「最近、新しいことにワクワクしたのはいつだったかな…?」
そんな問いかけに、少し返事に困ってしまうときは、もしかしたら好奇心の筋肉がちょっと固くなりかけているサインかもしれません。
この記事では、40代〜70代の大人世代に向けて、「若さを保つ人が大事にしている共通習慣=好奇心」について、私・サイト運営者の和久井朗の実感も交えながらお話ししていきます。
むずかしい理論よりも、「今からでもできる小さな一歩」を大事にしていますので、肩の力を抜いて読んでいただけたらうれしいです。
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健康寿命と「好奇心」の意外な関係
まずは、この記事の土台になる健康寿命と好奇心の関係から、ゆっくり整理してみます。
健康寿命は「元気に動ける時間」の長さ
平均寿命という言葉はよく耳にしますが、最近は健康寿命という言い方もすっかり定着してきました。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、健康寿命を次のように説明しています。
- 健康寿命…健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
同じく厚生労働省の資料によると、2022年の日本人の健康寿命は、男性72.57歳、女性75.45歳とされています。平均寿命との差は、およそ9〜12年ほどあり、この期間が「何かしら不自由さを感じやすい時間」ともいわれています(詳しくは、厚生労働省の
「健康寿命の定義と算出方法」や
「平均寿命と健康寿命」も参考にしてください)。
この記事で大事にしたいのは、寿命を伸ばす話ではなく、「自分の足で歩いて、行きたい所に行き、やりたいことを楽しめる時間」を少しでも長くする、という視点です。
好奇心が高い人ほど、認知機能が保たれやすいと言われている
では、ここに「好奇心」がどう関わってくるのでしょうか。
愛知県の国立長寿医療研究センターでは、中高年の方を対象にした長期の研究を行い、「経験への開放性」と呼ばれる心の持ち方が、認知機能の変化とどう関係しているかを調べています。
この「経験への開放性」とは、
- 新しいことに関心を持つ
- やったことのない体験にも前向き
- 知らない世界に対して「こわい」より「おもしろそう」が先に来る
といった、まさに好奇心の強さをあらわす指標です。
国立長寿医療研究センターの紹介ページによると、この経験への開放性が高い人ほど、10年ほどの追跡調査の中でも、知識力や情報処理スピードといった知的な能力が保たれやすかったと報告されています(詳しくは
国立長寿医療研究センター「好奇心旺盛に過ごすことの重要性」
なども参考にしてください)。
もちろん、「好奇心さえあれば認知症にならない」というような単純な話ではありません。ただ、心が外に向かって開いている状態は、脳への刺激にもつながりやすく、健康寿命を考えるうえで心強い味方になってくれそうです。
学び続けることは「生きがい」と「介護予防」にもつながる
文部科学省がまとめた「長寿社会における生涯学習の在り方について」という報告では、高齢期の学びについて次のようなことが書かれています。
- 生涯学習は、生きがいづくりにつながる重要なもの
- 生きがいを持つことで、心身の健康増進や介護予防につながることが期待される
(詳しくは
文部科学省「長寿社会における生涯学習の在り方について(素案)」なども参考になります)。
つまり、好奇心 → 学び → 生きがい → 心身の健康という、うれしい循環が生まれやすい、という考え方です。
好奇心がくれる「3つの若さ効果」
ここからは、実生活の中で感じやすい好奇心の効用を、「若さ」というキーワードで3つに分けてみます。
① 脳の「若さ」…考える力・覚える力を刺激する
新しいことに触れるとき、私たちの脳は
- 情報を理解しようとする
- 今までの経験と照らし合わせて整理する
- 「次はこうしてみよう」と計画する
といった働きをフル回転させます。
たとえば、初めて行く街を散歩したり、新しいレシピに挑戦したり、本やネットで知らない分野の記事を読むとき。「へぇ、こうなっているのか」「今度はこうしてみようかな」と感じる瞬間そのものが、脳のトレーニングになっている、と考えられています。
大掛かりな脳トレをしなくても、日々の小さな「初体験」が積み重なるだけでも、脳にとっては良い刺激になるのではないでしょうか。
② 心の「若さ」…前向きな気持ちが戻ってくる
年齢を重ねると、どうしても「もうこの歳だから」とブレーキを踏む場面が増えやすくなります。
一方で、好奇心が動き出すと、
- 「やってみてダメなら、そのとき考えればいいか」
- 「成功しなくても、経験としておもしろそうだな」
という、少し軽やかな気持ちが戻ってきます。
結果よりも「試してみた自分を褒めたくなる感覚」が生まれると、自己肯定感もじんわりと上向いていきます。これは、ダイエットやボディメイク、リハビリなどを続けるうえでも、大きな支えになってくれる心の土台です。
③ 人間関係の「若さ」…つながりが増えていく
好奇心があると、「新しい場」「新しい人」に出会う機会も増えます。
たとえば、
- 地域の講座やサークルに参加してみる
- オンラインコミュニティで同じ趣味の仲間を見つける
- ジムや教室で、同年代の仲間と励まし合う
こうした場では、年齢に関係なく、「何かに取り組む人同士の目の輝き」が共通言語になります。
人生後半は、人との別れや環境の変化も多い時期ですが、好奇心が「新しいつながりの扉」を開いてくれることも少なくありません。
人生後半こそ育てたい「好奇心の持ち方」
ここからは、「若い頃のようにガツガツ動けない」「体力も昔ほどない」という前提をふまえたうえで、人生後半に合った好奇心の持ち方を一緒に考えてみます。
「うまくいくかどうか」より「おもしろいかどうか」で選ぶ
若い頃の私たちは、どうしても
- 損か得か
- 役に立つか立たないか
で物事を選びがちでした。
人生の後半戦では、その物差しを少しだけゆるめて、
- 「心が動いたかどうか」
- 「やってみたら楽しそうかどうか」
を大事にしてみるのも良さそうです。
たとえば、健康情報でも、「これをやれば必ず〇キロ痩せる」という強い言葉より、「続けられそうだな」「ちょっと試してみたいな」と思えるものを選んだほうが、心も体もラクでいられます。
小さな疑問をメモしておく
好奇心は、「なんでだろう?」という小さな疑問から生まれます。
日々の生活の中で湧いてきた疑問を、その場で忘れないように、
- スマホのメモ
- 冷蔵庫のメモ用紙
- ノートの片隅
に書き留めておくと、「調べるタネ」がたくさん集まってきます。
あとで時間ができたときに、ひとつだけでも調べてみると、それだけで「今日、ひとつ賢くなったな」という満足感が生まれます。
「はじめて」を月にひとつだけ増やしてみる
毎日大きなチャレンジをする必要はありません。むしろ、それでは疲れてしまいます。
おすすめなのは、「今月の初めて」を一つだけ決めることです。
たとえば、
- 行ったことのない公園まで散歩してみる
- 初めての料理にチャレンジしてみる
- 今まで読んだことのないジャンルの本を一冊読んでみる
- スマホやパソコンの新しい機能を一つ覚えてみる
これくらいの小さな「初めて」でも、積み重ねると、1年で12個、5年で60個、10年で120個の新しい経験になります。
人生後半を「守りの時期」だけで終わらせず、「ゆるやかな挑戦期」として楽しむきっかけになるかもしれません。
家の中でもできる「好奇心習慣」いろいろ
ここからは、体力や天気にあまり左右されない、家の中でできる好奇心の育て方をいくつかご紹介します。
気になった健康情報を「もう一歩だけ」深掘りする
SNSやテレビ、雑誌などで健康情報を目にする機会はたくさんあります。
そんなとき、
- 「へぇ、そうなんだ」で終わらせず
- 「じゃあ、厚生労働省や市町村のサイトではどう言っているんだろう?」
と、一歩だけ深掘りしてみるのもおすすめです。
たとえば、「健康寿命」について調べるときも、まずは厚生労働省の
健康寿命の基礎知識
を見てみると、専門的な内容も比較的やさしい言葉でまとめられています。
こうした「情報の元をたどる習慣」も、好奇心の一つのかたちですし、自分や家族の健康を守るうえでも心強い味方になってくれます。
キッチンを小さな「実験室」にする
料理は、家の中でできる最高の実験です。
いつものメニューに、
- 野菜の種類をひとつ増やしてみる
- 塩分を少し控えめにして、香辛料やハーブで風味を足してみる
- ご飯の一部を雑穀や豆に置き換えてみる
といった小さな工夫をするだけでも、「体にやさしくて、おいしい組み合わせ」を探す旅が始まります。
失敗しても、「この組み合わせはイマイチだったな」と笑い話にしてしまえば、それもまた経験です。
体の変化を「観察ノート」にしてみる
年齢とともに、体重・血圧・体力など、気になる変化は増えてきます。
もちろん、不安になりすぎる必要はありませんが、
- 朝の体調
- 前日の睡眠時間
- その日にした運動や歩数
などを簡単にメモしておくと、「自分の体の取扱説明書」が少しずつ見えてきます。
たとえば、
- 「夜更かしすると、翌日の午前中はやっぱりボーッとしやすいな」
- 「夕方に10分だけ散歩をすると、夜の寝つきが少し良くなる気がする」
といった、自分なりのパターンに気づけると、健康寿命を考えるうえでも大きなヒントになります。
外に出て楽しむ「好奇心トレーニング」
体調や天気が許す日は、外の空気を吸いながらの好奇心トレーニングもおすすめです。
「いつもの散歩コース」に一本だけ寄り道を足す
毎日の散歩は、それだけで立派な健康習慣です。
そこに、
- 一本だけ曲がる道を変えてみる
- 時間帯をずらして、朝の光・夕方の光を楽しんでみる
- 季節ごとの草花や空の色を観察してみる
といった「好奇心のスパイス」を足してみると、いつものコースが少し違って見えてきます。
とくに、植物や空の変化は、年齢に関係なく楽しめる「ゆるやかな刺激」です。スマホで写真を撮っておけば、あとで見返す楽しみも増えます。
地域の講座やイベントに顔を出してみる
市区町村の広報紙やホームページを見ていると、
- 健康や運動に関する講座
- 趣味のサークル
- 地域のボランティアイベント
など、意外とたくさんの催しが見つかります。
「継続して参加しないといけない」と考えると気が重くなりますが、まずは一度だけ、見学のつもりで顔を出してみるくらいの気楽さで十分です。
そこで気の合う人や、お手本にしたくなる先輩に出会えたら、それだけで人生後半の楽しみがひとつ増えます。
私自身、「好奇心」が体づくりを支えてくれた
ここで少し、私自身の話もさせてください。
私は、かつて大きく太ってしまい、そこからライザップに通って体を変えてきました。
その過程や、その後の体型維持については、こちらの記事でくわしくまとめています。
今ふり返ると、ライザップに通うことを決めたときの私は、
- 「この歳からでも、本当に変われるのか?」
- 「自分の体はどこまで動けるようになるんだろう?」
という不安と同じくらいの好奇心を持っていました。
通い始めてからも、
- 「こんな食べ方をすると、体調はどう変わるんだろう」
- 「この種目を続けると、姿勢や歩き方はどう変化するんだろう」
といった、小さな興味の積み重ねが、きつい場面を乗り越える支えになってくれたように感じます。
もちろん、誰にでもライザップをおすすめしたい、という話ではありません。ただ、「やってみたかったことに一歩踏み出してみる好奇心」が、人生後半の体づくりや健康寿命にもつながっていくかもしれない、というひとつの例として受け止めていただけたらうれしいです。
不安がある日こそ、「安全な好奇心」で自分を守る
ここまで、好奇心の良い面をたくさんお話ししてきましたが、もちろん、体調や持病とのバランスも大切です。
「ちょっと心配だな」と思ったら、自己判断で無理をしない
新しい運動や食事法、サプリメントなど、世の中にはさまざまな情報があります。
気になるものを見つけたとき、
- すぐに飛びつくのではなく
- かかりつけ医や専門家に相談する
という一呼吸を置くことも、とても大事です。
この記事では医療行為や治療方法についての具体的な指示はしていませんが、「自分の体に合うかどうか」を確かめるためにも、専門家の意見を聞く好奇心を持っておくと安心です。
「比較」ではなく「昨日の自分」との違いを楽しむ
人生後半になると、どうしても周りの人の健康状態や、若い人との体力差が気になる場面が増えます。
そんなときこそ、
- 「あの人よりできていない…」と落ち込むのではなく
- 「昨日の自分と比べてどうかな?」と視点を変えてみる
ことが大切だと感じています。
たとえば、
- 昨日より5分長く歩けた
- 今日は新しい料理に挑戦してみた
- 気になっていた言葉をひとつ調べてみた
こうした小さな一歩は、どれも立派な「前進」です。
他人との比較ではなく、自分の好奇心が昨日より少し動いたかどうかを見つめてあげると、心もずっと軽くなります。
まとめ:好奇心は、何歳からでも育てられる「人生のエンジン」
最後に、この記事のポイントをゆっくり振り返ってみます。
- 健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されない期間」をさす指標
- 好奇心が強く、新しい経験に開かれている人ほど、認知機能が保たれやすいとする研究もある
- 好奇心は、「脳の若さ」「心の若さ」「人間関係の若さ」を支えてくれる
- 人生後半では、「役に立つかどうか」より「おもしろいかどうか」で選ぶ視点も大事
- 家の中でも外でも、無理のない範囲で小さな「初めて」を積み重ねることができる
- 体調や持病が気になるときは、専門家に相談する慎重さも、広い意味での好奇心
好奇心は、生まれつきの性格だけで決まるものではなく、「使えば育つ」心の筋肉のようなものだと感じています。
たとえ今、「もう若くはないし…」と感じていたとしても、
- 今日ひとつ、知らないことを調べてみる
- 今月ひとつ、初めての体験を増やしてみる
そんな小さな一歩から、健康寿命を支える好奇心のエンジンは、静かに、でも確実に回り始めます。
人生の後半を、「終わりに向かう時間」とだけ見るのではなく、「好奇心とともに、新しい自分に出会っていく時間」として、一緒に楽しんでいけたらうれしいです。


