【健康寿命】人生100年時代のゴールは“自分らしく生きること”

「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。平均寿命も健康寿命も少しずつ伸びてきている一方で、「そんなに長く生きて、どう過ごせばいいんだろう?」と、モヤっとする気持ちを抱える人も多いようです。
ぼく自身も50代を過ぎてから、「長生きそのもの」よりも「どんなふうに生きていたいか」のほうが、ずっと大事に感じるようになりました。体づくりや仕事、家族との時間、趣味…それらをどう組み合わせていけば、自分らしい健康寿命を伸ばしていけるのか。一緒にゆっくり整理してみましょう。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
「人生100年時代」と「健康寿命」をゆるく整理してみる
まずは前提となる、「人生100年時代」と「健康寿命」という言葉を、かんたんに整理しておきます。
平均寿命と健康寿命のちがい
平均寿命は、「0歳で生まれた人が平均して何歳くらいまで生きるか」を示す数字です。一方の健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく暮らせる期間」を指すとされています。これは、厚生労働省の健康情報サイトである
健康寿命の解説ページ(厚生労働省 )
でも説明されています。
同じく厚生労働省の統計によると、日本人の平均寿命はおおよそ、男性で80歳台前半、女性で80歳台後半の水準が続いているようです。一方、健康寿命はそれよりも数年から十数年ほど短く、「元気に動ける期間」と「生きている期間」のあいだには、まだギャップがあるとされています。
より詳しい数字は、
平均寿命と健康寿命についての資料(厚生労働省 )
も参考になります。
つまり、人生100年時代といっても、100年間ずっと元気に走り回っていられるわけではなく、「どれだけ長く、自分らしく動けるか」が大きなテーマになっている、ということですね。
なぜ「人生100年時代」と言われるのか
内閣府の
「人生100年時代」に向けて(厚生労働省)
などの資料では、海外の研究をもとに「2007年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる可能性がある」といった推計も紹介されています。もちろん一人ひとりの暮らし方や体質によって変わりますが、国全体としては「長く生きるのが当たり前になってきた社会」と言えそうです。
だからこそ、「ただ寿命が伸びる」だけではなく、その長い時間をどう使うのかを、自分で考える時代になってきているのだと思います。
ゴールは「長く生きる」ではなく「自分らしく生きる」にシフト
ここからが本題です。人生100年時代という言葉を聞くと、「100歳まで生きなきゃいけないのかな…」と、ちょっとプレッシャーを感じる方もいるかもしれません。けれど、ぼくはゴールを「長生き」そのものに置かなくてもいいと感じています。
大事なのは、「どんな状態で生きていたいか」です。体の自由度、心の穏やかさ、人とのつながり、やりたいことに挑戦できる余力…。そういったものが自分なりに整っている状態こそ、人生100年時代のゴールと言えるのではないでしょうか。
「自分らしさ」とは、完璧な自分になることではない
ここでいう「自分らしさ」は、世の中の理想像に合わせることではありません。筋肉ムキムキで、仕事も順調で、家族円満で、趣味もたくさん…そんな“完璧なパッケージ”を目指すと、かえって息苦しくなってしまいます。
自分らしさは、もっと素朴なものだと思います。
- 朝起きたとき、「今日もまあまあ悪くないな」と思える
- 食べたいものを、ある程度は自分で選べる
- 行きたい場所に、自分の足で行ける
- 会いたい人に、会いに行ける
- 好きなこと・得意なことで、誰かの役に立てる
こうした日常の積み重ねが、「自分らしい人生」の土台になっていくように感じています。
健康寿命は「自分らしさ」を支えるインフラ
健康寿命は、単に病気かどうかだけで決まるものではないようです。厚生労働省の白書などでは、生活習慣や社会参加、人とのつながりなども、健康寿命に影響する要素として挙げられています(詳しくは
令和4年版厚生労働白書
なども参考になります)。
言い換えると、健康寿命は「自分らしさを実行に移すためのインフラ」のようなものです。体と心がある程度整っているからこそ、やりたいことに手を伸ばせる。だからこそ、「どんなふうに生きたいか」をまず決めて、そのうえで健康寿命の延ばし方を考えていくのが、自然な流れのように感じます。
自分らしい健康寿命を描くための3つの視点
ここからは、「自分らしい健康寿命」を具体的にイメージするための視点を、3つに分けて考えてみます。
1.仕事との付き合い方を見直す
40代〜70代になると、仕事との関係が少しずつ変わっていきます。役職が変わったり、定年退職が見えてきたり、独立や転職を考えたり…。内閣府の
「人生100年時代の人材と働き方」
でも、長い人生のなかで「働き方を柔軟に変えていくこと」の必要性が語られています。
とはいえ、いきなり大きく変える必要はないと思います。例えば、こんな問いかけを自分にしてみるのもひとつの方法です。
- 今の働き方は、体力的・精神的にあと何年くらい続けられそうか
- もしペースを少し落とすとしたら、どんな形がいちばん心地よさそうか
- 「お金」「健康」「やりがい」のバランスを、どう整えていきたいか
こうした問いをノートに書き出してみるだけでも、「働き方を健康寿命寄りにチューニングする」という発想が生まれてきます。ぼくも、以前は「働けるうちは全力で」と考えていましたが、今は「長く自分らしく働くにはどうしたらいいか」という視点のほうがしっくりくるようになりました。
2.家族・人間関係を“ちょうどいい距離感”に整える
人生後半になるほど、家族や友人との関係が心の支えになります。介護や子育てが一段落したあと、「これからどんな距離感で付き合っていこうか」と悩む場面も出てくるかもしれません。
ここで大切なのは、「べったり」でも「完全に一人」でもなく、自分にとって心地よい距離感を探すことだと思います。
- 毎日一緒にいるわけではないけれど、困ったときには頼れる関係
- 趣味や運動を一緒に楽しむ仲間が1人か2人いる
- オンライン上でも気軽にメッセージを送り合える相手がいる
こんな小さなつながりがあるだけでも、孤立感はぐっと和らぎます。人生100年の長い旅を考えると、“一緒に歩いてくれる人”の存在は、健康寿命の大きな支えになってくれるはずです。
3.趣味・学び・一人時間を「未来への投資」にする
趣味や学びは、「ただの遊び」ではなく、心の筋力トレーニングのようなものだと思います。本を読んだり、新しい料理に挑戦したり、音楽やスポーツを楽しんだり。どんな小さなことでも、好奇心を動かす時間は、脳の活性化にもつながると考えられています。
また、一人で静かに過ごす時間も大切です。散歩をしながらぼーっと考え事をしたり、カフェでノートを開いてこれからの人生を整理してみたり。そうした時間が、「自分はどう生きたいのか」を見つめ直すチャンスになってくれます。
ぼくも、ライザップで体づくりを始めてから、散歩やトレーニングの時間に「これからどんな生き方をしたいかな」と考えることが増えました。体を動かしながら未来を考えると、不思議と前向きなイメージが湧きやすい感じがします。
日常の小さな習慣で「自分らしさ」を守る
自分らしく生きるためには、特別なことだけでなく、毎日の小さな習慣が土台になります。ここでは、健康寿命の視点から見た「自分らしさを守る日常習慣」をいくつか挙げてみます。
1.「よく寝て、よく食べて、少し動く」をゆるくキープ
健康情報というと、つい難しい専門用語や細かい数値が気になってしまいがちですが、人生後半のぼくらにとっては、次の3つがうまく回っていれば、かなり上出来ではないかなと感じています。
- 夜にある程度まとまった睡眠をとること
- 極端なダイエットではなく、バランスのよい食事を心がけること
- まったく動かない日はなるべく減らし、「ちょっとだけでも体を動かす」日を増やすこと
睡眠や栄養、運動に関する詳しい情報は、厚生労働省の健康づくり関連ページなどでも紹介されていますが、すべてを完璧にこなす必要はないと思います。大切なのは、「自分にとって続けやすい形」にゆるくアレンジしていくことです。
2.朝と夜に「自分チェック」の時間をつくる
健康寿命を意識するようになってから、ぼくは朝と夜に簡単な“自分チェック”をするようになりました。難しいことではなく、次のようなことを心の中で確認するだけです。
- 朝:体のだるさ・痛み・気分の状態を軽くチェックする
- 夜:その日一日でうれしかったこと・感謝したいことを一つ思い出す
これを続けていると、「今日は少し疲れが強いから、無理を控えよう」「最近ちょっとイライラしやすいな」など、自分の状態に気づきやすくなります。健康寿命を守る第一歩は、自分の小さな変化に気づく力を磨くことなのかもしれません。
3.「やらないことリスト」で心と体のムダ遣いを減らす
人生後半は、「がんばること」よりも「がんばりすぎないこと」を決めるほうが、かえって健康寿命にプラスに働く場合もあります。例えば、こんな「やらないことリスト」を作ってみるのも一つのアイデアです。
- 寝不足のときに、無理なトレーニングをしない
- 疲れている日に、長時間の付き合い飲みを増やさない
- 自分を責めるためだけの体重チェックをしない
「やること」を増やすより、「やらないこと」を少しずつ手放していくほうが、心と体に余白が生まれやすくなります。その余白が、結果的に自分らしい生き方につながっていくように感じます。
不安と上手に付き合いながら、自分らしいゴールを描く
人生100年時代というと、どうしても「老後資金」「病気のリスク」「介護」など、不安なテーマも頭をよぎります。これらを完全に消し去ることはできませんが、不安と共存しながら、自分らしいゴールを描いていくことはできると思います。
「最悪のシナリオ」ではなく「現実的なシナリオ」を考える
将来のことを考えるとき、つい「一番悪いパターン」を想像してしまうことがあります。ただ、そればかり見つめていると、今の生活まで暗くなってしまいます。
そこでおすすめなのが、「現実的に起こりそうなシナリオ」をいくつか描いてみることです。
- 70代前半までは、今の仕事を少しペースダウンしながら続けていく
- その後は、体力と相談しつつ、週◯日くらいのペースで働くかボランティアをする
- 体がきつくなってきたら、住まいやサポート体制を少しずつ見直していく
こんなイメージをざっくり描いておくだけでも、「何も考えていない不安」からは少し離れられます。専門的な制度や介護サービスについては、市区町村の窓口や公式サイトなども頼りになります。例えば、
介護保険制度の情報(厚生労働省)
も参考になります。
「ひとりで抱えない」ことがいちばんの安心材料
健康・お金・家族のこと…。どれも大事なテーマですが、ひとりで全部抱え込むと、心がすり減ってしまいます。信頼できる家族や友人、専門家、地域の相談窓口など、少しずつ頼れる先を増やしていくことが、結果的に健康寿命の安心感にもつながっていきます。
人生100年の長い旅を考えると、「一緒に悩んでくれる人がいる」ことは、とても心強いことだと思います。
ぼくが「自分らしく生きる」を意識し始めたきっかけ
ここで少し、ぼく自身の話もさせてください。
ぼくはライザップに通いながら、体重を大きく落とし、体型も生活もかなり変わりました。トレーニングや食事管理を続けるなかで、「ただ痩せること」よりも、「これからどんな人生を歩きたいか」を考える時間がどんどん増えていきました。
トレーナーさんとの対話を通じて気づいたのは、「健康づくりは、理想の自分になるためだけではなく、自分らしく生きるための土台づくりなんだ」ということでした。例えば、好きな仕事を続けるため、家族との時間を楽しむため、行きたい場所に自分の足で行くため。そのために、筋肉や体力を育てておくイメージです。
ライザップでの詳しい体験や、33キロ減量(ブログ公開時点)に至るまでの紆余曲折は、こちらの記事にまとめています。
過去のぼくと同じように、「このままでいいのかな」とモヤモヤしながらも、どこかで変わりたいと思っている方のヒントになればうれしいです。
「今からでも間に合う」自分らしいゴールづくりのステップ
最後に、人生100年時代のゴールを“自分らしく”描くための、シンプルなステップをまとめます。紙とペン、あるいはスマホのメモがあれば、いつでもできる内容です。
ステップ1:過去をざっくり3つに分けて振り返る
まずは、これまでの人生をざっくり3つに分けてみます。
- 第1期:生まれてから社会人になるまで
- 第2期:仕事や子育て、家庭に全力だった時期
- 第3期:これから迎える、人生後半の時間
それぞれの時期について、こんなことを書き出してみると、自分らしさのヒントが見えてきます。
- 楽しかったこと・夢中になれたことは何か
- 大変だったけれど、今思えば成長につながった出来事は何か
- もう少し大切にしてあげればよかったと思うことは何か
ステップ2:これから10年、「こうありたい姿」を言葉にしてみる
次に、これから10年ぐらい先をイメージしてみます。細かい数値目標よりも、ざっくりとした“状態”で考えるのがおすすめです。
- 体:どれくらい動ける状態でいたいか(例:自分の足で旅行に行ける、階段を息切れせずに上れる など)
- 心:どんな気持ちで毎日を過ごしていたいか(例:小さな楽しみを見つけられる、あまりイライラせずにいられる など)
- 人間関係:どんな人たちと、どんな距離感でつながっていたいか
- 時間の使い方:仕事・家族・趣味・一人時間のバランスをどうしたいか
これらを一文にまとめて、「自分らしく生きる宣言」のような形にしてみるのもおすすめです。例えば、
「70歳になっても、自分の足で好きな街を歩き、家族や仲間と美味しいご飯を楽しみながら、好奇心を持ち続けて生きる」
こんなイメージが一つあるだけでも、日々の選択が少しずつ変わっていきます。
ステップ3:今日からできる「小さな一歩」を3つだけ決める
最後に、その宣言に近づくために、今日からできそうな「小さな一歩」を3つだけ書いてみます。
- 夜◯時以降はスマホを見ないで、睡眠の質を少し良くしてみる
- エスカレーターではなく、階段を使うタイミングを一日一回つくってみる
- 週に一度、「自分のためだけの時間」を30分だけ確保して、ノートに考えごとを書く
ポイントは、「これならできそう」と思えるレベルまで小さくすることです。続けるうちに、「もう少しやってみようかな」と自然に思えてきます。健康寿命も人生設計も、大きな一歩より、小さな一歩の積み重ねで変わっていくものだと感じています。
まとめ:人生100年時代のゴールは、自分で決めていい
人生100年時代と言われる今、多くの情報や価値観があふれています。「こう生きるべき」「このくらい貯めておくべき」「このくらい若々しくあるべき」…。そんな“べき論”に振り回されて、かえって疲れてしまうこともあるかもしれません。
でも、本当のゴールは、誰かが決めるものではなく、自分自身が「これが自分らしい」と思える生き方だと思います。
- 長く働き続けることが自分らしさなら、それを支える体と心を大事にする
- 家族との時間を何より大切にしたいなら、そのためのペース配分を工夫する
- 趣味や学び、ボランティアなどを通じて社会とゆるくつながるのも立派な生き方
健康寿命は、その「自分らしさ」を支える土台です。完璧を目指さなくても、今の生活を少しずつ整えていくことで、未来の自分が動ける時間はきっと変わっていきます。
ノートに「自分らしく生きる」と一行書いてみるところからでも、人生100年時代のゴールづくりは始められます。今日の小さな一歩が、10年後・20年後の自分へのプレゼントになってくれるはずです。

