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健康寿命の新常識「ながら料理」ボディメイク

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はじめに:台所が「未来の自分」をつくる場所になる

40代、50代、60代と歳を重ねるほど、「ちゃんと運動しなきゃ」と思いながらも、仕事や家事で一日が終わってしまうことが増えていきます。ジムに通う時間も気力もなかなか取れない…という声を、僕もライザップに通う前によく口にしていました。

でもよく考えてみると、私たちは「まったく動いていない」わけではありません。買い物に行き、洗濯をし、料理を作り、片づけをする。その一つひとつが、実は立派な身体活動です。国の資料でも、歩行や家事などの日常生活の動きが、健康づくりに役立つとされています。

このページでは、そんな日常の中でも特に時間とエネルギーを使う「料理」をテーマに、台所時間をボディメイク時間にも変えていく「ながら料理」ボディメイクの考え方と具体的なコツをまとめました。寿命を延ばす話ではなく、「元気に動ける時間=健康寿命」を伸ばすための、小さな工夫として読んでいただけたらうれしいです。

「ながら料理」ボディメイクとは?

健康寿命を支えるのは「特別な運動」だけではない

健康情報を見ると、「週◯回の筋トレ」「一日◯分の有酸素運動」といった目安がよく出てきます。もちろん、こうした運動もとても大切です。ただ、現実には「そこまできっちり時間を取るのは難しい」という人も多いはずです。

国の身体活動の基準では、歩行などの3メッツ以上の活動だけでなく、家事などの3メッツ未満の生活活動も、1日の活動量を支える大事な要素と説明されています。料理・洗い物・掃除なども含めて、「一日トータルでどれくらい体を動かしたか」が、健康寿命を考えるうえではポイントになってきます。

つまり、「運動をする時間」だけでなく、「動いている時間」をどう増やすかも、人生後半の健康づくりには大事な視点になってきます。

家事は立派な「生活活動」という考え方

日本の資料では、身体活動の強さを表す単位として「メッツ(METs)」というものがよく使われます。安静に座っている状態を1メッツとし、それが何倍のエネルギー消費になるか、という目安です。

病院や自治体が公開しているメッツ表を見ると、料理や洗い物などの家事はだいたい2〜3メッツ程度とされています。つまり、「座ってテレビを見ている」よりも明らかにエネルギーを使う動きであり、立派な「運動寄りの家事」と言ってよさそうです。

具材を切る、フライパンを振る、鍋を運ぶ、食器を並べる、片づける…。台所は、実はかなり忙しく体を動かしている場所です。ここに少しだけ「ながら運動」を足してあげることで、ムリなく一日の活動量を底上げするのが、「ながら料理」ボディメイクのイメージです。

キッチンが「小さなジム」になる理由

キッチンをよく観察してみると、ジムで行うような要素がたくさん隠れています。

  • コンロの前やシンク前に立ち続ける → 下半身と体幹の筋持久力
  • 鍋やフライパンを持つ → 腕や肩まわりの筋力
  • 床から物を拾う、下の棚から鍋を取り出す → しゃがみ動作(スクワット系の動き)
  • 冷蔵庫とシンク、コンロを行き来する → 短い歩行の積み重ね

ここに安全な範囲で「足踏み」「かかと上げ」「軽いストレッチ」をプラスすると、キッチン全体が小さな「ながらジム」に変わっていきます。

料理しながらできる「ながら運動」アイデア集

ここからは、具体的な「ながら料理」アイデアを紹介します。どれも、特別な道具はいりません。あくまで“ついで”にできるレベルで、きつさを感じない範囲から試してみてください。

※持病がある方や、動くと痛みが出る場所がある場合は、ご自身の主治医や医療職からの指示を優先し、無理のない範囲で参考にしてください。

コンロ前で:静かな足踏み・かかと上げ

煮物やスープなど、コンロの前で「待つ時間」があるときにおすすめなのが、静かな足踏みやかかと上げです。

  • コンロから少しだけ距離を取り、安全な位置で立つ
  • 両足をそろえた状態から、左右交互に軽く足踏みをする
  • 慣れてきたら、かかとをゆっくり上げ下げして、ふくらはぎを意識する

ポイントは、「ドスドス踏み鳴らさない」「ゆっくり静かに」です。キッチンマットの上なら、足首やひざへの負担もやわらぎます。調味料を入れるときなど、手元に集中したいタイミングは、いったん動きを止めて大丈夫です。

電子レンジ・炊飯器を待つあいだに:肩・背中まわりをほぐす

電子レンジや炊飯器の「あと◯分」を、ただ立って待つだけにするのはもったいない時間です。そんなときは、肩や肩甲骨まわりをゆっくり動かしてみましょう。

  • 両肩をすっと持ち上げて、ストンと落とす動きを数回
  • 肩に指先を置き、ひじで大きな円を描くようにゆっくり回す
  • 胸の前で両手を組み、前方へ軽く伸ばして背中を丸める
  • 今度は肩の後ろで手を組み、胸をひらいて少しだけ上を見る

どれも、呼吸を止めずに「気持ちいい」と感じる範囲で行うのがコツです。肩まわりのこわばりがほぐれると、料理の姿勢も楽になりやすくなります。

シンク前で:かかと上げ+姿勢リセット

洗い物や食材を洗う時間は、どうしても猫背になりがちです。そのまま長時間続くと、首や腰がつらくなりやすいので、シンク前では「かかと上げ」と「姿勢リセット」をセットにするのもおすすめです。

  • シンクのふちに軽く手を添え、足を肩幅に開く
  • ゆっくりとかかとを上げ下げしながら、お腹とお尻を軽く締めるイメージを持つ
  • 数回続けたら、一度作業を止めて、胸をひらくように背すじを伸ばす
  • あごを少し引いて、首の後ろが伸びる感覚を味わう

シンクの高さに合わせて、少しひざを曲げて立つと腰への負担も減らせます。「洗い物◯枚につき、かかと上げ◯回」というように、遊び感覚で取り入れても楽しいです。

包丁を持たないタイミングで:ゆっくり体幹バランス

包丁や熱い鍋を扱っている間は、動きを足さないほうが安全です。そのかわり、盛り付けや食器を並べるタイミングなど、両手が自由なときに、ほんの少しだけバランス系の動きを入れてみましょう。

  • キッチンカウンターやテーブルに軽く手を添える
  • 片足に体重をのせ、もう片方の足を少しだけ浮かせてキープする
  • 不安定さを感じる場合は、つま先を床につけたままでもOK
  • 数秒キープできたら、反対の足にも同じように行う

大事なのは、「ぐらっとしたらすぐ足をつく」「少しでも怖さを感じたらやめる」ことです。短い時間でも、毎日続けることで、足首や体幹まわりの感覚が目覚めていきます。

調味料を量る・煮込み料理を見守る:呼吸と姿勢を整える時間に

「ながら運動」というと、どうしても“動き”を増やすイメージになりがちですが、呼吸や姿勢を整えることも立派なボディメイクです。

  • 調味料を量りながら、「吸う4秒・吐く6秒」くらいの、ゆっくりした呼吸を意識する
  • 鍋のそばで立つときは、両足で床を踏みしめ、背すじをふんわり伸ばす
  • 顔だけ下を向き続けないように、ときどき遠くを見る

こうした小さな意識づけが、首や肩の負担軽減や、気持ちの落ち着きにつながっていきます。

安全に続けるためのポイント

「ながら料理」は、あくまでも日常生活の延長として、安全第一で行うことが前提です。ここでは、そのためのポイントをいくつかまとめます。

  • 火や包丁を扱うときは、動きを足さない
    炒め物の最中や包丁での作業中は、「ながら運動」はお休みして、手元に集中したほうが安心です。
  • 足元を片づけてから行う
    床に調味料のボトルやまな板、コード類などが出ていると、つまずきの原因になります。動く前に、足元の安全を確認してから始めましょう。
  • 滑りにくい靴やスリッパを選ぶ
    フローリングの場合、滑りやすいスリッパだと転倒リスクが高まります。裏が滑りにくいものや、素足・靴下のほうが安心な場合もあります。
  • 痛みが出たらすぐ中止する
    ひざ・腰・足首などに違和感が出たら、その日の「ながら運動」はやめて様子を見てください。長く続く痛みがあるときは、自己判断だけで無理を重ねず、医療機関などの専門家に相談することも大切です。
  • 頑張りすぎない
    汗だくになるまでやる必要はまったくありません。「ちょっと体が温まったかな?」くらいで止めておくほうが、翌日も続けやすくなります。

「ながら料理」で期待できるうれしい変化

血行が良くなり、こり・冷え対策にもつながる

足踏みやかかと上げ、肩回しなどの軽い動きでも、筋肉はきちんと働きます。血流がよくなることで、首や肩のこり、足先の冷えがいくらか和らいだと感じる人もいます。強い運動ではなくても、「同じ姿勢でじっとしている時間を減らす」ことが、健康寿命の土台づくりにつながっていきます。

食べすぎ防止・ゆっくり食べるきっかけになる

料理中に体を少し動かしたり、呼吸を意識したりしていると、「お腹の空き具合」や「今の体の状態」に目が向きやすくなります。すると、

  • 味見のしすぎに気づきやすくなる
  • 「今日はちょっと重たいかも」と量を調整しやすくなる
  • 完成した料理も、ゆっくり味わって食べようという気持ちになりやすい

という変化が起きてきます。結果として、カロリーのとりすぎを防ぎやすくなったり、胃腸への負担を減らしたりすることにもつながっていきます。

気分転換になり、台所仕事のストレスが軽くなる

軽い運動には、ストレスの軽減や気分転換の効果が期待できるとされています。料理を「やらなきゃいけない家事」から、「ついでに体もスッキリする時間」と捉え直せると、気持ちの負担も少し軽くなります。

僕自身も、疲れているときほど、キッチンで肩回しや深呼吸をすると、頭の中が整理されてくる感覚があります。大げさな運動ではなくても、「体を通じて気分を切り替える」ことが、人生後半のメンタルケアにもつながっていくのだと思います。

僕自身の経験:忙しい時間を「体づくりタイム」に変えてきた

ライザップに通っていた頃、仕事と家事のあいだで、どうしても運動時間をひねり出す必要がありました。そんなときに意識していたのが、

  • 通勤の行き帰りは「歩くトレーニング」
  • エレベーターより階段
  • 自宅では、料理中や歯みがき中のちょい運動

という、「何かのついでに体を動かす」工夫です。がっつりトレーニングをしたのはジムの時間だけですが、こうした“ながらの積み重ね”も、結果として体づくりを支えてくれたと感じています。

僕が53歳から始めて33キロ減までの道のりや、仕事・家事と両立しながら続けてきた工夫は、ライザップ体験記ブログ(33キロ減)にも詳しく書いています。「時間がない」「家事でヘトヘト」という方ほど、ながら料理のような小さな工夫が力になってくると思っています。

「ながら料理」を習慣にする3ステップ

ここからは、「やり方は分かったけれど、続けられるか不安」という方向けに、習慣化のヒントを3つに絞ってお伝えします。

ステップ1:やる場面を一つだけ決める

まずは、「夕飯の味噌汁を煮ている間だけ」「朝のコーヒーを淹れている間だけ」など、一つの場面に絞るのがおすすめです。

  • 夕飯づくりの最初にお湯を沸かす間に足踏みをする
  • レンジで温めている2〜3分のあいだだけ肩回しをする
  • 洗い物を始める前の10秒だけ、姿勢リセットをする

「いつやるか」がはっきりしているほど、続けやすくなります。最初からあれもこれもと増やすより、「ここだけは毎日やる」というポイントを一つ決めてしまいましょう。

ステップ2:動きは“1種類だけ”にする

つい欲張って、「足踏みも、かかと上げも、ストレッチも…」と増やしたくなりますが、最初のうちは1種類に絞ったほうが成功しやすいです。

例えば、

  • コンロ前では「静かな足踏みだけ」
  • レンジ待ちの時間は「肩回しだけ」
  • シンク前は「かかと上げだけ」

というように決めておけば、「今日はどれをやろう?」と迷う必要がありません。慣れてきたら、気分に合わせて入れ替えたり、少しずつ組み合わせを増やしていけば十分です。

ステップ3:「今日もできた」を意識して、静かに自分をほめる

健康寿命のための習慣は、「続けられるかどうか」が一番大きなポイントです。たとえ1分でも、1回でも、「今日もやれた」という小さな成功を自分でちゃんと認めてあげることが、次の日のやる気につながります。

スマホのメモに「◎」「△」などの印をつける、カレンダーに丸をつけるなど、見える形にしておくのもおすすめです。たまに振り返ったとき、「けっこう続いているな」と気づけると、自信にもなっていきます。

心・人間関係・生き方にも広がるキッチン習慣

ながら料理ボディメイクは、単にカロリー消費や筋力アップだけの話ではありません。台所での過ごし方が、心や人間関係にもじわじわと影響していきます。

  • 体がほぐれているときのほうが、家族との会話もやわらかくなる
  • 「せっかく動いたから、夜更かしはやめて早めに寝よう」と思える
  • 「将来もこのキッチンで料理していたい」というイメージが、健康づくりのモチベーションになる

人生の後半は、「どう生きたいか」「どんなふうに歳を重ねたいか」を考える時間が増えていきます。そのときに、日々の台所時間が、自分や家族の未来と静かにつながっていると感じられると、同じ家事でも少し違って見えてきます。

おわりに:今日の一品から、未来の自分へのプレゼント

ながら料理ボディメイクは、特別な道具も、難しいルールもいりません。

  • いつもの料理の時間に、ほんの少し動きを足してみる
  • 安全第一で、気持ちよく感じる範囲にとどめる
  • できた日には、「今日も一歩、未来の自分のために動けた」と静かにほめる

それだけでも、一日一日が少しずつ変わっていきます。健康寿命は、派手なことではなく、こうした「地味だけれど気持ちのいい習慣」の積み重ねで育っていくのではないかと感じています。

今日の一品を作るその時間が、数年後・数十年後のあなたの元気さを支えるかもしれません。ピッタリのやり方でなくても大丈夫です。キッチンの中で、「自分なりのながら料理ボディメイク」を、ゆっくり育てていきましょう。

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