【健康寿命】筋トレ中に絶対やってはいけない3つのミス

40代を過ぎてから筋トレを始めると、「この動きで合っているのかな?」「ちょっと痛いけど、我慢したほうが効きそう」と、不安と迷いがセットでついてくることが多いように感じます。
私自身、ライザップに通い始めた50代のころは、トレーナーにフォームを直されてばかりでした。「それを続けると、いつかどこかを痛めますよ」と言われ、ヒヤッとしたことも一度や二度ではありません。
筋トレは、うまく付き合えば筋力アップや姿勢の改善につながり、健康寿命をぐっと支えてくれる心強い味方です。ところが、やり方を間違えると、関節の痛みやケガにつながり、「もう筋トレはこりごりだ」となってしまうこともあります。
ここでは、私がこれまでのボディメイク体験や、公的機関の情報を参考にしながら、「筋トレ中に絶対やってほしくない3つのミス」と、その代わりに意識したいポイントをまとめました。
・最近、自己流で筋トレをしている
・昔のクセのままトレーニングを続けている
・痛みや違和感をごまかしながら運動している
こんな方ほど、一度ゆっくり読み直していただけたらうれしいです。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
ミスその1:息を止めたまま力む
「息をこらえるクセ」は、中高年にはリスクが大きい
重い物を持ち上げるとき、人は自然と「グッ」と息を止めて力を入れがちです。
若いころはそれでも大きなトラブルにならなかったかもしれませんが、40代・50代以降では、血圧が一気に上がったり、気分が悪くなったりするリスクが高まると考えられています。
厚生労働省が出している筋力トレーニングの資料でも、筋トレ中は「息をこらえないように注意する」ことが示されています。これは、呼吸を止めることで血圧が急上昇しやすくなるためとされています。
とくに高血圧気味の方や、血管の状態が気になる年代にとっては、できるだけ避けたいクセです。
「吸って、吐いて」をセットで覚えるとラクになる
では、どんな呼吸を意識すればいいのでしょうか。
完璧を目指す必要はありませんが、次のようなシンプルなルールを知っておくだけでも、ずいぶん楽になります。
- 力を入れるとき(持ち上げる・押す・立ち上がるとき)に息を吐く
- 力を抜くとき(戻す・下ろす・座るとき)に息を吸う
- どちらのタイミングでもよいので、「フーッ」と声が出るくらいゆっくり吐くことを意識する
例えば、椅子から立ち上がるスクワットの動きなら、
「しゃがむときに鼻からスッと吸う → 立ち上がるときに口からフーッと吐く」
この繰り返しだけでも、体のこわばりが減り、動きもスムーズになります。
呼吸が苦しくなったら、いつでも一度立ち止まっていい
筋トレに慣れていないころは、「呼吸もフォームも全部意識しないと」とがんばりすぎて、頭が真っ白になってしまうことがあります。
そんなときは、無理に続ける必要はありません。一度動きを止めて、足を肩幅に開き、背すじを軽く伸ばして、ゆっくり2〜3回深呼吸してみてください。
「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど、息をこらえてしまう方も多いので、「苦しくなったら休憩するのもトレーニングのうち」と考えておくと気持ちがラクになります。
ミスその2:反動と勢いで動かしてしまう
大きく動いているのに、実は筋肉に効いていない
ジムで周りを見ていると、ダンベルをブンブン振り回すように動かしている方を見かけることがあります。
ご本人は「大きく動かしているから効きそう」と感じているかもしれませんが、実際には重さの勢い(慣性)が働いてしまい、狙った筋肉にはそれほど力が入っていないこともあります。
さらに、勢いに任せた動きは、腰・ひざ・肩などの関節に負担が集中しやすく、ケガにつながるリスクも高くなります。
スポーツ庁の資料でも、腰痛予防には体幹や下半身の安定性を高めるトレーニングが勧められていて、コントロールできる範囲で動かすことの重要性が触れられています。
「3秒で上げて、3秒で下ろす」くらいのイメージで
反動を使わないためのいちばんシンプルなコツは、「ゆっくり動かす」ことです。
気持ちとしては、
- 重りを上げる(または体を持ち上げる)ときに3秒数える
- 元の位置に戻すときにも3秒数える
このくらいのテンポを意識してみると、「あれ、軽い重さなのに意外ときついぞ」と感じるはずです。
それは、勢いではなく筋肉そのものにしっかり負荷がかかっているサインでもあります。
また、動かしている最中に姿勢がグラグラしたり、顔がゆがむほど力んでしまうときは、「今の重さや回数は少し欲張りすぎかも」と一度見直してみるのがおすすめです。
関節にやさしい「可動域」の考え方
反動を使ってしまうもうひとつの理由は、「大きく動かしたほうがいい」と思い込みすぎていることです。
もちろん、十分な可動域(動かせる範囲)を使うことは大切ですが、痛みや不安が出るところまで動かす必要はありません。
とくに中高年の筋トレでは、
- ひざが不安なら、しゃがみ込まず「椅子から立ち上がる高さ」くらいで止める
- 肩が心配なら、腕を耳の横まで上げるのではなく、胸の前くらいまでにしておく
といったように、「今の自分が安心して動かせる範囲」を選ぶことが、長く続けるためにはとても大事です。
ミスその3:痛みを我慢して続けてしまう
「筋肉痛」と「関節の痛み」は、性質がちがう
筋トレをすると、翌日や翌々日に筋肉痛が出ることがあります。これは、筋肉に軽いダメージが起き、修復される過程で感じる痛みと考えられています。
一方で、トレーニング中から関節そのものがズキッと痛む場合や、同じ場所の痛みが何日も引かない場合は、無理を続けているサインかもしれません。
新潟県の啓発資料では、筋トレ後の痛みが1週間程度続く場合や、関節に痛みが出る場合には、専門家に相談することがすすめられています。これは、「我慢して動かし続けるより、早めに立ち止まったほうが結果的に回復も早い」という考え方に基づいています。
「痛みの種類」を見分ける、3つの目安
完全に医学的に区別することは難しいのですが、日常の目安として、次のようなポイントを意識してみてください。
- 筋肉痛は、広い範囲が「じんじん」「重だるい」と感じることが多い
- 関節の痛みは、ひざ・肩・腰など、ピンポイントで「ズキッ」「チクッ」とすることが多い
- 関節の痛みは、階段の上り下りや、荷物を持ち上げるなど、日常動作でも続きやすい
これらに当てはまるからといって、必ずしも大きな病気というわけではありませんが、「いつもと違うな」と感じた時点で、負荷を減らしたり一度お休みを挟んだりするのが安心です。
我慢しないことは、「自分の体を信頼する」こと
とくに真面目な方ほど、「せっかく始めた筋トレだから、多少の痛みはがまんしないと」と考えがちです。
でも、長い目で見ると、その我慢が健康寿命を縮めてしまう可能性もあります。
私自身、トレーニング中にひざに違和感を覚えたとき、トレーナーにすぐ相談したおかげで、フォームを見直すきっかけになりました。結果的に、「痛みなくしゃがめる範囲」を覚え、以前より動きやすくなりました。
痛みを早めに伝えることは、「弱音」ではなく、「自分の体を大事に扱っている証拠」だと考えていただけたらと思います。
気になる痛みが続く場合や、持病がある場合は、運動を続けてよいかどうかを、かかりつけ医などに相談して確認しておきましょう。
ミスを減らすための「準備」と「片づけ」も大切な時間
準備運動は、「スイッチをゆっくり入れる時間」
筋トレのミスを減らすうえで、意外と大事なのが準備運動と整理運動です。
厚生労働省の「健康づくりのための運動指針」では、ストレッチなどの準備運動によって、運動中のケガや痛みを減らせる可能性があるとされています。
難しいことをする必要はありません。
トレーニング前に3〜5分ほどかけて、
- 肩を大きく回す
- 首をゆっくり回す
- 太ももの前後を軽く伸ばす
- 足首を回す
といったシンプルな動きで、関節まわりに「これから動きますよ」と合図を送ってあげるイメージです。
その間に呼吸も整うので、「息を止めない」という今日のテーマにもつながっていきます。
整理運動は、「今日もよく動いたな」と体に伝える時間
トレーニングが終わったあと、すぐに椅子やソファにどさっと座ってしまうと、筋肉がガチガチに固まりやすくなります。
最後に1〜2分だけでいいので、
- 大きく3回深呼吸
- 腕や脚をやさしくさする
- 使った部位(太もも・背中・おしりなど)を軽く伸ばす
といった「片づけ」の時間をとっておくと、翌日の体の重さが変わってきます。
整理運動は、テレビを見ながらでもできるので、自分なりの小さなルーティンを決めておくと続けやすくなります。
安全に筋トレを続けるための「3つの合言葉」
ここまで、筋トレ中に避けたい3つのミスを見てきました。
内容をまとめると、次のような「3つの合言葉」に落とし込むことができます。
- 息を止めない(フーッと吐きながら動く)
- 勢いに任せない(3秒で上げて3秒で下ろすイメージ)
- 痛みを我慢しない(違和感が出たら、いつでも立ち止まる)
どれも特別な道具はいりませんし、今日のトレーニングからさっそく取り入れられるものばかりです。
すべてを完璧に守る必要はありませんが、「あ、今ちょっと息をこらえていたな」「今日は関節が不安だから、反動を使わない範囲で」と、自分で気づけるようになると、体との付き合い方がぐっとやさしくなります。
中高年の筋トレは「競争」ではなく、「自分との対話」
若いころの記憶を、いったん横に置いてみる
同窓会などで昔の話をすると、「若いころはベンチプレス何キロ上げていた」なんて話題が出ることもあるかもしれません。
その記憶が悪いわけではありませんが、40代・50代・60代の体は、当時とは状態が変わっています。
中高年の筋トレは、過去の自分を追いかける競争ではなく、今の自分の体と仲良くなる作業に近いと感じています。
「今日はこれくらい動けば十分」「この重さなら気持ちよく続けられる」といった感覚を育てていくと、トレーニングがぐっと長続きします。
ひとりで抱え込まないために、プロの手を借りる選択肢も
フォームのミスや負荷のかけ方に不安があるときは、スポーツジムのトレーナーや、運動指導に詳しい専門家に見てもらうのも一つの方法です。
私自身、ライザップでトレーナーについてもらったことで、「自己流では気づかなかったクセ」をたくさん指摘してもらいました。
フォームを大きく直したときの体験は、リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】にも詳しく書いていますが、
「無理して頑張る」から「体をいたわりながら変えていく」へ、考え方が変わったのがいちばんの収穫だったと感じています。
もちろん、パーソナルトレーニングだけが正解というわけではありません。
地域の健康教室や、自治体が行っている運動講座など、公的なサービスを上手に活用する方法もあります。お住まいの自治体のホームページを見ると、思わぬところに「中高年向けエクササイズ講座」などが見つかることもあります。
心と人間関係もふくめた「トータル筋トレ」へ
数字より、「今日の自分への満足感」を大事にしてみる
筋トレというと、「重さ」「回数」「セット数」などの数字が気になりやすいものです。もちろん、指標としては大切ですが、健康寿命の視点では、数字よりも「今日も体を動かせてよかった」という満足感を優先してもよいのではないかと感じています。
たとえば、
- 今日はひざの調子がイマイチだから、回数は半分。でも呼吸を意識して丁寧に動けた
- 重さは軽いけれど、反動を使わずにゆっくり動かせた
- 少し違和感が出たので、思い切ってトレーニングをお休みし、ストレッチだけにした
これらはすべて、「自分の体の声をよく聞けた日」と言えるはずです。
こうした小さな満足感を積み重ねていくことが、結果的に心の安定や自己肯定感にもつながっていきます。
家族や仲間と一緒に、「安全第一」で続けていく
ひとりで黙々と筋トレを続けるのが苦手な方は、家族や友人と「ゆるい約束」を交わしてみるのもおすすめです。
- 週に1回、オンラインで一緒にスクワットを10回だけやる
- 電話で「今日は何回できた?」と報告し合う
- 「痛みが出たときは、無理に勧めない」ことをお互いのルールにする
誰かと続けることで、モチベーションが上がるだけでなく、「痛みがあるのに無理していない?」「顔が真っ赤になっていない?」と、互いに安全面をチェックし合う役割も生まれます。
まとめ:ミスを減らすことが、「一生続けられる筋トレ」への近道
今回は、筋トレ中に避けたい3つのミスとして、
- 息を止めたまま力む
- 反動と勢いで動かしてしまう
- 痛みを我慢して続けてしまう
というポイントを取り上げました。
どれも派手さはありませんが、健康寿命を考えるうえでは、とても重要な視点だと思っています。
40代・50代・60代は、まだまだ体を変えていける年代です。
その一方で、「若いころと同じ感覚」で無理をすると、関節や筋肉に負担がかかりやすい時期でもあります。だからこそ、ミスを減らし、「安全に、気持ちよく続けられる筋トレ」を育てていくことが、これからの人生を元気に楽しむための土台になると感じています。
今日お伝えした3つのミスと、その代わりに意識したいポイントを、ぜひご自身のペースで試してみてください。
一度にすべてを変えなくても、「呼吸だけ意識してみる」「反動を少し抑えてみる」など、小さな一歩からで十分です。
筋トレは、本来とてもやさしい存在です。
体にムチを打つ道具ではなく、「これからも元気に動き続けるための、長い付き合いの相棒」として、上手に仲良くなっていきましょう。
※本記事は、厚生労働省や自治体などの公的資料を参考にしつつ、私自身の経験も交えてまとめた一般的な内容です。
持病のある方や、体調に不安のある方は、必ず主治医などの専門家に相談したうえで、自分に合った運動方法を選んでください。

