「最近、なんだか楽しいことが少ないなあ」
そんな感覚が続くと、心だけでなく体の元気も落ちてくることがあります。
とはいえ、いきなり大きな目標を立てたり、劇的な出来事を起こしたりするのは、なかなか現実的ではありませんよね。
そこでこの記事では、一日の中の「ちょっとだけうれしかったこと」をメモしていく
「小さな喜びメモ」という習慣を紹介します。
派手さはありませんが、人生後半の私たちの
「元気に動ける時間=健康寿命」をそっと底上げしてくれる、心のトレーニングのようなものです。
ライザップで33kg減量した私・和久井も、ダイエット中に「今日よかったこと」を書き出すことで、
心が折れずに続けられたと感じています。
運動や食事だけでなく、心の習慣もいっしょに整えていきましょう。
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「幸せホルモン」と小さな喜びメモの関係
テレビや雑誌などで、「幸せホルモン」という言葉を目にすることが増えました。
これは正式な医学用語ではありませんが、
気分の安定や安心感に関わる脳内物質として
セロトニン・ドーパミン・オキシトシンなどがよく紹介されます。
たとえば厚生労働省の「e-ヘルスネット」では、セロトニンについて
「他の神経伝達物質の情報をコントロールし、精神を安定させる働きがある」と説明されています。
詳しく知りたい方は、
厚生労働省「セロトニン」
も参考にしてください。
また、ドーパミンは「達成感・快感」、オキシトシンは「人とのふれ合いによる安心感」に関わると考えられていて、
これらがバランスよく働くことで、心が穏やかで前向きになりやすいとされています。
最近の心理学や脳科学の研究では、
「感謝できること」や「うれしかった出来事」に目を向ける習慣が、
幸福感や人間関係の質の向上につながりそうだ、という報告も増えてきました。
いわゆる「感謝日記」や「ポジティブ日記」と呼ばれるものです。
実際に、感謝できることを書き出していくことで、
・気分が安定しやすくなる
・ストレスに立ち向かう力が高まりやすい
・人とのつながりを感じやすくなる
といった変化が見られたという研究も報告されています。
こうした研究はあくまで「傾向」を示したもので、誰にでも同じ効果が出ると決まっているわけではありません。
ただ、小さな喜びに目を向けてメモを残すことが、
心と体にとって<やさしい追い風>になりそうだ、ということは言えそうです。
小さな喜びメモの基本のやり方
ここからは、実際のやり方をできるだけシンプルにまとめてみます。
「こんなに簡単でいいの?」と感じるくらいでちょうどいいと思ってください。
道具は「なんでもOK」気楽なものを選ぶ
- お気に入りのノートとペン
- 手帳のメモ欄
- スマホのメモアプリ
- カレンダーアプリの一言メモ
どれが正解ということはありません。
「自分がいちばん開きやすい場所」につくるのがポイントです。
スマホが得意ならアプリ、紙が好きならノート。
人前でも気にならないようにしたい場合は、パッと見て内容が分かりにくい略語を使っても構いません。
書くタイミングは「寝る前3分」がおすすめ
落ち着いて一日を振り返りやすいのは、やはり夜です。
寝る前の3分だけ、小さな儀式のようにノートを開いてみるイメージです。
もちろん、朝や昼休みでもOKです。
大切なのは「自分が続けやすい時間帯を決めておくこと」。
1日の好きなタイミングで、3つ前後の「うれしかったこと」を書いてみましょう。
何を書く?基本は「事実+ひと言の気持ち」
難しく考えず、次のような形で十分です。
- 朝、窓を開けたら風が気持ちよかった → 「さわやかで良い朝だった」
- バスで席を譲ってもらった → 「ありがたかった」
- スーパーで好きな豆腐が安くなっていた → 「得した気分」
- 散歩中に見た梅のつぼみがふくらんでいた → 「季節を感じてうれしい」
「こんなささいなことを書いて意味があるのかな?」と感じるかもしれません。
でも、喜びメモのねらいは「特別な出来事を集めること」ではなく、
日常の中から小さな喜びを見つけるクセを育てることです。
うまく続けるための3つのゆるルール
- 完璧に書こうとしない…箇条書きでOK。漢字を間違えても気にしない。
- 人と比べない…「もっとすごい出来事がないとダメ」と思わなくて大丈夫。
- 見返されても困らない表現にする…心配な人は、少しぼかした書き方に。
「あとで誰かに見せる立派な日記」ではなく、
「自分だけのメモ帳」と考えると、ずっと気が楽になります。
どんなことを書けばいい?小さな喜びメモの具体例
ここからは、実際にどんな内容を書いていけそうか、イメージがふくらむように具体例をまとめてみます。
そのまま真似してもいいですし、「自分バージョン」に言い換えて使ってみてください。
① 朝の時間に見つける喜び
- いつもより5分早く起きられた
- 朝の白湯(さゆ)が体にしみた感じがした
- ベランダから見る空の色がきれいだった
- ラジオ体操で体が少し温まった
- 家族の「いってらっしゃい」がうれしかった
朝のスタートに小さな喜びを見つけられると、その日一日の「心の姿勢」が少し上向きになります。
たとえ夜に思い出して書くとしても、「そういえば朝、あんなことがあったな」と振り返るだけで、
その瞬間の心の温度が少し上がるような感覚があります。
② 日中の「ほっとした瞬間」をすくい上げる
- 混んでいると思っていた電車が意外と空いていた
- コンビニで店員さんの笑顔に癒やされた
- 同僚や友人から「ありがとう」と言われた
- 今日の仕事の山場をなんとか乗り越えた
- 散歩中に犬や猫と目が合ってなごんだ
忙しい一日の中でも、「ちょっとラクになった」「くすっと笑えた」瞬間は、意外とたくさんあります。
それらを意識的にすくい上げることで、
「自分の一日は悪くなかった」と思いやすくなります。
③ 夜の静かな時間に出てくる喜び
- お風呂でゆっくり湯船につかれた
- お気に入りの入浴剤の香りに癒やされた
- 夕食の味付けがうまくいった
- 録画しておいたドラマを楽しめた
- 布団に入ったとき「今日も一日終わった」とホッとした
夜の喜びは、そのまま睡眠の質にもつながっていきます。
心が穏やかな状態で眠りにつけると、翌日の体の調子も変わってきますよね。
④ 「人とのつながり」に関する喜び
- 離れて暮らす家族からLINEが来た
- 友人の近況を聞いて、元気そうで安心した
- 職場でちょっとした冗談を言い合って笑えた
- コンビニで常連の店員さんと目が合って会釈した
- SNSで自分の投稿に「いいね」がついてうれしかった
オキシトシンは「愛情ホルモン」と呼ばれることもあり、
人との触れ合いや優しいやりとりによって分泌されやすいと考えられています。
直接会う機会が少なくなっても、小さなつながりを感じられた瞬間をメモすると、
心の中に「一人じゃない」という実感が残りやすくなります。
⑤ 自分を認める喜び
- 今日は間食を一回ガマンできた
- エレベーターではなく階段を使った
- 散歩に出る気分ではなかったけれど、5分だけ歩けた
- イライラしそうな場面で、一呼吸おいて話せた
- 予定していたことが全部はできなくても、「まあいいか」と思えた
「できなかったこと」よりも「できたこと」に目を向けると、自己肯定感が少しずつ育っていく感じがします。
小さな前進を喜べる人は、健康習慣も続けやすいように感じます。
幸せホルモンが喜ぶ生活習慣とメモの相乗効果
小さな喜びメモは、それだけでも心のトレーニングになりますが、
生活習慣と組み合わせると、より「幸せホルモン」が働きやすい土台ができてきます。
朝の光とリズム運動でセロトニンを応援
医療機関の情報によると、セロトニンは太陽の光やリズム運動で活性化しやすいと考えられています。
たとえば、
- 朝、カーテンを開けてベランダや玄関先で光を浴びる
- 近所を10〜15分だけ散歩する
- ゆっくり深呼吸をしながら歩く
こうした習慣に、「散歩中に見た景色」「気持ちよかった風の感触」などを喜びメモとして残しておくと、
その時間が「ただ歩いた時間」ではなく、
心と体を整える大事な時間として記憶されやすくなります。
食事・睡眠の小さな工夫もメモしてみる
セロトニンの材料になるトリプトファンは、乳製品・大豆製品・卵などのたんぱく質に多く含まれているといわれています。
「専門的な栄養管理を完璧に」というよりは、
・納豆・豆腐・ヨーグルトなどを、無理のない範囲で日々の食事に取り入れてみる、くらいのイメージで十分です。
また、厚生労働省のサイトでも、こころの健康を保つうえで睡眠の役割が大きいことが紹介されています。
寝る前のスマホ時間を少し短くしてみたり、夜のカフェインを控えてみたり、できるところから整えていきたいですね。
こうした「体を整える習慣」を実践できた日も、ぜひ喜びメモに書いておきましょう。
「今日は22時半に布団に入れた」「夜ごはんを少し軽めにできた」…。
行動を言葉に残すことで、自分の変化を実感しやすくなります。
三日坊主でも大丈夫。「喜びメモ」を続けるコツ
「続ける自信がない」という方も多いと思います。
ここでは、三日坊主を前提にした、ゆるい続け方のアイデアを紹介します。
まずは「2週間だけの実験」と考える
ある研究では、「今日できたこと」を2週間記録しただけでも、
働く人の意欲(ワーク・エンゲイジメント)が高まったという報告があります。
永遠に続けようと身構えるより、
「まずは2週間だけ試してみる」くらいの軽さで始めると気持ちがラクです。
2週間続いたら、そこで一度ふり返ってみましょう。
「心の中でどんな変化があったか」「どんなメモが多かったか」を眺めるだけでも、自分の傾向が見えてきます。
書けない日は「1行だけ」か「お休みマーク」
疲れている日や、どうしても気分が乗らない日もあります。
そんな日は、
- 喜びを1つだけ書く(「無事に一日終わった」でもOK)
- ノートに「おやすみ」とだけ書いて寝る
- 小さな絵文字(◎、△、顔マークなど)だけ描いて終わりにする
大切なのは、「書けない自分を責めないこと」。
メモが空白の日があっても、それはそれで「ちゃんと休めた日」として意味があります。
ときどき過去のページをめくってみる
1か月に一度くらい、「過去のページをパラパラめくる時間」をつくってみてください。
そこには、忘れていた小さな喜びがたくさん並んでいるはずです。
読み返してみると、
- 自分が何に喜びを感じやすいタイプなのか
- どんな日が調子よく過ごせているのか
- どの時期に「人とのつながり」を強く感じていたのか
そんなヒントが見えてきます。
これは、未来の自分への「応援メッセージ帳」のようなものだな、と感じています。
ライザップ体験で感じた「記録の力」
ここで少し、私自身の話もさせてください。
私は50代でライザップに通い、33kgの減量に挑戦しました。
そのときも、毎回のトレーニング内容や体重だけでなく、
「今日うれしかったこと」「トレーナーに言われて励まされた言葉」をノートに書き残していました。
正直なところ、順調な日ばかりではありませんでした。
体重が増えて落ち込んだ日もあれば、仕事でクタクタになってジムに行くのがしんどい日もあります。
そんなとき、過去のページをめくると、
- 「スクワットの回数が少し増えた」
- 「トレーナーに『姿勢が良くなりましたね』と言われた」
- 「サイズダウンした服が入ってうれしかった」
などのメモがぎっしり。
「こんなにたくさん、いい日があったんだな」と思えるだけで、
もう少し頑張ってみようという気持ちが湧いてきました。
そのときの詳しい記録や気持ちの変化は、
リバウンド経験者がライザップで変わった体験談【和久井編】
にまとめています。
体の変化だけでなく、心のゆれも含めて正直に書いていますので、
興味のある方はのぞいてみてください。
体づくりのノートも、「小さな喜びメモ」も、
根っこにあるのは「自分の変化を言葉で確かめること」だと感じています。
心がしんどいときの注意点と相談先
ここまで、小さな喜びメモの良さをお話ししてきましたが、
中には「どうしても喜びを見つけられない」「メモを書こうとすると余計につらくなる」という時期もあるかもしれません。
そんなときは、無理にポジティブになろうとしなくて大丈夫です。
むしろ、「つらい」「しんどい」という気持ちに気づけたこと自体が、とても大切なサインです。
厚生労働省の「心の健康」に関するページでは、こころの病気は誰にでも起こりうること、
つらさを一人で抱え込まず相談することの大切さが紹介されています。
公的な相談窓口をまとめた
こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)
や、
働く人向けの
「こころの耳」(厚生労働省)
などもあります。
「最近眠れない日が続く」「何をしても楽しくない状態が長く続いている」といった場合は、
こうした公的サイトの情報も参考にしつつ、
無理をせずに医療機関や相談窓口の力を借りることも検討してみてください。
今日から始める「小さな喜びメモ」
健康寿命というと、「運動をもっとしなきゃ」「食事をガラッと変えなきゃ」と、
どうしても大仕事のように感じてしまいがちです。
でも、私たちの心と体は、日々のささやかな積み重ねにいちばん影響を受けます。
小さな喜びメモは、こんなに簡単です。
- ノートやアプリを1つ決める
- 寝る前3分、今日「うれしかったこと」を3つ書く
- 書けない日は「おやすみ」とだけ書くか、何も書かなくてもOK
たったこれだけですが、続けていくと、
・自分の一日を少し丁寧に味わえるようになる
・「悪いことばかりではなかった」と思える日が増えてくる
・人との小さなやりとりにも、あたたかさを感じやすくなる
そんな変化を感じる方も多いようです。
人生の折り返しを過ぎた私たちにとって、
「どれだけ長く生きるか」以上に大切なのは、
「どれだけ心の満足度の高い日々を積み重ねるか」かもしれません。
ぜひ今夜から、ノートの片すみに、スマホのメモに、
今日の「小さな喜び」を一行だけ書いてみてください。
その一行が、未来のあなたの健康寿命を支える、やさしい一歩になるはずです。


