時間は、体力づくりのトレーニングと同じくらい、心の健康にとって大切な「メンテナンス」だと感じています。
④ 「体づくり」を通して、今を楽しむ感覚を取り戻す
私自身、ライザップで本格的にボディメイクに取り組んだことで、「老後のためにやらなきゃ」ではなく、「今の自分の成長を楽しむ」という感覚を少しずつ取り戻していきました。
体重の変化だけでなく、
- 階段の上り下りが楽になった
- 鏡に映る姿勢が少しシャキッとしてきた
- トレーナーさんとの会話で元気をもらえた
といった「今日の変化」を味わうことが、結果的に健康寿命のことを考えるきっかけにもなりました。その詳しい経緯は、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】にまとめていますので、興味のある方は参考にしてみてください。
本格的なジム通いでなくても、「今の自分の体を大事に扱う時間」を持つことは、老後の備えと「今を楽しむこと」を両立させるひとつの方法だと感じています。
「それでも老後が不安…」という方へ、やさしい考え方のヒント
不安を完全になくす必要はない
ここまで、「今を楽しむことが健康寿命につながる」という話をしてきましたが、「そうはいっても、不安は消えない」という方も多いと思います。私も同じです。
大切なのは、不安をゼロにすることではなく、「不安とどう付き合うか」を少しずつ変えていくことだと感じています。
たとえば、
- 不安を感じる自分を「ダメだ」と責めない
- 「不安を感じるのは、人生を真剣に考えている証拠」と受け止めてみる
- 不安ばかり考えてしまう日は、「今日はちょっと疲れているのかな」と早めに休む
こうした小さな視点の転換が、心を守るクッションになってくれます。
不安は「行動のきっかけ」に変えられることもある
老後の不安をきっかけに、
- 健康診断を受けてみる
- 家計を整理してみる
- 地域のサークルやボランティアをのぞいてみる
といった行動につなげていくと、不安が少しずつ「具体的な対策」に変わっていきます。
すべてを一度にやろうとする必要はありません。今日は健康のこと、来週はお金のこと、再来週は人間関係のこと…と、少しずつ取り組んでいけば大丈夫です。
ひとりで抱え込まず、誰かと一緒に考えてみる
不安が大きくなりすぎてしまう一番の理由は、「ひとりで抱え込んでしまうこと」かもしれません。家族や友人、医療・福祉の専門職、ファイナンシャルプランナーなど、話を聞いてくれる人は意外と身近にいます。
老後の健康や生活については、市区町村の相談窓口や、地域包括支援センターなどでも情報提供や相談を受け付けていることが多いようです。お住まいの地域のホームページなども、参考にしてみてください。
誰かに話してみることで、「自分だけが不安なわけではなかった」と感じられたり、新しい解決策が見つかったりすることもあります。
まとめ:「今を楽しむことが、未来を守る」
老後のことを考えるのは、とても大切です。ただ、「老後を守る」ことばかりに意識が向きすぎると、今を楽しむ余裕がなくなり、ストレスが増えてしまうこともあります。
健康寿命の視点から見ると、大切なのは次の3つのバランスだと感じています。
- 老後の備えは、一度しっかり考えたら「定期的な見直し」にとどめる
- 健康づくりは、完璧ではなく「続けられる小さな工夫」を積み重ねる
- 毎日の中に、「今の自分が本当にうれしいと感じる時間」を必ず入れる
この3つがゆるやかに回り始めると、「老後のために今を我慢する」生き方から、「今を味わいながら、結果的に老後も守られていく」生き方へと、少しずつシフトしていけるのではないでしょうか。
人生の後半戦は、「まだ続く時間」をどう使うかを、自分で選び直せる貴重な期間でもあります。今日の一杯のコーヒー、今日の散歩、今日の誰かとの会話。そのひとつひとつが、未来の自分の健康寿命をそっと支えてくれている――そんなイメージで、「今を楽しむ」一歩を一緒に続けていけたらうれしいです。

