【健康寿命】前向きに生きる人がやっている「心のストレッチ」

年齢を重ねてくると、「体のストレッチをしないと」「筋肉を落としたくない」といった体のケアには意識が向きやすくなりますよね。一方で、忙しさや心配ごとが続くと、気づかないうちに「心のほう」がガチガチにこり固まっていることも多いように感じます。
この記事では、健康寿命(元気に動ける時間)を伸ばすうえで大切な「心のストレッチ」について、人生後半の方にも取り入れやすい形でまとめてみました。前向きに生きている人が、日常の中でどんな工夫をして心をゆるめているのか、一緒にのぞいていきましょう。
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健康寿命と「心の柔らかさ」の関係
まず最初に、この記事でお伝えしたい「健康寿命」と「心」の関係を、軽く整理しておきます。
健康寿命は「元気に動ける期間」
健康寿命という言葉は、テレビや新聞でもよく見かけるようになりました。国の資料でも、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」といったイメージで説明されています。つまり、何歳まで生きるかという“長さ”だけでなく、「どれだけ元気に、自分らしく動けるか」という“質”に目を向けた指標ですね。
詳しく知りたい方は、厚生労働省のe-ヘルスネットにある「平均寿命と健康寿命」などの解説ページも参考になります。国レベルでも「健康寿命を伸ばすこと」が大きなテーマになっているようです。
心がこると、体も動きにくくなる
肩こりや腰の張りと同じように、心もこり固まると動きづらくなります。「また失敗するかも」「どうせ変わらない」といった言葉が頭の中でぐるぐるしていると、新しいことに一歩踏み出しにくくなりますよね。
すると、「運動を始めたいけど、今日はいいや」「散歩に行こうと思っていたのに、テレビの前から動けない」といったことも起こりやすくなります。体の健康習慣のスタートラインに立つ前に、心がブレーキをかけてしまうイメージです。
前向きな人は「自分の心をほぐす工夫」をしている
一方、前向きに生きている人を観察してみると、特別な性格だから明るいというよりも、「落ち込みそうなときの対処」が上手なことが多いように感じます。
- 考えが行き詰まったら、別の見方をしてみる
- きつい言葉を、少しやさしい言葉に言い換える
- モヤモヤをノートに書き出して整理する
- 一人で抱え込まず、誰かに話してみる
こうした小さな工夫が、いわば「心のストレッチ」。こり固まる前に、少しずつほぐしているイメージですね。
前向きな人がやっている5つの「心のストレッチ」
ここからは、具体的にどんな「心のストレッチ」があるのかを、5つのパターンに分けてご紹介します。すべてを一度にやる必要はありません。読んでみて「これは自分にも合いそうだな」と感じたものから、ゆるく試してみてください。
① 視点を少しずらすストレッチ:「べき」から「まぁいいか」へ
心がこりやすい人の口ぐせに、「〜すべき」「〜しないとダメだ」があります。もちろん責任感は大切ですが、「〜すべき」が増えすぎると、毎日が義務だらけになってしまいます。
そこで、前向きな人は意識的に次のような視点のストレッチをしています。
- 「毎日歩かないとダメ」→「今日は疲れたから、家の中で少し動けたら十分」
- 「人に迷惑をかけてはいけない」→「お互いさまだから、たまには助けてもらってもいい」
- 「いつも明るくしていないと」→「落ち込む日があっても、人として自然なこと」
考え方を180度変える必要はありません。硬くなりすぎたルールを、少し緩めてあげるイメージです。「〜すべき」を「〜できたらいいな」「〜できると楽だな」と言い換えるだけでも、心の圧力がスッと下がることがあります。
② 言葉をゆるめるストレッチ:自分への声かけを変える
同じ出来事でも、「どんな言葉を自分にかけるか」で気分は大きく変わります。前向きな人は、自分に厳しいダメ出しよりも、「次につながる声かけ」をすることが多いようです。
たとえば、予定していた運動をサボってしまった日の言葉。
- NG例:「またサボった。自分はダメだ」
- 心ストレッチの例:「今日は休息日だったんだな。明日、5分だけでも動けたらOKにしよう」
仕事でミスをしたときも、
- NG例:「もう年だからダメなんだ」
- 心ストレッチの例:「人間だからミスもある。次は同じミスをしないために、メモを見直してみよう」
大きな励ましの言葉でなくても、少しだけ肩の力を抜いてあげる言葉を選ぶことで、心の筋肉痛がやわらいでいきます。
③ 感情を書き出すストレッチ:ノートで頭の中を整理する
モヤモヤを頭の中だけで抱えていると、同じ考えがぐるぐる回って、ますます苦しくなることがあります。そんなとき、ノートやメモに「今の気持ち」をそのまま書き出すのも、立派な心のストレッチになります。
書き方は自由ですが、次のようなステップで試してみると、取りかかりやすいかもしれません。
- まず、「今感じていること」をそのまま書く(例:仕事のことで不安、明日の予定が重なって焦る、など)
- 次に、「本当はどうなっていたらラクか」を書いてみる
- 最後に、「今できる小さな一歩」を一つだけメモする
ポイントは、「きれいにまとめよう」と思わないこと。字が汚くても、文章になっていなくても大丈夫です。頭の中にたまった感情を、紙の上に移してあげることで、心のスペースに少し余裕が生まれます。
国のメンタルヘルス情報サイトでも、日常生活の中でできるセルフケアの一つとして「気持ちを言葉にする」「日記に書く」ことが紹介されています。こうした公的な情報も参考にしながら、自分なりの書き出し方を見つけていけると安心ですね。
④ 体を動かしながら気持ちもほぐすストレッチ
「心のストレッチ」と言うと、つい「考え方を変えなきゃ」と思ってしまいますが、体の動きから心にアプローチする方法もあります。深呼吸や軽いストレッチといった、シンプルな動きでも十分です。
例えば、次のような「心と体のセットストレッチ」は、私自身もよくやっています。
- イスに座ったまま、ゆっくり肩を回しながら3回深呼吸する
- 息を吐きながら、首を左右に軽く倒して首筋を伸ばす
- 両手を組んで前に伸ばし、「おつかれさま」と心の中で自分に声をかける
厚生労働省のサイトでも、日常のセルフケアとして「休養・睡眠・運動」など、体のケアが心の状態にも関係しているといった内容が紹介されています。専門的な運動でなくても、少し体を動かすことが心のリフレッシュにつながると言えそうですね。
⑤ 人と話して心を伸ばすストレッチ
どれだけセルフケアを意識していても、「さすがに一人では抱えきれない」と感じる時期は誰にでもあります。そういうとき、前向きな人ほど「誰かに話してみる」という選択をしています。
話す相手は、家族や友人でも良いですし、職場の同僚や昔の仲間でもかまいません。「近況報告をかねて、ちょっと聞いてほしいことがあるんだ」と電話やメッセージをしてみるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
また、各自治体や国では、心の健康に関する相談窓口や電話相談の情報も公開されています。たとえば、厚生労働省のサイトには「こころの健康相談統一ダイヤル」など、専門の相談窓口に関する案内ページがあります。つらさが長く続く場合は、こうした公的な窓口を頼ることも大事な「心のストレッチ」だと感じます。
日常に取り入れやすい「ミニ心ストレッチ」アイデア集
ここからは、忙しい毎日の中でも取り入れやすい「ミニ心ストレッチ」を、時間帯別にいくつかご紹介します。体のストレッチと同じで、短い時間でも「こまめにほぐしておく」ことが大切かなと感じています。
朝:一日のスタートを整えるストレッチ
- 「今日やれたらうれしいこと」を一つだけノートに書く
例:駅まで一駅分歩く/昼休みに外の空気を吸いに行く/夜、湯船につかる…など。大きな目標ではなく、「できたらちょっとうれしい」レベルのことにしておくのがコツです。 - 窓の外を見ながら3回深呼吸
天気が良くても悪くても、「今日の空はこんな感じか」と一度空を見上げてからスタートすると、心のスイッチが切り替わりやすくなります。 - 自分への一言メッセージを決める
「今日は7割できたら十分」「休憩を取りながらいこう」など、一日のテーマを一言決めておくと、途中で気持ちがぶれたときに戻りやすくなります。
昼:がんばりすぎている心を一度クールダウン
- スマホを見ない3分休憩
昼休みや隙間時間に、あえてスマホを見ない時間を3分だけ作ってみる。目を閉じる、遠くを見る、肩を回す…など、何もしない時間を入れるだけでも心の余白が生まれます。 - 「ここまでできたこと」に目を向ける
午前中にやったことを3つ箇条書きにしてみる。「メールを返信した」「洗濯物を干した」「銀行に行けた」など、小さなことも立派な成果です。 - 体を少しだけ大きく動かす
背伸びをする、肩甲骨を寄せるように腕を後ろに引く、立ち上がって太ももを少し伸ばすなど。「体を大きく動かすと、心も伸びる」とイメージしながら行うとより効果的です。
夜:一日の「心の疲れ」をため込まないストレッチ
- 一日の中で「うれしかったこと」を3つ思い出す
大きな出来事でなくても大丈夫です。「スーパーで好物が安かった」「孫からLINEが来た」「電車で席をゆずってもらった」など、ささやかな喜びを探す感覚で。 - 「今日はここまで」と区切る言葉を持つ
夜になると、あれもこれも気になって眠れなくなることがあります。「今日はここまで」「続きはまた明日」と声に出してみることで、心のスイッチがオフに切り替わりやすくなります。 - 寝る前の軽いストレッチ+深呼吸
ベッドや布団の上で、足首を回したり、両膝を抱えて腰を伸ばしたりしながら、ゆっくり深呼吸をしてみましょう。体をゆるめることで、心も「今日一日、おつかれさま」と終わりモードに入りやすくなります。
落ち込んだ日こそ「プラスを目指さない心ストレッチ」
ここまで読むと、「前向きになるための話だから、落ち込んだ日はできそうにない」と感じる方もいるかもしれません。ですが、心のストレッチは「気分を無理やりプラスにすること」ではないと、私は考えています。
大切なのは、「マイナスから、一気にプラスにジャンプしようとしない」こと。落ち込んでいるときは、まず「マイナス100からマイナス90くらいに戻す」ぐらいのイメージで十分です。
- 何もしたくない日は、「歯だけ磨けたらよし」とする
- 外に出る気力がない日は、窓を少し開けて外の空気を吸ってみる
- 誰とも話したくない日は、好きな音楽を1曲だけ聞く
こうした小さな行動も、立派な心のストレッチです。「こんなことでいいのかな」と感じるくらいのゆるさが、かえって長続きしやすいと感じています。
和久井が感じた「心のストレッチ」とボディメイクの関係
私自身、ライザップでボディメイクに取り組んだとき、いちばん苦戦したのは「体力」よりも「心の折れそうになる瞬間」でした。仕事で疲れている日や、体重がなかなか落ちない時期は、「もうやめてしまおうかな」という気持ちが何度も顔を出します。
そんなとき支えになったのが、「心のストレッチ」です。「今日は完璧にできなくてもいい」「1ミリでも前に進めば、それで合格」と自分に声をかけ直したり、トレーナーさんに気持ちを打ち明けて一緒に解決策を考えてもらったり。そうやって、固くなった心を少しずつ伸ばしていました。
ライザップでの詳しい体験は、こちらの記事にもまとめています。
この記事の中でもお伝えしていますが、「心の持ち方」が変わると、体の変化もついてきやすくなると感じています。逆に言えば、体のことだけを頑張ろうとすると、心が追いつかずに続けにくくなってしまうこともあるのかもしれません。
つらさが長く続くときは、一人で抱え込まないで
ここまで、日常的にできる「心のストレッチ」を中心にお話ししてきました。ただし、気分の落ち込みや不安、眠れない状態などが長く続く場合には、セルフケアだけで対応しようとせず、専門家に相談することも大切だと考えられています。
各自治体や国の機関では、心の健康に関する相談窓口や情報サイトを用意しています。たとえば、国立精神・神経医療研究センターが運営する「こころの情報サイト」では、こころの病気に関する情報や、相談先の案内などがまとめられています。また、厚生労働省のページでは「こころの健康相談統一ダイヤル」など、公的な相談窓口についても紹介されています。
「こんなことで相談してもいいのかな」と迷うときほど、早めに話を聞いてもらうことで、深刻になる前に対処できる場合もあるようです。心のストレッチは、自分でできることに加えて、「助けを求める勇気」も含めて考えていけると安心ですね。
今日からできる「心のストレッチ」の始め方
最後に、「何からやってみようかな」と感じた方に向けて、今日からでも取り入れやすいステップを簡単にまとめておきます。
- 一つだけ「やってみたい心ストレッチ」を選ぶ
視点を変える/言葉を変える/書き出す/体を動かす/人に話す…の中から、ピンときたものを一つだけ選びます。 - ハードルをできるだけ低くする
「毎日30分日記を書く」ではなく、「今日は3行だけ書いてみる」くらいに。続けられそうなラインまでグッと下げてみましょう。 - うまくできない日があっても、自分を責めない
できなかったことより、「やろうと思った自分」を認めてあげるイメージで。「また明日、気が向いたらやってみよう」で十分です。
心のストレッチは、誰かと競争するものではなく、「昨日の自分より、ほんの少しラクに生きられるようにするための習慣」だと思っています。人生の折り返し地点を過ぎたからこそ、自分の心を大切に扱う時間を増やしていけたら素敵ですよね。
健康寿命を伸ばすための取り組みは、運動や食事だけではありません。考え方や言葉の選び方、人とのつながり方など、「心の柔らかさ」を守ることも、同じくらい大事な土台になってくるのではないでしょうか。
今日のあなたの心が、少しでも伸びやかにほぐれていきますように。焦らず、自分のペースで、「心のストレッチ」を楽しんでみてくださいね。

