健康寿命と筋力低下、40代から始める予防策

こんにちは。「I LOVE RIZAP ~ボディメイクで健康寿命~」を運営している和久井朗です。
40代をすぎたあたりから、こんな変化を感じることはありませんか?
- 階段をまとめて上ると、前より息が上がりやすい
- ちょっとした段差でつまずきそうになる
- 以前は楽に持てた荷物が、ずっしり重く感じる
- なんとなく姿勢が丸くなった気がする
これらは「年だから仕方ない」と片づけてしまいがちですが、背景には筋力低下が隠れていることも多いようです。筋肉は、単に「見た目のため」ではなく、「どれだけ長く元気に動けるか=健康寿命」と深く関わっています。
この記事では、40代から意識しておきたい筋力低下のこと、そして無理なくできる予防の考え方を、私自身のボディメイク経験もまじえながらお話しします。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
40代から筋力低下が気になり始める理由
まずは「そもそも、なぜ40代から筋力低下が加速しやすいのか」というところから整理してみます。
筋肉は20代後半から少しずつ減っていく
厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット(サルコペニア)」では、骨格筋量は25~30歳ごろから少しずつ減少し、生涯を通じて進んでいくとされています。つまり、実は私たちの筋肉は、かなり早い段階からゆっくり減り始めているわけですね。
若いころは「多少運動不足でもなんとかなる」のですが、40代以降になると、仕事や家事の忙しさ、ストレス、睡眠不足などが重なり、
- 活動量が減る(座っている時間が長くなる)
- 食事が偏る(たんぱく質や野菜が不足しやすい)
- 体重は変わらないのに、筋肉だけが減って脂肪が増える
といった状況になりやすく、「筋肉の貯金」が一気に目減りしやすい年代とも言えそうです。
40代・50代でも「サルコペニア」のリスクがある
サルコペニアは、加齢や活動量の低下などにより、筋肉量や筋力が減り、歩く・立つ・階段を上るなどの日常動作がつらくなる状態のことを指します。以前は主に高齢期の問題とされてきましたが、最近の報告では、運動不足や栄養不足が重なると、40代・50代でもサルコペニアのリスクが高まる可能性があると考えられています。
特に、
- デスクワーク中心でほとんど歩かない
- 食事を抜くことが多い・ダイエットで極端に食事を減らしてきた
- 疲れやすく、運動の習慣がほとんどない
といった生活パターンが続いている場合は、年齢に関係なく筋力低下が進みやすいようです。気づいたときから少しずつ、生活の中に「筋肉にやさしい選択」を足していけると安心ですね。
筋力低下と「健康寿命」のつながり
筋肉が落ちてしまうと、単に足腰が弱くなるだけでなく、健康寿命そのものにも影響してきます。
「立つ・歩く・姿勢を保つ」抗重力筋がカギ
同じく厚生労働省の「サルコペニア関連の解説」では、立つ・歩く・姿勢を保つために大切な筋肉として、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、お腹まわりの筋肉(腹筋群)、背中(背筋群)などが挙げられています。
これらの筋肉が弱ってくると、
- 立ち上がるときに、テーブルやひざに手をつかないとつらい
- 長く歩くと腰やひざが痛くなる
- 背中が丸まりやすく、呼吸が浅くなる
といった変化が起こりやすくなります。こうした変化が積み重なると、外出や人と会う機会が減り、活動量がさらに減って筋肉が落ちる…という負のループに入りやすいところが心配な点です。
ロコモティブシンドロームと要介護リスク
日本整形外科学会が情報発信している「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」は、運動器(骨・関節・筋肉など)の障害によって移動機能が低下した状態を指します。ロコモが進行すると、将来的に要介護となるリスクが高まるとされています。
ロコモかどうかをチェックする「ロコモ度テスト」では、片脚で椅子から立ち上がれるかどうか、といったシンプルな動作が用いられていますが、これも要は足腰の筋力を見ているわけですね。
健康寿命を守るためには、血管や内臓だけでなく、「自分の体を支え、動かす力」をどれだけ保てるかがとても重要になってきます。
こんなサインはありませんか? 40代からチェックしたい筋力低下の兆し
筋力低下は、気づかないうちに少しずつ進むことが多いのですが、日常生活の中で「なんとなく前と違うな」と感じる小さなサインがあります。
階段・立ち上がり・歩くスピード
- エスカレーターより階段をきつく感じるようになった
- 椅子や床から立ち上がるとき、手をつかないとつらい
- 以前より歩くスピードが遅くなったと言われる
これらは、太ももやお尻の筋力が弱ってきているサインかもしれません。「なんとなく疲れやすい」で済ませず、少し意識してみたいポイントです。
姿勢の変化やバランス感覚
- 写真を見たとき、自分の猫背が気になる
- 片足で靴下を履くのが不安定になってきた
- 何もないところでつまずきそうになることがある
筋肉だけでなく、バランス感覚の低下も、転倒リスクと関連すると考えられています。無理に片足立ちの練習をする必要はありませんが、「ちょっとふらつくな」と感じたら、足腰をいたわるサインとして受け止めてあげたいところです。
「疲れやすさ」が増えていないか
筋肉は「動く」だけでなく、「血流を保つ」「姿勢を支える」といった役割も担っています。そのため、筋力が落ちると、
- 同じ家事や仕事でも、以前よりぐったり疲れる
- 長時間同じ姿勢でいると、肩こりや腰の重さがつらい
といった形で現れることもあります。体調にはいろいろな要因が関わってきますが、自分の体のサインとして観察しておくと、早めの対策につながりやすくなります。
40代から始める「ゆる筋トレ」の考え方
ここからは、具体的な予防策の話に入っていきます。ただし、ポイントは「頑張りすぎない」ことです。
がんばりすぎないための3つの視点
- 回数より「習慣」重視
いきなりハードな筋トレを週に何回も…と考えると、ほとんどの場合続きません。まずは「毎日ちょっとだけ体を動かす日を作る」という感覚から始めてみると、気持ちがラクになります。 - 「正しいフォーム」にこだわりすぎない
もちろん怪我を防ぐ上でフォームは大切ですが、最初から100点を目指す必要はありません。痛みが出ない範囲で、ゆっくり大きく体を動かすことを意識するだけでも、十分な刺激になります。 - 体調に合わせて強度をゆるめる
疲れている日は、回数を半分にしたり、ストレッチだけで終える日があっても大丈夫です。「ゼロよりちょっとマシ」を積み重ねるイメージでいきましょう。
自宅でできるシンプルな動きのイメージ
ここでは、具体的な種目名というより、「こんな動きを取り入れてみると良さそう」というイメージだけお伝えします。
- 椅子からのゆっくり立ち座り
安定した椅子に浅く腰かけ、背筋を伸ばした状態から、ゆっくり立ち上がって、またゆっくり座る動きを繰り返します。太ももとお尻の筋肉を使いやすい動きです。 - 台所や洗面台での「かかと上げ」
何かにつかまりながら、かかとを上げ下げするだけでも、ふくらはぎの筋肉に刺激が入ります。料理や歯みがきのついでに数回行うだけでもOKです。 - 壁を使った軽い腕の押し込み
壁に両手をついて、体を斜めにして軽く腕で押し返す動きは、腕や胸、体幹部の筋肉を使います。床での腕立て伏せはきつい…という方にも取り入れやすい方法です。
どの動きも、回数より「痛みなく、呼吸を止めずにできる範囲」で行うことが大切です。不安がある方は、かかりつけ医や運動指導のできる専門職に相談しながら始めてみてくださいね。
日常生活そのものを「筋トレの場」に変えるコツ
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(アクティブガイド)」では、「今より10分多く体を動かす(+10)」といった身近な目標が推奨されています。大がかりな運動をしなくても、日常生活の中でこまめに体を動かすことが、健康づくりに役立つとされています。
「ながら」でできる小さな工夫
- エレベーターではなく、1~2階分だけ階段を使ってみる
- 買い物のとき、少し遠くのスーパーまで歩いてみる
- テレビのCM中だけ立ち上がって、足踏みやストレッチをする
- デスクワークの合間に、1時間に一度は席を離れて歩く
これらをすべて完璧に行う必要はありません。「今日は階段を一回だけ使えた」「いつもより5分長く歩けた」といった小さな変化を、その日の自分を褒める材料にしていけると素敵です。
座りっぱなし時間を少しだけ減らす
同じくアクティブガイドでは、座りっぱなしの時間を長くしすぎないよう注意することも勧められています。長時間座っていると、下半身への血流が滞りやすくなり、筋肉への刺激も減ってしまいます。
在宅ワークやテレビ鑑賞が多い方は、
- タイマーをかけて、30~60分に一度は立ち上がる
- 電話中は立って話す
- 飲み物を取りに行くときに、ついでに家の中を一周歩く
といった工夫を取り入れてみると、筋肉への「ちょっとした刺激」を足していくことができます。
食事でできる筋力低下の予防
筋肉を守るうえで、運動と同じくらい大切なのが食事です。特に、たんぱく質とエネルギー(カロリー)のバランスがポイントになってきます。
たんぱく質は「量」と「タイミング」が大切
e-ヘルスネットのサルコペニアに関する解説では、サルコペニア予防のために、適正体重1kgあたり1.0g以上のたんぱく質摂取が有効な可能性があるとされています。ただし、腎臓などに持病のある方は事情が異なる場合もありますので、あくまで目安のひとつとして参考にしつつ、心配な方は主治医や栄養の専門家に相談してみてください。
たんぱく質をとりやすい食品としては、
- 魚・肉・卵
- 大豆製品(豆腐、納豆、厚揚げなど)
- 牛乳・ヨーグルト・チーズ
などがあります。理想は、朝・昼・夕と、毎食にこれらの食品を少しずつ取り入れることです。「夜だけどっさり」より、「3食まんべんなく」の方が、筋肉にとってはやさしいと考えられています。
「やせすぎ」も「太りすぎ」も、筋肉にはマイナス
中年期以降の体重変化とフレイル(虚弱)や筋力低下の関係を調べた国内の報告では、体重の増えすぎ・減りすぎのどちらも、後々の筋力低下や健康リスクと関わる可能性が示されています。急激なダイエットで筋肉まで落としてしまうと、体重は減っても、将来的な動きやすさという意味ではマイナスになりかねません。
体重だけをゴールにするのではなく、
- 筋肉を落としすぎない食事量
- 血糖値や血圧を意識したバランスのよい献立
といった視点を取り入れていけると、健康寿命の土台が整いやすくなります。
心と習慣も「筋力低下予防」の大事なパートナー
筋力低下を防ぐと言うと、「運動」と「食事」に目が行きがちですが、実は心の状態や人間関係も大きく関わってきます。
「やらなきゃ」より「未来の自分のために」
運動が続かない一番の理由は、「やらなきゃ」と自分を追い込みすぎて、しんどくなってしまうことかもしれません。健康寿命を意識したボディメイクは、「3ヶ月で劇的変化!」ではなく、5年後・10年後の自分が少し楽になるための投資だと考えると、気持ちがラクになります。
今日は5分しか歩けなかったとしても、その5分は確かに未来の自分の足腰のための一歩です。できなかった日を責めるのではなく、「明日はまた、できる範囲でやってみよう」と柔らかく続けていけると良さそうです。
一人で抱え込まず、誰かと一緒に
ウォーキングを近所の友人と一緒に楽しんだり、週に一度の体操教室に参加したり、家族に「今日も階段チャレンジ、達成したよ」と報告したり。誰かと一緒に取り組むことで、モチベーションがぐっと保ちやすくなります。
地域によっては、市町村が主催する介護予防教室や運動講座、健康相談窓口(地域包括支援センターなど)があります。お住まいの自治体のホームページをチェックしたり、市役所や保健センターに問い合わせてみると、「思ったより身近なところにサポートがあった」ということも多いようです。
私自身のライザップ経験から感じた「筋肉のありがたさ」
ここで少し、私自身の話もさせてください。
私は53歳のときにライザップに挑戦しました。正直なところ、最初は「本当にこんな歳からでも変われるのか?」という不安も大きかったです。それでも、トレーナーに支えてもらいながら少しずつ筋トレと食事改善を続けていくうちに、
- 階段の上り下りが楽になった
- 姿勢がすっと伸びて、鏡に映る自分の印象が変わった
- 「まだやれるかもしれない」という気持ちが湧いてきた
といった変化を実感するようになりました。数字以上に、日常生活の「動きやすさ」や「気持ちの軽さ」が変わったことが、今振り返っても一番の収穫だったと感じています。
このあたりの詳しい体験は、別の記事「リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】」で正直にまとめています。筋トレというとハードルが高く感じる方も、こうした実体験の一例として、気楽にのぞいてみてもらえたらうれしいです。
40代・50代・60代、それぞれのステージ別の考え方
最後に、年代ごとのざっくりとした視点も共有しておきます。もちろん個人差がありますので、「目安のイメージ」として受け取っていただければと思います。
40代:筋肉の「減り方」をゆるやかにする時期
40代は、仕事や子育てが忙しく、つい自分の体のことは後回しになりやすい年代かもしれません。同時に、筋肉や代謝の変化がじわじわと表に出てきやすい時期でもあります。
この時期に意識したいのは、
- 筋トレをゼロから「少しはやる」に変える
- 座りっぱなし時間を少しでも減らす
- 朝食を抜かず、たんぱく質を入れる
といった、「減り方をゆるやかにする」工夫です。若いころのように急激に体型を変える必要はありません。将来の自分のために、筋肉の崩れを少しでも穏やかにしておくイメージです。
50代:不調サインと上手につき合う時期
50代になると、ひざや腰、肩などに「なんとなくの違和感」が出てくる方も増えてきます。更年期の影響などで体調が揺れやすい時期でもありますね。
この時期は、
- 痛みを我慢して無理に運動を増やさない
- 医療機関で相談しながら、自分に合った負荷を探す
- ウォーキングやストレッチと、軽い筋トレを組み合わせる
といった「調整力」が大切になってきます。運動に不安がある場合は、パーソナルトレーニングや専門家のサポートを受けるのもひとつの方法です。私自身も、トレーナーにフォームを見てもらいながら筋トレを続けられたことで、安心して体づくりに取り組むことができました。
60代・70代:転倒予防と「自分らしい生活」を守る時期
60代以降になると、多くの方にとっての最重要テーマが「転倒予防」です。転倒して骨折し、入院や手術をきっかけに生活が大きく変わるケースが少なくないためです。
とはいえ、「もう歳だから」とあきらめる必要はありません。日本整形外科学会が紹介する「ロコトレ(片脚立ちや軽いスクワットなど)」のように、高齢期でも取り組みやすい運動プログラムも提案されています。ご自身の体力や持病に合わせて、できる範囲で足腰を動かすことが、健康寿命を守る大きな一歩になります。
この年代では、「筋肉を増やす」こと以上に、
- 好きな趣味に出かけられる
- 旅行に行ける
- 家族や友人と食事を楽しめる
といった「自分らしい生活」を続けるための体づくり、と捉えてみると気持ちが前向きになります。
不安になりすぎず、「今できる一歩」から始めてみる
ここまで、40代からの筋力低下と、その予防策について色々とお話してきました。改めてまとめると、
- 筋肉は20代後半から少しずつ減っていくが、生活習慣次第で減り方は変えられる
- 健康寿命を守るには、足腰や体幹など「体を支える筋肉」を保つことが大切
- 激しい運動でなくても、「ながら」で体を動かす工夫や、たんぱく質を意識した食事が役に立つ
- 心の持ち方や人間関係も、筋力低下予防を続けるうえで大きな味方になる
筋肉や健康寿命の話は、ときに不安をあおる方向に語られがちですが、ここで大切にしたいのは、「今からでも十分に間に合う」という視点です。
たとえこれまで運動をしてこなかったとしても、今日、この記事を読んでくださっているということは、すでに「健康寿命のことを考え始めた一歩目」を踏み出しているとも言えます。
まずは、
- 椅子からの立ち座りを、いつもよりゆっくり行ってみる
- スーパーまでの道を、5分だけ遠回りして歩いてみる
- 今夜の食事に、たんぱく質のおかずを一品足してみる
そんな小さな一歩から始めてみませんか。
私自身も、決してストイックなタイプではありません。リバウンドを繰り返した経験もありますし、「今日はサボりたいなぁ」と思う日もたくさんあります。それでも、「未来の自分が少しラクになるなら、今できることをちょっとだけやってみよう」と思いながら、日々のボディメイクを続けています。
この記事が、40代以降の筋力低下や健康寿命について考えるきっかけになり、「自分のペースでやってみようかな」と思っていただけたら、とてもうれしいです。
これからも一緒に、無理のないペースで「元気に動ける時間」を伸ばしていきましょう。

