朝の“ちょい筋トレ”で健康寿命を底上げ!

朝、目が覚めてから出かけるまでの時間は、人によっては「戦場」のような慌ただしさかもしれません。朝ごはん、身支度、仕事や家事の段取り…。そんな中で「筋トレをする余裕なんてないよ」と感じる方も多いと思います。
それでも、ほんの3分だけ体を動かす時間を足してみると、思った以上に一日が軽く感じられることがあります。ここでは、人生後半の40代〜70代の方に向けて、朝に取り入れやすい“ちょい筋トレ”の考え方と、健康寿命との関係をゆっくりお話ししていきます。
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朝の3分が「今日のエンジン」になる理由
まず、朝に少し体を動かすと、どんな良いことが起こりやすいのかを整理してみます。医学的な専門解説というよりも、「日常レベルで感じやすい変化」をイメージしてもらえると嬉しいです。
体温と血流がじわっと上がっていく
寝ているあいだ、体温や血圧は少し低めになっています。そこで、朝に軽く筋肉を動かしてあげると、血流が少しずつ増え、体温もじんわり上がっていきます。
一気に心拍数を上げるような激しい運動ではなく、「ゆっくり起き上がらせてあげる」ようなイメージです。深呼吸しながら、足や腕を動かしていくと、「さっきまで布団の一部だった体」が、少しずつ一日の体に切り替わっていきます。
気持ちのギアが「ニュートラル」から「ドライブ」に
朝いちばんにスマホやニュースをチェックすると、情報だけがどんどん入ってきて、気持ちがざわざわしやすくなります。それよりも、先に体を少し動かしておくと、頭の中がぼんやりした状態から、じわっと「今日も始まるぞ」というモードに切り替わりやすくなります。
筋トレといっても、“ちょい筋トレ”なら、息が上がるほどのきつさは必要ありません。「体のスイッチを軽く入れておく」ことが目的です。
「今日もちゃんとスタートできた」という小さな達成感
朝の3分筋トレを続けていると、「今日もできた」というチェックが毎日1つ増えていきます。この小さな達成感が、意外と一日中ついて回ります。
人生後半に差しかかると、「若いころのように頑張れない自分」を責めてしまう瞬間もあるかもしれません。だからこそ、ハードな目標ではなく、「3分だけ、ゆるく体を動かす」というハードルの低い習慣が、心の支えになってくれます。
“ちょい筋トレ”はどんなイメージ?ハードなトレーニングとは別物
ここでいう“ちょい筋トレ”は、ジムでバーベルを持ち上げるような本格的なトレーニングとは少しイメージが違います。
- 息がゼーゼーするほど追い込まない
- 汗だくになるところまでやらなくて大丈夫
- 「気持ちいい」と感じる範囲で止めておく
目指すのは、「体を起こすための軽い刺激」です。立ち上がったり、しゃがんだり、腕を支えたりといった、日常の動きを少し丁寧に行うイメージに近いかもしれません。
あとで紹介するメニューも、いずれも自宅のリビングや寝室でできるものばかりです。道具も、特別なウェアもいりません。パジャマの上に1枚羽織るくらいの軽装で大丈夫です。
人生後半の体がよろこぶ“ちょい筋トレ”のメリット
ここからは、40代〜70代の方にとっての“ちょい筋トレ”のメリットを、もう少し具体的に見ていきます。あくまで一般的に言われている傾向であり、すべての方に当てはまるとは限りませんが、参考材料として読んでいただければと思います。
下半身の「踏ん張る力」をキープしやすくなる
年齢とともに、太ももやお尻まわりの筋肉は少しずつやせやすくなっていくといわれています。椅子から立ち上がる、階段をのぼる、重い荷物を持つなど、日常の中で踏ん張る場面は意外と多いですよね。
朝3分でも、太ももやお尻を意識して動かしておくと、「歩き出しが軽くなった」「段差の上り下りが少し楽」と感じるきっかけになるかもしれません。もちろん個人差はありますが、下半身を意識的に動かす時間を持つこと自体が、将来の転びにくさや、動きやすさにつながっていく可能性があります。
バランス感覚にささやかな刺激を入れておく
片足で立って靴下をはくときに「グラッ」としやすくなった、という経験はないでしょうか。バランス感覚も、使わないと少しずつ鈍っていきます。
つま先立ちや、椅子の背もたれを支えにした片足立ちなど、朝のちょい筋トレの中に「ふらつかない範囲のバランス動作」を少しだけ入れておくと、足首や体幹(おなか・腰回り)の筋肉が刺激を受けます。
ふらつきやすい方は、必ず壁やテーブルなど、しっかりした支えを使いながら、安全第一で行うことを優先してみてください。
気分の落ち込みを和らげるきっかけになることも
更年期や仕事、家族のことなど、人生後半は心のアップダウンも増えやすい時期です。運動が気分の落ち込みをやわらげる役割を持つ可能性は、さまざまな研究でも指摘されているようです。
「やる気が出ないから動けない」というスパイラルに入っているとき、3分だけ体を動かして汗をかくと、「まあ、今日はここまでできたからいいか」と、自分を少し優しく認められることがあります。この小さなリセットが、翌日へのつながりになっていきます。
「健康寿命」を意識するきっかけになる
若いころは「体重何キロ」「ウエスト何センチ」といった数字に目が行きがちですが、40代〜70代になってくると、「何歳まで自分の足で歩けるか」「どこまで自分のことを自分でできるか」という視点も増えてきます。
朝のちょい筋トレは、まさに「元気に動ける時間=健康寿命」に目を向けるきっかけになります。人生の後半戦を、「できることを少しでも長く楽しむための時間」として捉え直していく、そのスタート地点にちょうどいい習慣かもしれません。
忙しい朝でもできる“3分ちょい筋トレ”の一例
ここからは、実際のメニュー例を紹介します。ただし、あくまで「一例」です。関節の状態や持病、体力は人それぞれですので、痛みや違和感がある動きは避けてください。治療中の病気がある方は、主治医の先生と相談しながら、自分に合った内容や強さを探していくと安心です。
① イスに座ったまま“ゆっくりスクワット風”
普通のスクワットが不安な方は、まずイスを使った動きから始めてみる方法があります。
- 足を肩幅くらいに開いて、イスに浅めに座る。
- 背すじをできる範囲で伸ばし、両手を前に伸ばすか、太ももの上に置く。
- 息を吐きながら、ゆっくり立ち上がる。
- 完全に立ち切る手前で止めて、またゆっくり座る。
これを5〜10回くらい、自分のペースで行います。つらくなる手前で止めておくことがポイントです。ひざや腰に痛みがある場合は、動く範囲を小さくしたり、回数を少なくしたりしながら様子を見てください。
② 壁を使った“カベ腕立て”
床での腕立て伏せはきつくても、壁を使えばぐっとやさしくできます。
- 壁から一歩〜一歩半ほど離れて立ち、肩幅より少し広めに手をつく。
- かかとを床につけたまま、体を板のようにまっすぐにする。
- 息を吸いながら、ゆっくりひじを曲げて体を壁に近づける。
- 息を吐きながら、元の位置まで戻る。
これも5〜10回くらいが目安です。肩や手首に痛みが出る場合は、体を壁に近づけすぎないようにしたり、手をつく位置を少し高めにしたりして調整してみてください。
③ つま先立ちで足首まわりにスイッチを入れる
ふくらはぎは、血液を心臓に戻すポンプのような役割もあると言われます。つま先立ちは、そのポンプにやさしくスイッチを入れるようなイメージです。
- イスの背もたれやキッチンカウンターなど、しっかりつかめる場所の前に立つ。
- 安全のため、軽く手を添えておく。
- かかとをゆっくり持ち上げて、つま先立ちになる。
- ふくらはぎに「軽く効いている」感覚が出たら、ゆっくりかかとを下ろす。
10〜15回を目安に、呼吸を止めないようにしながら続けてみます。バランスに不安がある方は、必ず両手で支えながら行ってください。
④ 3つをつなげて「約3分」のミニサーキット
上の3種目を、それぞれ5〜10回ずつ行うと、おおよそ2〜3分になります。慣れてきたら、回数を少し増やしたり、2周してみたりと、朝の時間や体調に合わせて調整していけます。
どの種目も、「きつくなる前にやめておく」くらいが、朝のちょい筋トレとしてはちょうどいい塩梅です。
続けるコツは「完璧を目指さないこと」
朝のちょい筋トレを続けていくうえで、一番の敵は「完璧主義」です。ここでは、習慣化のための小さな工夫をいくつかご紹介します。
「毎日」より「できた日の数」に目を向ける
カレンダーに◯をつける場合、「毎日◯を途切れさせない」が目標になると、1日休んだだけで気持ちが折れてしまうことがあります。
そこで、「今月は何日◯がついたか」に注目してみる方法があります。たとえば30日のうち10日できたら、それは何もしていなかった頃から見ると大きな変化です。3日に1回でも、1年間続けば120回以上体を動かしたことになります。
朝のルーティンに「セット」でくっつける
新しい習慣は、すでにある習慣にくっつけると続きやすくなるといわれます。
- 歯みがきの前に、イススクワットを5回だけ
- 朝のコーヒーを淹れているあいだに、壁腕立てを数回
- テレビの天気予報を見ながら、つま先立ち
こんなふうに、「すでに必ずやっている行動」の前後に3分を差し込むと、「やる・やらない」を考える時間が減り、自然と習慣になりやすくなります。
体調に合わせて「強度つまみ」を調整する
毎日同じ強さでやろうとすると、調子が悪い日や寝不足の日に続けにくくなります。そこで、テレビの音量つまみのように、「今日は弱め」「今日は普通」「今日はちょっと頑張れる」と、自分の中で強さの段階を決めておくと楽になります。
たとえば、
- 弱めの日:1種目だけ、5回だけやって終わり
- 普通の日:3種目をそれぞれ5〜8回
- 元気な日:2周やってみる
こんなふうに「逃げ道」を用意しておくことで、「ゼロの日」を減らしやすくなります。
僕自身が感じた「朝に体を動かす」変化
ここからは、サイト運営者である和久井朗として、少しだけ自分の体験も交えさせてください。
僕は、かつてかなり太っていた時期があり、そこからパーソナルトレーニングで33kgの減量に挑戦しました。体重が重かった頃は、朝起きたときの体の重さが当たり前になっていて、「朝から動くなんてムリ」と決めつけていたところがあります。
それでも、トレーナーと一緒に習慣を見直していく中で、「朝に体をほんの少し動かすだけでも、一日の感じ方が変わるかもしれませんよ」と提案してもらい、最初は半信半疑でスタートしました。
最初のうちは、イススクワットを数回やるだけで息が上がっていましたが、「やるか・やらないか」というより、「とりあえず3分だけやってみるか」という感覚に切り替えていくうちに、だんだんと「朝に体を起こしておかないと気持ち悪い」と感じるくらいになっていきました。
僕がどんなふうにライザップで変わっていったのかについては、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】に、当時の気持ちも含めて詳しくまとめています。無理のないペースで体が変わっていった実感は、今の「健康寿命をのばす」というテーマにもつながっています。
忙しい人ほど「朝の3分」が味方になる
仕事や家事、孫のお世話などで一日があっという間に過ぎてしまう方ほど、夜にまとまった運動時間をとるのは難しいかもしれません。そんなときこそ、朝の3分が強い味方になります。
「通勤前に一駅歩く」「帰宅後にウォーキングを30分」なども素晴らしい習慣ですが、なかなか続けにくい方もいます。そんな場合は、まず朝の3分を“最低ライン”として設定しておくと、「まったく動かさない日」が減っていきます。
パーソナルトレーニングジムに通いながら、忙しいスケジュールの中でどうやって時間を確保していくかについては、忙しい人の通い方・スケジュール術にもまとめています。仕事や家事との両立に悩んでいる方は、こちらも参考にしてみてください。
体調や持病がある方へのやさしい注意ポイント
ここまで「朝のちょい筋トレ」の良さを書いてきましたが、体調や病気の状況によっては、運動の内容や強さを慎重に考えたほうが安心な場合もあります。
- 心臓や血管の病気で治療中の方
- 整形外科的な痛み(ひざ・腰など)が強い方
- めまい・ふらつきが出やすい方
こうした場合には、自己判断で動きを増やしすぎるよりも、主治医やリハビリスタッフなどに「朝にこういう動きをしたいのですが、どのくらいなら大丈夫そうですか?」と相談しながら、一緒にラインを決めていくと安心です。
また、厚生労働省の情報シート(筋力トレーニングについて)や、健康長寿ネットの筋力トレーニング解説ページでは、運動を行う際の注意点も紹介されています。専門的な視点からのアドバイスも、あわせて参考にしてみてください。
「今からでも遅くない」朝の3分をプレゼントする
人生の前半は、「どれだけ頑張れるか」「どこまで追い込めるか」がテーマだったかもしれません。ですが、40代・50代・60代と年齢を重ねるにつれて、「どうやって長く元気でいられるか」というテーマに、少しずつシフトしていきます。
そのときに必要なのは、若いころのような「根性トレーニング」ではなく、「自分の体にやさしいペースで続ける工夫」だと感じています。朝の3分のちょい筋トレは、その象徴のような存在かもしれません。
・息が切れるほど頑張らなくていい
・毎日できなくても大丈夫
・3日に1回でも、1年続けば大きな財産
そんなゆるさを持ちながら、「今日も自分の体に3分だけプレゼントした」と思える日を、少しずつ増やしていけたら素敵です。
どんなスタートラインからでも、今いる場所からでも、「健康寿命を底上げする朝の3分」は始めることができます。明日の朝、歯みがきの前に、イスからゆっくり立ち上がる動きを5回だけ足してみるところから、一緒に始めてみませんか。

