年齢を言い訳にしない健康寿命重視の体づくり

40代・50代・60代になってくると、体力や見た目の変化を前にしてつい口から出てしまうのが「もう歳だから…」という言葉かもしれません。実は、ぼく自身も50代半ばでライザップに通い始める前は、同じようなことをよく思っていました。
ただ、色々と勉強したり、自分の体で試してみたりするうちに、「年齢=あきらめる理由」ではないと感じるようになりました。むしろ人生の後半こそ、元気に動ける時間=健康寿命を意識して体づくりをしていくタイミングなのだと思います。
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「もう歳だから…」の前に知っておきたい健康寿命という考え方
まずは、「健康寿命」という言葉を軽く整理しておきます。
一般的にニュースなどで耳にする「平均寿命」は、「何歳まで生きられるか」という寿命の長さを示す指標です。一方、「健康寿命」は、日常生活を大きな支障なく、自分のことを自分でこなせる期間のことを指すと説明されています。厚生労働省の情報サイトでも、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と紹介されています。厚生労働省
最近のデータでは、日本人の健康寿命は平均寿命よりも男性でおよそ9年、女性で10年前後短いとされています。つまり、「生きている時間」と「元気に動ける時間」には、まだ差があるということです。厚生労働省 健康寿命の令和4年値について
ここで大事なのは、年齢そのものより、「今の生活習慣」が健康寿命に大きく影響していると考えられている点です。年を重ねたことは変えられませんが、これからの数年・数十年をどう過ごすかは、今から少しずつ変えていくことができます。
「若返る」より「今から先を整える」という発想
若い頃に戻ることはできませんが、「今から先をどう整えるか」は誰にでも考えられます。具体的には次のような発想です。
- 体重の数字だけではなく、「自分で歩きたい場所に歩いて行けるか」を大事にする
- 多少の不調や疲れをゼロにするのではなく、「回復しやすい体」を目指す
- 何歳まで生きるかより、「何歳まで好きなことを楽しめるか」をイメージする
こうした視点に切り替えると、「年齢を言い訳にする」気持ちが少しだけ弱まり、「未来の自分のために、今日できることをしてみよう」という方向に自然と意識が向きやすくなります。
年齢を言い訳にしたくなる本当の理由をやさしく整理してみる
とはいえ、「もう歳だから…」という言葉が出てくるのには、それなりの理由があります。ここを責めてしまうと苦しくなってしまうので、「そう感じてしまうのも自然だよね」という前提で整理してみます。
1. 昔の自分と比べてしまう
20代・30代の頃と比べると、どうしても筋力や持久力は落ちやすくなります。階段で息が上がったとき、「昔はこんなことなかったのに」と思うと、がっかりしてやる気が下がりやすくなります。
しかし、統計的にも、年齢とともに筋肉量が少しずつ減っていくことは自然な変化だとされています。国の調査でも、60歳以上では年齢とともに骨格筋量がゆるやかに低下する傾向が示されています。国民健康・栄養調査(e-Stat)
「昔と違うからダメ」ではなく、「今の体に合ったペースを探す時期に入った」ととらえるだけでも、気持ちが少しラクになります。
2. 失敗経験が心のブレーキになっている
ダイエットやジム通い、ウォーキングなどを何度も「やってはやめて」を繰り返していると、「どうせまた続かないだろう」と思ってしまうことがあります。これも自然な心の反応です。
ぼくも、ライザップに通う前に自己流のダイエットで何度もリバウンドしてきました。「もう失敗したくない」という気持ちが強くて、最初の一歩を踏み出すまで時間がかかったのをよく覚えています。
3. 情報が多すぎて何から始めたらいいかわからない
テレビやネットでは、「この運動がいい」「この食事法が流行っている」とたくさんの情報が流れています。真面目な方ほど、「全部やらなきゃ」と思ってしまい、かえって動き出しにくくなることもあります。
年齢を理由にする裏には、「本当は気になっているけれど、どう始めたらいいかわからない」という迷いが隠れていることも多いように感じます。
年齢を味方にする体づくりの3つの視点
ここからは、年齢を言い訳にするのではなく、むしろ年齢を味方にしていくための体づくりの視点を3つに分けて整理します。
視点1:まずは「今の自分の状態」を知る
健康寿命を意識した体づくりでは、「若い頃に戻ること」よりも、「今の状態を知って、少しずつ改善していくこと」が大切だと感じています。
- 年に1回の健康診断や人間ドックの結果をきちんと見直す
- 体重だけでなく、ウエスト周りや握力・歩くスピードなども意識してみる
- 階段を上がったときの息切れ具合、翌日の疲れの残り方を観察する
最近では、体組成計などで筋肉量や体脂肪率、推定骨量などを測定し、健康寿命を意識した体づくりに役立てる取り組みも国産メーカーから提案されています。例えばタニタのコラムでは、「体組成計で今の状態を知ることで、自分に合った運動や食事の方向性が見えやすくなる」と紹介されています。タニタ 健康寿命に関するコラム
こうしたツールはあくまで「参考」として活用しつつ、数字に一喜一憂しすぎないことも大事だと思います。
視点2:「ゼロから完璧」ではなく「すでにやれていること」を土台にする
年齢を重ねるほど、仕事や家庭、介護など、抱えている役割が多くなりがちです。その中で「運動も食事も全部がんばる」のは、なかなか現実的ではありません。
そこでおすすめなのが、「すでにできていること」を土台にして考えるやり方です。
- 通勤や買い物で、すでに1日30分は歩いている → まずはその歩きを少しだけ意識して丁寧にしてみる
- 朝のテレビ体操だけは続いている → そこに1種目だけ簡単な筋トレを足してみる
- 夜の晩酌は楽しみ → その代わり、1杯減らして水やお茶をプラスする
「今の生活の延長で変えられるところはどこか?」という視点で見直すと、年齢に関係なく始められることが増えていきます。
視点3:がんばる日と休む日のリズムをつくる
健康寿命を伸ばす体づくりは、「短期間の激しい追い込み」ではなく、「ゆるく長く続けるマラソン」のようなイメージに近いと思います。
週に7日すべてをがんばるのではなく、
- 「よく動く日」:ウォーキングや筋トレを意識する日
- 「体を休める日」:ストレッチや睡眠を大事にする日
というように、リズムを決めておくと、「続かなかった」と自分を責めにくくなります。年齢に合わせたペース配分を自分で決めてしまうことが、年齢を言い訳にしない体づくりの土台になります。
今日からできる「年齢を言い訳にしない」動き方の工夫
ここからは、具体的な「動き方」のヒントをいくつか紹介します。あくまで一例なので、体調や持病の有無に合わせて、できそうなものだけ取り入れてみてください。
1. ウォーキングを「移動」から「体づくりの時間」に変えてみる
スポーツ庁関連の情報では、ウォーキングは有酸素運動の一つとして、脂肪燃焼や生活習慣病の予防、脳の活性化などに役立つと紹介されています。スポーツ庁 METsに関する解説
いきなり長時間歩く必要はありません。例えば、
- いつもの通勤・通学ルートで「1駅分だけ歩く」日を週に1〜2回つくる
- 買い物に行くとき、少し遠回りになるけれど歩道が整っている道を選ぶ
- エレベーターの代わりに、1フロア分だけ階段を使ってみる
といった工夫でも、積み重ねると立派な体づくりになります。歩くときは、
- 背筋を軽く伸ばす
- 肘を少し後ろに引くイメージで腕を振る
- つま先で地面を蹴る感覚を意識する
といったポイントを押さえると、同じ時間でも体全体を使いやすくなります。
2. 自宅でできる「かんたん体操」を1つだけ習慣にする
東京都などの自治体でも、フレイル予防や介護予防の一環として、自宅でできる簡単な体操動画が公開されています。スクワットやもも上げ、かかと上げなど、筋力やバランスを保つのに役立つ動きが丁寧に紹介されています。東京都介護予防・フレイル予防ポータル
すべてに取り組もうとすると大変なので、まずは「これならできそう」と感じるものを1つだけ選んで、
- 朝の歯みがきの前に10回だけ
- 夜、テレビを見る前に1セットだけ
というように、生活のどこかにくっつけて習慣化してみると続きやすいです。
3. 負担の少ない「ゆっくり筋トレ」で筋肉を守る
加齢とともに筋肉量は少しずつ減っていくとされていますが、日々の生活の中で「筋肉に少しだけ負荷をかける」ことで、減り方をゆるやかにしていくことが期待されています。
タニタのコラムなどでは、重い重りを使わなくても、自分の体重を使いながら動作をゆっくり行う「スロートレーニング」が、運動習慣のない方や高齢の方にも取り入れやすい方法として紹介されています。タニタ スロートレーニング紹介記事
例えば、
- イスから立ち上がる・座る動作をゆっくり行う
- 壁に手をつきながら、かかとをゆっくり上下させる
といった動きでも、「3秒で下ろして3秒で上げる」ようにゆっくり行うだけで、筋肉への刺激が変わります。無理のない範囲で、呼吸を止めないように意識しながら試してみてください。
心・人間関係・習慣もセットで整えると、年齢の壁が薄くなる
健康寿命を伸ばす体づくりは、筋トレやウォーキングだけで完結するものではないように感じています。心の状態や人間関係、日々の習慣も一緒に整えていくと、「年齢の壁」がぐっと薄くなります。
1. 心が整うと、体を動かすハードルも下がる
スポーツ庁の情報では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を続けることで、気分の改善やストレス軽減がみられたという研究が紹介されています。運動は「体のため」だけでなく、「心のため」にも役立つと考えられています。スポーツと心の健康に関するデータ
逆に、心が落ち込んでいるときは、「運動しなくちゃ」と思うほど動けなくなってしまうこともあります。そんなときは、
- 5分だけ外の空気を吸いに散歩に出る
- ストレッチをしながら深呼吸を3回だけしてみる
といった「気分転換」のつもりで体を動かすところからスタートしてみるのも一つです。
2. 一緒にがんばる仲間がいると、年齢の不安が薄れる
年齢を言い訳にしにくくなる一番の近道は、「同世代でがんばっている人の姿を見ること」だと感じています。実際、ぼくがライザップに通い始めたときも、同じような年代、あるいは自分よりも上の世代の方がトレーニングに取り組んでいる姿を見て、とても励まされました。
運動の場所はジムに限りません。
- 近所の公園で、時間を決めて集まるウォーキング仲間
- オンラインでつながる体操サークル
- 職場の仲間との「1日8000歩チャレンジ」
など、自分が参加しやすい形で「ゆるいつながり」を作っておくと、「今日はやめようかな」という気持ちが出てきたときの支えになります。
ぼく自身のライザップでの体験談や、仲間とのやり取りについては、
でも、かなり正直に書いています。「同じ年代でもここまで変われるなら、自分も少しやってみようかな」と感じてもらえたらうれしいです。
3. 「人生の楽しみ」とリンクさせると続きやすい
健康寿命を意識した体づくりは、「いつまでも仕事を続けるため」だけではなく、
- 好きな旅行を、もう何年も楽しめるようにする
- 孫や家族と一緒に出かける体力を残しておく
- 趣味のゴルフや登山、ダンスを長く続ける
といった「人生の楽しみ」とセットで考えると、ぐっと前向きになります。
ぼくも、「この先もおいしいものをおいしく食べられる自分でいたい」「行きたい場所に自分の足で行ける自分でいたい」という気持ちが、体づくりを続ける大きな原動力になっています。
運営者・和久井の「年齢を言い訳にしなかったチャレンジ」
ここで、少しだけぼく自身の話もさせてください。
ライザップに通い始めたのは、50代半ばの頃でした。当時は体重もかなり増えていて、「このままではまずい」と感じているのに、なかなか一人では変えられませんでした。「この年から変われるのかな」という不安も大きかったです。
それでも、「今から先の10年・20年を元気に過ごしたい」という気持ちを優先して、一歩踏み出しました。その結果、約33キロの減量を経験し、体力も見た目も、自分でも驚くほど変わりました。
もちろん、すべてが順調だったわけではなく、途中で停滞したり、食事で悩んだり、モチベーションが落ちたりした時期もあります。そのあたりの葛藤や、実際にどんなふうに通っていたかは、
に、かなり赤裸々に書いています。
ライザップには年齢層の高い方に向けたプログラムも用意されていて、同世代以上の方が自分のペースでトレーニングしている姿をたくさん見かけました。その雰囲気は、こちらのページでも少し紹介しています。
こうした経験を通して感じたのは、「年齢を言い訳にしない」というのは、若い人と同じことをやるという意味ではなく、自分の年齢に合ったやり方で、一歩踏み出す勇気を持つということでした。
「今からでも遅くない」を習慣にするための小さなコツ
最後に、「年齢を言い訳にしない」ために、日々の生活で意識しやすい小さなコツをいくつかまとめます。
1. 「年齢のせい」を別の言葉に言い換えてみる
つい「もう歳だから」と思ったとき、心の中でこんなふうに言い換えてみるのも一つの方法です。
- 「もう歳だから」 → 「今の体に合うやり方を探そう」
- 「若い頃みたいにはいかない」 → 「今だからできるペースがある」
- 「今さら変われない」 → 「これからの10年のために、今日から少し変えてみよう」
言葉を変えるだけでも、行動へのハードルが少し下がることがあります。
2. 「できなかった日」より「また再開できた日」に注目する
体づくりは、途中でお休みしてしまう日があって当然です。大事なのは、「続かなかった自分」を責めることではなく、「また再開できた自分」をちゃんと認めることだと思います。
- 1週間サボってしまった → それでも今日、また5分歩けた
- 食べすぎてしまった → 次の食事で野菜を少し多めにしてみた
そんな小さな「再スタート」を積み重ねていくことで、「自分はやり直せる」という感覚が育っていきます。
3. 自分のタイプを知って、がんばり方を選ぶ
人によって、向いているやり方やつまずきやすいポイントはけっこう違います。ぼくは、自分と同じように悩む人のために、体質や性格のタイプから「痩せない原因」や「勝ちパターン」を探る診断ツールも用意しました。
「自分はどんなタイプかな?」と知りたいときは、
も、参考になるかもしれません。自分のタイプを知っておくと、「このやり方は合わなかっただけかもしれない」と受け止めやすくなり、年齢のせいだけにしなくてすみます。
まとめ:年齢を言い訳にしないことは、「今の自分をあきらめない」ということ
ここまで、「年齢を言い訳にしない健康寿命重視の体づくり」というテーマで、考え方や具体的なアイデアを整理してきました。
- 健康寿命は、「何歳まで元気に動けるか」を考える指標
- 年齢を言い訳にしたくなるのは、ごく自然な心の反応
- 「今の状態を知る」「すでにできていることを土台にする」「自分のペースのリズムを決める」が土台
- ウォーキングや自宅体操、ゆっくり筋トレなど、年齢に合わせて選べる方法はいろいろある
- 心・人間関係・習慣も整えることで、「年齢の壁」が薄くなる
何より伝えたいのは、年齢を言い訳にしない=無理をすることではないということです。できているところは素直に認めて、少し変えられそうなところだけ、今日からそっと動かしてみる。そんな積み重ねが、数年後の自分の「元気に動ける時間」をきっと支えてくれます。
ぼく自身も、これから先の人生を考えると、「健康寿命」を意識した体づくりはまだまだ続きます。一緒に、年齢を味方につけながら、無理のないペースで前に進んでいきましょう。

