【健康寿命】「今を整える」だけで未来の不安が減る理由

40代・50代・60代と年齢を重ねてくると、ふとした瞬間にこんな不安が顔を出しやすくなります。
- 「このまま体力が落ちていったらどうなるんだろう」
- 「もし病気になったら、仕事や家族はどうしよう」
- 「老後のお金や、介護のことも気になる…」
頭の中で「先のことシミュレーション大会」が始まってしまうと、目の前の一日がおろそかになってしまうこともあるかもしれません。
ぼく自身も、ライザップに通う前は、将来の体調や仕事のことばかり考えて、夜にモヤモヤが止まらない時期がありました。そんな中で気づいたのは、「未来の不安は、先回りして心配するほど大きくなる。けれど、今日の過ごし方を整えるほど静かになっていく」ということです。
この記事では、「今日の食事」「睡眠」「体の使い方」という、とてもシンプルな3つのポイントに意識を向けることで、どうして未来への不安が軽くなり、健康寿命(=元気に動ける時間)も守られやすくなるのかを、やさしく整理していきます。
目次(表示させると見出しが見られますよ!)
1.なぜ「未来の不安」はふくらみやすいのか?
・未来はコントロールできないからこそ、想像が暴走しやすい
不安という感情は、本来「危険を避けるためのセンサー」のような役割を持っていると言われています。将来の病気やお金のことを考えるのは、決して悪いことではなく、むしろ自然な反応です。
ただ、未来のことは完全にはコントロールできません。どれだけ考えても、答えが出ないことの方が多いですよね。すると、脳は「最悪のパターン」をいくつも想像してしまいがちです。
- 「寝たきりになったらどうしよう」
- 「家族に迷惑をかけてしまうかも」
- 「仕事を続けられなくなったら…」
このような想像が続くと、体はまだ何も起きていないのに、心だけがずっと警戒モード。疲れてしまうのも当然です。
・不安は「過去」と「未来」に行きやすい
気持ちが落ち着かないとき、自分の意識がどこに向いているかを振り返ってみると、
- 「あの時こうしておけばよかった」という過去
- 「この先どうなるんだろう」という未来
のどちらかに飛んでいることが多いように感じます。
一方で、心が少し楽なときは、「今日のごはん、何にしようかな」「あとで少し歩いてみようかな」など、意外と「今」に意識が戻ってきている瞬間だったりします。
だからこそ、未来の不安で頭がいっぱいになったときほど、「今の自分の一日を整える」という、シンプルな行動が心のアンカー(いかり)のような役割をしてくれます。
2.「今を整える」って具体的に何をすること?
「今を整える」と聞くと、少し抽象的に感じるかもしれません。ここでは、次の3つに分けて考えてみます。
- ① 今日の食事を整える
- ② 今日の睡眠を整える
- ③ 今日の体の使い方(動き方・休み方)を整える
どれも、難しいことではありません。「完璧にやろう」と思うと苦しくなってしまうので、まずは
「今日の自分にできることを、7割くらいの気持ちで整えてみる」
くらいがちょうど良い感覚です。
この3つが少しずつ整ってくると、体調が安定しやすくなり、気持ちの波も小さくなりやすいとされています。結果として、「将来どうなるだろう」という不安に飲み込まれにくくなり、健康寿命を長く保つ土台づくりにもつながっていきます。
3.今日の「食事」を整えると、心まで落ち着きやすい理由
・食事は「未来の体」だけでなく「今日の心」にも影響する
食事というと、「体重」や「血糖値」「コレステロール」といった数字のためのもの、というイメージが強いかもしれません。しかし最近では、食事のバランスが睡眠やメンタルにも関係しているという話題を、ニュースなどで見かけることが増えてきました。
例えば、夜に甘いものや揚げ物をたくさん食べると、血糖値のアップダウンが大きくなります。これが続くと、眠りが浅くなったり、翌日のだるさにつながることもあるようです。その結果、
- 朝から体が重くて動きたくない
- 頭がぼんやりして、つい「将来どうしよう」と暗い方に考えが向く
といった状態になりやすくなります。
逆に、「今日の自分のための一食」を少しだけ丁寧に整えると、体が落ち着き、気持ちも安定しやすいです。
・難しく考えず「足し算の食事」を意識してみる
未来の不安で頭がいっぱいのときに、「〇〇を食べてはいけない」「××は完全にやめる」などのルールを増やすと、かえってストレスが大きくなってしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、「足し算の食事」です。
- 白いご飯の横に、小さなサラダや温野菜を足す
- お酒のおつまみに、枝豆や冷やっこを足す
- カップ麺だけで済ませそうな時は、ゆで卵やヨーグルトを一品足す
こうした「ちょい足し」は、完璧な栄養バランスを目指すものではありませんが、栄養の偏りをやわらげてくれます。「今日の自分、ちょっと大事にできたな」という小さな満足感も、不安をクールダウンさせてくれる力になります。
・「未来の自分への差し入れ」のつもりで食べる
ぼく自身、ライザップで食事管理をはじめた頃、「これはダメ」「あれもダメ」と禁止事項ばかり考えてしまっていました。でも、続けているうちに、
「今日の食事は、未来の自分への差し入れみたいなものだな」
と感じるようになりました。
明日の自分が少しラクに動けるように、今日の夕食を整えてあげる。そう考えると、「節制」よりも「プレゼント」に近い感覚になり、心がふわっと軽くなります。
ぼくのライザップでの体験談は、こちらの記事でも詳しくまとめています。食事の整え方で不安がやわらいだ話も書いているので、よかったらのぞいてみてください。
4.「睡眠」を整えることが、未来の不安をやわらげる
・寝不足になると、不安が増えやすいと言われている
睡眠と心の状態には、深い関係があるとされています。厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」では、慢性的な睡眠不足が続くと、意欲の低下や注意力の低下だけでなく、生活習慣病のリスクも高くなると説明されています。
また、眠りが浅い状態が続くと、ちょっとした出来事でも過敏に反応してしまったり、不安な考えがぐるぐるしやすくなることもあるようです。「最近なぜか不安が強いな」と感じるときは、実は単純に「寝不足+疲れ」が積もっているだけ、というケースも少なくないのかもしれません。
・「睡眠時間」よりも「睡眠のリズム」を整えてみる
もちろん、十分な睡眠時間を確保することも大切ですが、仕事や家事、介護などが重なっていると、「7時間以上は絶対に寝る」という目標がプレッシャーになってしまう場合もあります。
そんなときは、まず「睡眠のリズム」を整えるところから始めてみると、現実的で続けやすいです。
- 平日と休日の起きる時間を、なるべく2時間以内の差におさえる
- 寝る直前のスマホ・テレビの時間を、10〜30分だけ短くしてみる
- 寝る1〜2時間前から、照明を少し暗め・暖かい色にしてみる
日本心臓財団などの健康情報サイトでも、朝の光を浴びることや、就寝前に強い光を避けることが体内時計を整えるのに役立つと紹介されています。こうした工夫は、「今夜の自分」を少しだけ大切にする行為でもあります。
・眠れない夜は「ちゃんと眠らなきゃ」と思わない
未来の不安が強いときほど、布団に入ってから考えごとが止まらなくなりやすいですよね。「ちゃんと寝ないと明日つらいのに…」と焦るほど、ますます目が冴えてしまうこともあります。
そんなときは、
- 「今は、横になって体を休めているだけでも意味がある」
- 「眠くなったら寝よう。眠くなるまで静かな時間を味わおう」
と、少し力を抜く方向に発想を変えてみるのも一つの方法です。
眠れない自分を責めるより、「今日は不安が多い日だったな」「それだけ、いろいろ頑張っているんだな」と受け止めるだけでも、心のざわつきが少しやわらぐことがあります。
5.「体の使い方」を整えると、健康寿命の土台ができる
・激しい運動よりも、「今日のちょっとした動き」が未来につながる
健康寿命を考えるとき、「運動をちゃんとやらなきゃ」と一気にハードルを上げてしまう方も多いかもしれません。でも、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、
「今よりも少しでも体を動かすこと」
が大切だと紹介されています。日常生活の中での歩行や家事なども立派な身体活動に含まれ、「長時間の激しい運動」だけが健康づくりではない、といった考え方が示されています。
未来の不安で頭がいっぱいのときこそ、
- エレベーターではなく、1階分だけ階段を使ってみる
- バスや電車で一駅だけ歩いてみる
- 立ったり座ったりするときに、お腹とお尻に軽く力を入れてみる
といった、「今日できるほんの少しの工夫」が、心と体の循環を良くしてくれます。
・体を動かすと、「考えすぎ」から一度自由になれる
不安が強いとき、頭の中はまるでフル回転のパソコンのような状態です。そんなときに軽く体を動かすと、筋肉や呼吸の感覚に意識が移り、考えすぎから一度離れやすくなります。
ぼくも、ライザップのトレーニングの日は、多少悩みがあっても、スクワットやダンベルの重さに意識がもっていかれて、「さっきまで何をそんなに心配していたんだっけ?」となることがよくありました。
大切なのは、「今ここにいる自分の体に、少しだけ注意を向けてみること」だと感じています。
・「姿勢」と「呼吸」を整えるだけでもOK
どうしても動く気力がない日もあります。そんなときは、
- 椅子に座ったまま、背筋をスーッと伸ばしてみる
- 鼻から3秒で息を吸って、口から6秒でゆっくり吐いてみる
といった、姿勢と呼吸の小さな調整だけでも十分です。
数回くり返すうちに、肩や首のこわばりが少しずつほどけてくるのを感じられるかもしれません。これも立派な「今を整える」行動です。
6.「今を整える」ためのやさしいマインドセット
・完璧を目指さず、「今日はこれができた」に目を向ける
未来の不安を減らしたくて、「毎日◯◯しよう」「絶対に△△はしない」とルールをたくさん作ると、守れなかった日がつらくなってしまいます。
そうではなく、
- 「今日は夕食にサラダを足せた」
- 「寝る前のスマホ時間を10分だけ減らせた」
- 「エレベーターの代わりに、階段を1階分だけ上がれた」
といった、できたこと探しをしてみるのがおすすめです。
ノートやスマホに「今日できた小さなこと」を1〜3つメモしておくと、1週間後、1か月後に振り返ったとき、想像以上にたくさんの「今を整えた記録」が積み上がっているのを実感できるはずです。
・「今日一日だけ」に集中してみる
一生続けると思うと、どんな習慣も重たく感じてしまいます。そこで、「一生続ける」ではなく、
「まずは今日一日だけ、意識してやってみよう」
という感覚で取り組んでみると、心の負担がぐっと軽くなります。
明日からまた考えればいい。続いたらラッキー。そんな「ゆるい約束」の方が、実際には長く続いたりもします。
・「不安がある自分」も、そのまま受け入れてみる
不安を減らそうとするとき、「こんなに不安に思う自分はダメだ」と、さらに自分を責めてしまうことがあります。でも、不安を感じるのは、それだけ自分や家族のことを大事に思っている証拠でもあります。
「不安をゼロにする」のではなく、
- 「不安を抱えながらでも、今日の一歩を整えていく」
- 「不安があるからこそ、今の体を大切にしていく」
といった発想の転換が、健康寿命を伸ばすうえでも大きな味方になってくれます。
7.今日から試せる「今を整える」一日の流れの例
ここからは、具体的にイメージしやすいように、「今を整える」一日の流れをサンプルとしてご紹介します。もちろん、すべてを真似する必要はありません。自分の生活に合いそうな部分だけ、つまみ食いする感覚で読んでみてください。
・朝:未来の不安より「今日の予定」に目を向ける時間
- 起きたらカーテンを開けて、朝の光を浴びる
- 白湯やお茶を一杯飲んで、体を目覚めさせる
- ノートや手帳に、「今日やりたいこと」を3つだけ書く
- その中に、「体を大切にする小さな行動」を1つ入れる(例:昼食後に10分歩く 等)
「老後どうなるんだろう」と考えるよりも、「今日の午前中はこんなふうに過ごそう」と予定を書くことに意識を向けると、心の焦点が「先の心配」から「今日の行動」にゆっくり戻ってきます。
・昼:食事と動きをセットで整える
- 昼食は、「主食+たんぱく質+野菜」を意識してみる
- 昼休みに、職場や自宅の周りを5〜10分歩いてみる
- 座りっぱなしが続いたら、1時間に一度、立ち上がって伸びをする
厚生労働省の身体活動ガイドでも、長時間同じ姿勢を避け、こまめに体を動かすことが勧められています。少し動くだけでも血流が良くなり、午後のぼんやり感やイライラをやわらげる助けになるとされています。
・夕方〜夜:一日を「振り返りすぎない」ための工夫
- 帰宅後、まずは深呼吸を3回して、仕事モードから生活モードへ切り替える
- 夕食は、できれば寝る2〜3時間前までに済ませる
- アルコールは「楽しめる量」で止めてみる(飲まない日を作るのも◎)
- 寝る前は、スマホではなく、好きな音楽やストレッチでリラックスする
夜は、一日の出来事を思い出しやすい時間帯です。「あんなことを言わなければよかった…」「もっと頑張れたはずなのに」と反省会が始まりやすいですが、そこに長く付き合いすぎると、不安も膨らみやすくなります。
そこで、
- 「今日も一日よくやったな」
- 「完璧じゃなくても、今日の自分に拍手」
と、あえて自分をねぎらう一言で締めくくってみるのも良さそうです。
8.ぼくが「今を整える」で救われたライザップ時代の話
ここで少し、ぼく自身の体験をお話しさせてください。
ライザップに通い始めた頃、正直なところ、頭の中は不安だらけでした。
- 「本当に結果が出るのかな」
- 「もし途中で挫折したらどうしよう」
- 「この先、体力は持つんだろうか」
しかし、トレーナーさんに言われたのは、とてもシンプルなことでした。
「未来のことは一旦置いておきましょう。まずは“今日一日の食事と睡眠とトレーニング”に集中してみませんか?」
そこから、毎日やっていたことは、こんな小さなことの積み重ねでした。
- その日の食事を、写真に撮って振り返る
- 夜はできるだけ同じ時間に布団に入る
- トレーニングの日は、その時間だけは未来の心配を考えない
最初のうちは、「こんなので本当に変わるのかな」と思う日もありました。でも、不思議なことに、数週間・数か月と続けるうちに、体重や体型の変化だけでなく、
- 朝の目覚めが少しラクになった
- 日中の気分の落ち込みが軽くなってきた
- 「もし将来病気になっても、今こうして体を整えている自分なら、きっと何とかできる」と思えるようになった
といった、心の変化が少しずつ積み上がっていきました。
結果として、「未来が不安だから何もしたくない」という状態から、「未来はわからないけれど、今できることを積み重ねていけば大丈夫かもしれない」という感覚に、ゆっくりと変わっていったのです。
この体験は、その後のぼくの健康寿命の考え方にも大きく影響しました。「未来のために今をガマンする」ではなく、「今を整えることで、気づいたら未来が少しラクになっている」。そんなイメージを大切にしながら、今も体づくりを続けています。
9.不安が強いときの「小さなSOS」の出し方
ここまで、日々の生活習慣を整えることで不安をやわらげる話をしてきましたが、なかには
- 眠れない日が長く続いている
- 食欲が極端になくなったり、逆に食べ過ぎてしまう
- 何をしても気分が晴れない状態が続いている
といったケースもあるかもしれません。
そんなときは、生活習慣の工夫だけで抱え込まず、
- かかりつけ医
- お住まいの自治体の保健センターや相談窓口
- メンタルヘルスの相談窓口
などに、早めに相談してみるのも大切です。厚生労働省のサイトでも、こころの不調を感じたときの相談先や、地域の支援体制について案内がまとめられています。
「これくらいで相談するのは大げさかな」と感じるくらいのタイミングで相談しても、まったく問題ありません。むしろその方が、心身の負担が軽いうちに手立てを考えやすくなります。
「自分の健康は自分で守る」という姿勢は、ひとりで頑張ることではなく、必要なときに周りの力を借りることも含めての話だと、ぼくは思っています。
10.まとめ:「今を整える」ことは、未来の自分へのやさしい投資
最後に、この記事のポイントをあらためて整理してみます。
- 未来の不安は、考えれば考えるほど大きくなりやすい
- 不安が膨らんでいるときほど、「今日の食事・睡眠・体の使い方」に意識を戻してみる
- 食事は「足し算」で整え、「未来の自分への差し入れ」として考えてみる
- 睡眠は「時間」だけでなく「リズム」を整えることから始めてみる
- 運動は激しいものだけでなく、日常のちょっとした動きや姿勢の工夫も立派な身体活動
- 完璧を目指さず、「今日できた小さなこと」に目を向けると、不安が少しずつ小さくなっていく
- どうしてもつらいときは、早めに医療機関や自治体の相談窓口などに頼ってみる
健康寿命を伸ばすというのは、特別なトレーニングや高価なサプリメントだけの話ではありません。むしろ、
「今日一日の食事・睡眠・体の使い方を、自分なりに整えてみる」
という、地味だけれど確かな一歩の積み重ねが、何年か先の自分をずいぶんラクにしてくれるのではないかと感じています。
未来のことを考えると、不安になるのは、とても自然なことです。ただ、その不安に飲み込まれてしまいそうなときには、どうか少しだけ深呼吸をして、「今日、自分にしてあげられる小さなことは何だろう」と問いかけてみてください。
その一歩一歩が、きっとあなたの健康寿命と、これからの人生の安心感を、静かに支えてくれるはずです。

