忙しい日もできる「ながら運動」で活動量を底上げする

忙しい日が続くと、「今日はムリだったから明日こそ」と先送りがクセになりがちです。
とはいえ、健康づくりの観点では「まったく動かない日」をなくし、少しでも活動量を底上げしておくことがとても大切だとされています。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」では、ふだんよりも+10分多くからだを動かす「プラス・テン」という考え方が紹介されています(厚生労働省|健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイド)。
つまり、いきなりハードな運動を始めなくても、「ちょっとだけ動く時間を増やす」ことでも、将来の病気リスクを下げる方向に近づけるとされています。
そこでこの記事では、特別な時間を作らなくてもできる「ながら運動」のアイデアを、シーン別にたっぷり紹介します。
忙しい日こそ、生活のスキマに小さな動きを積み重ねて、活動量を底上げしていきましょう。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
ながら運動とは?忙しい人のための「スキマ運動」
「ながら運動」とは、福井県の健康づくりサイトでは「仕事や家事や日常生活をしながら行う、さりげない運動」と説明されています(ふくい健康づくり応援サイト|今日からできる『ながら運動』)。
たとえば…
- 歯みがきしながら、かかと上げ
- 電子レンジの待ち時間に、スクワット
- エレベーターを待つ間に、片脚立ち
- 信号待ちのあいだに、軽いかかとアップ
- イスに座りながら、腹筋を意識して姿勢をキープ
こんな風に、「何かをしているついでに、ちょっとからだも動かす」のが、ながら運動の発想です。
「運動の時間」より「動いている時間」を増やす
東京都の「健康づくり応援ガイド」でも、普段の生活や自宅の中での簡単な運動でも、少し意識するだけで健康づくりにつながると紹介されています(東京都保健医療局|運動(身体活動))。
つまり、「ジムに行って1時間運動するかどうか」だけでなく、一日のトータルでどれだけ動けたかが大事という考え方です。
厚生労働省の「アクティブガイド」では、1日60分ほどの身体活動(目安は約8,000歩)を推奨しつつ、まずは「今より+10分動くこと」から始めることも勧められています。
忙しい人ほど、この「+10分」をながら運動で稼ぐのが現実的な戦略になります。
ながら運動が向いている人
ながら運動が特に相性のいいのは、こんなタイプの人です。
- 残業や家事でまとまった運動時間を取りづらい人
- 「ジムに行く」と聞いただけでハードルを感じる人
- 過去にダイエットや筋トレを始めても三日坊主で終わりやすい人
- 座りっぱなしの時間が長く、足のむくみやコリが気になっている人
「気合を入れないと運動できない」という状態から、「ながらでいいから、とりあえず少し動く」という感覚に変えていくと、行動のハードルが一気に下がります。
シーン別|今日からできる「ながら運動」アイデア集
ここからは、家・職場・通勤・夜のリラックスタイムなど、シーン別にできるながら運動を紹介します。
すべてを一気にやる必要はありません。自分の生活に合いそうなものから、1〜2個ずつ試してみましょう。
朝の準備時間にできるながら運動
歯みがきしながら「かかと上げ」
歯みがきの1〜2分は、足の筋肉を呼び覚ますチャンスです。
- 足を腰幅に開いて立つ
- かかとをゆっくり上げ下げ(10〜20回)
- 慣れてきたら、片脚ずつかかと上げにチャレンジ
ふくらはぎの筋肉を使うことで、血行促進や冷え対策にもつながりやすくなります。
ドライヤー中は「片脚バランス」
髪を乾かしているあいだ、片脚立ちでバランス感覚を鍛えることもできます。
- 洗面台や壁に軽く手を添える
- 片脚を少し浮かせ、30秒〜1分キープ
- 左右入れ替えて、3セット程度
ふらつきが強い場合は、無理に浮かせる高さを大きくせず、つま先を床につけたままから始めると安心です。
通勤・移動中にできるながら運動
「一駅ぶん歩く」のが難しければ「階段+遠回り」
「一駅歩く」はハードルが高くても、次のような工夫なら取り入れやすいかもしれません。
- エスカレーターではなく、できる範囲で階段を使う
- 駅や会社の入口で、一段飛ばしウォーキングを数段だけ取り入れる
- コンビニやスーパーに行くとき、数十メートルだけ遠回りする
厚生労働省の身体活動に関するページでも、通勤や買い物の歩行・階段利用などの日常生活に身体活動を取り入れることが推奨されています(厚生労働省|身体活動・運動)。
電車・バス待ちで「かかとアップ&つま先アップ」
信号待ちや電車待ちで、こっそり下半身を動かすのもおすすめです。
- つま先立ちでかかとを上げ下げ(10〜20回)
- かかと重心にして、つま先を上げ下げ(10〜20回)
- 足指をギュッと握ってパッと開く動きを数回
ふくらはぎやすねの筋肉を使うことで、むくみ対策にもつながりやすくなります。
デスクワーク中にできるながら運動
イスに座ったまま「かかと歩き・つま先歩き」
仕事中ずっと座りっぱなしになりやすい人は、足首から先だけでもこまめに動かす意識を持てると◎です。
- イスに浅く座り、背筋を伸ばす
- かかとだけを床につけて前後に小さく動かす(つま先を浮かせる)
- 次に、つま先だけを床につけてかかとを前後に小さく動かす
1時間に1〜2回、1〜2分だけでも続けていくと、足のダルさの軽減を感じる人も出てきます。
座ったまま「お腹に力を入れて姿勢キープ」
座り姿勢は、意識の仕方次第で「ながら体幹トレ」に変えられます。
- 骨盤を立てて座り、背筋を伸ばす
- おへその下あたりを軽くへこませるイメージで、お腹に力を入れる
- そのまま30秒〜1分キープ(呼吸は止めない)
- こまめに3〜5セット程度
プランクの基本フォーム|体幹を鍛えるシンプルトレで紹介しているような体幹の意識にもつながるので、デスクワークが多い人の「ながら体幹トレ」として取り入れてみるのも良さそうです。
家事・育児中にできるながら運動
掃除機がけは「ランジ歩き」に変えてみる
フローリングの掃除機がけやフロアモップの時間は、下半身トレーニングのチャンスです。
- 掃除機やモップを持ちながら、一歩前に大きく踏み出す
- 前脚の膝がつま先より出すぎないようにしゃがむ
- 後ろ脚のかかとを軽く浮かせ、膝を曲げる
- 前脚で踏み込みながら、次の一歩に進む
まさにランジの動きです。詳しいフォームは、ランジで脚やせ&ヒップアップ|下半身の基本トレも参考になります。
一度に家中やらなくても、「今日はリビングだけランジ歩き」など、部分的に取り入れるイメージでOKです。
電子レンジ・お湯待ちで「ゆるスクワット」
キッチンでは、電子レンジや電気ケトルの待ち時間を「ゆるスクワットタイム」にしてみましょう。
- 足を肩幅より少し広めに開く
- つま先はやや外側に向ける
- お尻を後ろに引くように、イスに座るイメージでしゃがむ
- 太ももが床と平行になる前にアップする「浅めスクワット」から
膝や腰に不安がある人は、スクワットの正しいやり方とコツ|下半身の基本トレの記事でフォームを確認しながら、痛みのない範囲・浅い角度から始めるようにしましょう。
夜のリラックスタイムにできるながら運動
テレビを見ながら「足上げ・腹筋ゆるトレ」
夜、ソファや床でテレビ・動画を見る時間も、ながら運動を仕込めます。
- 仰向けに寝て、片脚ずつゆっくり持ち上げて下ろす
- 横向きになって、上の脚を上下に上げ下げ(サイドレッグレイズ)
- クッションを膝に挟み、ゆっくりつぶして内ももを刺激
腹筋や体幹に効かせるなら、クランチの正しいやり方|お腹に効かせる体幹トレや、下腹を重点的に鍛える筋トレメニューのやさしい種目を、回数を減らして「ながらバージョン」として取り入れていくのも一案です。
ながら運動の効果を高める3つのコツ
なんとなく動くだけでも悪くはないのですが、せっかくなら「ただ動いた」以上のリターンを得たいところです。
ながら運動の効果を高めるために、意識しておきたいポイントを3つに絞って紹介します。
①姿勢と呼吸を意識する
ながら運動は「ついでに動く」分、姿勢が崩れやすい面もあります。
たとえば、スクワット風の動きでも…
- 背中が丸まったまま沈み込む
- 膝だけ前に出てしまう
こうしたフォームだと、膝や腰に負担がかかりやすくなります。
動くときには、
- 背筋を軽く伸ばす
- お腹に少し力を入れる
- 息を止めず、「動くときにフーッと吐く」イメージ
といった基本だけでも意識しておくと、ケガ予防と「効かせ方」の両方をサポートしやすくなります。
「そもそも効かせ方がよく分からない」という人は、効かせ方がわからない人向け筋トレメニューの記事も、意識作りのヒントになると思います。
②「+10分」を目安に、こまめに立ち上がる
厚生労働省の「プラス・テン」では、今より10分多くからだを動かすことが提案されています(厚生労働省|+10(プラス・テン)パンフレット)。
また、アクティブガイドでは、座りっぱなしを30分ごとに中断して少し動くことも推奨されています(アクティブガイド2023)。
これを「ながら運動」に落とし込むと、
- 30分ごとに席を立ち、コピー機・トイレ・給湯室まで遠回りして歩く
- 電話をするときは、可能なら立って受ける
- 自宅でも、30分に一度は立ち上がってストレッチする
こんな小さな工夫の積み重ねが、そのまま「+10分」の身体活動になっていきます。
③活動量を「見える化」してモチベーションを保つ
ながら運動は、動いている実感が薄くなりがちです。
そこで活用したいのが、歩数計や活動量計などのガジェット類。
たとえば、タニタやオムロンなどの国産メーカーからは、歩数や消費カロリーを可視化できる機器が多数出ており、自分の生活に合ったものを選べるようになっています(例:タニタ|歩数計・活動量計、オムロン ヘルスケア|活動量計・歩数計)。
こうしたツールを使うと、ながら運動を含めた一日の総活動量を把握しやすくなります。
また、スポーツメーカーのミズノは企業や自治体向けに「ながら運動」のプログラム提供を行っており、職場や地域ぐるみで活動量を増やす取り組みも広がっています(ミズノ株式会社|「ながら運動」健康プログラム)。
個人レベルでも、スマホアプリで歩数をチェックする・週ごとのグラフを眺めるといったカンタンな「見える化」から始めてみると、モチベーション維持に役立ちます。
忙しい人こそ「ながら運動+まとまった運動」の二刀流がおすすめ
ながら運動は、あくまで活動量の底上げです。
体型の変化や筋力アップをしっかり感じたい場合は、週に数回の「まとまった運動」を足していくと、より狙った効果を出しやすくなります。
10〜30分の短時間トレーニングと組み合わせる
たとえば、
- 平日は「ながら運動」で+10分〜20分の活動量アップ
- 週2〜3回は、10〜30分の自宅トレーニング
という組み合わせなら、忙しい人でも現実的に続けやすい形です。
自宅で完結させたい人には、おうちトレ派向け全身をバランスよく鍛えるメニューや、30分で終わる時短筋トレメニューのような、短時間で全身をまんべんなく動かせるメニューがおすすめです。
「三日坊主が心配」という人には、三日坊主でも続く筋トレメニューも用意してあるので、自分のペースに合う強度からスタートしてみてください。
休日だけ「まとめてリセット」するのも一つの作戦
平日はながら運動メイン、休日に少し長めに体を動かす、という二段構えも現実的です。
体型リセットの休日の使い方については、休日にまとめてできるリセット系ボディメイク習慣の記事で、食事・運動・睡眠を組み合わせたリセット方法も紹介しています。
「どこまで自力でやるか」「どこからプロに頼るか」を考える
忙しい人ほど、「全部自力で完璧にやろう」とすると、どこかで燃え尽きてしまいやすいものです。
生活のベースとして「ながら運動+自宅トレ」を続けつつ、
- 本格的に体型を変えたい時期だけ、プロにサポートを頼む
- 大切なイベント前だけ、集中的にジム・パーソナルを活用する
といったメリハリのある付き合い方も選択肢に入れてみると、長い目で見て続けやすくなります。
ながら運動を安全に続けるための注意点
ながら運動は手軽な反面、「つい頑張りすぎる」「フォームが崩れたまま続けてしまう」といったリスクもあります。
安心して続けるために、次のポイントは意識しておきましょう。
痛みが出たら、その動きはいったん中止する
「ちょっときつい」「筋肉が疲れてきた」という感覚はトレーニングではよくありますが、
- 鋭い痛みが走る
- 関節にズキっとした痛みが出る
- 動き終わったあとも痛みが長く続く
といった場合は、その動きはいったんやめることが大切です。
膝や腰などに不安がある人向けには、膝が不安な人向け下半身筋トレメニューや、腰が不安な人向け体幹筋トレメニューのように、関節にやさしい種目を集めたメニューもあります。無理せず、こうした内容も活用しながら調整していきましょう。
持病がある場合は、かかりつけ医の指示を最優先に
高血圧・糖尿病・心疾患など、持病がある場合は、独自判断で負荷を急に上げないことが重要です。
厚生労働省や各自治体のサイトでも、運動制限がある場合は医師の指示に従うよう案内されています(例:東京都保健医療局|習慣的に運動しよう)。
実際にライザップでは、糖尿病・高血圧など持病があってもライザップに入会できますか??の記事で紹介しているように、医師の許可を確認しながらプログラムを調整していくケースもあります。
疲れが強い日は「ストレッチ系ながら運動」に切り替える
「今日はさすがに動けない…」という日は、無理に負荷をかける必要はありません。
その代わり、
- 寝る前に肩回しや首ストレッチをする
- お風呂あがりにふくらはぎや太ももを軽く伸ばす
- イスに座ったまま、足首をゆっくり回す
といったストレッチ寄りのながら運動に切り替えるだけでも、ゼロよりずっと良い選択になります。
ストレッチのアイデアは、ストレッチで整える美ボディづくりと柔軟性アップ法も参考にしながら、少しずつ取り入れてみてください。
「ながら運動」だけでは物足りなくなったら?プロの力を借りる選択肢
ながら運動を続けていると、
「動くことへの抵抗は減ってきたけれど、そろそろ本気で体型も変えたい」
というタイミングがやってくる人もいます。
そんなときの選択肢のひとつが、パーソナルトレーニングジムの活用です。
たとえばライザップでは、
など、忙しい人向けの通い方や、性格タイプ別の「勝ち筋」を解説したコンテンツをまとめています。
「自分はそもそもライザップ向きなのか?」が気になる人は、RIZAP向き度チェック診断を使って、相性や向き・不向きを事前に確認しておくのもひとつの方法です。
また、少しでもお得に始めたい場合は、【2026年】ライザップでお得になる入会方法大公開で、紹介制度を活用した入会ルートも解説しています。
まとめ|忙しい人ほど「ながら運動」で活動量の底上げを
忙しい日々のなかでも、からだをまったく動かさない日を減らし、「少しだけでも動く」を積み重ねていくことは、将来の自分への小さな投資になります。
ポイントをあらためて整理すると…
- ながら運動は「何かをしながら、ついでに体も動かす」発想
- 「今より+10分動く」ことからスタートすると、続けやすくなる
- 姿勢・呼吸・痛みの有無を意識して、安全に行うことが大切
- 活動量の見える化(歩数計・アプリ)がモチベーション維持に役立つ
- 物足りなくなってきたら、自宅トレやパーソナルトレーニングを足して「二刀流」にする
いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずは、この記事で紹介したながら運動の中から、「これなら今日からできる」ものを1つだけ選んでみてください。
その小さな一歩が、数か月・数年後の自分の体と気分を大きく変えるきっかけになっていきます。

