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【健康寿命】“心の筋トレ”で折れない自分を育てよう

年齢を重ねるほど、体だけでなく「心」の元気も気になってきますよね。ちょっとした一言で落ち込んでしまったり、失敗したあとに長く引きずってしまったり…。そんなときに役に立つのが、今回のテーマである「心の筋トレ」です。

ここでいう心の筋トレとは、無理やり強がることではなく、「ストレスや失敗から立ち直るための土台」を少しずつ育てていくことを指しています。専門的には「レジリエンス(回復力)」と呼ばれることもありますが、難しく考える必要はありません。日記・感謝・呼吸法・人とのつながりなど、日常の小さな習慣を通して、折れにくい心をゆっくり育てていくイメージです。

この記事では、40〜70代の方が「今からでもできる心の筋トレ」を、運動や食事だけに偏らない形でまとめました。体の健康と同じように、心のケアも、健康寿命=「元気に動ける時間」を支えてくれる大事な要素です。難しい理論はほどほどに、今日から試せるヒントとして読んでいただけたらうれしいです。

目次(表示させると見出しが見られますよ!)

心の筋トレが健康寿命の土台になる理由

健康寿命は「体の元気」だけでは守れない

健康寿命というと、「血圧」「血糖値」「体重」など、どうしても体の数字に意識が向きやすくなります。もちろんそれらも大切ですが、長く元気に動き続けるためには、同じくらい「心のコンディション」が重要だといわれています。

ストレスがたまった状態が続くと、眠りが浅くなったり、食欲が乱れたり、やる気が出なかったりします。日本の公的な情報でも、ストレスが頭痛や高血圧など、さまざまな不調と関係する可能性があると指摘されています。そうなると、「運動したほうがいい」と頭では分かっていても、体を動かす気力が出なくなってしまいます。

つまり、健康寿命を伸ばすには「体を動かせるだけの心の余裕」を保つことが欠かせません。心がすり減ってしまう前に、日常の中でケアしておくことが、遠回りのようでいて、一番の近道なのかもしれません。

レジリエンス=心の“回復力”を育てる考え方

近年、「レジリエンス」という言葉がよく使われるようになりました。もともとは「弾力性」「元に戻る力」という意味で、心理学の分野では「ストレスや困難を経験しながらも、折れずに回復していく力」として使われています。

レジリエンスが高い人は、決して悩みの少ない人ではありません。失敗して落ち込むこともありますが、「少しずつ気持ちを立て直す」「周りに相談する」「自分なりのリラックス方法を持っている」など、回復までの道筋をいくつか知っている人のことだと考えるとイメージしやすいかもしれません。

人生の後半になるほど、退職、家族構成の変化、体力の低下など、環境の変化が増えてきます。こうした変化は、それだけで大きなストレスです。だからこそ、「心の筋トレ」を通してレジリエンスを少しずつ高めておくことが、健康寿命を守るための土台づくりになると考えられています。

心の筋トレの基本方針:強くなるより「しなやかになる」

ここで、一つ大切なポイントを共有させてください。それは、「心が折れなくなる=強くなりきる」という発想にこだわり過ぎないことです。

年齢を重ねるほど、若いころのような無理がきかなくなるのは自然なことです。そこで、「もっと頑張らないと」「弱音は吐いてはいけない」と自分を追い込み過ぎると、かえって心が疲れてしまいます。目指したいのは、鉄のような“ガチガチの強さ”ではなく、竹のようにしなやかにしなる心です。

  • 落ち込む日があってもいい
  • 疲れたら立ち止まっていい
  • 「助けて」と言えることも力のひとつ

こうした前提を大事にしながら、これから具体的な「心の筋トレ」を紹介していきます。

心の筋トレ①:日記で「自分の気持ち」にラベルを貼る

書くことで、頭の中のモヤモヤを整理する

一つ目の心の筋トレは、「日記を書くこと」です。といっても立派な文章を書く必要はありません。「今日あったこと」「そのときに感じたこと」を、2〜3行でもいいのでノートに残していくイメージです。

心理学の研究では、ストレスを感じた出来事について書き出すことで、気分の落ち込みや不安がやわらぐ可能性があると報告されています。感情を言葉にすることで、頭の中でぐるぐるしていたモヤモヤが整理され、「ああ、自分はこう感じていたんだな」と一歩引いて見やすくなるからだと考えられています。

おすすめは「3つの視点」で書くシンプル日記

難しく考えず、次の3つだけを意識して書いてみるのも一つの方法です。

  • ①事実:今日何があったか(例:午前中に病院へ検査に行った)
  • ②感情:そのときどう感じたか(例:少し不安だったが、先生の説明でほっとした)
  • ③気づき:そこから学んだこと・次に活かしたいこと(例:質問をメモして行くと安心できる)

1日5分もあれば十分です。書く内容が浮かばない日は、「特に大きな出来事はなかった。平和な1日でよかった」でも立派な記録です。重要なのは、良いことも悪いことも含めて「自分の気持ちに目を向ける習慣」を作ることです。

お気に入りのノートで続けやすくする

日記を続けるコツの一つは、「書きたくなる道具を用意すること」です。たとえば、日本の文具メーカーのノートは、紙質もよく、ペンがするすると走るので、書いていて気持ちが良いと感じる方も多いようです。

コクヨの「キャンパスノート」シリーズなどは、大人向けの落ち着いたデザインも出ていて、日記帳として使っている方もいるようです。詳しくは、コクヨ公式サイトのノート紹介ページも参考にしてみてください。気に入ったノートとペンを1セット用意して、テーブルの上やベッドサイドに常備しておくと、「思いついたときにすぐ書ける」状態を作りやすくなります。

心の筋トレ②:感謝を探す習慣で“心の視点”を変える

小さな「ありがとう」を見つける力

二つ目の心の筋トレは、「感謝の種を探す習慣」です。感謝というと、何か特別な出来事が起きたときにだけ感じるものと思われがちですが、実際には日常の中にたくさん隠れています。

たとえば、

  • 朝起きたら、今日も体が動いてくれたことに感謝する
  • 家族が淹れてくれたお茶に「おいしいな」と思う気持ち
  • バスの運転手さんに、心の中で「安全運転ありがとう」とつぶやく

こうした「小さなありがとう」を意識的に探し続けることで、心の焦点が「足りないもの」から「すでにあるもの」に少しずつ移っていきます。これが、落ち込みすぎを防ぐクッションの役割を果たしてくれることがあるのです。

感謝日記の取り入れ方

具体的には、寝る前にノートを開き、「今日ありがたかったことを3つ」書き出してみる方法があります。

  • 夕飯が美味しくできた
  • 散歩中にきれいな夕焼けを見られた
  • 友人からLINEが来てうれしかった

これだけでも、1日の終わりの気分が変わってきます。感謝日記については、日本の研究機関からも「感謝を記録することで、ストレスや落ち込みの軽減、学習意欲の向上などに役立つ可能性がある」といった報告が出ています。こうした公的な研究内容も、日常の工夫として参考にしてみてください。

心の筋トレ③:ゆっくりした呼吸で自律神経をととのえる

呼吸は、一番身近な“リラックススイッチ”

三つ目の心の筋トレは、「呼吸法」です。呼吸は意識しなくても勝手に行われていますが、あえてゆっくりと整えてあげることで、心と体を落ち着かせるスイッチとして働く場合があります。

ゆっくりした呼吸法については、国の情報サイトでも「血圧を少し下げるなど、リラックスに役立つ可能性がある」といった報告が紹介されています。ただし、効果には個人差があり、研究の質にも限界があるとされているため、「完璧な治療法」というよりは、「セルフケアの一つ」として取り入れるイメージがよさそうです。

簡単にできる「4・2・6呼吸」

自宅でもすぐに試せる、シンプルな呼吸法の一例を紹介します。体調に不安がある方は、無理をせず、医師など専門家の指示も大切にしてくださいね。

  1. 椅子に浅く腰かけ、背筋を軽く伸ばす(寝転んだ姿勢でもOK)
  2. 口をすぼめて、4秒かけて鼻から息を吸う
  3. 息を止めて、2秒だけキープ
  4. 口からゆっくり、6秒かけて息を吐く
  5. これを3〜5回繰り返す

回数は少なくて構いません。ポイントは、「がんばって深呼吸しよう」と力むのではなく、「少し長めに息を吐くこと」を意識することです。寝る前や、イライラしてきたときなどに取り入れると、気持ちの切り替えに役立つかもしれません。

心の筋トレ④:人と話す・つながる力を温める

「誰かに話せる」だけで、心の負担は軽くなる

四つ目の心の筋トレは、「人とのつながり」を意識して育てることです。悩みや不安を一人で抱え込んでいると、どうしても考えが堂々巡りになり、気持ちが重くなりがちです。

一方で、信頼できる家族や友人に「ちょっと聞いてほしい」と話してみると、それだけで気持ちが軽くなることがあります。相手に解決策を出してもらわなくても、「そうだったんだね」「大変だったね」と受け止めてもらえるだけで、自分を責める気持ちがやわらぐことがあるからです。

また、同じ悩みを持つ人どうしが集まる「サポートグループ」のような場が、心の支えになることもあるといわれています。ただし、グループで得たアドバイスが、必ずしも自分に合うとは限りません。体調や薬のことなどは、医師や専門職に相談するなど、公的な支援と組み合わせていくことが大切です。

「相談できる人リスト」を作っておく

心の筋トレとしておすすめなのが、「相談できる人リスト」を日記の最初のページにメモしておくことです。たとえば、

  • 気兼ねなく愚痴を聞いてくれる友人
  • 健康のことを冷静に話せる家族
  • 地域包括支援センターやかかりつけ医

などです。「ここが苦しくなったら、この人に連絡してみよう」とあらかじめ決めておくことで、いざというときに行動に移しやすくなります。これは、心が折れそうになったときの“非常口”を増やしておくようなイメージです。

心の筋トレ⑤:大きな変化の時期こそ、自分を責めすぎない

人生後半は、ストレスのタネが増えやすい時期

人生の後半は、退職、子どもの独立、親の介護、体力の低下など、これまでとは違った種類のストレスが増えてくると言われています。こうした変化は、誰にとっても大きな負担です。

そのなかで、「自分は弱くなってしまった」「昔のようにできない」と自分を責めてしまうと、心のエネルギーがどんどん削られてしまいます。大切なのは、「環境が変わったから、心の反応も変わるのは当たり前」と捉え直すことです。

退職後の喪失感や、パートナーとの死別の悲しみなどは、時間をかけて向き合っていくほかありません。その過程で、日記や感謝の習慣、ゆっくりとした呼吸、人とのつながりといった心の筋トレが、「気持ちを抱え続けるための支え」として力を発揮してくれることがあります。

私自身が感じた“心の筋トレ”の大切さ

サイト運営者の和久井朗も、ライザップに通い始めた50代のころ、高血圧や体重の悩みだけでなく、「このまま年を取ったらどうなるんだろう」という将来への不安を強く感じていました。トレーニングのきつさよりも、心の中の葛藤の方がつらい日もありました。

それでも、毎回のセッション後に「今日はここまで頑張れた」と日記に書き残したり、「支えてくれるトレーナーがいてありがたい」と感謝を意識したりしていく中で、少しずつ心の持ち方が変わっていきました。そのときの記録は、『ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!』にまとめていますが、今振り返っても「心の筋トレがあったから続けられた」と感じています。

体の筋トレと同じように、心の筋トレも「一晩で劇的に変わる」わけではありません。しかし、小さな積み重ねが、気づいたときには大きな支えになってくれている──そんな感覚を実感しています。

“がんばりすぎない”心の筋トレのコツ

①「完璧にやろう」と思わない

心の筋トレを続けるうえで一番の落とし穴は、「毎日きっちりやらないと意味がない」と考えてしまうことかもしれません。日記を3日さぼったとしても、感謝をなかなか見つけられない日が続いても、それだけで失敗ではありません。

「1週間に1回でも続けているなら、それは以前の自分より一歩前進している」と考えてみてください。体の運動と同じで、「ゼロより少しでもプラス」が続いていることに価値があります。

②合わない方法は遠慮なく変える

日記がどうしても続かない方は、スマホのメモアプリに短く記録するスタイルに変えてみても構いません。呼吸法が息苦しく感じるなら、窓の外の景色を眺めながら、ゆっくり肩の力を抜く時間にしてみるのも一つの方法です。

大切なのは、「自分にとって負担が少ない形」を探すことです。世の中にはさまざまなメンタルケアの方法がありますが、すべての人に同じやり方が合うわけではありません。自分のペースと相性を大事にしましょう。

③専門家の力を借りるのも、大切な選択肢

心の落ち込みが長く続いて日常生活に支障が出ている場合や、「夜眠れない」「食欲が極端に落ちた」「何をしても楽しくない」といった状態が続く場合は、無理に自己流だけで乗り切ろうとしないことも大切です。

日本では、自治体や医療機関が、こころの健康相談や精神保健福祉センターなどの窓口を設けています。厚生労働省の「こころの健康」に関するページでは、相談先の情報もまとめられていますので、必要に応じて公的な支援も活用していきましょう。

心の筋トレと健康寿命のつながり

「また立ち上がれる自分」が、動き続ける力になる

健康寿命を伸ばすうえで、運動や食事の工夫はもちろん大切です。しかし、それらを続けていくためには、「やる気の火」を消さずに保っておくことが欠かせません。

心の筋トレは、この「やる気の火」を支えるための、静かな裏方のような存在です。

  • 落ち込んだとき、日記を書くことで気持ちを整理できる
  • 感謝を探す習慣で、自分や周りを見る目が少しやさしくなる
  • ゆっくりした呼吸で、イライラや不安をやわらげる時間を持てる
  • 話を聞いてくれる人がいる安心感が、心のクッションになる

これらの積み重ねがあるからこそ、運動や食生活の工夫にも前向きに取り組み続けられます。結果として、「また明日も自分の足で歩ける」「もう少し遠くまで散歩してみよう」と思える時間が増えていきます。これが、心の筋トレが健康寿命の延伸に間接的に役立つと考えられている理由の一つです。

今日から始める“心の筋トレ・スタータープラン”

最後に、「何から始めたらいいか分からない」という方のために、無理なく取り入れられるスタータープランの一例をまとめてみます。自分に合わない部分は、どんどんアレンジしてくださいね。

1週間のイメージ

  • 毎晩:ノートに「今日の出来事・感情・気づき」を3行だけ書く
  • 寝る前:「今日ありがたかったこと」を3つ挙げる(頭の中だけでもOK)
  • 気持ちがざわついたとき:4・2・6呼吸を3回だけ試す
  • 週末:信頼できる家族や友人と、最近感じていることを5分でも共有してみる

これだけでも、1週間後には「少しだけ気持ちの整理がしやすくなった」「自分の考えグセが見えてきた」と感じられるかもしれません。もちろん、変化のスピードには個人差があります。焦らず、比べず、自分のペースで続けていくことが一番の心の筋トレです。

まとめ:心の筋トレは、人生後半の“静かな長期投資”

ここまで、「心の筋トレ」という形で、日記・感謝・呼吸法・人とのつながりなど、いくつかの習慣を紹介してきました。どれも特別な道具はほとんどいりませんし、今日から自宅で始められるものばかりです。

心の筋トレは、体の筋トレと同じように、効果が目に見えるまでに時間がかかるかもしれません。それでも、続けるほどに「落ち込んでも、また立ち上がれる自分」「不安を抱えながらも、前に進める自分」が少しずつ育っていきます。

人生の折り返し地点を過ぎた今だからこそ、自分を追い立てるのではなく、「これからの時間を、どんな心で過ごしたいか」をゆっくり考えるチャンスでもあります。日々の小さな心の筋トレを通して、「元気に動ける時間=健康寿命」を、自分らしいペースで育てていきましょう。

そして、心と体はつながっています。もし体づくりにも興味が湧いてきたら、私自身のライザップでの奮闘の記録も、ひとつの参考としてのぞいてみてください。きっとそこにも、「心の筋トレ」がたくさん隠れています。

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