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「痩せる」より「動ける体」が健康寿命の本質

40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、体重計の数字よりも、

  • 階段をスッと上がれるか
  • 旅行先で一日中歩けるか
  • 孫や家族と全力で遊べるか

といった「動けるかどうか」が気になってきますよね。

このページでは、単に「痩せる」ことよりも、日々の暮らしの中でしっかり動ける体を目指すことこそ、健康寿命を伸ばすいちばんの近道という考え方を、できるだけやさしくまとめました。

体力に自信がない方や、持病があって運動が不安な方にも、「今の自分から少しずつ変えていけばいいんだ」と感じてもらえるような内容を意識しています。ゆっくり読んで、できそうなところから一つだけでも取り入れてみてくださいね。


「痩せる」と「動ける体」はゴールが少し違う

体重が減っても、フラフラではもったいない

ダイエットという言葉を聞くと、多くの人がまず「体重を減らすこと」を思い浮かべると思います。もちろん、体重を適正な範囲に近づけていくことは、生活習慣病の予防という意味でも大切です。

一方で、極端な食事制限だけで体重を落とすと、

  • 筋肉まで一緒に落ちてしまう
  • 体力が落ちて、ちょっと動いただけでぐったりする
  • ふらつきやすく、転びやすくなる

といったことが起こりやすくなります。数字は軽くなっても、「動きにくい体」になってしまっては、せっかくの努力がもったいないですよね。

健康寿命のキーワードは「日常生活を自分の足で」

健康寿命とは、「ただ生きている年齢」ではなく、できるだけ自立して、日常生活を楽しめている期間のことを指します。厚生労働省の「健康寿命延伸プラン」でも、病気の有無だけでなく、日常生活の制限の有無が大切な指標として扱われています。詳しくは、厚生労働省の資料「健康寿命延伸プラン」(厚生労働省)も参考になります。

健康寿命の視点で見ると、

  • スーパーまで自分の足で歩いて行ける
  • バスや電車の乗り降りで困らない
  • ちょっとした段差や坂道でも怖くない

といった「日常の動き」がどれくらいスムーズかが、とても重要になります。ここで効いてくるのが「動ける体」なのです。


「動ける体」とは? 3つのポイントで考えてみる

「動ける体」と聞くと、アスリートのような体を想像してしまうかもしれませんが、決して特別なものではありません。ここでは、健康寿命を意識した「動ける体」を、次の3つのポイントで整理してみます。

1.必要なだけの筋力と持久力がある

重い荷物を持ったり、椅子から立ち上がったり、長めに歩いたり…。こうした動作には、最低限の筋力と持久力が必要です。特に、太ももやお尻まわりの筋肉は、歩く・階段を上る・しゃがむなど、日常の動きのほとんどに関わっています。

厚生労働省の情報サイト「身体活動」では、「身体活動=安静にしている状態よりも多くのエネルギーを使うすべての動き」と説明されていて、筋力トレーニングだけでなく、日常の家事や歩行も大切な活動として紹介されています。特別な運動だけが「体づくり」ではない、という視点は安心材料になりますね。

2.バランス感覚と柔軟性がそれなりに保たれている

転倒の多くは、「つまずいたときに片足でバランスを立て直せなかった」「関節が硬くて動きが遅れた」といったことがきっかけになります。片脚立ちでふらつかないことや、靴下を立ったままスッと履けることなどは、派手さはありませんが、とても重要な能力です。

軽いストレッチや、ゆっくりとした体操でも、続けることで関節の可動域が保たれ、転倒リスクの軽減につながると考えられています。無理に大きく伸ばそうとせず、「痛気持ちいい」くらいの範囲で行うのがポイントです。

3.心と脳も一緒に動いている

「動ける体」を支えているのは、筋肉や関節だけではありません。
「散歩に行ってみようかな」「あの場所まで歩いてみたい」という気持ちが湧くかどうか、つまり心と脳の元気さも同じくらい大切です。

友人とのおしゃべりや、趣味のサークルへの参加などは、気持ちが前向きになるだけでなく、結果として歩く機会や外出の機会も増やしてくれます。国の取り組みでも、健康寿命を延ばすために「社会参加」の重要性が繰り返し強調されています。先ほど紹介した健康寿命延伸プランでも、地域のつながりづくりが柱のひとつとして挙げられています。


今日からできる「動ける体づくり」のコツ

ここからは、難しいトレーニングではなく、「これならできそう」と思える小さな工夫を中心に紹介します。すべてをやろうとする必要はありません。生活や体調に合わせて、合いそうなものを一つ選ぶだけでも十分なスタートです。

1.「歩く機会」を少しだけ増やしてみる

東京都の健康情報サイト「とうきょう健康ステーション」では、健康維持の一つの目安として、年代ごとの歩数の目安が紹介されています。18~64歳で1日8,000~10,000歩、65歳~74歳で7,000歩、75歳以上で5,000歩といった数字が一例として示されていますが、あくまで「目標のひとつ」です。

最近の研究では、1日あたり6,000歩前後でも、まったく歩かない状態に比べて健康リスクが下がる可能性が示されています。東京都健康長寿医療センターなどでも、「推奨量を満たさなくても、少し増やすだけでも良い影響がある」といった解説がされています。詳しく知りたい方は、東京都健康長寿医療センターのトピックス「運動・身体活動の“ちょい足し”のポイント」なども参考になります。

最初から「毎日1万歩」を目指す必要はありません。例えば、

  • エレベーターではなく、1階分だけ階段を使ってみる
  • バス停を1つ手前で降りて、5分だけ歩いてみる
  • 買い物ついでに、店内を一周多く回ってみる

といった小さな工夫でも、積み重ねると立派な「身体活動」になります。

2.イス周りでできる「ちょこっと筋トレ」

「筋トレ」と聞くと、重たいダンベルを想像して身構えてしまう方も多いのですが、健康寿命のための筋トレは、派手なものではなくてかまいません。イスを使った簡単な動きでも、太ももやお尻、おなか周りの筋肉をじわっと刺激することができます。

例えば、次のような「ながら筋トレ」です。

  • イスからゆっくり立ち上がる・座るをくり返す
  • 座ったまま、片脚ずつ少し浮かせてキープする
  • 足を床につけたまま、つま先上げ・かかと上げをゆっくり行う

回数や秒数にこだわる必要はありません。「ちょっと疲れたかな」と感じるくらいまで動かせたら、それで十分です。慣れてきたら、もう1回だけ増やす、といったゆるい増やし方で大丈夫です。

高齢者向けの運動方法は、公益財団法人の「健康長寿ネット」でも、ウォーキングや筋力トレーニングのポイントがわかりやすく紹介されています。例えば、「高齢者に適したウォーキングとは」(健康長寿ネット)なども参考になります。

3.ストレッチで「気持ちよく動ける関節」を保つ

筋肉を動かしやすくするためには、ストレッチも心強い味方です。難しいポーズでなくても、

  • 朝起きたときに、両手をぐっと上に伸ばす
  • テレビを見ながら、首や肩をゆっくり回す
  • お風呂上がりに、太ももの前・後ろを軽く伸ばす

といったシンプルな動きで十分です。

ストレッチは、「呼吸を止めずに、反動をつけない」ことがポイントです。痛みが強い場合や、関節に疾患がある場合は、無理をせず医師・専門職に相談しながら行うようにしてください。

4.「休みながらでも続ける」を前提にする

健康情報を見ていると、「週に◯回」「毎日◯分」といった数字がたくさん出てきます。ただ、体調や仕事、家族の予定などで、その通りにいかない日もありますよね。

そんなときは、

  • できない日があっても、自分を責めない
  • 2~3日休んでも、また思い出した日に再開する
  • やる気が出ない日は、ストレッチだけにしてみる

といった柔らかいルールにしておくと、長い目で見て続けやすくなります。

国や自治体のガイドラインも、あくまで「健康づくりの目安」として示されているものであり、「守らないとダメ」という意味ではありません。自分の体調と相談しながら、「一生付き合えるペース」を探していくイメージが大切だと感じています。


「痩せる」だけを追いかけていた頃の僕と、考え方が変わったきっかけ

ここからは、少しだけ僕自身の話をさせてください。

僕はもともと、料理人として長年働きながら、仕事柄おいしいものを食べる機会も多く、気が付けばかなりのメタボ体型になっていました。健康診断では、血圧や血液検査の数値もなかなか厳しい状況…。そこで一念発起してライザップに通い始めたのが、50代半ばのころです。

最初の頃は、とにかく「何キロ痩せられるか」ばかりを意識していました。体重が減るたびにうれしくて、逆に停滞すると落ち込む…というジェットコースターのような気持ちの波も経験しました。

ところが、ある時期からトレーナーさんとのやり取りの中で、考え方が少しずつ変わってきました。

  • 階段を上っても息切れしなくなった
  • 長時間の立ち仕事が前よりラクになった
  • 朝の目覚めがスッキリして、仕事中も集中しやすくなった

こうした日常の変化を味わううちに、「あれ、体重の数字よりも、この『動きやすさ』のほうがうれしいな」と感じるようになっていったのです。

そのあたりの紆余曲折については、僕自身の体験をまとめたページ「リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】」でも、正直な気持ちを書いています。興味があれば、あわせて読んでみてください。

今振り返ると、「痩せること」はゴールではなく、「動ける体になるための通過点」だったのだと思います。数字ばかり見ていた頃よりも、「今日も仕事を元気に終えられた」「休日に家族とたくさん歩けた」といった日常の実感のほうが、ずっと大きな喜びになりました。


食事・睡眠・心の状態も「動ける体」の大事な土台

動ける体づくりというと「運動」が真っ先に浮かびますが、実際には、

  • 何をどれくらい食べているか
  • どれくらい眠れているか
  • ストレスをどう受け止めているか

といった生活全体が、土台として大きく関わっています。

1.筋肉の材料になるたんぱく質をしっかりとる

せっかく歩いたり筋トレをしたりしても、筋肉の材料となるたんぱく質が足りないと、筋肉はつきにくくなります。特に中高年以降は、同じ量のたんぱく質でも若い頃より筋肉になりにくいといわれています。

毎食、

  • 肉・魚・卵・大豆製品(豆腐・納豆など)を何か一品入れる
  • おかずの量を「ごはんより少し多いくらい」に意識してみる

といった、シンプルな工夫から始めてみるのがおすすめです。塩分や脂質のとり過ぎが気になる方は、医師や栄養士からの指導を優先しながら、自分に合ったバランスを探してみてください。

2.睡眠不足は「動ける体」の大敵

寝不足が続くと、

  • 疲れが抜けず、体を動かす気になれない
  • 食欲のコントロールが乱れやすい
  • メンタルが落ち込みやすくなる

など、さまざまな影響が出てきます。健康づくりの情報を出している自治体のサイトでも、「睡眠」は運動や食事と同じくらい大切な柱として紹介されています。

すべてを完璧にする必要はありませんが、

  • 寝る1時間前からスマホやパソコンを少し減らす
  • 夜遅い食事やカフェインを控える
  • 寝る前に軽いストレッチや深呼吸をする

といった工夫は、翌日の「動きやすさ」にもつながりやすくなります。

3.「心の疲れ」をため込みすぎない

どれだけ体に良いことをしていても、心がすり減ってしまうと、動く気力がわきにくくなります。仕事や家族のこと、将来への不安など、人生後半ならではの悩みも増えてきますよね。

そんなときは、

  • 信頼できる人に話を聞いてもらう
  • 好きな音楽や映画で気持ちを切り替える
  • 自然の多い場所を散歩してみる

など、「心のリセットタイム」を意識的に作ることも、健康寿命の立派な投資になります。


一人で頑張りすぎない。「人とのつながり」が動ける体を守ってくれる

健康寿命の取り組みでは、「社会参加」や「人とのつながり」の重要性が、国や自治体の資料で繰り返し取り上げられています。運動教室や地域サロン、ボランティア活動など、誰かと一緒に動く場があることで、続けやすくなるという面もあるからです。

たとえば、

  • 近所の友人と「週1回、一緒に散歩する日」を決める
  • 地域の体操教室やサロンに、月に1度だけ顔を出してみる
  • 家族と「一駅分だけ一緒に歩く日」を作ってみる

といった小さな約束でも、意外と大きな支えになります。「自分ひとりだとサボってしまうけれど、誰かと約束していると歩ける」という声もよく耳にします。

また、家族に「健康のために少し歩くようにしているんだ」と宣言しておくだけでも、理解や協力を得やすくなります。家族や友人を巻き込みながら、「一緒に動ける時間」を増やしていくのも、健康寿命のとても大切な要素です。


「今の自分」から始めれば、動ける体づくりはいつからでも間に合う

ここまで、「痩せる」よりも「動ける体」を意識することの大切さや、そのための具体的なヒントをお伝えしてきました。

もしかすると、

  • すでに持病があって、できることが限られている
  • 若い頃と比べて体力の衰えを強く感じている
  • 仕事や家事が忙しく、運動の時間が取れない

といった不安やもどかしさを抱えている方も多いと思います。

それでも、「今の自分の条件の中で、どんな小さな一歩なら踏み出せそうか」と考えてみると、できることは意外と見つかります。

  • 今日はエレベーターではなく、1階分だけ階段を使ってみた
  • イスから立ち上がる動作を、いつもより丁寧に行ってみた
  • 寝る前に、首と肩をゆっくり回してから布団に入った

こうした一つひとつの行動が、数ヶ月・数年というスパンで見ると、「動ける体でいられる時間=健康寿命」をじわじわと支えてくれます。

僕自身、50代半ばからライザップで本格的に体を見直し、いまも試行錯誤しながら動ける体づくりを続けています。年齢を重ねてからでも、人は十分に変わっていけるーーその実感を、これからも自分の体で確かめていきたいと思っています。

この記事が、「体重の数字」だけでなく、「自分の足で動き続ける未来」をイメージするきっかけになればうれしいです。無理のない範囲で、今日の一歩を一緒に考えていきましょう。

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