【健康寿命】人生の後半を“挑戦期”に変える考え方

40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、「そろそろ守りに入ったほうがいいのかな」と感じる場面が増えてくるかもしれません。仕事も一段落して、体力も若いころとは違う。つい、「人生の後半=守りの時期」というイメージで自分を小さくまとめてしまいがちです。
一方で、心のどこかでは、
- 本当はもう一度、何かに本気で挑戦してみたい
- 若いころに諦めたことを、もう一度やってみたい
- 残りの人生を「消化試合」にしたくない
そんな思いも、静かにくすぶっているのではないでしょうか。
この記事では、人生の後半を「守り」だけで終わらせず、第二のスタート=“挑戦期”として楽しむための考え方をまとめました。激しいスポーツや極端なダイエットをすすめるわけではなく、健康寿命(元気に動ける時間)を大切にしながら、無理なくチャレンジしていくためのヒントをお届けします。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
人生の後半を「守りの時期」と決めつけない
「もう遅い」は事実ではなく“気持ちの言葉”
「この年齢から新しいことなんて」「若い人の世界だから」──そんな言葉が口ぐせになっているとしたら、それは事実というより“気持ち”の表現かもしれません。
たとえば、60代でランニングを始めてフルマラソン完走を目指すのは、確かに多くの人にとってハードルが高いチャレンジです。でも、「近所の公園をゆっくり1周歩く」「オンライン講座で英会話を学び直す」「週に1回だけ、筋トレの時間をつくる」──このくらいの挑戦なら、体力レベルに合わせて十分に工夫の余地があります。
つまり、「もう遅い」ではなく、「どういう形なら今からでも楽しめるか」を考えてみることが大切です。人生の後半は、10代・20代のように時間も体力も無限ではありませんが、その分だけ経験と知恵があります。衝動的な無茶ではなく、“戦略的なチャレンジ”に切り替えられるのが、人生後半の強みだと感じています。
「人生100年時代」は、後半がとても長い
日本は世界でもトップクラスの長寿国と言われています。内閣府の「高齢社会白書」でも、平均寿命や高齢者の就業率、生きがいを持って暮らす重要性などが繰り返し紹介されています(詳しくは内閣府「高齢社会白書」も参考にしてください)。
「人生100年」と考えると、50代はちょうど折り返し地点、60代・70代もまだまだ長い時間があります。ここからの20年・30年を、「なるべく何も起こらないように過ごす」のか、「小さな挑戦を積み重ねる時間にする」のか。同じ年数でも、過ごし方で心と体の状態は大きく変わってくるように思います。
ここでいう挑戦は、何も大きな目標である必要はありません。
- 毎朝の散歩コースを変えてみる
- 新しい趣味のサークルに顔を出してみる
- オンラインで勉強会や講座に参加してみる
こうした小さな一歩でも、「自分で選んで動いた」という感覚が、健康寿命の土台になる行動力や前向きさにつながっていくように感じます。
挑戦が「健康寿命」にとってプラスになる理由
社会参加が、自立した生活を支えると言われている
「挑戦」というとスポーツや仕事をイメージしがちですが、実は「人とのつながり」も大きな挑戦のひとつです。新しいコミュニティに参加するのは、誰にとっても少し勇気がいりますよね。
日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを紹介する国内サイトでは、社会参加している高齢者は、最後まで自立した生活を送れる可能性が高いという傾向が報告されています(くわしくは、東京都健康長寿医療センター研究所の研究を紹介しているこちらの記事なども参考にしてください)。
もちろん、これは統計上の傾向であって、個人の健康状態を保証するものではありません。それでも、
- 誰かと一緒に活動することで、外出や会話の機会が増える
- 役割を持つことで、「必要とされている」という感覚が生まれる
- 気持ちが前向きになることで、生活全体が少しずつアクティブになる
こうした流れが、結果的に健康寿命を支えてくれるのではないか、と考える専門家も多いようです。
体を動かす“チャレンジ”は、無理のない範囲からでじゅうぶん
厚生労働省が公表している「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(アクティブガイド2023)」では、高齢者も含めた身体活動・運動の目安が紹介されています(厚生労働省のページも参考にしてください)。
内容は専門的なのでここでは詳しく触れませんが、簡単に言うと、
- ウォーキングなど、少し息が弾む程度の活動を毎日少しずつ積み重ねる
- できる範囲で、筋力やバランス感覚を保つような動きを取り入れていく
- 座りっぱなしの時間を長くしすぎないように意識する
といったポイントが大切だとされています。
ここで大事なのは、「ガイドラインどおりにできなければ意味がない」わけではないことです。厚生労働省の資料でも、「少しでも身体活動を行うことが望ましい」といった表現が使われていて、「やれる範囲から始める」姿勢が重視されているように感じます。
人生後半の挑戦は、フルマラソンや過酷な登山である必要はありません。「昨日より10分長く歩いてみた」「エレベーターではなく階段を1階ぶんだけ使った」。こうした小さなチャレンジも立派な一歩です。
安全に楽しむ“人生後半の挑戦”の選び方
① 「体への負担」と「ワクワク感」のバランスで選ぶ
人生後半の挑戦を考えるとき、まず意識したいのが「体への負担」と「ワクワク感」のバランスです。
たとえば、
- 体への負担が大きく、ワクワクも大きい挑戦(海外旅行、山登りなど)
- 体の負担は小さいが、ワクワクもあまりない挑戦(興味のない資格勉強など)
このどちらかだけに偏ると、長く続けるのが難しくなります。おすすめなのは、
- 体の負担は「ちょっと頑張ればできる」くらい
- ワクワク感は「少しドキドキして楽しみ」くらい
という、中くらいのチャレンジを複数持つことです。
たとえば、
- 月に1回、初めての街を歩く「探検ウォーキング」をする
- オンラインの生涯学習講座で興味のあるテーマを1つだけ受講する
- 週末だけ、簡単な自重トレーニングを3種目だけやってみる
このくらいのレベルなら、体力や持病と相談しながら調整もしやすくなります。
② お金をかけない・競わないチャレンジから始める
人生後半の挑戦というと、「退職金を使って起業」「大きな投資」などのイメージもあるかもしれません。しかし、健康寿命を考えると、まずはお金をかけない・競わないチャレンジから始めるほうが安心です。
具体的には、
- 市区町村が主催する健康教室やウォーキングイベントに参加してみる
- 地域の公民館講座・図書館イベント・ボランティア活動に顔を出してみる
- オンラインの無料講座や動画をきっかけに、ストレッチや軽い筋トレを試してみる
自治体や公的機関が提供している生涯学習や健康づくりのプログラムは、費用も安く、内容も安全性に配慮されているものが多いとされています。文部科学省の生涯学習関連情報なども、参考情報としてチェックしてみると、学び直しのヒントが見つかりやすくなります。
「チャレンジ=大きな投資」ではなく、「チャレンジ=自分への小さなプレゼント」くらいの感覚で始めてみると、心にもお財布にも優しいスタートが切れます。
③ 家族や仲間を巻き込むと続きやすくなる
一人で黙々と続ける挑戦も悪くありませんが、人生後半は「人を巻き込む挑戦」が健康寿命の面でもおすすめです。
たとえば、
- 夫婦で一緒に「月1回の新しいお店を開拓する日」をつくる
- 友人とオンライン上で「歩数を報告し合うグループ」をつくる
- 孫と一緒にできる遊びや運動を、自分から提案してみる
誰かと一緒に取り組むと、
- 約束があることでサボりにくくなる
- 会話や笑いが増え、ストレス解消にもつながる
- 「一緒に頑張った」という思い出が、心の支えになる
といったメリットが生まれます。挑戦の中身だけでなく、その挑戦を通じてどんな人間関係を育てたいかも、人生後半では大切な視点だと思います。
「学び直し」と「小さなプロジェクト」で脳を刺激する
人生後半こそ、“学び直し”が楽しくなる
文部科学省は、人生100年時代に向けて、生涯を通じた学び直し(リカレント教育)の重要性を紹介しています(学び直しについてのページも参考にしてください)。
若いころの勉強は、受験や資格取得など「やらされている感」が強かった方も多いかもしれません。しかし、人生後半の学び直しは、
- 興味のある分野を、自分のペースで選べる
- 成績よりも、「人生を豊かにするヒント」が目的になる
- 同じテーマに興味を持つ仲間と出会える
といった特徴があります。健康寿命の観点からも、新しい知識に触れたり、人と会話したりすることが脳への刺激になると考えられています。
難しい学問でなくても構いません。料理、歴史、園芸、写真、パソコン、スマホの使い方…。「前から気になっていたけれど、ゆっくり学ぶ時間がなかったこと」に、人生後半で改めて取り組むこと自体が、立派な挑戦です。
自分でテーマを決める“マイ・プロジェクト”のすすめ
もう一つおすすめなのが、自分でテーマを決める「マイ・プロジェクト」です。難しく考える必要はありません。
たとえば、
- 「1年間で、近所の公園10か所を歩いて制覇する」
- 「孫の成長アルバムを、写真とコメント付きで1冊つくる」
- 「地域のイベントで、年に2回はボランティアスタッフとして参加する」
このように、少しだけ自分をワクワクさせるテーマを設定し、ノートやスマホに記録していくだけでも十分です。
記録を残すと、
- 「続けている自分」を実感しやすくなる
- 振り返ったときに、自分の成長や変化に気づきやすい
- 小さな達成感が積み重なり、自己肯定感がじわじわと高まる
といった効果が期待できます。これは医療的な効果というより、心の健康を支える“自分との対話”に近いイメージです。
体力と相談しながら挑戦するためのチェックポイント
主治医に相談しておきたいケース
ここまで「挑戦」の大切さをお話ししてきましたが、健康状態とのバランスを取ることはとても大切です。特に、以下のような場合は、無理をする前に一度、主治医や専門職に相談しておくと安心です。
- 心臓病や糖尿病、高血圧などの持病があり、薬を飲んでいる
- ここ数か月で体調の変化(動悸、息切れ、めまい、ふらつきなど)を感じている
- しばらく運動習慣がなく、いきなり負荷の大きい活動を始めようとしている
自治体の健康相談窓口や、かかりつけ医、看護師さん、理学療法士さんなどは、「どの程度の活動なら安全か」「どんな運動は避けたほうがよいか」の目安を一緒に考えてくれる心強い味方です。
また、厚生労働省のアクティブガイドでも、運動を安全に行うためのポイントがまとめられていますので、国の資料として参考にしてみてください。
「休む勇気」も挑戦の一部と考える
挑戦という言葉を聞くと、「休んではいけない」「頑張り続けなければ」と感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、人生後半の挑戦においては、「休む勇気」も大事なスキルだと私は思っています。
たとえば、
- 今日は体が重いので、ウォーキングをストレッチに切り替える
- イベント続きで疲れが溜まっているので、1週間だけ予定を減らす
- どうしても気持ちが乗らない日は、あえて何もしないことを選ぶ
こうした調整は、「怠け」ではなく、自分の体を大事にするためのセルフマネジメントです。長く続けるほど、休み方も含めて自分なりのペースが見えてきます。
健康寿命を考えるうえでは、「頑張り続けること」以上に、「壊さないように続けること」が大切です。挑戦と休息をセットで考えることで、結果的に長く楽しめる挑戦期になっていきます。
私自身の“人生後半の挑戦期”とライザップ体験
ここからは、少しだけ私自身の話をさせてください。
私は、54歳のときに高血圧の状態で、思い切ってライザップに通うことを決めました。仕事もそれなりに忙しく、「この年齢から本気のボディメイクなんて無理じゃないか」と不安もたくさんありましたが、「人生の後半を守りだけで終わらせたくない」という思いが、背中を押してくれました。
そのときの減量期の全記録は、同じように悩んでいる方の参考になればと思い、『ライザップ・高血圧オヤジ54歳の挑戦※減量期の全記録!』としてブログにまとめています。数字や結果には個人差がありますが、「人生後半でも、工夫しながら挑戦を楽しめる」という一例として読んでいただけたらうれしいです。
ライザップでの体験を通じて感じたのは、
- 体を動かす挑戦は、メンタルの挑戦でもあること
- 一人で頑張るより、プロや仲間に支えてもらうほうが続きやすいこと
- 何より、「自分はまだ変われる」と感じられること自体が、人生後半の大きな財産になること
という点でした。
もちろん、ライザップのようなジムに通うかどうかは、人それぞれの考え方や経済状況によって違います。ただ、「今の自分のままでもう十分」と思える人にも、「もう少しだけ、自分の可能性を試してみたい」と感じる人にも、挑戦の形は必ずあると実感しています。
今日からできる、“挑戦期”への小さな一歩アイデア
ここまで読んでくださった方に向けて、無理なく始められる「挑戦期の一歩」を、いくつか具体的にまとめてみました。どれも、体力や持病と相談しながら、できる範囲で試してみてくださいね。
1. 「週に1回だけ、新しいことをやってみる日」をつくる
毎日変化をつくるのは大変ですが、週1回だけ「挑戦デー」を決めるなら、かなり現実的になります。
- 初めての道を散歩する
- 入ったことのない喫茶店に行ってみる
- YouTubeで初めて見るジャンルの動画を一本だけ観る
内容は本当にささやかでかまいません。「いつもと違うことを、ちょっとだけやってみる」ことで、脳も心もふわっと刺激されます。
2. 「人生後半にやりたいことリスト」を10個だけ書いてみる
ノートやスマホに、「人生後半にやってみたいこと」を10個だけ書き出してみましょう。
旅行でも、趣味でも、人間関係でも、「こんなふうに過ごせたらいいな」というイメージでOKです。ポイントは、
- 実現できるかどうかより、「今わくわくするかどうか」で選ぶ
- 読み返しながら、優先したいものに丸を付けていく
このリストがあるだけでも、日々の選択が少しずつ変わってきます。健康寿命を意識したい場合は、「体を動かす」「人と関わる」「頭を使う」要素がバランスよく入ると、より安心です。
3. 市区町村の広報紙・ホームページを眺めてみる
意外と侮れないのが、市区町村の広報紙や公式サイトです。健康教室や歩こう会、生涯学習講座、ボランティア募集など、人生後半の挑戦にぴったりの情報がたくさん載っていることがあります。
自治体の取り組みは、国や都道府県の方針と連携していることが多く、安全性や継続性にも配慮されています。「知らなかっただけで、実は家の近くにこんな場所があったのか」と驚く方も少なくありません。
まとめ:人生の後半こそ、「結果」より「プロセス」を味わう時間
最後に、この記事のポイントを簡単に振り返ってみます。
- 人生の後半を「守りの時期」と決めつける必要はなく、第二のスタート=挑戦期として捉える視点もある
- 挑戦は大きなものでなくてもよく、社会参加や学び直し、日常の小さな変化も立派なチャレンジ
- 健康寿命を意識するなら、体力や持病と相談しながら、無理のない範囲で体を動かすことが大切
- 市区町村や国の生涯学習・健康づくりの情報も、安心して挑戦するためのヒントになる
- 休む勇気やペース配分も含めて、「壊さない挑戦」を続けていくことが、人生後半の楽しさにつながる
人生の前半は、「結果」を求められる場面が多かったかもしれません。仕事の成績、家族のための役割、数字で測られる評価…。しかし人生の後半は、「どんなプロセスで過ごしたか」が、そのまま自分自身の満足度や幸福感になっていくように感じます。
今日の一歩は、どんな小さな一歩でも大丈夫です。少しだけ好奇心に従って、心が動いた方向へ足を踏み出してみる。その積み重ねが、人生の後半を“挑戦期”に変え、健康寿命を支えるエネルギーになっていきます。
「今からでも、遅くないかな…?」と迷ったときは、ぜひこの記事を思い出してみてください。私もまだまだ、人生後半の挑戦期を楽しんでいる途中です。一緒に、ゆっくり進んでいきましょう。

